スキップ・ビート
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スキップ・ビート (SKIPPED BEAT) | ||
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KUWATA BAND の シングル | ||
リリース | 1986年7月5日 1993年6月27日(再発) 2001年6月25日(再発) |
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録音 | VICTOR AOYAMA STUDIO | |
ジャンル | ロック | |
時間 | 8分38秒 | |
レーベル | ビクタータイシタ | |
プロデュース | KUWATA BAND | |
チャート順位 | ||
ゴールド等認定 | ||
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売上枚数 | ||
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KUWATA BAND 年表 | ||
BAN BAN BAN (1986年) |
スキップ・ビート (SKIPPED BEAT) MERRY X'MAS IN SUMMER (1986年) |
ONE DAY (1986年) |
『スキップ・ビート (SKIPPED BEAT)』は、KUWATA BANDの2枚目のシングル。「MERRY X'MAS IN SUMMER」との同時発売だが、品番の並びではこちらが2ndとなる。1986年7月5日発売。発売元はビクターTAISHITAレーベル。
目次 |
[編集] 解説
デビューシングル「BAN BAN BAN」がロングヒットする中発売された2枚同時発売のシングル。ロックチューンの続く本作とは対照的に、一方は夏の恋模様を描いた「MERRY X'MAS IN SUMMER」になっている。
本作も前作同様に、オリコンチャートの集計上不利な土曜日発売であったため、発売週のオリコンチャートでは5位(「MERRY X'MAS IN SUMMER」は6位)であった。その後も3位→2位→3位→2位→1位と意外にも登場6週目でオリコン1位になっている。また、同時発売の「MERRY X'MAS IN SUMMER」は3位を2度記録したが、オリコンチャートでの1,2フィニッシュは達成できていない。この後サザン名義で「涙のキッス」「シュラバ★ラ★バンバ」を同時発売した際に、オリコンチャートでの1,2フィニッシュを達成している。
サザン名義のシングルでは当時オリコンチャート1位を獲得した作品がなく、桑田佳祐はオリコン1位と無縁とまで言われていた。そんな中ロングヒットながら、サザン本体ではなくKUWATA BAND名義で初のオリコンシングルチャート1位を記録している。サザン名義では1989年の「さよならベイビー」で初めて1位を記録している。ちなみにアルバムでは1980年の『タイニイ・バブルス』で達成しており、本作の直後に発売されたアルバム『NIPPON NO ROCK BAND』は発売こそ本作より遅いものの、本作より先にオリコン1位を記録している。
オリコンでの1位までは時間を要したが、TBS系音楽番組『ザ・ベストテン』では早々と1位を記録し、6週連続1位を死守した。当時オリコンではセールスだけが突発したおニャン子クラブ関連の作品が上位にチャートインしていたため、同番組の集計方法や積極的な番組出演により、ヒットに繋がった。
タイトルの「スキップ・ビート」に深い意味はなく、ただスケベと語感が近かったからという当て字の英語である。ふと「スケベ~スケベ~」と繰り返すフレーズを思いつき、仮歌の段階でどうにか曲にしようと考えたが、他に語呂のいい英語がなかったために選ばれたのが「スキップ・ビート」であると桑田自身は語っている。
アナログ版ではLPのような収納型になっており、独立した歌詞カードはなく、ジャケットの片面に「スキップ・ビート(SKIPPED BEAT)」と「PAY ME」2曲の歌詞が印刷されていた。
本作のタイトルは英題の『SKIPPED BEAT』も付いたものであり、この後の収録作品でも省略されずに表記されている。また、品番の関係上本作が2ndとなり、そのために4thシングル「ONE DAY」とのオリコンシングルチャートでの連続1位記録が達成できていない。しかし、現在公式サイトのディスコグラフィでは3rdとして扱われている。
[編集] 収録曲
- スキップ・ビート (SKIPPED BEAT)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:KUWATA BAND)
バックアレンジはサックスを含む全ての楽器が効果的に使われ、歌詞に合ったセクシーな雰囲気を醸し出している。
サビの「スケベ」を繰り返すフレーズが印象的である。タイトルでもある『スキップ・ビート』という単語は後付けであるため、歌唱でははっきりと『スケベ』と言い切っている。当時曲のヒットに合わせ、このフレーズも小さなブームとなった。
歌詞冒頭に登場するLennonは、桑田も敬愛するジョン・レノンを指す。歌詞内にはエロティックなワードや比喩が多数含まれている。女性器を意味する「割れたパーツ」、陰茎を意味する「ジュニア(日本語での隠語である息子)」、女性の喘ぐ様子を意味する「Woman, Say!!」など、サビの歌詞である単なる“スケベ”に収まらない様々な表現を用いている。 - PAY ME
(作詞:Tommy Snyder&桑田佳祐 作曲・編曲:KUWATA BAND)
全英語詞曲。タイトルは日本語で「金をくれ」といった意味。曲自体は落ち着いたものだが、それと裏腹に歌詞の内容は桑田が自身のマネージャーに鬱憤をぶつける内容であり、仕事、ギャランティー、そして印税に関する非常にリアルな描写になっている。歌詞には所属事務所アミューズの当時の社員や桑田のマネージャーの名前が複数登場しており、「ヤス」も当時のマネージャーが実名で登場している。同じアミューズに所属するタレント、三宅裕司と富田靖子、さらに当時のバンドTHE 東南西北の名前も登場し、歌詞に続いて桑田佳祐自身が単語の解説を書いている。なお、歌詞はいくつか日本語をローマ字表記しただけのものがある。ちなみに発売当初のEP盤では歌詞が掲載されていたが、再発のマキシシングルには掲載されていない(公式サイトでは掲載されている)。『NIPPON NO ROCK BAND』で河内淳一が歌った「FEEDBACK」の歌詞には「SHE'LL BE TELLIN'」と「ONE DAY」およびカバー曲を除くKUWATA BANDの曲名が、一部言い方を変更されて入っており、「SKIPPED BEAT」の代わりに「PAY ME」が入っている。
[編集] 参加ミュージシャン
- 桑田佳祐:Vocal, Guitar
- 小島良喜:Keyboard, Vocal
- 今野多久郎:Percussion, Vocal
- 琢磨仁:Bass, Vocal
- 河内淳一:Guitar, Vocal
- 松田弘:Drums, Vocal
- スキップ・ビート (SKIPPED BEAT)
- 大谷幸:Keyboard
- 美久月千晴:Bass
- EPO:Chorus (Courtesy of MIDI Records)
- 新田一郎:Horn Section
- 藤井丈司:Synthesizer & Computer Operation
- 古川貴司:Synthesizer & Computer Operation
- PAY ME
- 大谷幸:Keyboards
- 美久月千晴:Bass
- Tommy Snyder:Rap
- 藤井丈司:Synthesizer & Computer Operation
- 古川貴司:Synthesizer & Computer Operation
オリコン週間シングルチャート第1位 1986年8月18日付 |
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前作: 新田恵利 『不思議な手品のように』 |
KUWATA BAND 『スキップ・ビート (SKIPPED BEAT)』 |
次作: 国生さゆり 『ノーブルレッドの瞬間』 |