パンプキン・シザーズ
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パンプキン・シザーズ | |
---|---|
ジャンル | 軍事 |
漫画 | |
作者 | 岩永亮太郎 |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | マガジンGREAT 月刊少年マガジン |
発表期間 | 2002年 - 連載中 |
巻数 | 既刊6巻 |
テレビアニメ | |
原作 | 岩永亮太郎 |
監督 | 秋山勝仁 |
企画 | GONZO |
シリーズ構成 | 冨岡淳広 |
キャラクターデザイン | 日下部智津子 |
メカニックデザイン | 原修一 村田峻治(戦車) |
アニメーション制作 | GONZO×AIC |
製作 | 洲脇充央 岩代幸司 イズミプロジェクト |
放送局 | 放送局参照 |
放送期間 | 2006年10月2日 - 放送中 |
話数 | 全24話 |
コピーライト表記 | ©2006 岩永亮太郎 講談社 イズミプロジェクト |
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パンプキン・シザーズ(Pumpkin Scissors)は、岩永亮太郎作の少年漫画及びメディアミックス作品。2002年よりマガジンGREAT(講談社)に連載されていたが、2006年10月に月刊少年マガジンに移籍。11月号から連載を開始した。
大国間の戦争が休戦状態に入って3年が経つが、社会の混乱は収まらなかった。その混乱を解消する為に組織された部隊の活動を描く作品。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
停戦から3年を経た今も戦災という名の混乱が続く帝国。帝国はこの戦災からの復興を行うため、専門の部隊を軍隊内に設置した。それが陸軍情報部第3課(通称:陸情3課)及び実動小隊「パンプキン・シザーズ」である。時に戦災難民を援助する一方で、戦後の混乱を食い物にして私腹を肥やしたり、あるいは権力をもてあそんで民衆を虐げる者達を断罪し捕捉する部隊である。
物語は、とある村に同課実務部隊パンプキン・シザーズとして赴いたアリス・L・マルヴィン少尉と、悲惨な戦場に倦み疲れて行く宛ても無く各地を放浪していた退役伍長ランデル・オーランドとの出会いから始まった。
[編集] 登場人物
[編集] 情報部第3課
- アリス・L・マルヴィン(声優:伊藤静)
- 本作における主人公の一人。女性。帝国陸軍情報部第3課所属の少尉。実働小隊「パンプキン・シザーズ」隊長。また、拝命十三貴族のひとつ「マルヴィン家」の第3公女で次期当主である。
- 正義感が強く、また貴族らしく常に強気であるが、高飛車というのではなく高貴で凛とした風格を備える。例え3課が馬鹿にされようと戦後復興という使命に誇りを持っているが、その意気込みが空回りしている事も少なくない。ただ、その熱意に部下が引っ張られている面もあり、何かと昼行灯なハンクスに代わり実質的に3課を引っ張っている。
- 「貴族は何事にも公平な孤高の正義であるべし」「例え貴族でも平民でも、皇帝陛下であろうとも」など、その正義感の強さは幼い頃に大祖父の影響を受けた結果と見られ、今でも亡くなった大祖父を尊敬している。実母は故人であり、上の姉2人は既に嫁いでいる。マルヴィン家の次期当主ではあるが、異母兄弟の弟・アレンを次期当主にすると父の心は決まっているらしく、数年後には次期当主の資格を剥奪される公算が強い。しかし、彼女自身は剥奪される事も構わず次期当主の役割を全うしようとしており、また弟に対しても家族としての愛情を抱いている。
- 良い悪い問わず、何か起きる予兆として首の後ろがむずむずする。なお、士官学校卒業式の日に停戦となったために戦争を経験しておらず、戦場の悲惨さを知らない者としての負い目を感じることがある。
- ランデル・オーランド(声優:三宅健太)
