東京都交通局12-000形電車
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12-000形電車(12-000がたでんしゃ)は、東京都交通局(都営地下鉄)大江戸線用の通勤形電車。
1991年(平成3年)に登場した。形式の呼称方法は東京都交通局の公式では「いちまんにせんがた」と読む。
4次に亘って製造され、2006年4月現在、8両編成53本(424両)が在籍する。製造メーカーは日本車輌製造と日立製作所。アルミ合金構体でリニアモーター駆動。試作車は取り扱いの関係上直ちに保存とされた。
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[編集] 車両概要
[編集] 試作車
大江戸線の開業前に、12-001と12-002の2両で試験を行なった。当初はリニアモータ式ではなかったが、後にリニアモータ式となった。顔つきも全く違っている。現在は豊島区にある千早フラワー公園にて保存。
[編集] 1次車
1991年製で練馬駅~光が丘駅間の開業用として6両編成5本(30両)が投入された。GTO素子によるVVVFインバータ制御を採用し、車体全体が白に塗装されているのも特徴である。日本車輌製。
ドアの上部にあるLED式の旅客案内表示器は、登場時は帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄)銀座線01系と丸ノ内線02系に設置されているものに類似した地図式案内表示器がLED式案内表示器と並んで設置されていた(左は地図式、右はLED式)が、4次車の導入に合わせて現状のLEDのみの千鳥配置に変更される(同時に反対側は路線図収納枠に交換)と共に、すべての編成でシートモケットも変更された。
製造から15年が経過しているので、まもなくC修繕の時期に差し掛かる。また全重検作業を2006年度より馬込車両検修場の新工場で行われる見込みである。但し途中経由する浅草線内では自走できない関係上、2005年に新製したE5000形電気機関車の牽引により無動力回送される。
[編集] 2次車
1995年(平成7年)製で、輸送力増強のために6両編成1本(6両)が投入された。1次車と基本的に同じだが、貫通路形状の変更や蛍光灯カバーの一部撤去などの細かな変更が見られる。英語放送もこの編成から導入が開始され、後に全編成に導入される。また、運転台の形状も1次車と異なっている。日本車輌製。
[編集] 3次車
1997年(平成9年)製。8両編成9本(72両)を新造し、さらに1・2次車の6編成分の中間車各2両(12両)を追加製造して合計84両が練馬駅~新宿駅間の開業用として増備された。3次車のみで組まれた車両はインバータ装置の素子をIGBTに、車体がスキンレスアルミ車体非塗装に変わり、車両価格の低減を図った。また、運転室の広さ確保のため正面形状も変わり前面の傾斜角度が緩くなると共に、ドア上には千鳥配置でLED式の旅客案内表示器が設置された。なお、1・2次車への組み込み車両は1・2次車に仕様を合わせて登場している。一部の編成ではシートモケットが変更されている。日立製作所製。
[編集] 4次車
1999年(平成11年)から2000年(平成12年)に掛けて8両編成38本(304両)が投入され、環状部開業用として増備された。このうち第19・33編成の2本は新宿駅~国立競技場駅間の開業用に先行導入された。3次車とスタイルは変わらない。細かな変更点としてはドア上の路線図を収納する枠が1次車と同様に白塗装に戻された点である。この4次車は東京都地下鉄建設が購入し、東京都交通局に無償譲渡の形を採った。
現在、第39編成には新たに網棚へ換気扇らしきものが取り付けられた模様だが、詳細は不明である。また一部の編成ではシートモケットが変更されている。日車・日立製。
[編集] 関連商品
模型メーカーのディディエフよりNゲージ鉄道模型で限定品として3・4次車を製品化していた。
[編集] 関連項目
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