東京地下秘密路線説
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東京地下秘密路線説(とうきょうちかひみつろせんせつ)とは、都市伝説の一種である。
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[編集] 都市伝説の種類
- 現在東京に存在する、東京地下鉄(東京メトロ)と都営地下鉄(これに加え、東日本旅客鉄道・京成電鉄・東京急行電鉄・京王電鉄・京浜急行電鉄・首都圏新都市鉄道・東京臨海高速鉄道の地下線などもあるが)の地下鉄路線の他に、政府が独自で建設した地下路線が数多く東京には存在する。戦前に建設されたものもある(一般的には、戦前に開業していた路線は銀座線のみであり、丸ノ内線は建設が戦争で中断された未成線になっていた)。
- また上記の路線の中に、政府の軍事的思惑が絡んで建設されたものがある。国会議事堂前駅、東京地下鉄有楽町線の話が有名。詳しくは当該項目を参照。
- 地下鉄路線網の中には、数多くの隠された連絡線がある。
[編集] 確認できるもの
実際に存在した地下路線としては、大正時代に建設された東京中央郵便局と東京駅を結ぶ郵便物運搬路線が確認されている。東京駅側は車椅子の乗客のための通路として利用されている。これに関しては、鉄道ファンにとっては廃線跡を探る本などで紹介されており、既に周知の事実となっている。
また、連絡線に関しては東京地下鉄南北線と有楽町線、有楽町線と千代田線、銀座線と丸ノ内線の間、都営地下鉄浅草線と大江戸線の間に、保守整備の一元化(車両を検査のため工場まで回送など)を目的として建設されていることが知られているが、これは鉄道ファン向けの雑誌・書籍(川島令三の「全国鉄道事情大研究 東京都心部編」など)に多く掲載されており、更にはイベント列車の運転で使用された事もあって、「一般に公開」されているものである。
大江戸線では災害時を考慮して、自衛隊の輸送訓練を実施したことがある。
大江戸線の麻布十番駅と清澄白河駅には東京都の防災備蓄倉庫があり、災害時に地上交通が寸断された場合、地下鉄を使った輸送が行えるように備えている。これらは地上への輸送をスムーズにするため、ベルトコンベアで地上と連絡しており、専用の空調設備、自家発電装置が用意されている。
これらの倉庫は東京都が15億円あまりを投じて整備したもので、1760平方メートルの倉庫内には毛布とカーペットが備蓄されていると公表されており、災害時の地下鉄の有効性を裏付けている。
このような話の原因として、第101建設隊や現在も運行される資材輸送貨物列車があると思われる(ただし都営地下鉄にはその様な車両はない)。現実に専用線が使用されているという直接の証拠はない。
[編集] 秘密路線説に関する指摘
- 地下にそれだけの路線網を建設するには、(特に技術の未熟な戦前では)多くの人員が必要になるが、それらに関わった全ての者が、情報を隠し続けられるという事があり得るだろうか。
- 太平洋戦争による東京大空襲など、実際の国家の非常時にそれらの路線が用いられたという話が、戦後になっても伝わってこないのは、何故であろうか。
- 地下路線に関して具体的に検証すると、軍事目的に用いるには欠陥だらけであるということが、鉄道・軍事の両評論家から指摘されている。
[編集] 参考書籍
- 「帝都東京・隠された地下網の秘密」秋庭俊(2002年12月、洋泉社)ISBN 4896916808 (2006年2月1日、新潮文庫)ISBN 4-10-126351-5
- 「帝都東京・隠された地下網の秘密2」秋庭俊(2004年1月、洋泉社)(2006年6月1日、新潮文庫)ISBN 4-10-126352-3
- 「トンデモ本の世界 S」ISBN 4872338480
[編集] フィクション
秘密路線説を参考にしたと思われる、通常使用されない路線が登場する作品。