西部方面普通科連隊
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西部方面普通科連隊(せいぶほうめんふつうかれんたい)とは日本の陸上自衛隊西部方面隊直轄の普通科連隊(軽)である。英称が「Western Army Infantry Regiment」(直訳すると西部軍歩兵連隊)である事から通称WAiR(ワイアーもしくはワイヤー)、又は西部方面普通科連隊を略して西普連と呼ばれている。
目次 |
[編集] 概要
離島対処即動部隊であり、島嶼防衛が主な任務。2002年に設立され、長崎県佐世保市相浦駐屯地を本拠とする。一般的に特殊部隊に位置づけられている。
華々しい海兵隊的な一面(強襲上陸等)が報道等によりクローズアップされがちであるが、実任務としては正反対であって、敵対勢力に占拠された島嶼に隠密裏に潜入、奪還部隊到着までの間、遊撃活動による陣地構築の妨害、通信の遮断、情報収集および逆上陸部隊の誘導が主たる任務となる。
ただし、これらの任務を担当するのは各中隊のレンジャー小隊が単独でおこなう、あるいは増援としてやってくる可能性のある特殊作戦群が担い、残りの連隊主力は通常の奪還部隊に組み込まれる可能性もある。しかし、基本的にどういう運用をするかは公開されていないので不明な部分も大きい。レンジャー小隊に限らず、通常の連隊員もレンジャーの有資格者でもあり、一線にたつ隊員のほぼ全員が水路潜入訓練などもおこなっていることから、まとまって行動する可能性もある。とはいえ方面隊直轄の即応部隊としての性格も大きく、その意味では純粋に特殊作戦のみを担当する部隊というわけでも、純粋な海兵隊的部隊でもなく、海兵隊と特殊部隊が混じったような性格の部隊のようなものと言える。
[編集] 設立の経緯
陸上自衛隊西部方面隊は九州・沖縄の防衛を担任しており、対馬から与那国島までの南北1200km、東西900kmにも及ぶ広大な守備範囲を持つ。しかも有人・無人合わせて2600余の島を抱えている上に、朝鮮半島・中華人民共和国・台湾と海を挟んで接している。また、そのいずれにも紛争の危機がある。
離島が敵対勢力に攻撃される場合、現実的に考えて未然に上陸を防ぐのは困難な場合があるため、占領された離島を奪還するための部隊として西部方面普通科連隊が創設された。
創設前から離島の密林山岳地帯のゲリラ戦に対処する特殊部隊として注目はされていたが、創設間もなくの2002年5月~7月にかけて陸曹3人が自殺したことが明らかになったため国会議員の調査が入り、その中で特殊部隊的な性格が大きくクローズアップされることとなった。
当初は沖縄に駐屯する計画であったが、中国や沖縄県内での軍事活動に過敏な沖縄県民に対して刺激が強すぎるとの政治的配慮に基づき、五島列島を望み、また、航空機による緊急展開に有利な長崎に落ち着いた。
なお、創隊にあたって、地元の商店街からの要望で、商店街を通過する記念パレードが行われた。当初は小銃も携帯する予定だったが、有事法制反対運動も盛んな情勢であったため、素手での行進として実施された。
[編集] 構成
定員660名、実数600名程度で構成されているとされ、隊員の約7割がレンジャー有資格者(本部管理中隊(=普通科中隊の後方支援部隊である。)除く。)である他、海上自衛隊のスクーバ課程の教育も受けている。部隊は、本部のほか、3個普通科中隊で構成され、各中隊はレンジャー小隊を擁しており、自衛隊初の常置レンジャー部隊となった(いずれも本部管理中隊除く第1から第3中隊)。なお、第1空挺団では36歳までに空挺レンジャー課程を履修できなかった空挺隊員の転属先として(通常は本人の出身地近傍の部隊が多い)、本人の希望があれば優先的にまわされる部隊でもある。
- 連隊長
- 連隊本部
- 本部管理中隊
- 第1中隊
- 第2中隊
- 第3中隊
