ロックマンX (漫画)
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『ロックマンX』(ろっくまんえっくす)は、アクションゲームであるロックマンX~ロックマンX4を原作として1994年~1998年までコミックボンボンで連載されていた、岩本佳浩の漫画作品。
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[編集] 漫画版の概要
基本的にゲームの展開に沿いながらも、岩本独自のシリアスで熱い解釈によって再構築されたストーリーは、多くの読者を惹きつけゲームとの相乗効果で高い人気を博すまでに至った。当時カプコン第二開発部長(現:常務取締役)だった稲船敬二も岩本の漫画に刺激を受け、よりストーリーに力を入れるようになったという逸話もある(コミックボンボン1997年8月号のインタビューにて、そう発言している)。
4作目に当たるX4は当初シリーズ最大のボリュームの構想で、プロローグだけで2話も費やした。当時の児童たちもシリーズ中最も重厚なストーリーに没頭していた。しかしコミックボンボン誌内の大幅な路線変更の煽りを受け、当初の構想の6割くらいが進んだ時点で打ち切りが決定。まだボスキャラを7体も残している状況で残り2話で完結させるという荒業をせざる得なかった。1話で一気に4体のボスを倒し、最後の1話で残りの2体を倒しつつエックスとゼロのドラマも補完し、ラストボスとの戦いに向かう所で終了した。それは子供目にも不自然で予定通りではないと解るラストであった、だが却ってそれが「もし予定通りにいってれば・・・」という想像をいつまでも抱くこととなり、当時の読者達の心にロックマンXが残り続ける結果となった。
岩本本人はアクションゲームが苦手らしく、上手な人のプレイを収録したビデオを参考にクリアしていた(ロックマン10年史大事典と復刊版ロックマンX第1巻参照)。また、ロックマンX3の復刊コミックスが出た際こぼれ話にて、3度もΣがラストであるから「本家と異なり、繰り返しの楽しみがある訳ではないから、書くのが難しい」と称している。対照的に、楽しく描いたのはVAVAらしい。
また、漫画版ではいくつもの名(迷?)ゼリフがあり、特にX3で登場したヴァジュリーラFFの狂気に満ちたセリフは、今でもファンの語り草となっている。
[編集] 主要キャラクター
ここでは、漫画での設定について記す。
- エックス
- 主人公のレプリロイドで、イレギュラーハンター。漫画版独自の設定では唯一涙を流す事ができるレプリロイドであり、よりエックスが人間に近い感情を持っている事を証明している。また、タイガードの話では悲惨な死体を見て嘔吐しており(吐いていたのはネジなどの部品だが)、ゼロに「ほんと人間くさいな」とやや呆れ顔で言われていた(X3)。そのせいか、意外にコミカルで表情豊かな一面を見せることがある。
- 尚、漫画版X2では「2連バスターに憧れている」と発言。ごく短期間ではあるが同作品内で念願のダブルチャージショットが使えるようになる。
- 漫画版X4では爆死と思われたが生きていた。この経緯は不明のままである(キバトドスの話のラストにダブルが登場したので、恐らく犯人は彼であろう)。
- 明らかに戦闘能力面においては原作ゲームの彼より強くなっている。たった1人でカウンターハンターの3人を一度に相手にして辛勝とは言え1対3を制したり、アーマー無しでゼロと互角に戦えたりする(X2)。ロボットらしからぬ繊細な感情の持ち主の彼は後に、「遂に戦友の死に暴走してしまう」というエピソードも用意されている(X4)。
- X4では、ゼロに斬られ殴られ、バッファリオは死んで彼自身は暴走してしまい、ダブルがΣの部下で裏切りに遭う等、踏んだり蹴ったりであるが立ち直れる辺り、強靭な精神力の持ち主である。
