小林幸子
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小林 幸子(こばやし さちこ、1953年12月5日 - )は、新潟県新潟市出身の歌手・女優。独身。血液型はA型。レコード会社のコロムビアミュージックエンタテインメントに所属。9歳時テレビの公開番組で歌まねチャンピオンとなり、これが縁で古賀政男に見出され、1964年『うそつき鴎』でデビュー。デビュー当時こそ「ひばり二世」と持て囃されたが、ヒット曲が出ず不遇時代が15年も続く。1979年の『おもいで酒』がついにミリオン・セラー(200万枚)に輝く大ヒット、この年の暮れNHK紅白歌合戦に初出場、レコード大賞の最優秀歌唱賞に輝く。(「おもいで酒」のレコード売り上げ枚数は大賞曲「魅せられて」を上回る。しかも、この年のザ・ベストテン年間1位は「おもいで酒」である。)さらに続く1980年『とまり木』がヒットした。その後も『ふたりはひとり』・『もしかしてPartII』(美樹克彦とのデュエット曲)・『雪椿』などのヒット作に恵まれ、紅白歌合戦への連続出場も果たし、1992年以降、紅白での美川憲一との派手な衣装対決は紅白恒例の話題作りとなっている。
漫画家小林まこととは親戚で、漫画家の中尊寺ゆつこの本名と表記が同一である(中尊寺の読みはゆきこ)。
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[編集] 略歴
- 1963年(昭和38年)、9歳の小学4年生の時に二つ目の落語家「柳家小ゑん」が司会をしていたTBS『歌まね読本』(毎週火曜日の夜7時半から30分間の一般視聴者参加の公開生中継番組。その週の出場者の中から挑戦者を決定し、前週からのチャンピオンと対決し、5週連続で勝ち抜くとグランドチャンピオンとなる。番組タイトル中の「読本」は、スポンサーだった製薬メーカー「トクホン」に因んだ)でグランドチャンピオンとなり、審査委員長の古賀政男にスカウトされる。翌年小学5年の時にデビューするのであるが、一部での年令詐称疑惑は、小学生での視聴者公開番組出場から、年齢のごまかしようが無く、1953年(昭和28年)生まれというのは紛れも無い事実であろう。
- 当時はテレビの歌番組などは生中継であり、夜7:30のテレビ出演というのは、当時の子供にとっては遅い時間帯であった。5週勝ち抜きすればグランドチャンピオンになるのだが、この番組の司会者「柳家小ゑん」はまだまだ無名の若手落語家であり、彼こそ後の「立川談志」である。まもなく真打昇進により「立川談志」を襲名し、司会者から退くのである。この9歳の少女ということも「美空ひばり」を彷彿させ、その「ひばり」の物まねも他の大人の出場者を圧倒する抜群の歌唱力と非常に似ている歌まねの出来で、後に「第二のひばり」といわせるものであった。これが審査委員長の古賀政男を唸らせ文句なくグランドチャンピオンを獲らせたのである。
- 1964年(昭和39年)、古賀作曲の『うそつき鴎』で華々しくデビュー。天才少女歌手・「ひばり二世」として、大映映画では子役としても活躍したが、ヒット曲が出ず、ひいてはお手本としていたはずの美空ひばりからも、あまりにも自分を模倣されているとの嫌悪感から敬遠され、不遇が続く。
- その後15年間に渡って一人で全国各地を行脚し、地方興行の中で人に言われぬ苦労を経験。
- 不遇時代の1977年(昭和52年)には「週刊プレイボーイ」(9月20日号)でヌードを披露した。
- 1979年(昭和54年)発表の『おもいで酒』がついにミリオン・セラー(200万枚)に輝く大ヒット。この年の暮れNHK紅白歌合戦に初出場。その後も数々のヒット作に恵まれ、現在も紅白歌合戦への連続出場を果たしている。
- 1997年にポケットモンスターのエンディング『ポケットにファンタジー』を歌い、以後何度かポケモン関連の活動を行っている。ちなみに、ポケットにファンタジーがテレビ初放映されたのはポケモンショックが起こったときのエンディングである。
- 1998年(平成10年)には、アニメ映画『ポケットモンスター』のエンディング・テーマ曲「風といっしょに」を堂々熱唱し、チビッコのハートもガッチリとキャッチ。歯に衣着せぬオープンなキャラと、演歌によくありがちな暗さを払拭したツヤのある歌いっぷりは、世代を超えて日本人の心に深く浸透した。昭和の大作曲家、古賀政男に見初められた歌唱を聴けば、演歌界の女王として君臨し続ける所以が分かる。
- 1998年、イマクニ?、レイモンド・ジョンソンとのユニット『スズキサン』としてシングル『とりかえっこプリーズ』を発売。ポケモンカードゲームのCMソングとして流れた。
- 1999年、覆面歌手『Satchomo(サッチョモ)』としてシングル『お地蔵サンバ』を発売(ちなみに“お自動さん”キーホルダーつき)。この曲はアイフルのCMソングとして流れ、暫く正体が明かされなかった。
[編集] 衣装
普段からなにかときらびやかな衣装を身にまとっている(近年は黒地の着物も有り)が、紅白のときは普段の衣装など問題にならないくらい派手な格好を身にまとう。
