側室
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側室(そくしつ)は、正室に対する概念で、高貴な男性の妻のうち、正室以外の者をいう。
一夫多妻制下では、公然と認められているが、一夫一妻制下では、不貞行為に当たるため公然とは認められない。
儒教の概念において、直系の男子が先祖の祭祀を守ることが重視され、婚姻制度にも、子孫繁栄、男男系相続者の存在が重要視される。
一夫一妻制の下では、女性一人が生涯に出産できる子供の数は限られ、また妻の健康状態、不妊、夫婦の不仲問題から、子ができないこともある。そのため、男系男子の子孫が安定的に確保できるとは限らない。そのため、かつては側室を持つことにより、男系男子の子孫を絶やさないことが重視された。
しかし、男性側の健康問題等により子ができないこともある。この場合、側室を持ってしても子を確保することはできないが、伝統的に一夫多妻制が採られていれば、当該男性に同腹または異腹の弟がいる可能性が高くなり、その者を養子とすることで、男系男子による祭祀の承継を維持できることになる。
封建時代においては、正室を迎える前にそれ以外の女性と性的関係を持つ事が普通に存在(徳川将軍家では正室を迎える前に童貞を捨てさせる慣わしが存在)し、側室を置く事が公然とされていたのは「一人前の男子は既に性交を済ませているもの」という概念の存在や正室の存在が政略結婚的なものであることも関係したと思われる。
[編集] 現代皇室における側室の是非
2005年現在、日本の皇室について、男系男子の子孫の断絶の危険と、それに伴う女系を認めるか否かの議論がなされているが、これに対し、男系男子による皇位承継は日本の千年以上に渡る伝統であり、軽々に放棄すべきではないという反対論がある。
しかし、日本の皇室は、伝統的に側室制を前提に男系男子による皇統を維持してきたのであり、現在の一夫一妻制かつ核家族的な直系至上主義を前提に男系男子による皇統を維持するのは、生物学的に極めて困難であるという主張もある。
そこで、皇室における男系継承の伝統を守るため、皇室における側室制を復活させるべきではないか、との意見もある(寬仁親王が皇位継承問題に関しそのようなコメントをしている)。しかし、男女平等の見地から、たとえ皇室であっても側室を置く事は社会的に許容されるものではない、とする意見もある。既に一夫一婦制が浸透した国民の賛意も受け難いことは容易に予想されうることであり、また、側室廃止は昭和天皇の決断によって決められた事であり、それを安易に変えていいのかという声もある。
[編集] 徳川将軍家側室一覧
将軍名 | 側室名 |
---|---|
初代家康 | 西郷局 下山殿 養珠院 長勝院 良雲院 茶阿局 清雲院 英勝院 西郡局 雲光院 正栄院 相応院 泰栄院 養儼院 蓮華院 法光院 三条氏 他 |
二代秀忠 | 浄光院 |
三代家光 | 宝樹院 桂昌院 順性院 自証院 永光院 芳心院 定光院 養春院 |
四代家綱 | 養春院 円明院 |
五代綱吉 | 瑞春院 寿光院 清心院 |
六代家宣 | 月光院 法心院 蓮浄院 本光院 |
七代家継 | 無 |
八代吉宗 | 深徳院 本徳院 深心院 覚樹院 |
九代家重 | 至心院 安祥院 |
十代家治 | 蓮光院 養蓮院 |
十一代家斉 | 香琳院 妙操院 勢真院 真性院 芳心院 速成院 清昇院 皆春院 本性院 専行院 慧明院 青蓮院 超操院 智照院 お以登の方 お歌の方 他 |
十二代家慶 | 本寿院 清涼院 妙華院 お波奈 殊妙院 見光院 お琴 妙音院 秋月院 他 |
十三代家定 | お志賀の方 |
十四代家茂 | 不明 |
十五代慶喜 | 新村信 中根幸 他 |
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[編集] 関連項目
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