鉄道車両のモニタ装置
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鉄道車両のモニタ装置(てつどうしゃりょうのもにたそうち)とは、鉄道車両に装備されている、機器の状態などを表示し、監視するものである。
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[編集] 概要
日本で初めてモニタ装置を鉄道車両に装備したのは京阪電気鉄道2600系電車の第21編成である。
最初期の「モニタ装置」は極めて簡易的なもので、東武鉄道の9000系電車を例にすると、「号車毎のドアの開閉状態・トジメ表示・MG故障表示・MM過電圧表示」といったものをランプの点灯で表示盤上に表すものであった。この東武鉄道などでは1980年代からこれらの簡易的なモニタ装置を採用していたが、この方式では表示内容が限られる。解決策として新幹線200系電車や横浜市交通局2000形電車ではプラズマディスプレイを採用していたが、現在のようなフルカラーではなくモノクロだったうえ表示できる文字が限られていた(例えば200系では漢字が表示できなかった)。
その後タッチパネルが普及し、コンピュータの性能向上でさまざまな文字が表示できるようになった。冷房や照明といったサービス機器をモニタ装置で操作することも出来るようになり、モニタ装置は単なる「表示器」から脱皮した。 これら新しいモニタ装置はTIS・TIMS(Train Integrated management System)などと称されるようになった。並行して表示部もブラウン管から液晶ディスプレイに進化、制御引き通し線を従来の電線から光ケーブルとした車両も現れている。ユニークなものではJR相模線用の205系電車に産業用のパソコン(NEC FC-9800)を使用した車上モニターシステムも存在した(現在はMONを改良したものに更新)。
近年では、車両の各機器を監視・管理し画面表示に状態を表示するだけでなく、モニタから遠隔操作で一括して制御する「車両制御システム」というものが登場している。
[編集] 機能
大きく分けると乗務員モードと検車モードに分かれる。
[編集] 乗務員モード
運行時に必要な機能を表示・設定する。車両によっては運転士用と車掌用がある。
- ドアの開閉状態(ドア挟み・戸袋引き込み・ドア制御機器故障)
- 主要機器の動作状態
- 力行・制動状態(『加速』『回生』等を表示)
- 列車種別・列車番号(運行番号)・行き先・列車の現在位置
- 乗務行路表(乗務員用の時刻表:メモリーカードが使用できる場合)
- 車内環境(温度・湿度・乗車率)
- 空調設定(冷房・除湿・暖房・送風機のオン/オフと強弱)
- 自動放送・車内案内表示器の設定
- 緊急時・故障時の操作支援、機器の遠隔操作
[編集] 検車モード
車両基地での点検時に使用する。基本的に整備を担当する係員しか使えないが、仕様を熟知した乗務員が使用することもある。
- 機器動作状況の履歴
- 空調の設定温度
[編集] 主なモニタ装置の種類と装備車両
[編集] 日本国有鉄道
[編集] JR東日本
[編集] MON装備車両
[編集] TIMS装備車両
[編集] AIMS装備車両
[編集] JR西日本
など
[編集] 小田急電鉄
- TIOS
- 小田急3000形電車(3次車より)
- 小田急4000形電車
[編集] 京王電鉄・都営新宿線
- TNS(Train Navigation System)
乗務行路表を書き込んだメモリーカードを使用する。停車駅誤通過防止などの運転乗務支援を目的としているもので、行き先・車内案内表示器・空調等の制御は行わない。- 京王6000系
- 京王7000系
- 京王8000系
- 京王9000系
- 京王1000系
- 京王3000系
- 東京都交通局10-000形
- 東京都交通局10-300形/300R形
9000系・1000系・10-300形ではTNS装置以外にも行き先・車内案内表示器・空調等の制御を行える別のモニタ装置(10-300形はTIMS)を搭載している。
[編集] 相模鉄道
- TIMS
[編集] 名古屋鉄道
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