代数 | 発令日 | 氏名 | 前職 | 後職 |
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初代 | 2002年3月 | 越智正典 | 東北方面総監部総務部長 | |
第2代 | 2005年4月1日 | 山中洋二 | 陸幕防衛部運用課特殊作戦室長 |
連隊長は特記ない限り1等陸佐。
[編集] 主な装備品
- 空挺用背嚢(1週間程度支援なしで生活できる糧食一式)
- 登攀用具一式
- その他、1人用テント・キャメルバック・ギリースーツ(擬装服)など。ブッシュハットを多用する。
また、部隊や個人で購入したと思われる個人装備(レッグホルスターやチェスト.リグ、ダンプポーチ)など実戦に即した装備を携帯する。
[編集] 活動内容
陸上自衛隊の中では、「東の第1空挺団、西のWAiR」と呼ばれているが、その作戦内容は大きく異なる。第1空挺団が落下傘降下又はヘリコプターにより空から敵後方に侵入するのに対して、WAiRはヘリコプターや上陸用舟艇を使っての侵入、または強襲を行う。
ヘリコプターからの強襲の際は、熊本高遊原分屯地の西部方面航空隊や沖縄の第1混成団のヘリコプター部隊を用い、海からの強襲の際は、海上自衛隊の輸送艦やエアクッション艇1号型(LCAC)を用いる。なお担当範囲が広範囲に及ぶため、西部方面隊直轄部隊になった。
2005年(平成17年)9月11日のイラク派遣部隊の活動(アル・ホールド小学校(サマーワ分校)施工状況確認)として防衛庁から公開された写真の中の警備担当隊員の中に本部隊隊員と考えられる隊員が写っていた。手に持っている89式小銃に「WAiR」の文字が写っている。
2006年1月に米カリフォルニア州サンディエゴ近郊にあるコロナド海軍揚陸基地に隊員125人を派遣して、アメリカ海兵隊との島嶼奪還共同対処訓練「Iron Fist(鉄の拳)作戦」を実施し、アメリカ海兵隊偵察学校で、偵察泳法や上陸作戦の立案ノウハウ習得を行った。これはテロ・ゲリラの脅威が増す中で、離島防衛の重要性が改めて重視されているためだ。具体的には海上での偵察の際に用いる偵察泳法の習得、離島への潜入、展開などの訓練である。ただ、今回の訓練ではあくまで基礎的なノウハウの取得にとどまり、今後より実戦的な訓練をおこなうかはまだ未定である。この訓練は周辺国に脅威を与えるものだとして反対する意見もあったが、反対に「上空から離島を奪還する訓練はよくて、海からはダメなのか」など賛成意見が多かった。この訓練は自衛隊が離島防衛を重視している証かもしれない。
2006年10月にはFNN系列「ニュースJAPAN」で、実戦に即した部隊の訓練状況が放送され、日本製暗視装置(ナイトビジョン)を装着し、ヘリコプターからのリぺリング降下や、中隊規模で夜間、山岳地帯を速やかに移動したり、または陸曹クラスが小隊長となって小隊規模による夜間攻撃の訓練など、対ゲリラ、コマンド戦を重視している状況を伝えていた。
[編集] 関連項目
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陸上自衛隊 (☆…中央即応集団所属) |
☆特殊作戦群 (SOG) | ☆第1空挺団 西部方面普通科連隊 (WAiR) | 冬季戦技教育隊 | 対馬警備隊 参考項目…レンジャー |
海上自衛隊 | 特別警備隊 (SBU) |
航空自衛隊 | 基地防衛教導隊 |
海上保安庁 | 特殊警備隊 (SST) |
警察庁 | 特殊急襲部隊 (SAT) | 特殊捜査班 (SIT) | 銃器対策部隊 原子力関連施設警戒隊 | 総理大臣官邸警備隊 NBCテロ対応専門部隊 |
皇宮警察 | 皇宮警察特別警備隊 |
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