- 本作におけるもう一人の主人公。男性。帝国陸軍情報部第3課所属の伍長。
- 体格は非常に大柄で、アリスよりも頭3つほど大きい。その体格や全身に残る傷跡などの見た目に合わず、性格は温厚かつ常識的。戦いに対して臆病であり、戦場の悲惨さを身を以て知る一人である。しかし、腰に提げたランタンに蒼い炎を燈すと一切の恐怖を感じなくなり、正気を失ったかのように敵(目標)に向かって突き進み、13mm対戦車拳銃「ドア・ノッカー」を用いて目標物の近接撃破及び敵対する全ての相手を射殺する殺戮兵器と化す(詳しくは後述の901ATTを参照)。母がいるらしい描写はあるが、出生などのプロフィールはほとんど不明。3課に配属されてからも、橋の下で野良猫と共に暮らしている。
- 戦争中は901ATTに所属し、停戦後は非公式部隊ゆえに軍に復帰できず各地を放浪していた模様。その折、ある村に立ち寄った際にアリス達と出会い彼らの作戦に協力し、事後にアリスの紹介により軍に復帰する。その際には「カウプラン機関」の後押しもあったらしい。
- その戦闘方法などからよく怪我をし、入院が多い。その度に、採尿の際に常識外れの巨根によって尿瓶自体が使えず、無理にでも採尿しようとする看護師とのやりとりが1つの決まりネタとなっている。
- 決して女性受けの良い美形とは言えないが、性格や表情仕草に屈強な男性らしからぬ愛嬌があるためか、一部ファンからは「本当のヒロインは少尉ではなく伍長」とまで言われている。
- オレルド(声優:鳥海浩輔)
- 帝国陸軍情報部第3課所属の准尉。男性。あだ名は「懲罰房からの脱獄魔」でピッキングや縄抜けなどが得意。アリスが舞踏会に参加した際にはパンプキン・シザーズ隊長代理を務めた。
- 男前であるが、そのあだ名の通り問題行動が目立つ。女好きで時と場所を選ばず女性を口説くなど一見するとお気楽男だが、根は真面目で復興という仕事にも手を抜かずに打ち込んでいる。時にはその女性との広い交友関係を利用して情報を集める事もあるなど、情報部員のドライな一面も見せる。しかし人情に薄いという訳でもなく、平静な仮面の下で義憤を燃やすなど熱血漢的なところも見せ、煮え切らない態度のオーランドに発破をかけたり、3課の活動にケチを付けられて乱闘する、薬物中毒の男を奮起させ更生させるべく自ら悪役を演じて殴らせるなどしている。
- 格闘能力に関しては状況分析を冷静的確に行うため、本人曰く「戦場格闘技の成績は中の下だったが、路地裏の卑怯喧嘩では常勝無敗」。マーチスとは幼馴染で、公私に拠らずよく一緒にいる。
- マーチス(声優:鈴木千尋)
- 帝国陸軍情報部第3課所属の准尉。男性。
- 見た目、言動共に真面目で3課の中では数少ない常識派。しかし幼馴染とはいえ素行の悪いオレルドとよく一緒にいるところなどを見ると、それなりに懐の広い性格らしい。
- 車の運転技術に優れ、実働隊の移動時はほとんど彼が運転している。また、整備の腕も良いためによく情報部整備班の手伝いをしている。他の実働隊員に比べると格闘の機会はあまり無いようだが、訓練は受けているためチンピラ程度なら充分撃退できる。恋愛関係には淡白で奥手ではあるものの、ウェブナーやセッティエームなど一癖ある女性に好かれる傾向がある。なお、セッティエームは士官と発言したが、作品のモデルになったと思われる旧ドイツでは下士官扱いである。
- 荒事の経験不足から状況判断に甘さは残るものの、常識的範疇では頭の回転が鋭く、オーランド伍長の出身の異質さに疑問を抱いたこともあるが、当人の人柄は信頼に値するものだとしている模様。
- リリ・ステッキン(声優:植田佳奈)
- 帝国陸軍情報部第3課所属の曹長。女性。3課の事務担当。
- 見た目は子供。性格は基本的に天然ボケでありドジっ娘で、コーヒーを入れさせればカップが空を飛ぶのはいつもの事である。本人はいつも一生懸命だが、熱意はほとんど空回りしてしまい、「元気付けるための踊り(パンプキン音頭)」を練習中にオーランドに見られ、怪しい宗教だと思われる始末。普段は2桁の足し算すら間違えるにも関わらず、事務では多数の書類を一見しただけで不正経理を見抜くという特殊な才能を持つ。裁縫も得意で、オーランドのコートを使い子供の手袋をその場で縫ったほど。