- 相手の武器チップを取り込み、己の武器として使用できるのはゲームと一緒だが、作中では絶え間ない進化を続ける究極のレプリロイド、「ロックマン」の継承者という設定になっている。
- ゼロ
- 特A級のイレギュラーハンター。エックスの親友であり、よき理解者(当初は先輩だった)。高い実力を備えており、並みのレプリロイドならば持ち続けることすら困難な高出力のビームサーヴァー「ゼットセイバー」を片手で振るうほどで、ゼロの居合いは光の速度を誇る。
- また、ヘルメットを脱いだ時の髪型はオールバックという漫画版独自の設定がなされている(カツラの疑いもあるが)。
- X4にて「自分が間違いを犯したら、エックスが殴るだろう」と言っていたが、最終回では逆に、エックスは殴られた(だが、これは八つ当たりである)。余談だがX4の冒頭でエックスは彼が離反した時にビームサーヴァーで斬られてもいる辺り、やや自分勝手な所がある。
- X1のボスキャラ、ストーム・イーグリードとは良い友人だったがある事件を境に疎遠になってしまった。エックスとは違い、涙を流す事は出来ないため、ストーム・イーグリードの死の際はそれを泣く事が出来るエックスを羨ましがっていた。
- Dr.ケイン
- シグマを含む、多くのレプリロイドの生みの親。自分が作ったレプリロイド達を子供のように思っており、X1で死んだレプリロイド達の墓を立て、ゼロの修復を試みていた(X2の時点ではゼロもケイン製のレプリロイドだったような描写も見られる)。エックスの2連バスターの話を聞き、『5連バスター(両手足に加えて顔がバスターになっている)を作ってやる』などとギャグを連発するが、ストーリーが進むにつれ真剣になる。Dr.ドップラーとは人間とレプリロイドの立場を超えた友人同士であったため、X3では彼の暴走に衝撃を受ける。
- X4では、X3の戦いの後、連絡をしてくれなかったエックスに対し根に持っており、青汁風味のオイルを飲ませた。
- シグマ
- ケインの最高傑作であるレプリロイド。イレギュラーハンターとして活動していたが、レプリロイドのための世界を作るために反乱を起こし、自らイレギュラーと化す。
- なお彼の特徴でもあるまぶたの模様は、自身に逆らって人間の味方をしたカイルを右手の指に搭載したマシンガンで射殺した後に、発射時に生じた熱を利用して自ら焼きつけたものである。人間で言うところの「刺青」に近いこの行動とそのときの彼の表情からは、人間に反旗を翻したイレギュラーとしての彼の狂気が非常に強く感じられる。
- 復刊版によれば、作者が一番描きづらいキャラらしい(何度も登場するから)。
- VAVA(ヴァヴァ)
- エックスとゼロの前に立ちふさがるレプリロイドで、特A級のハンターだけあってその戦闘能力は高い。また、電子頭脳回路に異常があるため残忍。
- 漫画版独自の設定では、ピアノを弾くことができるほどの芸達者である。また、「このグラスの中身がバーボンでも泥水でも・・俺達には大差ない・・」のセリフは名言として語られている。なお、彼はシグマに完全に賛同している訳ではなく、ただエックスやゼロを破壊したいだけなのである。
- 「ロックマン」という伝説を破壊するため、継承者であるエックスを執拗に狙う。
- 余談だが、彼のライドアーマーは劇中では「特別チューンで手がかかっている」との事。
[編集] ボスキャラクター
本項では、ゲーム版には表れない漫画版オリジナルの性格や演出を中心に記載していく。公式の設定等はゲーム版での各作品のボスキャラクター項を参照されたい。
[編集] ロックマンX1
- 深海の武装将軍 ランチャー・オクトパルド
- 元第6艦隊所属の、タコ型レプリロイド。触手それぞれに敵を感知し自動追尾するセンサーが搭載されているのが漫画版独自の設定である。一人称は「わし」(ただし、倒される直前には「オレ」と発言している)。卑劣な性格でマーティをバラバラに触手で締め上げて解体するも、センサーを狂わされた後怒りのエックスに倒された。
- 幽林の妖撃手 スティング・カメリーオ
