だんご3兄弟
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だんご3兄弟 | ||
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速水けんたろう、茂森あゆみ、ひまわりキッズ、だんご合唱団 の シングル | ||
リリース | 1999年3月3日 | |
録音 | - | |
ジャンル | 童謡 | |
時間 | 4分13秒 | |
レーベル | ポニーキャニオン | |
プロデュース | 佐藤雅彦 | |
チャート順位 | ||
ゴールド等認定 | ||
3ミリオン (日本) |
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売上枚数 | ||
初回出荷枚数80万枚 (ポニーキャニオン) |
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速水けんたろう、茂森あゆみ、ひまわりキッズ、だんご合唱団 年表 | ||
マッハ・ゴー・ゴー・ゴー1997 (1997年) |
だんご3兄弟 (1999年) |
燃えろ×4 ロボコン!! (1999年) |
だんご3兄弟(だんごさんきょうだい)は、1999年1月、NHK教育テレビの『おかあさんといっしょ』のオリジナルナンバーとして発表され、一時期は社会現象になるほど爆発的な人気を誇ったタンゴ系の童謡であり、また同曲の主人公である三兄弟の串だんごのキャラクターである。
作詞・プロデュースは当時CMプランナーだった佐藤雅彦、作曲・アニメを手がけたのは内野真澄。作曲・編曲を担当したのは堀江由朗。『だんご』と『タンゴ』をかけている。
目次 |
[編集] 制作の動機
佐藤雅彦が1997年頃に串だんごが兄弟だったら一番上と一番下どちらが長男になるのかという疑問を『クリック』という短編集に収めた。同書をたまたま『おかあさんといっしょ』のディレクターが手にしたことから、歌を制作することになり、『だんご3兄弟』が完成した。
[編集] 概要
当時の「歌のおにいさん、おねえさん」だった速水けんたろう、茂森あゆみが歌って特に子供たちの間で人気となり、CD発売を待望され、『おかあさんといっしょ』史上初となるCDシングルとしてポニーキャニオンから1999年3月3日に発売されるや初回出荷80万枚があっという間に完売し発売当日の追加注文が20万枚、発売日3日目(1999年3月5日)で出荷枚数250万枚を突破する大ヒットとなった。
1999年オリコン年間シングルチャート1位、日本音楽著作権協会発表の著作権使用料の分配額では『Automatic』、『Time will tell』(共に宇多田ヒカル)に次ぐ国内作品3位。日本レコード大賞特別賞、ゴールデンアロー賞、日本ゴールドディスク大賞(ソング・オブ・ザ・イヤー)など数々の賞を受賞。
累計売上はオリコン集計で291万8220枚、KARAO.COM集計で324万9360枚。公称出荷枚数は約380万枚。当時のオリコン歴代シングルチャート3位を記録(その後サザンオールスターズの『TSUNAMI』に抜かれて4位になる)。一時期は『およげ!たいやきくん』の売上記録を超えるかと言われた。
通常、童謡曲は買い取り契約だが、『だんご3兄弟』の場合は人気が上がってからのCD発売だったため、2パーセントの印税契約だった。オリコン集計の累計売上から計算すると、シングルだけで4085.2万円以上の収入が入った計算になる。
速水けんたろう、茂森あゆみは『第50回NHK紅白歌合戦』にも出場し『だんご3兄弟』を歌った(1999年の大晦日だが、同年3月でおかあさんといっしょを降板しているため、すでに速水・茂森の2人はうたのおにいさん・おねえさんではなかった)。バックには当時単独出演だったスプー・『ドレミファ・どーなっつ!』・『にこにこぷん』のキャラクターが登場した。またcobaによるアコーディオンソロが編入された。
[編集] カバー
皆川おさむ、トリオ・ロス・パンチョスなど様々な歌手にカバーされているほか、ロビー・ラカトシュのバイオリン演奏盤、リチャード・クレイダーマンのピアノ演奏盤が存在する。童謡集などでは、DANGO★キッズ、渡辺かおり、大和田りつこらも歌っている。
