シュラバ★ラ★バンバ
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シュラバ★ラ★バンバ SHULABA-LA-BAMBA |
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サザンオールスターズ の シングル | ||
リリース | 1992年7月18日 1998年2月11日(再発) 2005年6月25日(再発) |
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録音 | 1992年春 (#1) 1991年10月~12月 (#2) 猫に小判STUDIO VICTOR STUDIO |
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ジャンル | ロック | |
時間 | 9分58秒 | |
レーベル | ビクタータイシタ | |
プロデュース | サザンオールスターズ | |
レビュー | ||
チャート順位 | ||
ゴールド等認定 | ||
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売上枚数 | ||
サザンオールスターズ 年表 | ||
ネオ・ブラボー!! (1991年) |
シュラバ★ラ★バンバ SHULABA-LA-BAMBA 涙のキッス (1992年) |
エロティカ・セブン EROTICA SEVEN 素敵なバーディー (NO NO BIRDY) (1993年) |
『シュラバ★ラ★バンバ SHULABA-LA-BAMBA』は、サザンオールスターズの30枚目のシングル。「涙のキッス」との同時発売だが、品番及び公式サイトのディスコグラフィーの並びではこちらが30thとなる。1992年7月18日に発売。発売元はビクターTAISHITAレーベル。
なお、この作品が30thであることにより、オリコンの集計上「涙のキッス」と「エロティカ・セブン」が連続ミリオンセラー記録ということにもなっている。
目次 |
[編集] 解説
サザン初の同日発売シングルとして、「涙のキッス」とともに発売された。8cm盤ジャケットは前作「ネオ・ブラボー!!」より引き継いで横向きの状態にしており、白地で何の文字も無いが浮き出し文字で「Southern All Stars」のみとなっている非常にシンプルなものである。これは桑田佳祐が敬愛しサザンのCDジャケットや自身の歌詞にも度々登場するビートルズの『ホワイトアルバム』(正式タイトルは「ザ・ビートルズ」)を意識したと見られ、また同時発売の「涙のキッス」が一面薔薇の赤であったことから対になっているものと思われる。なお、12cm再発版ではジャケット上下にブランクが入っている。
オリコンシングルチャートでは「涙のキッス」が初登場1位、そして本作が初登場2位と、サザン初のオリコンチャート1,2フィニッシュとなり、オリコンの歴史上藤圭子、松田聖子に次ぐ3組目の記録でもある。更にこの時は2週連続で記録しており、こちらは藤圭子に次ぐ史上2組目の記録である。CDチャートとしては両方とも初の快挙である。
売上枚数も、この同時発売2作で当時のサザンの歴代1,2位を塗り替えている。「涙のキッス」がサザン初のミリオンで155万枚、次いで本作の97万枚であり、サザンの中では現時点でも最も100万枚に近いミリオン未達成のシングルである。それまでの1位は、「いとしのエリー」(73万枚)であった。現在は「TSUNAMI」が1位、「エロティカ・セブン」が2位の売り上げである。
本作収録曲は「涙のキッス」同様全てアルバム『世に万葉の花が咲くなり』に収録されており、アルバムの発売も9月であったことから、大型タイアップをつけた大掛かりな先行シングルになっている。
桑田佳祐曰くエロス3部作であり、この後に「エロティカ・セブン」「マンピーのG★SPOT」へと続く。「涙のキッス」とは180度違う、淫猥な歌詞を乗せたディスコサウンドであるが、その大きく異なる2曲を、同一のアーティストが同時にリリースした事で更に各々のインパクトを強くした結果、双方とも大ヒットに繋がったと言える。甘く切ないラブバラードと、エロティックでアップテンポなナンバーとの組み合わせは、デビュー当時から現在も続く、サザンが売りとしている表裏一体の二面性である。翌年にも同様に「エロティカ・セブン」「素敵なバーディー (NO NO BIRDY)」の2作ので同時リリースを行っている。
1990年代に小室哲哉作品やビーイング系アーティストなどのJ-POPに多く見られた、曲の唄い出しからサビが始まる形を取っている。この後もシングル曲では「あなただけを ~Summer Heartbreak~」「愛の言霊 ~Spiritual Message」「PARADISE」など、同様の系統となる楽曲がいくつか作られている。しかし、歌いだしからサビが始まる形は、視聴者に容易に曲を印象付けCDの購買意欲を促し易くする為の戦略的な作曲術であり、従来のポピュラー音楽の概念で言えば、いきなりサビから始まるのは非常に不自然である。その後桑田は、売れては消費され忘れられていくだけのJ-POPの現状を虚しく感じると語っており、その影響か2000年以降、サビから始まる楽曲は作られていない。