- カメレオン型レプリロイド。元は第9レンジャー部隊きっての実力者。
- クラシック音楽に傾倒(鑑賞時のソフトはレコード、プレイヤーは手回し式の骨董品という拘りようだった)し、戦いをダンスパーティーに見立てる倒錯した嗜好の持ち主。名古屋弁と思しき喋り方が特徴。エックスを捕獲するようにとのメッセージを伝えてきたΣの死者を惨殺。動物達を洗脳・武装させてエックスを襲わせるも、エックスの説得により、動物達は正気に戻る。最期はエックスバスターの強烈な光によって変色機能を麻痺され、居場所を察知される。「カーテンコールはお前が主役だ!!!!」とバスターの直撃弾を受け「バ…カ…な――っ!!!」と叫びながら玉砕。
- 鋼鉄の甲弾闘士 アーマー・アルマージ
- アルマジロ型レプリロイド。第8機甲部隊の元隊長。
- 礼を尊ぶ武人。Σの命令を無視して正々堂々とエックスに戦いを挑み、彼を追いつめるが、エレクトリックスパークに敗北。自身の爆破(Σに対する忠誠の証として、ボディ内部に裏切りと同時に起動する爆弾が仕掛けてあった)からエックスを守る為、体内の起爆装置ごと「切腹」した。最終的にヴァヴァの攻撃からエックスをかばって戦死する。身を挺して守り抜いた部下たちに至っては、先にヴァヴァによって皆殺しにされていた。最終回の最後の一コマにも、小さくではあるが、他のキャラクター達とともに(刀傷を負った顔で)描かれている。
- 灼熱のオイルタンク バーニン・ナウマンダー
- ナウマン象型レプリロイド。元第4陸上部隊隊長として中東で戦っていた。
- 小型メカニロイドがレプリロイドのスクラップを吸収して生まれ変わった存在として描かれている。幾らボディを破壊されても、本体であるメカニロイドがダメージを受けない限り、何度でも再生可能。敗北後は自身の辛い過去を吐露。その境遇を哀れんだエックスに情けを掛けられ、贖罪を条件に工場地帯に留まる事となる。X1のボスでは唯一の生存者。
- 天空の貴公子 ストーム・イーグリード
- 鷲型レプリロイド。第7空挺部隊の隊長を務めていた。
- 元第17精鋭部隊所属でゼロと友人関係であったが、旅客機ハイジャック事件でゼロの身代わりに恋人が殉職してしまったことが原因で第7空挺部隊に転属し疎遠になっていた。最期はエックスのためを思って敢えて外道を演じ、誇り高く散って逝った。
- 尚、作中ではストーム・「イグリード」と称される。この事については復刻版X2にて"件のキャラ表記に関してはコミックボンボン掲載時のものに準拠する"と結論づけられている。
- 豪速拳の雷王 スパーク・マンドリラー
- マンドリル型の、第17部隊所属の特A級ハンター。エックスを見下しておりことあるごとに「B級ハンター」と罵る自信家。しかしショットガンアイスで腕を凍らされ、エックスの秘められた強さに伝説の「ロックマン」の面影を見ながら、情けなく戦意喪失し、エックスに命乞いをした。最後はシグマ(の立体映像を伴う攻撃ビット)によって倒された。
- 時空の斬鉄鬼 ブーメル・クワンガー
- クワガタ型レプリロイド。マンドリラーと同じく、第17部隊に所属していた。
- 自らの頭脳をタワー最上階の壁面全体に移植・増築していたため、レプリロイドの限界以上の速さで動けるという設定が設けられていた。最期は頭脳を移植・増築したのが仇になり、エックスの一撃によって最上階ごと灰燼に帰す。
- 後に弟、グラビティー・ビートブードの尽力によって奇跡の復活を遂げるが、今度はバグボールの性質を逆手に取ったエックスの奇策により大破した末にブラックホール化。外部エネルギーで強化されたエックスバスターで完全消滅した。常に丁寧な口調で話す。
- 雪原の皇帝 アイシー・ペンギーゴ
- ペンギン型レプリロイド。元第13極地部隊所属の特A級ハンター。
- 反乱を起こしエックスの親友マルスらを捕らえた。どちらかというと臆病で卑怯者な、小物臭い部分が強調されている。
[編集] ロックマンX2
- 水晶の魔術師 クリスター・マイマイン