1999年5月28日に音頭に編曲された『音頭・だんご3兄弟』(歌:菅原美寿々、岡崎裕美、ひまわりキッズ)がシングルで発売されている。
[編集] キャラクター
- だんご3兄弟は、串にささった状態で上から順に長男「串だんご 一郎」、次男「串だんご 次郎」、三男「串だんご 三郎」である。醤油だんご。彼らの理想はこしあんの餡だんご。
- だんご3兄弟の憧れの女性は桜餅の「さくら もちよ」。
- ちなみに、もちよさんの想い人は柏餅の「かしわ もち彦」。実際には相思相愛だが、すれ違いが続いている。
- だんご3兄弟の友達は静岡県出身の「湯のみ3兄弟」。名前は長男から順に「茶の吉」、「茶のすけ」、「茶三郎」。
- だんご3兄弟のライバルは、2段アイスの「バニラ&モカ」。
- 「だんご3兄弟」のアニメに登場するバックダンサー3人の名前はそれぞれ、「山田さん(54才)」、「斎藤さん(52才)」、「すぎしたさん(63才)」である。3人とも本業はだんご屋さん。
[編集] ブーム期の現象
上記のシングルのほか、アルバム『NHKおかあさんといっしょ いっしょにうたおう大全集40+カラオケ10』やビデオ『NHKおかあさんといっしょ 最新ベスト うたのメリーゴーランド16』、その他楽譜や絵本などの関連書籍や各種キャラクター商品が爆発的に売れた。そのほか、だんご屋さんが繁盛する、『残業3兄弟』『談合3兄弟』『海老名3兄弟』『ダチョウ3兄弟』などの替え歌が流行する、便乗商品が多数発売されるといった社会的な影響があった。しかし基本的にマスコミの過度な煽りによる面が大きかったことや、世間の注目が宇多田ヒカルに移ったことなどにより、2~3ヶ月ほどでブームは沈静化した。
なお、当時『おかあさんといっしょ』サイドでは、あまりにも異常な人気に正直戸惑っていたという。作詞者の佐藤雅彦も当時、『だんご3兄弟』はブームになるよりも長く歌い継がれる曲になってほしいという発言をしており、ブームを歓迎していなかった(佐藤雅彦の著書『毎月新聞』を参照)。
だんご3兄弟のブームに伴い、これまで串に4つ刺していただんごを3つに変えるだんご屋も現れた。そんな中で、だんごの串が4つなのは歴史的な経緯に基づくものであり、ブームに乗って勝手に3つに変えるのは許しがたいと主張するだんご屋のチェーン店によるプロデュースで『元祖だんご4兄弟』(作詞:レッド・ケイ、作曲:西崎進、歌:シャレッターズ)が製作され、1999年5月5日に日本クラウンから発売された。同曲では、だんご3兄弟には生き別れの妹がいるという設定になっている。
またこのCDを「ひなまつり」に食べるだんごとして3月3日限定販売した店もあった。
また、当時テレビ朝日系の『スーパーJチャンネル』で、全国の3兄弟を募集して紹介していた。
[編集] ブームの後
ブーム沈静化後も、幼児・小学校低学年には根強い人気を保っていた。1999年10月から2004年3月に『おかあさんといっしょ』内で『だんご3兄弟あっという間劇場』というショートアニメが放映された。かつてのブームほどではなかったが、本来の年齢層である幼児を中心に人気を集めた。これは、『だんご3兄弟』のブームがわずか2~3ヶ月で沈静化したことを皮肉ったものとする説もあるが、実際に30秒ほどでもあるため、真相は不明である。なお、初期の作品のほとんどが同題にてDVD化されており、現在も入手可能である。特典として、オリジナル放映時のアニメーションが観られるが、歌は、発売当時の歌のおにいさん・おねえさんである杉田あきひろ・つのだりょうこによるものである。
また2000年7月に『おかあさんといっしょ』から、二匹目のドジョウを狙ったかのような『たこやきなんぼマンボ』(作詞:もりちよこ、作曲:パラダイス山元、歌:杉田あきひろ・つのだりょうこ)という曲がシングルCDで発売されたが、番組を観ていた子供たちにはそれなりに受けたものの、一般にはほとんど話題にはならなかった。
2004年4月に発売されたゲーム「CLANNAD」には、メインヒロイン古河渚の好きなキャラクター・歌として、「だんご大家族」が登場する。作品世界の中では「一昔前に幼児番組発で大流行して、日本人なら誰でも知っているが、もう廃れてしまったもの」という認識がされている。作品中で表示された「だんご大家族」の歌詞の一部には、「だんごっ、だんごっ」という部分がある。