- 音楽が好きで、元々は軍楽隊に所属していたために歌も上手い。敵国である共和国の楽曲も好きだったが敵性音楽という事で勉強させてもらえず、情報部に入れば憚る事なく公的に調べられるのではと考えた結果として現在は3課に所属している。マーキュリー号(マーくん)の世話も彼女の仕事だが、当のマーキュリー号は懐いているのかどうかは怪しく、むしろ彼女の方がマーキュリー号に関わることに熱心である。
- ハンクス(声優:チョー)
- 帝国陸軍情報部第3課課長。大尉。男性。
- 見た目は冴えない中間管理職という感じで、昼行灯というのが一般的な評価だが、情報収集力・分析力などに秀でており実はかなりの切れ者。組織の構造をよく理解しており、その虚を突くような遣り口で他の部署や上層部に横槍を入れ、現場組が最大の効率を挙げられるよう画策する。また、その人脈や手腕で上層部や他部署と駆け引きを行い、情報や権利証を手に入れている。
- マーキュリー号(声優:小川一樹)
- 帝国陸軍情報部第3課所属の軍用犬(伝令犬)。上等伝令兵待遇。白いラブラドール・レトリーバー系の種類であると思われる。オス。
- とぼけた顔に気の抜けた鳴き声だが人語を解しているのではと思えるほど優秀で働き者。ただし、精力絶倫や噛み癖という欠点もある。ステッキン曹長には「マーくん」と呼ばれている。
- オーランドが来る前は伍長待遇であったが、コネリーに噛みついたために降格になった。
- アニメのエンディングテーマ曲「マーキュリー☆GO」は彼のことを歌っているものである。
[編集] その他
- コネリー(声優:志村知幸)
- 帝国陸軍情報部第1課課長。少佐。男性。
- 国家公安を担う1課の課長故に非常に高い権限を有す。有能ではあるが、目的のためならば人の死など何ら気にせず、しばしば冷徹な命令を下す。それでも、あくまで最終目的は国益のためであり、部下が内偵に失敗し死亡した時には部下想いの様な一面を見せているが、時には軍のために麻薬市場を経営しようとしたりと確実に悪人に分類されるようなこともしており、その人物評は難しい。ただ私益に走らないところという点で、良くも悪くも実直な軍人である。
- ハンクスとは旧来から縁があったらしく、彼が階級では上のコネリーと互いにぞんざいな口調で会話しているシーンがあったり、個人的な情報交換などを行っている(それもあって3課の人間以外では最も登場回数が多い)。ただ親友という言葉は当てはまらないようで、ハンクスをなめていたり、逆に彼に煮え湯を飲まされたりと、微妙な関係である。
- ウェブナー(声優:平松晶子)
- 情報部技術班主任。技術中尉。女性。
- 長身で姉御肌の技術者。作業着であるつなぎにタンクトップ姿と咥え煙草がトレードマークで、部下達には慕われている。3課に対しては、軍では珍しく好意的であるが、車両を壊されて機嫌を損ねる時もある。また、特にマーチスを気に入っている節がある。
- なお、厳密には兵器局から情報部技術班に出向しているという立場で正確には兵器局に属しており、情報部内では比較的自由が確保されている。
- ミュゼ・カウプラン(声優:湯屋敦子)
- カウプラン機関医療開発部の女性主任。公式には軍在籍記録の無いオーランド伍長を陸情3課に推薦した人物。
- 酷薄な性格で、オーランドを「被験者(マルタ)」と呼ぶ、「908HTT」の「保護液」を開発するなど、「不可視の9番」に関与していたと見られる。オーランドとは彼の軍復帰以前から面識があり、その時は先代のカウプランの助手だったらしい。
- オーランドが3課に異動した後も、オーランドの身体検査やハンスの遺体検分など何らかの実験を行っている。
- セッティエーム・ローデリア(声優:斎藤千和)
- ローデリア王国の王女。王位継承権を持つ7人の嫡子の1人。