- カタツムリ型レプリロイド。シグマ製作。醜い自分の姿にコンプレックスを抱いている。マグナクォーツ(このステージの中ボス)を溺愛しており、「彼女」が倒されたことで激昂したほどである。自分以外の時間を歪め、思考能力以外を減速させる能力がある。独特の美意識を持っているのが特徴。一人称は「ボク」。
- 深海の切り裂き魔 バブリー・クラブロス
- カニ型レプリロイド。イレギュラーハンター第6艦隊に所属していた元特A級ハンター。
- 守銭奴振りに磨きが掛かり、カニ道楽型の巨大貯金箱(お金を入れると残高を告げる機能付き)に金を溜め込み、行く行くは世界だけでなくシグマをも金で牛耳ろうと目論む狂信的な拝金主義者になっている。口調は大阪弁。最後はエックスの作戦にひっかかり、「あの世で金勘定してろ!」と、バスターで縦に真っ二つにされる。
- 夢の島の堕天使 メタモル・モスミーノス
- 蛾(ガ)型レプリロイド。シグマ製作。
- 燐粉には幻影のようなものを見せる効果があり、スクラップ処理場に入ったエックスに過去の8ボス(+VAVAや、それまでの時点で倒されたX2のボス)の墓標を見せ、さらには復活したように見せて襲わせた(実際はザコレプリロイドが襲い掛かっただけ)。燐粉とスクラップによる攻撃でエックスを追い込むが、燐粉がラッシングバーナーの導火線となり燃え尽きた。常に丁寧な口調で話す。
- 凶牙の重戦車 ホイール・アリゲイツ
- ワニ型レプリロイド。元6艦隊副隊長。凶暴さに磨きがかかっており、バスターが撃てなくなったエックスをボコボコに蹂躙したが、最期はアームパーツを獲得したエックスのダブルチャージショットによってあっさりと倒された。
- 砂漠の韋駄天 ソニック・オストリーグ
- ダチョウ型レプリロイド。元々は第7空挺部隊の特A級ハンターだったが事故で飛行能力を失い、脱退していた。
- シグマに騙されてエックスと対立するが、エックスの不屈の姿にイーグリードの姿が重なり、迷いが生じる。そして自分の知らなかった巨大ミサイルが放たれるのを見て自分が欺かれていた事を悟り、ミサイルを止めようと向かうエックスを追い越し、失っていた飛行能力を復活させて特攻、戦死した。死の直前、イーグリードの霊(?)と友情を確かめ合う(尚、イーグリードの姿はエックスも見ていた)。
- 緑林の小悪魔 ワイヤー・ヘチマール
- シグマの命により気象コントロールセンターを占拠したヘチマ型レプリロイド。無邪気な性格で善悪の区別が付かず、天気をコロコロ変えては楽しんでいた。エックスとの戦闘後にケイン博士がその場で修理した(その際にΣウイルスの影響を脱したようである)ため、X2のボスでは唯一生存。なお、ゲームではシグマの秘密工場で作られた事になっているが、漫画版でもそうであるかはかなり微妙である。
- 紅のアサッシン マグネ・ヒャクレッガー
- ムカデ型レプリロイド。元は全18あるイレギュラーハンター部隊でも影の存在である第0特殊部隊に所属していたエキスパート。卑劣な性格で、女性型レプリロイド・シルキーの姿に化けてエックスを中央コンピューターに誘導して倒そうとした。最後はエックスによってマザーのむき出しの回路に押しつけられ、自らが流したウイルスにやられる。エックスと対峙した時は、己の戦略と戦闘力への自負か、敬語を使い余裕を見せるそぶりを見せていたが、何度攻撃を受けても起き上がってくるエックスに苛立ちを感じ、本来の口調を剥き出しにした。
- ヒートナックルチャンピオン フレイム・スタッガー
- 鹿型レプリロイド。エックスが率いる第17精鋭部隊の元隊員。負けず嫌いな性格で、かなり狂気の籠ったセリフ回し(挙動不審気味。「負け、負け、負け、負け、大負けだぁ~っ」「とま、とま、とま、とま、止まらねぇ~」等)が特徴。
- 第17精鋭部隊の隊員だった頃は新人イジメの常習者であり、それを咎めたエックスとケンカになり、負けてしまう。その後、その時の逆恨みからシグマに協力。大幅に強化された状態でエックスに挑む。最期は強化改造が裏目に出て、エックスの攻撃で発火システムが暴走。自分で自分を焼き尽くしてしまう。
