ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル
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ジャンル | RPG |
対応機種 | ニンテンドーゲームキューブ |
開発元 | ゲームデザイナーズ・スタジオ |
発売元 | 任天堂 |
人数 | 1-4人 |
メディア | 8cm光ディスク |
発売日 | 2003年8月8日 |
価格 | ¥6,800 |
対象年齢 | CERO: A |
ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル (Final Fantasy: Crystal Chronicles、略称はFFCC)は、ゲームデザイナーズ・スタジオ開発、スクウェア・エニックス発売のロールプレイングゲームである。2003年8月8日に発売。
目次 |
[編集] 概要
ファイナルファンタジーシリーズのシリーズ外作品。ニンテンドーゲームキューブ用ソフトであるが、ゲームボーイアドバンス(以下、GBA)を連動させて最大4人同時プレイすることが出来る。プログレッシブ出力に対応している。スクウェアとエニックスは、この作品が発売される前の2003年4月1日に合併し、スクウェア・エニックスになったが、FFシリーズのオリジナル作品としては初めて、合併後の発売となった。
据え置き型ハードでは『FFVI』以来9年ぶりの任天堂でのFF作品であり、ゲームキューブのキラーソフトとして期待を集めた。文化庁メディア芸術祭の大賞を受賞するなど評価が高い作品であったが、セールス面ではFFのメインシリーズに遠く及ばないものであった。内容的にもビジュアル重視・大作主義のメインシリーズとは趣が異なる。
開発された経緯は、ゲームデザイナーズ・スタジオの項が詳しい。
また、『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル~はてなき空の向こうに~』の名で壱河柳乃助による漫画作品が2004年~2005年に月刊少年ガンガンに連載され、全3巻の単行本として纏められている。
シリーズ作品としてニンテンドーDSで『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト』が、Wiiで『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー』が発売される予定である。
[編集] 主なスタッフ
- 河津秋敏 (プロデューサー)
- 青木和彦 (ディレクター)
- 片岡正博 (シナリオ)
- 谷岡久美 (音楽)
- 紙山満 (メインプログラム)
- 土谷雄一 (バトルプラン)
- 松村靖 (フィールドプラン)
- 板鼻利幸 (キャラクターデザイン)
- 渋谷員子 (メニューグラフィック)
[編集] 主題歌
- 日本語版
- オープニングテーマ Yae「カゼノネ」作詞:片岡正博 作曲・編曲:谷岡久美
- エンディングテーマ Yae「星月夜」作詞:片岡正博 作曲・編曲:谷岡久美
- Yaeは加藤登紀子の娘であり、シンガーソングライター。ゲーム中のナレーションも担当している。
- 英語版
- オープニングテーマ ドナ・バーク "Morning Sky" 英訳詩:ドナ・バーグ
- エンディングテーマ ドナ・バーグ "Moonless Starry Night" 英訳詩:ドナ・バーグ
- 英語版は日本語版を英訳して歌う。ドナ・バーグはゲーム中のナレーションも担当している。
[編集] ゲームシステム
本作はロールプレイングゲームであり、FFシリーズと銘打ってあるがこの作品より前に発売されたFFシリーズとは違い「アクション・ロールプレイング(A・RPG)」と言った方が良い。今までのスクウェアの作品だと聖剣伝説シリーズに近い。この作品より前に発売されたFFシリーズでは、イベントなどでプリレンダムービーを使うことが多かったが、本作ではプレイヤーにそのイベントを体感してもらうというコンセプトがあり、イベントなどで使われるムービーは全てリアルタイムポリゴンムービーである。
[編集] シングルプレイモード
モーグリの「モグ」をパートナーにしてクリスタルゲージを運ぶ手伝いなどをしてくれる。GBAケーブルを使いGBAの画面をレーダー画面として使用することができる。また魔法を使う際、「魔石」と呼ばれるアイテムを手に入れて魔法を使うことになるが、アイテムのコマンドリストで魔石を合体させて強力な魔法が使えるようになったり武器と足し合わせて魔法剣が使えるようになる。
[編集] マルチプレイモード
ゲームキューブコントローラーは使用せずGBAをコントローラーとして使う。コマンドリストのアイテムなどの情報は全てそれぞれのプレイヤー自身のGBAの画面で扱う。魔法を使うシステムがシングルプレイ時とは違い、アイテムのコマンドリストで魔石を合体させるのではなく、それぞれのプレイヤーが魔法を使う際にフィールドに表示された魔法を発動する場所を定めるターゲットリングを重ね合わせて同時に魔法を発動させる(マジックパイルと呼ばれる)と強力な魔法が使える。魔法剣を使う際も魔法を発動させた後にタイミングよく必殺技を放つと魔法剣が使える仕組みになる。