- まだ年端もいかない少女ゆえに情緒的に幼い面もあるが、頭脳明晰で「利用できるものは何でも利用する」という厳しい考え方の持ち主。また、何でも一度見聞きしたものは決して忘れないという特技を持ち、3歳の頃には4ヶ国語をマスターしていた。昔、ローデリア王家の風習により、兄姉達に毒を盛られて毒見役の侍女が死んでおり、その時のショックが彼女の厳しい考え方を形成したと同時に1つのトラウマとなっている。
- 帝国の弱味を握る為に訪問するが、そこで出会ったマーチスを非常に気に入って考え方を一部改めるなど、訪問後は心境の変化があったと思われ、信頼と好意をも武器にすると侍従に宣言している。
- 実は「ローデリアの近衛兵」のシステムを作ったのは彼女であり、その功績が兄姉達に毒を盛られた事件の原因の1つとなっている。
[編集] 敵
- ヴォルマルフ(声優:松本大)
- 夜盗団「灰色の狼(グラオ・ヴォルフ)」のボス。元々は「903CTT」の隊長(中尉)であり、その軍隊崩れが「灰色の狼」だった。本名及び中尉と呼ばれることを好まず「狼(ヴォルフ)」と呼ばせる。最期はオーランドに「ドア・ノッカー」で胸を撃たれて戦車と共にダムから落ちる。悪役ながら「不可視の9番」として、オーランドやハンスと同じ悩みを抱えていたようにも見える。
- ウォルキンス(声優:谷山紀章)
- 領地持ちの貴族。子爵。思慮に欠け享楽的かつ尊大な青年田舎領主。「狩猟は貴族の嗜み」と称して、高性能戦車を用いて領民を標的にするという非人道的な行為にふけっていたが、嘆願書で派遣された陸情3課によって排除される。この時の精神的ショックにより、拘束後は精神を病んで軍病院に収容された。
- 戦車が未だ帝国内でも研究中の最新式だった事などから「銀の車輪」とも関わりがあったらしく、最期は口封じの為に病院内で殺害される(公式には自殺という扱いになっている)。
- アルバート・ミヨン(声優:麻生智久)
- 民営水道局ミヨン社の局長。表向きは軍に多大な寄付をしたり、街で職の無いチンピラを雇うなどしていた。しかし、実態は管轄である地下水道に住み始めた難民に麻薬を売っていたり、わざわざチンピラを雇ったのは学が無いから給料を誤魔化してもバレない、汚い仕事をやらせるなどの為だった。
- 「銀の車輪」と関わりがあり、麻薬や最新式銃の提供を受けていた。本人は結社の重要な役割を持った人物と思い込んでいたようだが、「銀の車輪」から見て単なる駒に過ぎず、陸情1課突入時に1課に入り込んでいた「銀の車輪」のメンバーに射殺される。
- ハンス(声優:間島淳司)
- ミヨン社長の部下。「銀の車輪」からミヨンへ紹介された。元々は「908HTT」の隊員。保護液によって熱さ・温かさ・寒さの感覚を奪われ、精神的な意味での熱さ・温かさも感じない。しかし、停戦時に防護服を脱いだ仲間が全員死亡した事などからの孤独を「寒い」と感じ、その感覚を払拭する為に人を焼き殺す事を好む。最期はミヨンと一緒に射殺される。
- パウロ(声優:茶風林)
- 経済管理庁長官。侯爵。
- 自らの立場を利用して巨額の横領事件を起こしていたが、それが「銀の車輪」に付け入る隙を与えることとなり、“舞踏会襲撃事件”へと発展する。
- いかにも傲慢貴族らしい性格で襲撃事件が起こってもなお自身の罪の意識は皆無だったが、アリスの貴族としてのあり方を見て自身の罪を認め事件後は自首する。
- レオニール・テイラー(声優:三木眞一郎)
- 爵位の無い貴族。しかし「政財界の若獅子」と称され、ビジネス、武術、社交、どれを取っても非の打ち所の無い美男子で上流階級女性からの人気も高い。また、アリスの婚約者でもある。
- パウロ侯爵の不正の証拠である書類を“舞踏会襲撃事件”の首謀者に渡したこの事件の黒幕であり、「銀の車輪」のメンバー。そもそもアリスとの婚約もマルヴィン家の婿養子として拝命十三貴族に結社の芽を入れる為の謀略の1つだった。ただ、アリスの次期当主の座が剥奪される公算が強い以上、「銀の車輪」としてはこれ以上アリスに構う事を良しとは思っていないようだが、レオニール本人にとっては「求めていた好敵手」という事から現在のところ婚約破棄までには至っていない。
- JACK(声優:松本保典)