[編集] ロックマンX3
- 水龍のプレジデント アシッド・シーフォース
- ドップラー軍団所属。タツノオトシゴ型レプリロイド。
- 詩人ぶった喋り方が特徴。機能停止した女性型レプリロイド(作中では明言されていなかったが、彼の恋人であると思われる)を護る為にエゴイストになった挙句、ダムを占拠した哀しい男として描かれていた。最期は元に戻れなくなると分かっていながら液体化して女性型レプリロイドの「保護膜」になり、共にダムの底で永遠に眠る道を選んだ。
- 影の飛忍 エクスプローズ・ホーネック
- スズメバチ型レプリロイド。元イレギュラーハンター第0特殊部隊の副隊長であり、ゼロの部下にあたる。
- 元・チンピラグループのリーダーであり、イレギュラーハンターになる以前のゼロに喧嘩を売って倒された事が2人の出会いであった。その後ゼロの強さに憧れて彼の部下となり、そしてゼロを超えるために一度はイレギュラー化してしまったが、ゼロとの戦いを経て、再びゼロの下に戻った。X4のプロローグにも、チラッと登場している。
- レスキュー発電所 エレキテル・ナマズロス
- 発電用のナマズ型レプリロイド。
- 関西弁で喋り、何故か芸人志望で彼の何処にそんな才能を見出したのか、エックスとお笑いコンビを組みたがっていた。エックスの攻撃で正気に戻り、本来の任務とは正反対の事をしてしまった自責の念から、命と引き換えに自ら発電所の炉心になって都市の機能を回復させる。そして後日、奇跡的に復活した。
- 七つの海の破壊神 シザーズ・シュリンプァー
- 戦闘用小海老型レプリロイド。
- 勝敗関係なしに戦いを楽しむ戦闘狂であり、最後の最後で遠距離から自分だけを一撃で撃ち抜いたエックスの頭脳プレーに歓喜し、満足げに死んでいった。八大ボスの中で唯一Xに破壊された。
- ジャングルの守護神 シャイニング・タイガード
- トラ型レプリロイド。
- 雌のトラ(レプリロイドやメカニロイドではなく本物)と恋人関係にあった。そのため、密猟者に恋人を傷つけられた事に起因する人間への怒りに我を忘れ、ドップラーの甘言に乗ってしまう。
- 作中では攻撃の大半をツメ(ビームクローと言っていた)で行い、特殊武器『レイスプラッシャー』(雨が降ってビームクローが使えなくなった)は終盤に数コマ使っただけで(とはいえ、ゲーム本編でもどちらかと言えばツメを突き出しての体当たりが多いが)、エックスには殆ど通用しなかった。
- 鋼鉄のリベンジャー グラビティー・ビートブード
- カブトムシ型レプリロイド。兄弟レプリロイドであり、兄はブーメル・クワンガー。
- 兄が破壊されたのは自業自得であり、エックスに何の落ち度も無い事は理解していたが、兄思いであるが故に割り切ることができず、ドップラーの口車に乗ってゼロのボディにクワンガーの頭脳を移植しようとした。落命はしていないが、その後の去就は不明。
- 白銀の雪男 フローズン・バッファリオ
- バッファロー型スキー場整備用レプリロイド。
- 元々は心優しいレプリロイドであったが、ドップラーに洗脳され、イレギュラー化。芸術家気取りで街を凍り漬けにする。しかしエックスと少年トシヒコの訴えにより、本来の心を取り戻す。後にはエックスと共にフロスト・キバトトスと戦うが、エックスをかばい壮絶な死を遂げる。
- 地底のバーバリアン スクリュー・マサイダー
- エネルゲン水晶採掘用サイ型レプリロイド。ドップラーによって洗脳されイレギュラーとなるが、戦闘後は破壊されず本来の心を取り戻した。その後はイレギュラーハンターに協力する仲間として、ドッペルタウンでの決戦にも参戦する。
[編集] ロックマンX4
- 密林のゲリラコマンダー ウェブ・スパイダス
