岩見沢駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
岩見沢駅(いわみざわえき)は北海道岩見沢市有明町南にある北海道旅客鉄道の駅。岩見沢市の中心駅。
函館本線と室蘭本線が乗り入れ、バスターミナルが隣接する交通の要所。乗降客数約9,400人/日。 かつては岩見沢繁栄の象徴である幌内線や万字線が乗り入れており、東日本最大の操車場も存在した。 2000年12月10日未明、漏電による出火で駅舎が全焼。現在プレハブの仮駅舎で営業中。2008年の全面完成を目指し、新駅舎を建設中。
目次 |
[編集] 利用可能な鉄道路線
[編集] 廃止された鉄道路線
[編集] 駅構造
- ホームは3面5線。跨線橋には全ホームへのエレベーターが設置されている。
- 1番線 函館本線・室蘭本線上り(普通・区間快速)
- 3番線 函館本線上下・室蘭本線上り(普通・区間快速)
- 4番線 函館本線上り(特急)
- 6番線 函館本線下り(特急・普通)
- 7番線 函館本線上下(普通・区間快速)
- 2・5番線は貨物列車の通過線
- 岩見沢はばんえい競馬が盛んなため、3・4番ホームには「ばんばの像」と呼ばれる馬の像が置かれている。
- 社員配置駅。みどりの窓口(営業時間5時00分~23時35分)、旅行センター(営業時間10時00分~18時00分)、自動券売機、自動改札機、キヨスク設置。
[編集] 駅周辺
駅に隣接する中央バス岩見沢ターミナル(コミュニティープラザ内)からは岩見沢市内や周辺市町村への路線バス・都市間高速バス(北海道中央バス・新篠津交通・ふるさと交流バス)が発着している。
駅前再開発により、路線バスの降車場が駅前から1条通に移ってしまい、駅から遠くなってしまった。信号を渡る必要が生じたことから、バスから列車へ(バスからバスへを含む)の乗換には相当な余裕が必要となった。また、バスターミナルも隣接していながら駅舎とはつながっておらず、一旦外に出なければならない。
駅前(南口)にはアーケード商店街が広がるが、郊外大型商業施設出店の影響で空洞化が進み、空き店舗が目立つ。以前は駅横にJR系のコンビニがあったが駅舎焼失の際に撤退。駅周辺にはコンビニがなかったが、200m程離れた1条西3にセブン-イレブンがオープンした。
駅裏(北口)にはJR車庫などの施設が広がっているため、徒歩でも自動車でも駅舎から直接アクセスはできず、500メートル近く離れた陸橋を利用するしかない。駅北地区には広く住宅街が広がり、1万人以上の人口を抱える。駅舎新築と共に中心市街地再開発事業・駅北地区区画整理事業・鉄路で分断された南北を結ぶ自由通路建設が計画中。
[編集] 新駅舎
1933年建築の3代目旧駅舎(木造2階建、延床面積1,070平方m)は、道内で由仁駅に次ぐ古さをもつ駅舎であったが2000年に全焼。以後プレハブの仮駅舎(2階建、延床面積400平方m)で営業していたが、2006年度予算でようやく着工の見通しとなった。市民アンケートや新駅舎デザインコンペを経ての建設となる。
新駅舎はすべて鉄道の南側に建設され地上2.6mが駅前広場-駅東市民広場-イベントホール赤れんがと一体化するレンガ壁。地上2.6mより上は、鉄道の街・岩見沢を象徴する古レールを使用したガラスサッシからなる。 主に東側の駅機能部分(JR北海道が建設)と、西側の複合施設部分(市が建設)に分かれる。みどりの窓口や改札口は2階に設けられ、現存する跨線橋の1番ホーム側に接続される。跨線橋は新築しない。 また駅舎に隣接した東側には、鉄路で分断された南北を結ぶ自由通路が、その南北には計1050台分の駐輪場棟が市によって建設される。自由通路は自転車を押して通行することも可能。なお改札口は南側に設置されるため、駅北からは一度鉄路を跨いで南側の駅舎に来てから改札口を通らねばならない。
工事予定としては、まず2006年度に自由通路と駅舎部分を建設。駅施設の供用開始と共に現在使用されている仮駅舎を解体し、2007年度に複合施設部分を建設、2008年の全面供用を目指す。
- 概要
- 鉄筋コンクリート造2階建
- 建築面積1,680平方m、延床面積2,820平方m
- 高さ12m(地上2.6mまでレンガ壁、2.6m以上は古レールを用いたガラス壁)
- 正面幅140m(西側から複合施設51m、駅施設46m、駐輪場兼自由通路昇降棟43m)
- 駅施設
- (1F)店舗、事務室、会議室、社員トイレ
- (2F)みどりの窓口、旅行センター、待合室、改札口、キヨスク、トイレ
- 複合施設
- (1F)センターホール、店舗、会議室、観光案内・物産展示販売、トイレ、ATM、コインロッカー
- (2F)岩見沢市サービスセンター、会議室、パスポート窓口、トイレ
- 自由通路(幅6m、延長約100m)
- 南側駐輪場750台(立体3層)、北側駐輪場300台(平面、駅北駅前広場内)
- 関連事業
- 岩見沢駅周辺再開発事業
- 岩見沢駅北区画整理事業(市道有明北盛通、駅北駅前広場)
- 岩見沢レンガプロジェクト(レンガ壁面に使用する刻印レンガを市民募集)
- デザインコンペ作品集発行
[編集] 利用状況
北海道旅客鉄道によると、2004年度の1日平均の乗車人員は約4,701人である。
[編集] 歴史
かつては幌内炭鉱(三笠市)や空知炭鉱(歌志内市)をはじめとする空知地方の石炭を手宮・室蘭・苫小牧の港へ運ぶ貨物列車が多く往来したが、現在は炭鉱の閉山により石炭輸送はなくなり、旅客輸送も札幌が中心となった。
広い駅構内がかつての繁栄を物語る。構内にはロングレールの加工技術で有名な岩見沢レールセンター(三笠市や夕張市を中心とした北炭の歴史を語るにふさわしい歴史的建造物)がある。現在の仮駅舎(プレハブ)は4代目にあたる。
- 1882年(明治15年)11月13日 - 官営幌内鉄道のフラグステーション(旗が立ててある時だけ停車する場所。駅でも停留所でもない)として仮設置。
- 1884年(明治17年)8月15日 - 開業。
- 1891年(明治24年)7月5日 - 当駅~砂川駅間延伸開業。
- 1889年(明治22年)12月11日 - 北海道炭礦鉄道に譲渡。
- 1906年(明治33年)10月1日 - 鉄道国有法により買収、国有化。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 日本国有鉄道分割民営化により北海道旅客鉄道に承継。
- 1987年(昭和62年)7月13日 - 幌内線廃止。
- 2000年(平成12年)12月10日 - 漏電による火災で旧駅舎焼失、現在はプレハブ仮駅舎で営業。