京阪800系電車 (2代)
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京阪800系電車 (2代) | ||
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浜大津-上栄町の併用軌道区間を走る京阪800系 | ||
形式 | 800形 | 850形 |
最高速度 | 90km/h(設計) 75km/h(運転) |
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加速度 | 3.3km/h/s | |
減速度 | 4.2km/h/s(常用最大) | |
定員 | 座席30人 計88人 |
座席42人 計105人 |
全長 | 16,500mm | |
全幅 | 2,380mm | |
全高 | 3,475mm | |
自重 | 28.0t | |
軌間 | 1,435mm | |
電気方式 | 直流1,500V | |
台車形式 | 住友金属 FS558 | |
駆動装置 | TD継手平行カルダン式 | |
主電動機形式 | TDK6152-A | |
主電動機 出力×個数 |
90kw×4個 | |
歯車比 | 5.07 | |
制御方式 | VVVF (IGBT) | |
制御装置 | 東洋電機製造 製 | |
制動方式 | HRDA-1 | |
保安装置 | 京阪形ATS、CS-ATC、ATO | |
製造所 | 川崎重工業 | |
製造初年 | 1997年 | |
両数 | 16両 | 16両 |
編成 | ←京都 | 浜大津→ |
800+850+850+800 |
京阪800系電車(けいはん800けいでんしゃ)は、京阪電気鉄道の京津線用通勤形電車である。
目次 |
[編集] 概要
1997年(平成9年)10月12日から京津線が京都市営地下鉄東西線乗り入れを開始するにあたり、在来車の80形の代替車として導入された。
日本で唯一、地下鉄区間と併用軌道(路面電車)区間を直通する車両であり、運行路線の『区間ごとに極端に異なる性格』に対応するため、急勾配・急カーブ対策など、多彩な機能を備えた車両となっている。
併用軌道区間での自動車等との接触事故が起こった際に車体の修復を容易にするため、軽合金車体主流の時代であるがあえて普通鋼製車体としている。部品の一部には自動車と共用のものを使用している。また、接触防止のために車両前部および側部に車幅灯を備えている。中間車に装備されるパンタグラフは京阪唯一のシングルアーム式である。
4両固定編成の全動力車で、急勾配区間において1車両が故障しても走行可能な性能を確保している。制御方式はVVVFインバータ制御であるが、素子は従来のGTOに代わってIGBTを京阪の車両としては初めて採用した。インバータ装置の製造メーカーは東洋電機製造である。
車内放送装置には京阪の通勤形電車では初めて、全自動放送装置が搭載され(本線系統の通勤車では6000系以降の新造車や2200系以降の更新車は、「停車駅にてドアが開く時のみ」使用される自動放送装置搭載である)、英語放送装置も搭載されている。全自動放送は京津線のほか地下鉄東西線にも対応しているが、東西線50系とは異なり、地下鉄線内でも京阪線内同様の男声放送が行われている。その後石山坂本線用の600形および700形もワンマン改造を受けた際に自動放送装置が取り付けられたが音声は800系とは異なっている。
加速度3.3km/h/s、減速度は4.2km/h/s(常用最大)となっている。設計最高速度は90km/hであるが、リミッターによって75km/h以上の速度では走行できない。ブレーキシューには、値段が安く高速域から安定した減速力が得られるレジン(合成樹脂)製ではなく、連続急勾配や天候変化に強い鋳鉄製のブレーキシューを採用している。低速での併用軌道走行中の急減速性能の面でも有利だからである。
地下鉄東西線乗り入れに備えATC、ATOを搭載、ホームドアに対応した(京津線内では京阪形ATSを使用)。手動運転時におけるマスコン段数は4段、常用ブレーキ段数は7段であるがATO使用時にはマスコン、ブレーキともに31段の多段制御を行う。
座席は両先頭車が1+2配列の固定セミクロスシート、中間車がロングシートとなっている。内装は9000系に準じ、東西線50系と同等水準としている。
高性能確保のための複雑な制御装置をはじめとする高度な装備機器類、上質な接客設備等に起因し、極めて高コストな車両となっている。
余談だが、搬入当初は前面の車番が現在とは異なり、貫通扉の窓下部に記されていたが、見づらいため営業運転開始までに現在の位置に変更された。鉄道関係各誌の新車紹介記事には搬入当初の状態のままの写真が出ている。
また、各車に装備されている車幅灯は、京津線ワンマン化までは大型トラックと同一品を使用していた(接触事故で車幅灯が破損した際に、車庫より近いカー用品店まで買いに行ったという逸話がある)。
[編集] 運用
東西線京都市役所前-京津線浜大津間を昼間時15分間隔で運行される。京津線専用となっており、石山坂本線での営業運転は行わないが、運用の都合上、石山坂本線近江神宮前駅隣接の錦織車庫までの回送で浜大津-近江神宮前を走行する。試運転では坂本-近江神宮前間を走行することもある。島ノ関-石山寺間は車両限界の関係により走行できない。
[編集] 関連商品
2005年6月にBトレインショーティーとして、9000系と6000系とともに製品化された。スルッとKANSAIグッズの一環である。
[編集] 外部リンク
京阪電車大津線公式サイト内で運転士や開発者とのインタビューなどで800系を紹介。
京阪電気鉄道の車両 |
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現用車両 |
京阪線 特急車: 8000系, 3000系 通勤車: 10000系, 9000系, 7200系, 7000系, 6000系, 5000系, 2600系, 2400系, 2200系, 1900系, 1000系(3代) 鋼索線1・2号(2代) 京津線・石山坂本線: 800系(2代), 700形(3代), 600形(3代) |
過去の車両 |
京阪線: 1形, 16号(貴賓車), 100形, 200形, 300形(初代、初代1000形), 500形(初代、旧1500形), 600形(初代、旧1550形), 700形(初代、旧1580形), 1000系(2代), 250形, 1300系, 1700系, 1800系(初代、元特急用), 1810系(元特急用), 1650形, 2000系(スーパーカー), 600系(2代), 700系(2代), 1800系(2代), 1・2号(初代) 鋼索線: 1・2号(初代) 京津線・石山坂本線: 20形, 30形, 50形, 60形(びわこ号), 70形, 80形, 800形(初代), 260形, 300形(2代), 350形, 500形(2代) |
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