- クモ型レプリロイド。レプリフォース軍ゲリラ部隊長。元イレギュラーハンター第0特殊部隊(別名:忍び部隊)所属。無益な戦いに迷うエックスに対し「この戦いは終わらない」とその非情さを訴えながら力を振るった。語尾が「ね」となる口調で話す(「貴様が何をしてきたというのかね!」「終わらんね……」「人間が不完全である限り、それから生まれた俺達が不完全なのは当然だね」等)。
- 極北の暴れん坊 フロスト・キバトドス
- レプリフォース陸軍所属。トド型のレプリロイド。バニラアイスが大好物で、セリフの端々にも「バニラアイス」の単語が多く出る。
- 捕虜を狩りの獲物にしたり、倒した相手を氷漬けにして標本のようにする等、凶暴さと残虐さが更に強調されており、エックスに協力していたバッファリオを殺害した。だが、最期は規律を乱すものとしてジェネラルに処刑された。
- 廃墟の小悪魔 スプリット・マシュラーム
- 生物研究所(バイオラボラトリー)管理用マッシュルーム型レプリロイド。
- エックスの前に立ちはだかるが、その姿はワイヤー・ヘチマールの様な純粋無垢な様子が垣間見れ、その行動も一種の悪ふざけのようであった。しかし最期はダブルによって惨殺されてしまう。
- 爆炎の武道家 マグマード・ドラグーン
- 竜型レプリロイド。イレギュラーハンター第14部隊(通称・白兵戦部隊)の隊長。
- 月刊誌連載時は連載が打ち切られた事もあって、重要キャラを思わせる初登場シーンがあったにも拘らず、再登場は既にエックスに破壊されていた残骸としてであった。2005年に発行された復刊版コミックではエックスと戦うシーンが描き下ろし追加された。
- アクアデストロイヤー ジェット・スティングレン
- エイ型レプリロイド。レプリシーフォース軍所属。
- カーネルを尊敬しており、カーネルが認めていたにもかかわらず裏切ったゼロを許せず、戦いを挑む。最期は部下共々、レプリロイドの自警団により破壊される。カーネルの「部下を守り、敵を倒し、生還する」という教えを守り、部下の命を大切にしている。
- ネットワークガーディアン サイバー・クジャッカー
- クジャク型イレギュラー。正確に言うとレプリロイドではなくコンピュータープログラム。ゲーム同様オカマ口調だが、ミステリアスな雰囲気を持つ。
- 大空の参謀長 ストーム・フクロウル
- フクロウ型レプリロイド。レプリフォース参謀本部所属。
- ジェネラルないしはレプリフォースに絶対の忠誠を抱いており、戦うことへの迷いはない。最後はアルティメットアーマーを装着したエックスに立ちはだかるが、その圧倒的な力に倒される。復刻版では最期の場面が書き下ろされる。
- 鋼の破壊王 スラッシュ・ビストレオ
- ライオン型レプリロイド。レプリフォース軍所属(恐らく物資輸送隊長)。
- 部下を暴力的に扱い、自身も相当の自負があったが、アルティメットアーマーを装着したエックスにバラバラの残骸になるまで破壊される。最期には命乞いをしていたらしい。
[編集] 漫画版のみに登場するキャラクター
- ピエロット
- 第一話に登場したイレギュラー。名前の通りピエロの姿をしたレプリロイドで突如暴走し人間達を襲っていたが、駆けつけたイレギュラーハンター・ゼロによって処分される。
- カイル
- イレギュラーハンター第17精鋭部隊に所属する特A級ハンター。シグマの企てに対し異論を挟んだ為に、シグマ自身に拠って粛清される。
- マルス
- 元は第17精鋭部隊に所属するハンター(ランクは不明)でエックスの友人だったが、第13極地部隊隊長として栄転する。シグマが反乱を起こすと反乱軍の参加を巡って、同じ13部隊の特A級ハンターであるアイシー・ペンギーゴと対立する事となり、直接対決で敗れ部隊の実権をペンギーゴに奪われてしまった上、自身は氷漬けにされてしまう。
- その後、エックスとペンギーゴの対決の最中地震の影響で再起動すると、手練手管でエックスを翻弄するペンギーゴを羽交い絞めにし、自分達の誇りを守る為にエックスのバスターにペンギーゴ共々貫かれた。
- ティル
