JR東日本E653系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

JR東日本E653系電車

E653系（2003年4月撮影、馬橋駅）
起動加速度	2.0km/h/s
営業最高速度	130km/h
設計最高速度	140km/h
減速度	5.2km/h/s（非常）
編成定員	466人（普通車のみ）^※1 268人（普通車のみ）^※2
全長	21,500(20,500)mm
全幅	2,950mm
全高	3,550mm
編成重量	236.5t^※1 133.9t^※2
軌間	1067mm
電気方式	直流1500V 交流20,000V（50Hz/60Hz）
編成出力	145kW×16=2,320kW^※1 145kW×8=1,160kW^※2
駆動装置	かご形三相誘導電動機
制御装置	VVVFインバータ制御（IGBT）
ブレーキ方式	電気指令式ブレーキ回生ブレーキ抑速ブレーキ
保安装置	ATS-P、ATS-Ps
備考	※1は基本編成 ※2は付属編成

■Template（■ノート ■解説）■鉄道PJ

E653系電車（E653けいでんしゃ）は、東日本旅客鉄道（JR東日本）の交直流特急形車両。

[編集] 概要

常磐線で使われていた485系電車の置き換えを目的として日立製作所、近畿車輛、東急車輛製造の3社で製造され、1997年（平成9年）10月1日に営業運転を開始した。翌年の1998年（平成10年）12月8日のダイヤ改正で置き換えを完了した。2005年（平成17年）2月には4両編成1本が増備された。

交流電源は50Hzのほか60Hzにも対応しており、ほとんどの在来線電化区間を走行可能である。ただし、中央本線の狭小トンネル通過には対応していない。

JR発足後に登場した交直流電車は、広域転配をすることがないため交流電源は50Hz（651系）か60Hz（681・683系）のどちらかだけに対応させているが、本系列はJR発足後初の50/60Hzの双方対応とされ、また車体は耐寒、耐雪構造とされた。これは485系に代わる汎用特急車として、常磐線以外にも導入することもあらかじめ考慮したものである。

基本7両編成8本（56両）と付属4両編成4本（16両）の計72両が勝田車両センターに配置され、常磐線の特急「フレッシュひたち」を中心に運用されているが、「フレッシュ」の名を冠する臨時列車にも使われる場合があり、このときに常磐線以外の路線を走行することがある。過去に臨時列車「フレッシュ水上号」として上越線の水上まで、また「青森ねぶた号」として東北本線の青森まで運転された実績がある。

全編成が普通車のみで組成されており、グリーン車はない。シートピッチ（座席の前後間隔）は定員確保を考慮して485系と同一の910mmであるが、座席自体の改良により足元などの空間は若干広がっている。客用扉は上野方の制御車は2か所だが、それ以外は1か所とされている。

主回路制御はIGBT 素子によるVVVFインバータ制御、主電動機出力は145kWで、営業運転時の最高速度は651系と同一の130km/hだが、全速度域で651系を上回る加速力を有する。

車体はアルミニウム合金製とされた。

1998年度の財団法人日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞を受賞し、車両のデザイン開発はGKインダストリアルデザインが担当した。

2007年（平成19年）3月18日から全車両が禁煙とされた。