マルチプレイモードだけの利点として他のプレイヤーのキャラクターをメモリーカードを使って自分のキャラバン(RPGでいうところのパーティー)にゲストプレイヤーとして迎え入れることができる。(但し自分のデータに持ち帰ることができるのはアーティファクトというアイテムのみである)。また、GBAにデータを転送して遊べるミニゲームの「けちらせキャラバンロード」はマルチプレイモード専用のゲームでありシングルプレイモードでは遊べない。
[編集] 世界観
『FFCC』の世界は、瘴気と呼ばれるよどんだ空気によって包まれている。瘴気は人体に悪影響を及ぼすため、人はその中では生きることはできない。唯一、「クリスタル」と呼ばれる特殊な鉱石の周辺だけが瘴気の影響を受けないため、人々はクリスタルのある土地に村々を形成している。
クリスタルは年に一度、「ミルラの木」から採取される、「ミルラのしずく」で清める必要があるため、村民は、雫を集めなければならない。そうしなければ、村はクリスタルの加護を失い、瘴気の侵され滅亡してしまう。しかし、ミルラの木はクリスタルから離れた、瘴気の溢れる村外にあるため、瘴気の中を進まなければ、雫を採取することができない。そこで、村民は、雫を集めるための器にクリスタルのかけらをはめ込み、その加護を受けながら、ミルラのしずくを集めることにした。この器をクリスタルケージといい、雫を集める一団をクリスタル・キャラバンという。これを繰り返すことで、村民は常に滅亡から免れてきている。
クリスタル・キャラバンの旅は、ミルラのしずくの採取が目的であるが、ミルラのしずくは一つの木から少量しか採取することが出来ない。しかし、世界の各地は、濃厚な瘴気が吹き荒れる「瘴気ストリーム」の洞窟により分断されており、この洞窟を抜け、より多くの土地に赴かねばならないのであるが、瘴気ストリームには、火、水、風、土の4つの属性のうちいずれか1つの属性を持っており、その属性に対応したクリスタルでなければ突破することが出来ない。そのため、ホットスポットいう、クリスタルの属性を変える台座により、属性を変えながら進む必要がある。この瘴気ストリームの属性は年によって変わるため、年ごとに属性を確認して進まなければならない。
帰還したクリスタル・キャラバンは、祝福をもって迎えられ、村は1年間の安泰が保障されることになる。その歓喜や希望は、帰還した際に開かれる「水かけ祭」に象徴されているであろう。このように、クリスタル・キャラバンは、村の存亡をかけて旅を行う使命を帯びているのである。
[編集] 思い出による世界の循環
このゲームは世界各地にあるダンジョンの一番奥にある「ミルラのしずく」を集めることが当面のゲームの目標である。「ミルラのしずく」とは世界の循環の一部でしかない。人は生きることによって思い出を作り出し、長い時がたつと忘れてしまう。その忘れた思い出を吸収し養分を生み出す「ミオ」と呼ばれる存在があり、その「ミオ」が養分を生み出し、ミルラの木を誕生させて、ミルラのしずくを生成しているのである。
[編集] 種族
[編集] 4つの種族
この作品の世界での主要とされる亜人種たち。人の言葉を話せる種族はこの他にも、モーグリやカーバンクルがいる。
- クラヴァット
- 地道で穏やかな性格の「温」の民。争いごとを好まない彼らは常に人々との融和を優先して行動する。空気も、土も、どんな種族の人々も、彼らにとっては友達である。
- リルティ
- 伝統を重んじる「武」の民。遠い昔、大陸の覇者だったという歴史が、今もなお、種族の誇りとなっている。血の気は多いが、さっぱりした気性が人望を集め、世界の商業の中心を担う。
- ユーク
- 研究者として日々を穏やかに送る「智」の民。リルティの武力支配に対して、魔法の力で抵抗した過去を持つ。異様とも思える外観は、魔力を最大限に活かすための仮の姿だと言われている。
- セルキー
- 己を第一と考えることを美徳とする「我」の民。毛皮をまとい盗品で着飾っている。野生動物のような敏捷性としなやかさを持ち、それらを活かして盗賊になる者も多い。
[編集] その他
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物
[編集] 主人公
- キアラン
- クラヴァットの男。性格はきまじめであり、好物はしましまリンゴ、嫌いなものはほしがたにんじんである。
- エリン
- クラヴァットの女。花が大好きである。ときどきぼんやり何か考え事をしていることがある。
- チャド=ゲイル
- リルティの男。勇敢だが突っ走る傾向がある。根は良い奴である。
- クレア=ギルダ
- リルティの女。肝っ玉母さんタイプの性格だが、母親は逆に心配性である。
- シーベーグ
- ユークの男。自然をこよなく愛しており、自然について話し出すと止まらない。
