西鉄8000形電車
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西鉄8000形電車![]() |
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車両形式 | ク8000(先頭制御車)・モ8000(中間電動車) | ||
製造年月 | 1989年2月(8011~8031編成)・1989年4月(8041~8061編成) | ||
制御装置 | 三菱電機製ABFM-188-15MDHD | ||
制動装置 | 三菱電機製MBS(先頭車)/三菱電機製MBS-D(中間車) | ||
台車形式 | 川崎重工業製KW-61A(先頭車)/KW-60A(中間車) | ||
主電動機(出力) | 三菱電機製MB-3189-B(135kw) | ||
車両重量 | 29t(先頭車)/37~35t(中間車) | ||
車両定員(座席) | 先頭車116人(50人)/中間車130人(60人) | ||
全長/全幅/全高 | 19.700mm/2.716mm/4.080~4.170(パンタグラフ装備車)mm | ||
補助電源装置(出力) | NC-FAT90A(90kVA) | ||
空気圧縮機(先頭車のみ搭載) | 横置低騒音形C-2000LA(1基) | ||
編成形態 | 6両固定編成(Tc-M-M-M-M-Tc) | ||
在籍編成 | 8011~16・8021~26・8031~36・8041~46・8051~56・8061~66 |
8000形電車(8000けいでんしゃ)は、西日本鉄道の特急形車両である。 1989年(平成元年)3月10日のダイヤ改正と同時に大牟田線(現・天神大牟田線)で営業運転を開始した。車体塗装は、ケープアイボリーを基調にカーディナルレッド。
目次 |
[編集] 在籍車両
6両編成(MT比4M2T)6本の計36両が在籍。川崎重工業製。先頭車は西鉄初の展望形運転席で、客席からも運転風景を見る事ができる。また、独特のエアロスタイルを有し、登場から18年以上が経過するが、その風格は劣る事もなく、西鉄の看板車両である。また、車両は先代特急車である2000形と同様に、形式の後に車両番号を付番している。
つまり、(大牟田<8011-8012-8013-8014-8015-8016>福岡)のように、十位に第何番の編成か、一位に車両号車をあらわしている。
[編集] 車両構造
制御方式は、5000形ベースの抵抗制御を採用しており、ブレーキは西鉄としては初の、発電ブレーキ併用電気指令式電磁直通空気ブレーキを採用している。また、パンタグラフは、2号車と4号車に2基ずつ搭載している。また、6両固定編成のため、先頭車前面は2枚の大型のフロントガラスを有する非貫通構造で、西鉄の鉄道車両では最大の視界を確保している。また、室内では、西鉄初のT型のワンハンドルマスコンを採用し、座席は転換式クロスシートで車端部はロングシートとなっている。座席モケットの柄は転換クロスシートがワインレッドのチェック柄で、ロングシートはブルーとなっている。登場時には、3号車の妻側面にはカード式の公衆電話が設置されていたが、利用者が殆ど無く、携帯電話の普及もあり、後に撤去された。また自動放送装置が設置され、登場時には車内チャイムとして、停車駅が近づくと初期は地元縁の民謡や童謡、のちに福岡県出身もしくは福岡県の縁のある歌手の曲がオルゴール調で鳴っていたが、現在では標準的なチャイムに変更された。また、サービス向上とバリアフリーを目的として、1989年から1990年にかけて客室切妻面上部にLEDを使用した案内表示器が設置された。導入時には西鉄初となるVVVFインバータ制御の採用も検討されたが結局見送られ、1995年(平成7年)に登場した6050形で採用された。
[編集] 車内チャイムに使われた曲
- 「とうりゃんせ」→「贈る言葉」(海援隊)→「SAY YES」(CHAGE and ASKA)
[編集] 車両運用
本形式は特急用として転換クロスシート主体の座席構造を有し、編成が6両の固定編成、また乗降用扉は片側2ヶ所であることから、通勤ラッシュ時には不向きな構造である。そのため、平日の朝夕の混雑時間帯は太宰府線や天神大牟田線の普通列車など、比較的利用客の少ない列車の運用に就いており、その時間帯はロングシートの5000形など他の形式が特急運用に就く。日中の特急運用は基本的にすべて本形式が使用されているが、一日に5編成を使用するため、検査や故障などで2編成以上が同時に工場に入場している場合は2000形や3000形などが特急に使用される。
[編集] ラッピング
2003年6月、8011編成での「ウルトラマン号」の他、2004年12月には、映画・「ポーラー・エクスプレス」とタイアップなど、時々キャンペーン等に伴うラッピングが施されている。2007年1月末には、8061編成が純真短期大学のフルラッピング編成とされ、読売新聞にも掲載された。原色を覆い隠すフルラッピングは今回が初めてである。さらに同年3月下旬には、8021編成にプロ野球パシフィック・リーグ球団である福岡ソフトバンクホークスのラッピングが貼り付けられた。また毎年恒例のものとしては、人権週間にあわせてラッピングされるが、これは両先頭車のみで、側面にカラフルな鳥の絵柄とシールタイプのヘッドマークだけのシンプルなものとされている。
[編集] 関連製品
株式会社ビコムより、天神大牟田線・大牟田発西鉄福岡(天神)行きの展望映像が収録されたDVDソフトが販売されている。
過去には、株式会社テイチクエンタテイメントから、西鉄福岡発大牟田行きの展望映像(1989年4月撮影)と、PRO企画より大牟田発西鉄福岡行きの展望映像(1991年12月撮影)が収録されたVHSビデオソフトが販売されていた(現在は絶版)。