- 「銀の車輪」のメンバー。現在登場した「銀の車輪」の中では少なくとも最高位である。「銀の車輪」自体未だ捕捉されていないため本名など一切不明。
- アニメのエンディングでは「使者」とクレジットされた。
- ユーゼフ
- ベルタ砦守備隊の司令官。優秀な軍人であったが、優秀な軍人ゆえに「軍属の最期は戦死たるべき」という信念を持ち、余った大量の予備弾薬を使って近隣の村人を軍事訓練し、その訓練した村人と戦争を行うことで上手く行けば戦死しようと考えていた。しかし、陸情3課によって阻止され拘束される。
[編集] 組織
[編集] 帝国
本作の主な舞台。作中にて正式な国家名称及び政治形態などの説明が無いため詳しいことは不明だが、皇帝の独断で停戦条約を結んだような描写から、皇帝の権限はかなり大きいと思われる。また、陸軍のシステムや、その他、水道局や税務所・銀行、あるいは郵便制度と言った描写を見る限りでは近代的であるが、封建制度が残っているのも特徴で、領地持ちの貴族もいる。
国内でも主要都市では戦後復興が進み、経済的にも徐々に回復を見せてはいるが、貧困層や地方に残る戦争の傷跡は深く、戦時捕虜の未帰還兵や戦時体制のまま未回収の兵器・弾薬類といった戦後処理の問題、国内には貴族政治に不満を抱く過激派や、政治官僚の腐敗ぶりに苛立ちを隠せない市民など、不安要素が山積している。国内政治も汚職の問題や権力者が享楽的で公務より自身の遊興を優先させるなど政治的腐敗や混乱も見られ、何かと問題が多い。
[編集] 貴族
平民とは一線を画す存在で国家行政を一手に担っている。ただし貴族と一口に言っても、領地を持っている者から安アパート暮らしまで様々で、その一方で政治力を付けた豪商の成り上がり者もいるなどしており、旧弊の温床ともなっている。しかしその一方で僅かながらも貴族であることの「神聖なる義務」を果たそうと考える高潔の士もおり、伝統と権力の狭間で様々な者達が存在している。
- 拝命十三貴族
- 貴族の中でも、皇室会議に列席を許された貴族。爵位は持たず、他の貴族とは一線を画する。
- マルヴィン家
- “斬り裂きし者”を意味する“L(レイ)”の字を持つ武門の名家。特に先代当主であるアリスの大祖父の活躍は目覚しく、国内外問わず隣国ローデリアでも功績を上げ、ローデリアの先王より「高貴なる炎(ノーブル・フランム)」の称号とその名を冠した宝剣、また王自ら剣技「左の護剣(マン・ゴーシュ)」の手解きを受け、また伝授された。十三貴族内の序列は上から3番目。
[編集] 帝国陸軍
あくまで本分は帝国の陸軍であるが、情報部は国家公安も兼ねる立場となっているなど権限はかなり大きい。長く続いた戦乱の影響からか、政治面でも国政が武力と直結しており、警察権力は軍部によって抑圧されている。
- 情報部
- 基本は陸軍における情報の収集・分析を行う機関だが、軍特殊部隊や諜報機関的な役割、あるいは国家公安や行政指導など、その業務は広範囲に渡る。
- 第1課 (課長:コネリー少佐 副官:マルコー中尉)
- 主に国内の情報収集と統制が任務。本部と複数の実動小隊からなる。通称は「陸情1課」。国家公安を理由に情報統制や他機関への干渉が行えるなど権限も持つ。また、軍部の予算を獲得する為に動くなどといったことも行っており、麻薬市場を経営しようと画策したこともあった。ただ他機関へ干渉できるという権限は持ってはいるが、3課に突入を邪魔された際に3課を排除する手続きに手間取ったり、兵器局には手を出せないという発言を見る限り、憲兵的な役割は無い模様。
- 実動第1小隊「第1の大剣(クレイモア・ワン)」 (隊長:スナブノーズ大尉)
- 数十名の隊員で構成されている強襲制圧部隊。その第一義は恐怖を持って抑止力とする「民衆に恐れられること」であり、人質や周囲被害などを構わずに敵の完全滅殺を行う。また、隊長以外は顔を隠しているのも特徴で、その理由は個人が特定されなければ人は残酷になれるためとされる。
- 実動第2小隊「第2の曲剣(ダブル・ショーテル)」 (隊長:ラインベルカ大尉)
- 情報分析、情報操作などを行う部隊。