- A級ハンターの称号を持つ少女型レプリロイドでストーム・イグリード(ゲーム版ではストーム・イーグリード)の恋人。自身が警護する旅客機がイレギュラーにハイジャックされ、自らも囚われの身となると言う憂き目に遇うが、救援に駆けつけてきたゼロによって救出され、ゼロと共にハイジャック犯を追い詰める。しかしハイジャック犯との戦いで負傷したゼロに代わり、イレギュラーの仕掛けた爆弾を処理しようとした際、誤って機外に放り出されてしまい殉職してしまった。
- マーティ
- 人魚の姿をしたレスキュー用レプリロイド。シグマの命で海路寸断を目論みマーティが活動する海域に進出してきたランチャー・オクトパルドの口車に乗りエックスを罠に嵌めるが、如何なる苦境にも決して屈しないエックスの姿に心打たれ、オクトパルドに翻意を示しその報復を受け破壊されてしまう。オクトパルド自身は彼女のやられ様を見て発奮したエックスの手によって処分されるが、マーティ自身はボディこそ粉砕されたもののメモリーチップが無傷だったために辛うじて一命を取り留める。この時にエックスに新しいボディの設計を要求し、エックスもその要求を約束として呑んでいる。なお、戦いが終わりエックスが彼女に用意したボディは何故かゴスロリファッションで彼女曰く「今時あんなブリブリのボディで喜ぶ女の子なんていないわよ!」(でもちょっとはしゃいでみたらしい)。後に自身で鎧を用意したらしい。
- 性格はかなりのツンデレで、エックスに対して想いを寄せているが当のエックスには(照れたりはするが)あまり自覚はない。同じ系統のキャラであるエイリアと会っていたらどんな風になっていたか興味が尽きない(と言うよりはエイリア自体がマーティがモデルであると言う説もある)。キャラクター的にはロックマンX COMMAND MISSIONのマリノに近い。
- この後もセミレギュラーとして物語に幾度も登場し、海賊団のリーダーとしてエックスと共にバブリー・クラブロスと戦ったり、Dr.ドップラーの反乱時には処刑寸前のエックスにパワーアップパーツを届けるなどの活躍を見せている。
- オリジナルキャラの中でもトップクラスの人気を誇っており、カプコンからX1~6のサントラCDのデザインの仕事が来た際に『“オリジナルキャラ”を出しても構わない』と言われる等、知名度も高い(ちなみに最終的に岩本氏は、ゲームあってこそのマンガだとして書かなかったとのことである)。作者が自分のホームページで壁紙のリクエストを応募した際には、オリキャラであるにも拘らず、マーティが2位を引き離してトップで決定したほどである(結果は1位マーティ80票、2位エックス&ゼロ61票、3位マーティ&アイリス45票であった。なお壁紙は公約どおり作成され、2007年4月現在も岩本氏のHPで公開されている)。
- ボーイ
- 最初のシグマ事件の後エックスが隊長として配属されたレスキューチームの一員。真っ直ぐな心根の持ち主で、心優しいエックスを隊長として誰よりも誇りにしていたが、シグマに通じた同僚ヒールの背信行為によって仲間達と共に殺害されてしまう。
- ヒール
- ボーイと同じレスキュー隊の一員。戦闘タイプのレプリロイドながら、バスターを封印し使おうともしないエックスを激しく侮蔑しており、それがために前々からシグマに通じていた。シグマの命で偽装事故を引き起こしレスキュー隊の仲間諸共エックスを抹殺しようと試みるが、却ってエックスの怒りを買い返り討ちに遇ってしまった。
- ブケノ、イージー、ロビン
- ボーイやヒールと同じレスキュー隊の仲間達。ヒールの画策によって無残な最期を遂げてしまう。
- シルキー
- 世界中のCPUの中心たるマザーコンピューターの管理人。マザーコンピューターがシグマウィルスに感染し、危機的な状況に陥っている事をエックスに告げ助けを求めるが、その正体こそマザーコンピューターにウィルスを撒いた張本人マグネ・ヒャクレッガーだった。
[編集] 漫画版とゲーム版の相違
- ボスキャラクター
