京王1000系電車 (2代)

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1000系電車（1000けいでんしゃ）は、京王電鉄井の頭線用の通勤形電車。1995年（平成7年）12月に営業運転を開始した。

2006年1月現在、5両編成15本の計75両が在籍している。

[編集] 概要

高井戸駅へ入線する1755編成バイオレット色(2007年4月撮影)

車体は、3000系に引き続いてステンレス製（先頭部のみ普通鋼製）であるが、輸送力増強の為、各車両の全長は3000系の18mから井の頭線用の車両では初の20m級となり、客用扉の数も3000系の片側3箇所から4箇所となった。外板は全車ともビート（凹凸）付きであり、3000系同様裾絞りがある。加えて井の頭線では初のVVVFインバータ制御車両でもある。

先頭形状は3000系の更新車と共通のイメージであるが、非常用貫通扉を新たに設置し、これを助士席側に寄せた構造となっている。この部分の塗装は編成毎にパステルカラー7色を使い分けている（後述）。前面行先表示器回りのデザインは、3000系の前照灯のイメージを残している。車体四隅に設置されているライト、パノラミクウィンドウは、5000系を意識した形状、配置となっている。なお、窓下のライトが前照灯、行先表示器両側のライトは急行標識灯と尾灯である。

運転台は井の頭線車両初のワンハンドルマスコン、また京王車両では初の電子警笛が装備された。第10編成までは低運転台構造、第11編成以降は高運転台構造となっている。乗務員室仕切り窓は大窓と乗務員室窓がある。第12編成以降は大窓の下辺高さが高くなった。乗務員室の共通事項は別項を参照願いたい。

編成は、渋谷方からクハ1750形-デハ1100形-サハ1500形-デハ1000形-クハ1700形の5両で、電動車と付随車の構成（MT比）は2M3Tであるが、2003年（平成15年）製の第11編成以降はクハ1750形-デハ1100形-デハ1050形-デハ1000形-クハ1700形のMT比3M2Tに変更している。パンタグラフは全編成とも3基搭載で、初期の車両は菱形であったが、1000系では第10編成の一部でシングルアーム式が試験搭載された後、第11編成以降は新造時からシングルアーム式となり、従来車も順次交換されている。

これは軽量車体に大出力のモータを搭載したことにより2M3Tを実現したものの、逆に雨天時に空転や滑走などが多発し問題になった。そのことだけが理由ではないが（3000系の置き換えのタイミングもあった）、第10編成が1997年度に入線した後暫く新製が中断している。第10編成までは新たに対策を施し、第11編成以降は、電動車比率を上げることで問題を解消した。室内設備は第10編成までは8000系に近いが、第11編成以降は新製直前に登場していた9000系同様側扉の支持を外側からに変更（支持具は従来どおり金属）して室内側段差をなくし、座席を片持ち式に変更する（座席の仕切りを棒から京急新1000形にのものに近い袖仕切りに変更）など変化している。

行先表示器はLED式で、ローマ字を併記する（ただし第10編成までは当初はローマ字と各停運用時の種別表記がなかった）。フォントはゴシック体である。第11編成以降は新製時より車内のドア上部にLED1段式旅客案内表示器を千鳥配置し、ドアチャイムを設置している。この二点は2004年度に既存編成についても設置した。

[編集] 諸元

起動加速度2.6km/h/s（第10編成まで）、3.3km/h/s（第11編成以降）。
減速度3.7km/h/s（常用）、4.0km/h/s（非常）。
設計最高速度110km/h、営業最高速度90km/h。
主電動機出力180kW/h。
VVVFインバータ制御装置の制御素子は、第10編成までの奇数編成が東洋電機製造製GTO(RG655-A-M)、偶数編成は日立製作所製IGBT(VFI-HR2480A)、第11編成以降は東洋製IGBT(RG682-A-M)である。