- 実動第3小隊「第3の隠剣(トライ・ダガー)」 (隊長:デリル中尉)
- 潜入捜査と工作などを行う部隊。
- 実動第4小隊「第4の巨斧(アックス・フォース)」 (隊長:ゴールドマン大尉)
- 公的機関への干渉と統制を行う部隊。例えば警察や消防などを指揮下に置ける権限を持つ。
- 第2課
- 主に国外の情報収集が任務。その他の詳細不明。
- 第3課 (課長:ハンクス大尉)
- 本作の中心であり、戦災復興が任務。本部と1つの実動小隊からなる。構成員は6名と1匹(設立当初の構成人員は、原作ではハンクス大尉とアリス少尉、アニメではハンクス大尉とステッキン曹長)。通称は「陸情3課」及び「パンプキン・シザーズ」。
- 設立目的はあくまで戦災復興だが、実情は軍部が国家予算を獲得するため、また国民に対して「戦災復興に力を入れている」と釈明するためであった。その為、常時には捜査・逮捕権すら与えられず、持ち込まれた任務の必要に応じてその度に権限を与えられるが、その権限も大して強くはないなど、形だけの部署である。そんな実情を知っている軍部内では「お祭り部隊」と小馬鹿にされているが、メンバーは任務を本気で成し遂げようと日夜奮闘している。
- 3課に配当される予算の大半はハンクス課長によって、臨時の権利の許可証発行の代金(賄賂?)に当てられている。もちろん通常は不可能だが、ハンクスの広い人脈と手腕によってそれが可能となっている。それ故に、本来3課には無い権限がハンクスの一存で行える場合がある。ただし、あらかじめ買っておいた白紙の許可証を発行するという形式かつ原則使い捨てのために無闇に発行は出来ず、あくまで必要に迫られた場合のみそれをハンクスが判断して発行する。
- 実動小隊「パンプキン・シザーズ」 (隊長:アリス・L・マルヴィン少尉)
- 任務に合わせて構成員を変更するようだが、主にアリス少尉以下、オレルド准尉、マーチス准尉、オーランド伍長が随伴する。名前の由来は「いかな外皮をも切り裂き断ち割るための南瓜抜き鋏」。ここで言う外皮とは権力・権威の事であり、分厚いカボチャの皮のような権力を指す。それを切り裂く鋏とは、すなわち戦災復興を妨害する権力者(人災)に立ち向かう機関という意味である。
- 兵器局
-
- 技術開発部
-
- 技術開発班 (主任:ウェブナー技術中尉)
- 現在は情報部に出向しており、情報部で使う車両(戦車なども含む)の装備・整備・開発を行っている。出向中といえど、あくまで兵器局系に属する為、1課でも安易に手が出せない。
- 不可視の9番(インヴィジブル・ナイン)
- 戦時中に設立された900番台の部隊群の通称名。表向きは存在しないが戦時中に前線ではこれらの部隊の情報が飛び交い、その結果「不可視の9番」と名付けられた。故にに正式名称でない。また、この名称すら知る者はごく僅かである。実態は、とても公には出来ないような人道を無視した装備や兵器の使用や(敵味方問わず)人命を軽んじる戦術などを行う部隊であった。人体実験や非人道的な実験兵器の運用などもあり、この辺りも公式には認められない理由となっている模様。
- なお、この“9”という数字に関しては、劇中、帝国においては初代皇帝が9月9日に戦場で死亡したという史実から「9は忌数であり9を部隊番号、特にその頭に持ってくることはまず無い」と、それ自体に不運・不吉などの曰くがある様子が描かれている。
- 901ATT(Anti Tank Trooper)
- 対戦車猟兵部隊。通称「命を無視された兵隊(ゲシュペンスト・イェーガー)」。青い鬼火を発するランタンと、本来なら行動中の戦車に近接する事など常識的に見て不可能であった為、制式採用は見送られた13mm口径「ドア・ノッカー」対戦車拳銃を携えている。他にも鎖を切る為の工具に似た戦車の装甲をも切り裂く巨大な鋏と手榴弾を携帯する。戦闘中は敵戦車に肉薄し、よじ登り、装甲の薄い部分から直接内部の人間を狙う。敵を倒す為に一切の犠牲を厭わない彼らの戦いぶりは、「たとえその瞳を灼かれても、たとえその腕をもがれても、死沼へ誘う鬼火(ウィル・オー・ウィスプ)に導かれるまま、保身無き零距離射撃を敢行する」という噂となって、味方戦車兵の間にすら恐怖を持って伝えられるほどであった。その噂の通り一切の回避行動を取らず突き進むため、オーランドの回想シーンには、戦車に轢かれたり戦車砲を身に受けたりして死ぬ同僚も顧みず、ただ立っているだけでも在り得ないほどに傷ついた体で、命乞いする戦車兵すら寄ってたかって無言のまま殺し続ける、無情で異常な戦闘の様子も描かれている。