紅白の衣装は視聴者のあいだで毎年話題となっており、この衣装の特徴は「ワイヤーで吊り上げたり、特殊リフトで上昇したりする」「電飾を大量に使用する」「毎年彼女専用に新規に製作される特注品であり、非常に高価なため1着しか存在しない」などである。
なお、その衣装は紅白終了後は一ヶ月公演や全国ツアーでも披露されるのが習わしとなっている。
[編集] 歴代の衣装
衣装には毎年、曲目に合わせたコンセプトから名前が付けられている。
桜井久美子(アトリエ・ヒノデ)が主に関わって製作される。
年度 | 衣装名 | 歌唱曲 |
1989年(平成元年) | 『天女』 | 福寿草 |
1990年(平成2年) | 『東洋の神秘』 | 天命燃ゆ |
1991年(平成3年) | 『冬の鳥』 | 冬化粧 |
1992年(平成4年) | 『光のファンタジー』 | 恋蛍 |
1993年(平成5年) | 『ペガサス』 | 約束 |
1994年(平成6年) | 『人間ナイアガラ』 | 雨の屋台酒 |
1995年(平成7年) | 『21世紀の観音様』 | 母ひとり |
1996年(平成8年) | 『21世紀の雪女』 | 越後情話 |
1997年(平成9年) | 『生命誕生』 | 幸せ |
1998年(平成10年) | 『ヒューマンファンタジー』 | 風といっしょに |
2000年(平成12年) | 『愛×2傘』 | 泣かせ雨 |
[編集] エピソード
- 2000年・2001年、紅白の衣装をめぐる和田アキ子の発言から確執が生じ、マスコミを大きく賑わせた。この時は多くの演歌歌手のほか松山千春・さだまさし(さだは友人であり、1993年の『約束』はさだの作詞・作曲である)らの大物も小林に同情的な発言をし、和田の「ご意見番」ぶりに陰りが見える結果となった。
- 2004年、故郷で発生した新潟県中越地震に心を痛め、被災者のもとを激励に訪れた。また紅白での派手な衣装を封印。全出演歌手で最後に歌唱する大トリとして新潟を舞台にした歌「雪椿」を歌った。この時は前述の確執の相手である和田からも激励されたという。
その後本来この紅白で使用する予定にしていた豪華衣装は、2005年1月25日の「NHK歌謡コンサート」で披露された。 - 後輩歌手の柏原芳恵を妹の様に可愛がっており、柏原も小林を姉の様に慕っている。柏原は『ザ・ベストテン2002』など様々な番組の中で「幸子姉さんには落ち込んでいる時に精神的に助けて頂いた」と感謝の念を述べている。また小林も「芳恵ちゃんは昔から変わらず可愛い子で本当の妹の様に思っている」と返した。
- 売れない時代なんとか売れようと整形をした。今と違って整形の技術も未熟だったため、現在も鼻筋が通ってることから整形したことがうかがえる。
[編集] 代表曲
- おもいで酒(1979.1.25)(元々は『六時、七時、八時そしてあなたは』=TBS系ドラマ『母子草』主題歌=のB面曲。しかし『おもいで酒』のほうが有線放送などで注目され始めると『おもいで酒』のほうがA面として売り出されるようになった)
- とまり木(1980.1.1)
- もしかしてPART2(小林幸子+美樹克彦、1984.7.10)
- 雪椿(1987.6.25)
- 風といっしょに(1998.9.3、映画「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」エンディングテーマ)
- さよなら ありがとう(2000.4.22.映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル」主題歌)
- 元気でいてね(2001.4.21.映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」主題歌)
[編集] 歌手以外の活動
- 座長としての舞台公演はもちろん、テレビの2時間ドラマやNHK朝の連続テレビ小説『ほんまもん』、テレビ朝日『OL銭道』などのドラマで女優としても活動している。
- 8時だョ!全員集合、ドリフ大爆笑のコントに出演。
- クレヨンしんちゃんの映画で声優をつとめた。
- 1998年、「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」に声優として出演した。その前も、ポケモンのアニメ中に声優をつとめた経験がある。
- 2004年にはデビルマン (映画)にもゲスト出演したが,その出演シーンの余りにも意味の無さ故に、本編の酷さと相成って、公開時にはネット等でも散々叩かれる羽目になった。
- ピップエレキバンのCM
- 「SMAP×SMAP」-ルーレットボーリング
- 他、「森田一義アワー 笑っていいとも!」、「さんまのまんま」、「明石家多国籍軍」、「最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学」、「脳内エステ IQサプリ」、「愛のエプロン」、「ライオンのごきげんよう」、「歌謡びんびんハウス」、「快傑えみちゃんねる」など多数の番組にゲスト出演。