- ゲーム版1作目の『ロックマンX』で戦うボスパイダー、ランダバンダ、D-REXが出現しない。ゲーム版「ロックマンX2」で登場するアジールフライヤーやサーゲスタンクが出現しない。ゲーム版3作目の『ロックマンX3』で戦うヘルクラッシャー、ワームシーカー、ホタリーカー、プレスディスポーザー、モスキータス、ボルトクラゲールが登場しない。ゲーム版4作目の『ロックマンX4』で戦うアイザード、ジェネレイドコアが登場しない。
- ゲーム最終ステージに必ずある、8大ボスとの総当たり決戦がない。
- 3作目では、エックスではなくゼロがホーネックを倒しに行く(ホーネックはゼロの部下という設定であるため、このエピソードになったと思われる)。初めてエックスの出番が無かった話であった。
- 「ロックマンX」に登場したバーニン・ナウマンダーの正体は、小型CPUで普通に会話が出来る高等さがある。1作目における唯一の生存者。「ロックマンX2」では、ワイヤー・ヘチマールが生存者である。「ロックマンX3」では、シザーズ・シュリンプァーとアシッド・シーフォース以外は、全員生きている。ボスキャラが全滅したのは、「ロックマンX4」のみである。
- 「ロックマンX3」で登場したフローズン・バッファリオは、「ロックマンX4」第6話にて壮絶な死に方をした(ゲーム版のフロスト・キバトドス・ステージの冒頭にある氷漬けになっているバッファリオの岩本氏なりの解釈である)。
- ストーリー
- 4作目ではゼロがイレギュラー認定され、シグマとの対決直前で終了。
- 破壊されずに生き残り、エックス達の味方になるボスキャラがいる(X3のみ)。
- 「ロックマンX3」ではエックスがウイルスを流すワームに取り付かれている間にゼロ&生き残ったボスキャラとナイトメアポリスが壮絶な死闘を演じるというエピソードが追加されている。
- レプリフォースが最初のシグマ反乱事件(ロックマンX)に関わらなかったのは、イレギュラーハンター上層部が身内の不祥事は自分達で解決する、という「見栄」を張ってレプリフォース側の協力を断った為とされている。
- 特殊武器
- 全作通して、特殊武器を使う場面が非常に少ない(ゼロ然り、ただし後半では必殺技を連発した)。これは、ゲームとは違い、マンガ上で特殊武器が効果的であることを見せるには、「何故そのボスにこの特殊武器が効くのか?」というSF考証を必要とするが、作者がその手間暇を避けるため、当初敢えて使わない意向だったことによる。
- 「ロックマンX3」の特殊武器、「トルネードファング」の名称が「ドリルファング」になっていた。
- その他
- ゲームではX4で公式にOKにされたレプリロイド同士の恋愛だが、マンガ版では既に第1作目でイグリードとティル、X2でエックスとマーティ(?)のカップルが成立している。それだけには留まらずでX3では、メモリとデータのコピーだそうだが、なんと子を成すことも可能(!)という設定になっている。
- 旧単行本エックス3第一巻の最初のページにて、エックスの首に手を回すゼロとそれを見ているイグリードとティルが描かれている。そこから察するに、エックスとティルは互いの親しい相手を介した知り合いだったのかもしれない。又、イグリードの話でのゼロの回想にて、ゼロの取り巻きの一人が第一話で死んだカイルである(ゼロにイグリードの説明をした)。
[編集] 関連項目
ロックマンシリーズ | |
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ゲーム(主要) | ロックマン - 2 - 3 - 4 - 5 - 6 - 7 - 8 - ロックマン&フォルテ - ロックマンロックマン |
ゲーム(ワールド) | ワールド - ワールド2 - ワールド3 - ワールド4 - ワールド5 |
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