- ただ敵の回避行動を予測して攻撃する事を念頭に置く熟練の戦車兵の乗る戦車に対峙した場合のみ、結果的に受けるダメージは最小限に留められるが、それでもなお打撲や骨折・火傷など、満身創痍は免れない。戦時中オーランド伍長が所属していた。
- 903CTT(Chemical Tactics Trooper)
- 化学戦術部隊。通称「死灰を撒く病兵(クランクハイト・イェーガー)」。空中散布式戦術毒「K-3(キルヒ3号)」などの化学弾頭を使用する。扱う物が物だけに化学弾頭の取り扱いによって倒れる兵士も少なくなかった模様。ヴォルマルフ中尉が所属。
- 906FTT
- 通称「翼無き降下兵(ファルシルム・イェーガー)」。名称以外詳細不明。
- 908HTT
- 通称「単眼の火葬兵(アルト・シュミート・イェーガー)」。耐熱防護服を身に纏い、火焔放射兵装を使用する。ただし防護服は完全ではなく放射した炎の熱は自らの肉体をも焼いてしまうが、服の中に満たされた防護液に含まれる麻薬により彼らはそれを感じることなく戦う。しかし、防護液が実際は単なる麻酔薬に過ぎず隊員達は耐熱効果があると騙されていただけであったなど、使う側も致命的な損傷を追う欠陥兵器であった事は本人達には知らされていなかった。ハンスが所属。部隊は終戦と共に解散となったが、命令受領直後にハンスを除く全員が「保護液」と防護服の助けを失って死亡している。
[編集] 経済管理庁
帝国における経済政策を一手に担う官庁。よってその政治的権限はかなり大きいものと推測される。 前長官のパウロ侯爵が汚職で辞職し、現長官はホースト侯爵となっている。
[編集] 帝立科学研究所=カウプラン機関
その名称から推察される概要と、軍部との繋がりが強いこと以外、詳細不明の組織。
-
- 医療開発部 (主任:ミュゼ・カウプラン)
[編集] ローデリア王国
農業立国。対外的には近衛兵の派遣などを行い、特に帝国に対しては農業技術の提供などを行っている友好国。内政においては「ローデリアの歴史は農民内乱の歴史」と呼ばれたり、王位継承のために王族の子達が互いに謀略を持って潰しあうという風習がある。
なお、先王の時代にアリスの祖父が内乱鎮圧を手伝った関係でローデリアの貴族とマルヴィン家には交友関係がある模様。
農業国である点や、長い歴史を通して王族内での兄弟殺しなど策謀と暗殺の陰を持つなどという点もあり、イタリアないしフランスがそのモデルかもしれない。
[編集] フロスト共和国
帝国と長きに渡って戦争をしていたことと、ステッキン曹長がこの国の音楽が好きということ以外不明。
なお、帝国と停戦が結ばれたと言っても、帝国軍人が共和国の技術を「敵性技術」と呼ぶなどしており、いまだに緊張関係にあるようである。また、戦時中の捕虜なども帝国へは完全に返還されていない。ステッキン曹長が唄っていた歌詞からロシアがモデルと思われる。
[編集] 「銀の車輪」結社
その目的及びメンバーなどはほとんど不明。作中でも未だ把握すらされていない。ただ、その影響力を徐々に延ばしており、陸情1課や経済管理庁にも協力者がいる。拝命十三貴族にもシンパを送り込もうと画策している。また、ウォルキンス子爵やミヨンの私兵が持っていた戦車・オートマティック銃などから帝国と比べ、その技術力は一歩先を行っていると思われる(実際、オートマティック銃に関しては今の帝国の技術力では大量生産は不可能と言われている)。
現在登場した存命中の人物で、名前が判っていて、関係者及び、関係が疑わしい者は「コルトゥ博士」「レオニール」「ホースト侯爵」。
[編集] モデルは?