当時は両A面扱いで発売され、オリコンチャート上では「シュラバ★ラ★バンバ/君だけに夢をもう一度」となっており、メディアでは両A面シングルとされることもあるが、ビクターでは両A面とはしておらず、2005年の再発盤でもしっかりとA面だけの表記となっている(ちなみにこの際はサブタイトルも表記)。オリコンなどで両A面と認識されてしまっている例としては、2004年の「愛と欲望の日々」でも挙げられる。もっともビクターから2004年に「君こそスターだ/夢に消えたジュリア」が両A面シングルとして発売された際に、1980年の「シャ・ラ・ラ/ごめんねチャーリー」以来の両A面シングル(公表ではDouble A-side Singleと呼んでいる)と打ち出しているため、本作は単作A面ということになる。こちらは再発時にも両A面で表記されているが、なぜか公式サイトでは両A面の表記ではなくなっている。本来の正式なタイトルは英題である「SHULABA-LA-BAMBA」も含んだものとなるが、この後同曲が収録されている作品はほとんどがサブタイトルを省略しているため、ここでは日本語タイトルのみの表記とした。
また、「君だけに夢をもう一度」は当初シングルA面として発売の予定だった曲で、前年の年越しで既に演奏されていた。
前作よりベースの関口和之が休養に入っており、メンバーとしての記名はあるもののレコーディング自体には参加していない。本作はベースのサポートメンバーを起用せず、ミュージックシーケンサーによる打ち込みでベースを収録している。
タイトルは1987年に公開された映画『ラ★バンバ』のパロディ。“シュラバ”はそのまま修羅場の捩りである。
[編集] 収録曲
- シュラバ★ラ★バンバ SHULABA-LA-BAMBA
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:小林武史 & サザンオールスターズ)
当時流行のユーロビートにも似たディスコサウンドに日本語英語入り乱れた言葉遊びを取り入れ、特に造語や韻を踏んだ表現が多い。また、英語のみのラップも曲中に絡み、ラップが一般的でなかった当時としてはかなり斬新であった。
歌詞に「そりゃ大好きなERIKO」とあるが、これは桑田の姉から拝借した名前である。仮歌段階では竹内まりやから引用し「そりゃ大好きなMARIA」とも歌っていたが、語感を優先してERIKOになったという。
PVは桑田のアイデアが存分に盛り込まれ映画並に大掛かりな撮影となった。メンバーと当時関口の代わりにサポートをしていた根岸孝旨が、テングザル似のアマゾネスが支配する惑星のジャングルに迷いこみ、アマゾネスに生け捕りにされ食用として殺されそうになるが、アマゾネスの宴の最中にサザンが捕らえられていた檻から脱出し、各々の担当する楽器を武器に反撃を始め、最後は勝利するという、通常のPVに比べかなりストーリー性に富んだ内容だった。アマゾネス達は乳房丸出しのほぼ全裸の姿を晒し、本作のイメージに合ったエロティックな仕上がりで、撮影時は平気で裸体を晒す女性キャスト達を前に、メンバーや男性スタッフの方が逆に目のやり場に困ったという。尚、アマゾネスの女王役として当時人気のAV女優であった豊丸が起用され怪演を見せた。
タイアップとして同年にNTT(当時)から分離独立されたNTT DoCoMoの初代CMソングに使用され、CMにはメンバーも出演し演奏シーンを見せた。また、TBSドラマ「ずっとあなたが好きだった」でも挿入歌に使用された。 - 君だけに夢をもう一度
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:小林武史 & サザンオールスターズ
ポップス路線の曲調やラブソングとして比較的シンプルな歌詞など、A面とは大きく異なる曲である。
1991年内には完成しており、同年末の年越しライブでは未発表の新曲として初めて演奏された。
元々はシングルA面曲として1992年3月にリリース予定になっており、各メディアに告知がされていたのだが、「A面曲として売り出すにはインパクトに欠ける」という理由でA面曲としての発売は取り止めとなり、本作のc/wとして改めて収録された。
TOYOTA『カリーナ “丘の上のカリーナ”編』のCMソングとして使用され、CMにはサザンと同じアミューズ所属の富田靖子が出演した。PVは製作されていないが、2003年のDVD『Inside Outside U・M・I』にイメージビデオが収録された。
[編集] 参加ミュージシャン
- 桑田佳祐:Vocal, Guitar(#1,2)
- 大森隆志:Guitar(#1,2)
- 原由子:Keyboards(#1,2)、Chorus(#2)
- 関口和之:Bass
- 松田弘:Drums(#1,2)
- 野沢秀行:Percussion(#1,2)
- シュラバ★ラ★バンバ SHULABA-LA-BAMBA
- 君だけに夢をもう一度