カーグラフィックTV
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『カーグラフィックTV』とは、音楽プロデューサー松任谷正隆が司会をつとめる自動車情報番組。1984年スタート。 かつてはテレビ朝日でも放送されていたが、現在ではテレ朝系列局の一部とBS朝日、一部の独立UHF局で放送されている。また、CSのテレ朝チャンネルでは、地上波のバックナンバーとBS朝日放送分の再放送が行われている。2006年に1000回を突破した。
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[編集] 歴史
[編集] 初期 (1984年10月~1986年?)
- 雑誌「カーグラフィック」(以下、CG誌と略) の監修を得た番組として1984年10月に番組がスタートした。初期はバラエティ番組要素が強く、CG誌編集部員をタレント化したコーナーもあった。
- 30分間の間に、新車インプレッション、モータースポーツなどをとりあげていた。
- どう見ても素人の若い女性(CGガール)にインプレッションをさせるコーナーが存在、当時の深夜番組「11PM」や「オールナイトフジ」みたいだという感想が読者から大量に寄せられ酷評された。
- これら初期の番組構成については、後の1000回放送の頃に田辺憲一(CG編集者。第二期以降レギュラー出演)が「当時はCGのTV番組として何をすべきか試行錯誤の状態であった」と述懐している。
- テーマ曲はボーイズ・タウン・ギャングの「天使のささやき」(スリー・ディグリーズのカヴァー) だった。
- ナレーションは神谷明だった。
[編集] 第二期 (1986年?~2001年3月)
- 司会に松任谷正隆を起用。元からCG誌の熱烈な愛読者であったが、番組に関わる前の一視聴者時代はこの番組の演出や編集方針にはかなり不満をもっていたので、第一期から第二期への大幅な制作方針の変更にはかなり氏の意向が加わっている。
- 基本的には松任谷・女性司会・田辺がメインだが、女性司会の登場は総じて少なかった。時に応じて他の編集者やNAVIの編集者が登場する。重要取材や独占取材の時等にごく稀に小林彰太郎が出る事もあった。
- 松任谷を始めとして外国車の機能性・機能美を信奉する傾向が強く、国産車には手厳しい。バブル期以降の重厚長大的な国産車の流れに否定的で、早くから小型車やエコロジーカーを評価していた事は賞賛出来る。国産車の丸みを帯びた女性的なイメージの車を“媚びる”“女性をターゲットにして車を買わせる”等と酷評する。基本的に松任谷を始めとして、高級外国車(主にヨーロッパ車)を礼賛するイメージが強く、庶民には手の出ない雲の上のような話をしている感じが全体的に流れていた。
- 純粋な“車好き”を意識した番組作りの為に、車の乗り心地やスペック等は細かく批評するが、価格についてはほとんど紹介されず、庶民意識との乖離が判るが、当の松任谷以下出演者は意に介していないようだった。
- その名の通り、カーグラフィックをただ映像化しただけの感じが強く、美しい車が美しい場所を美しく走るという洒落たイメージシーンが頻繁に挿入され、生活感は全く無い。この辺りは実用的な「新車情報」とは正反対である。
- 全体的に“金持ちのインテリ”的な、良く言えば「エンスージアズム」な雰囲気が随所にあり、車を純粋に楽しみ、趣味としての乗車というスタンスがある。これは松任谷の意向が強いと思われ、出演するCG編集者は松任谷の意見に迎合し、松任谷はCG編集者の知識に迎合するという一種の「松任谷正隆の趣味の番組」的なイメージが非常に強い。それがマンネリ化した辺りから、スポンサー企業が撤退したという考えも無くもない。
- 女性司会は初代松居一代、2代目矢吹藍子、3代目川口雅代。
- 第二期よりナレーターは古谷徹である。
- オープニング&エンディング曲は、松任谷正隆が番組のためにオリジナルに作った「THE THEME OF WINNER」。この曲は市販はされなかったが、CG誌2002年4月号の付録CDとして収録された。ちなみに、番組終了時の提供テロップにかかっていたBGMは、アメリカのフュージョンバンド、イエロージャケッツのアルバム『Shades』(1986年)収録の「AND YOU KNOW THAT」。
- 1999年頃になると、放送開始から続いていたスポンサー企業、出光興産・パイオニアが相次いで撤退し、それに伴いネット局の縮小や関東地区の放送時間が深夜3時台 (「大相撲ダイジェスト」期間中は、深夜4時台) にまでずれ込んだ。
- 2001年3月に一旦番組を終了した。
- 現在、CS放送およびケーブルテレビで観られる「テレ朝チャンネル」にてこの第二期にあたる過去の放映分を毎日オンエアしている。
[編集] 第三期 (2001年10月~)
- 半年間の充電期間を経て復活した。しかし制作局のテレビ朝日では放送されず、首都圏では独立UHF局で放送されている。
- 2005年4月からは制作がBS朝日に移行し、同時にハイビジョン収録になったが、それに伴い一部地域ではネット打ち切りとなった。また、同時にBS朝日の番組スポンサーの意向により、ディーゼル乗用車(ボッシュ)や東京オートサロン (ブリヂストン、コクピット (カー用品店))、水素自動車(出光興産)など、今までCGTVで取り上げることのなかったテーマも紹介した。
- 新型車の紹介時は一応テロップで価格が紹介される様になった他、番組中でも松任谷、田辺らが(彼らなりにではあるが)車の価格に対する満足度などをコメントしたりする事もある。
- オープニング曲は、松任谷正隆が番組のためにオリジナルに作った「THE LAST RUN」。CDは第二期のOP.EDと同梱だった。
- ネット局が減る一方で、2006年4月より東京MXテレビで新たにネット開始。BS朝日の放送分より約3か月分遅れての放送となっている。
[編集] 特別番組 (Car Graphic TV SPECIAL)
- 2003年4月20日 (全国ネット、90分) - An engine like no other The Rotary
- 2004年9月11日 (テレビ朝日放送分) - ディーゼル革命
- 2006年1月3日 (BS朝日のみ、60分) - 1000回記念特番
- 2006年12月27日(テレビ朝日放送分、BS朝日では2007年1月3日放送予定) - 日産・スカイライン特集。
[編集] 地上波ネット局
[編集] ANN系
岩手朝日テレビ、青森朝日放送、秋田朝日放送、山形テレビ(同局がANNを一時離脱してFNNフルネットだった頃からネット)、静岡朝日テレビ、北陸朝日放送、広島ホームテレビ、瀬戸内海放送、大分朝日放送、琉球朝日放送
[編集] クロスネット局
[編集] その他
[編集] かつて放送されていた局
- 北海道テレビ放送、福島放送 (~2005年3月)、メ~テレ、ABCテレビ、長野朝日放送、KBCテレビ
- 四国放送(~2005年3月)、テレビ埼玉 (~2005年3月)
- テレビ信州
- チューリップテレビ
- 北日本放送
- 北陸放送
- 鹿児島放送
- KBS京都(2006年9月24日で終了)