町並みの風景がヨーロッパにとても似ている事、更に突き詰めるとドイツ語が多用されていること、シュビムワーゲン(とよく似た軍用車?)が小隊の移動に使用されている事からそれを基に更に推測すると、恐らく第2次世界大戦後のドイツをモデルしているのではないかと思われる。ただ、当時のドイツの状況ではこのような形で軍隊を維持する事は不可能だろう。ちなみに携帯運用が可能な火炎放射器が開発されたとされるのもドイツである。
時代的には、自動小銃や火炎放射器、戦車等が開発されていた頃である1900年前後(第一次世界大戦前?)だと推測できる。
[編集] テレビアニメ
UHFアニメとして、2006年10月より放送。全24話。本編終了後のエンディングテーマと次回予告は雰囲気が大きく変わる演出がされており、次回予告は声優全員が明るく楽しげな演技に切り替えている。
[編集] スタッフ
- 企画:GONZO
- 製作:洲脇充央、岩代幸司
- 監督:秋山勝仁
- シリーズ構成:冨岡淳広
- キャラクターデザイン:日下部智津子
- 戦車デザイン:村田峻治
- メカニックデザイン:原修一
- 美術監督:高橋麻穂
- 色彩設計:大内綾
- コンボジットディレクター:中島秀剛
- 3DCGIディレクター:吉岡智和
- 編集:大竹弥生
- 音響監督:渡辺淳
- 音楽:大谷幸
- プロデューサー:川原陽子
- アニメーションプロデューサー:福家日左夫
- アニメーション制作:GONZO×AIC
- 製作:イズミプロジェクト
- 取材提供:独立行政法人 水資源機構 下久保ダム管理所
[編集] サブタイトル
Episode:01 「不可視の9番」
Episode:02 「戦災復興部隊」
Episode:03 「其は貴きものなりて」
Episode:04 「ヒビ割れた肖像」
Episode:05 「あさはかな者(おとこ)達」
Episode:06 「豊饒(ほうじょう)な時間」
Episode:07 「踊る者踊らされる者」
Episode:08 「雪原に燃えて」
Episode:09 「朝霧の女」
Episode:10 「カボチャとハサミ」
Episode:11 「静かなる胎動」
Episode:12 「見えざる痛み」
Episode:13 「粗野にして美味」
Episode:14 「焔、いまだ消えず」
Episode:15 「迷走する選択」
Episode:16 「斬り裂きし者」
Episode:17 「なお救われぬ闇たち」
Episode:18 「小さな戦力」
Episode:19 「甘い罠」
Episode:20 「演者入場」
Episode:21 「木偶と偶像」
Episode:22 「孤独な天秤」
Episode:23 「そして甘い罠」
Episode:24 「軍人・平民・貴族」
[編集] 主題歌
- オープニングテーマ
- 「蒼き炎(フランム)」
- 唄・作詞:高橋洋子、作曲:大森俊之
- エンディングテーマ
- 「マーキュリー★GO」(第18話以外)
- 「パンプキン音頭」(第18話のみ)
[編集] 放送局
放送対象地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送曜日及び放送時間 |
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埼玉県 | テレ玉 | 2006年10月2日~2007年3月19日 | 月曜 26時00分~26時30分 |
神奈川県 | tvk | 月曜 26時15分~26時45分 | |
三重県 | 三重テレビ | 月曜 27時00分~27時30分 | |
京都府 | KBS京都 | 2006年10月3日~2007年3月20日 | 火曜 26時00分~26時30分 |
兵庫県 | サンテレビ | 火曜 26時10分~26時40分 | |
東京都 | TOKYO MX | 2006年10月6日~2007年3月23日 | 金曜 25時30分~26時00分 |
千葉県 | チバテレビ(幹事局) | 2006年10月7日~2007年3月17日 | 土曜 25時35分~26時05分 |
CS放送 | AT-X | 2006年12月13日~ | 水曜 11時30分~12時00分 |
インターネット配信 | ミランカ | 2006年11月2日~ | 金曜 3時00分~3時30分 金曜 11時00分~11時30分 金曜 19時00分~19時30分 |
フレッツ・スクウェア (東日本のみ) |
2007年2月15日~ | 木曜 15時更新(4話ずつ) |
※tvkでは2月12日放送予定だった第19話を放送機器メンテナンスのため休止し、2月19日に第19話と第20話を連続して放送した。
チバテレビ 土曜25:35枠 | ||
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前番組 | パンプキン・シザーズ | 次番組 |
学園ヘヴン | シャイニング・ティアーズ・クロス・ウィンド | |
KBS京都 火曜26:00枠 | ||
アニメ番組枠開設前につき無し | パンプキン・シザーズ | 魔法少女リリカルなのはStrikerS |
[編集] 関連番組
- ラジオ パンプキン・シザーズ こちら陸情3課放送局
- 音泉にて2006年9月21日より配信開始されるインターネットラジオ番組。パーソナリティはアリス役の伊藤静。
[編集] 外部リンク
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