[編集] 関連曲
だんご3兄弟発売時に話題になった曲、だんご3兄弟の影響を受けて作られた曲目の一覧。
[編集] CD化
- お父さんのタンゴ(吉幾三。『だんご3兄弟』とメロディが似ていると当時、一部で騒がれた)
- バザール3兄弟音頭(財津一郎。発売は1994年だが、『だんご3兄弟』ヒット時に同じ佐藤雅彦プロデュース作品ということで話題になり再発された)
- 元祖だんご4兄弟(シャレッターズ)
- おどる三世代(五月みどり)
- だんごのチャチャチャ(きびのだんご)
- タンゴ・サ・イマ(松野太紀。『救急戦隊ゴーゴーファイブ』挿入歌)
- タンゴおでん三姉妹(3 Beauties:大和田りつこ、岡崎裕美、篠崎仁美。『それいけ!アンパンマン』挿入歌。2006年5月31日発売のアルバム『まんぷくトランス』で西尾季隆がカバーした)
- おや親だんご(江地路詩子)
[編集] 未CD化
- ようかん夫妻(和田アキ子、浜田雅功。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』挿入歌)
- ごみ箱でサンバ(所ジョージ。『MUSIC HAMMER』挿入歌)
- 枝豆5兄弟・いくら千兄弟・ピスタチオ一人っ子・カズノコ万兄弟・ブラジャー2姉妹・キャビア十万兄弟・鉄アレイ双子(ビートたけし、志村けん。『神出鬼没タケシムケン』挿入歌)
- たかお3兄弟(DJたかお 「井手功二の@llnightnippon.com ゲリラonナイト」にて流され、1名様のCDが懸賞のプレゼントにされた。)
[編集] 収録曲
- だんご3兄弟 (フルバージョン)
- だんご3兄弟 (オリジナルカラオケ)
- 作詞:佐藤雅彦 / 内野真澄(#1)
- 作曲:内野真澄 / 堀江由朗(#1,2)
- 編曲:堀江由朗
[編集] 関連書籍
- 『クリック ―佐藤雅彦 超・短編集』(講談社、1998/03、ISBN 4062089602) 『だんご3兄弟』を制作するきっかけとなった文章が収められている。
- 『だんご3兄弟の楽譜』(日本放送出版協会)
- 『だんご3兄弟のえほん』(佐藤雅彦・内野真澄、日本放送出版協会)
- 『だんご3兄弟えはがきブック』(日本放送出版協会)
- 『だんご3兄弟ぱたぱたえほん』(佐藤雅彦・内野真澄、日本放送出版協会)
- 『だんご3兄弟シールえほん』(佐藤雅彦・内野真澄、講談社)
- 『だんご3兄弟3時のけっとう』(佐藤雅彦・内野真澄、メディアファクトリー)
- 『だんご3兄弟くしの休日』(佐藤雅彦・内野真澄、メディアファクトリー)
[編集] 関連項目
- 黒ネコのタンゴ
- ピンポンパン体操
- およげ!たいやきくん
- おどるポンポコリン
- おじゃる丸(エンディングテーマ『プリンでおじゃる』は、当時マスメディアによって第2の『だんご3兄弟』と呼ばれていた)
- おさかな天国
- ピクミン(CMソング『愛のうた~ピクミンCMソング』がヒット)
- ババロア@(たまねぎをテーマにした『たまたまねぎねぎ』を歌った)
- うなぎパイ(CMソング『うなぎのじゅもん』が話題に)
- 野菜バリバリ元気っ子(大阪府の野菜をテーマにした食育ソング)
- 冷凍みかん(GTPのシングル)
- 地域振興券
- 政治家の年金未納問題(未納三兄弟)
[編集] 外部リンク
オリコン週間シングルチャート第1位 1999年3月15日付~1999年3月29日付 (3週連続) |
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前作: KinKi Kids 『やめないで,PURE/BABY LOVE』 |
速水けんたろう、茂森あゆみ、ひまわりキッズ、だんご合唱団 『だんご3兄弟』 |
次作: 上原多香子 『my first love』 |
オリコン年間シングルチャート第1位 | ||
前年: GLAY 『誘惑』 |
速水けんたろう、茂森あゆみ、ひまわりキッズ、だんご合唱団 『だんご3兄弟』 |
次年: サザンオールスターズ 『TSUNAMI』 |
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