- イーリアス
- ユークの女。物知りであるが、口数が少ない。逆に妹はおしゃべりである。
- ム・ジカ
- セルキーの男。音楽好きでいつも創作活動をしているが、不評作多い。
- ル・ジェ
- セルキーの女。人なつっこい性格である。両親は行商人をしている。キアランとは幼馴染。
[編集] サブキャラクター
- フィオナ
- リルティとクラヴァットのハーフであるが、母親であるクラヴァットに近い外見をしている。リルティの国であるアルフィタリア城に住む王女であり、城下町の民衆からは「クラヴァットの王女」として認識されている。彼女は、母親が亡くなった寂しさを引きずっていおり、その寂しさを見た「じいや」の勧めで、各地を放浪する。ただ、侍従長のクノックフィエルナに断りがなかったために失踪と捉えられ、彼を困らせることになる。イベントをこなすと{キャラバンメンバーの人数}×10万ギルもらえるイベントがある。
- 黒騎士(レオン=エズラ)
- 自分の記憶を求めるためにやみくもに剣を振り回してキャラバンを襲うこともある狂戦士。イベントを進めると彼の素性も明らかになるが実の子であるレオン=エズラに父親の仇と誤解されて殺害されるという悲惨な最期をとげる。
- しましま盗賊団
- 構成員はセルキー2人とモーグリ1匹。しましまリンゴをけなす奴は許さない、どこか憎めないところがある盗賊団。
- バル・ダット
- 盗賊団のリーダーであるセルキー。女性物と見紛うような服装をしているが、男性である。
- メ・カジ
- バル・ダットの父親に世話になったよしみで彼の後見人として盗賊団に参加している。イベントを進めると魔物に殺されてしまう。
- アルテミシオン
- もともと手紙の配達員だったが盗賊に転向。悪知恵が働くが、人なつっこく子供のような言動をする。
- ハーディとガーディ
- ガーディによればハーディは自分の兄ということだがそれは間違いである。イベントを進めればわかるが推測であるがこの2人は同一人物である。世界中から瘴気を消そうと考えたハーディはレオン=エズラ(黒騎士)と共にキャラバンを組み、ラストダンジョンであるヴァレンジェ山に入り、その瘴気の権化のラモエと戦って負け、記憶を無くしたのだと考えられる。ガーディが今までの自分を兄と表現したのは一種の多重人格とも考えることができる。
- ハーディ
- 世の中のあらゆることを解説しながら困っている人を助けている伝道師である。ティパの村の村長のローランの発言からかつてティパの村に住んでいたことがわかる。
- ガーディ
- 人を騙して金を得ようとする詐欺師。昔の記憶が「ハーディという兄がいる」ということ以外無い。しかもハーディには一度も会ったことがない。不思議な自作の詩を口ずさむこともある。
[編集] 作品世界での歴史の推移
- 約2000年前
- 繁栄を極めたレベナ・テ・ラで、4つの種族が肩を寄せ合い暮らしていたが、隕石の衝突により大クリスタルが砕け散り、瘴気があふれ世界の人口の99%が消滅する。その後、カーバンクルの教えにより、リルティがアルフィタリアの地に、ユークがシェラの地に、クラヴァットがティダの地にそれぞれクリスタルの破片の周辺に村を形成し、同時にキャラバン隊が編成されミルラのしずくを集めるようになる。
- 約1900年前
- 世界中に魔物があふれ出す。
- 約1300年前
- リルティのカトゥリケス一族が鉄器を用いて世界支配に乗り出す。そのためかリルティの国である、アルフィタリアは飛躍的な発展をとげる。リルティ以外の種族は世界各地に散らばる。リルティはマール峠にも村を形成し、クラヴァットはジェゴンに村を形成する。
- 約1000年前
- ユークの民が魔力を使いリルティに対抗し、広範囲で戦争が勃発する。
- 約800年前
- 鉄鉱石や魔石などの資源が底を尽き、ユーク、リルティ、両種族とも疲弊しきったところでクラヴァットの族長アルトゥスの仲裁で戦争が終わる。その際に両種族の指導者的立場だった、ユークの賢者であるホーミヒエレは、ユーク本来の自然との対話の道に戻ることを宣言し、リルティの将軍ギゥスは人々を魔物から守ることを誓う。また、この頃にジュゴン川が流れるようになり、その水量を農耕に利用した、ファム大農場が作られる。
- 約700年前
- セルキーの民が規律のあふれた世界に嫌気がさし、新天地を目指して放浪し始め、一部の民がルダの地に村を形成させる。さらに、クラヴァットがティパの地に村を形成させる。
- 約600年前
- セルキーたちの新天地探しが挫折することにより、村に住むセルキーはルダの村だけになる。この頃から彼らは人々の財産を盗むようになる。
- 約400年前
- クラヴァット、リルティ、ユークの連合軍がセルキーを制圧する。ルダの村に住む一部のセルキーは村を抜け出し、他の種族と共に住むようになる。一部の者は窃盗を続ける。
- 約50年前
- ティダの村がミルラのしずくを集めることができなかったことにより滅亡する。
[編集] 漫画版
壱河柳乃助によるコミカライズが、月刊少年ガンガンで連載された。
[編集] 外部リンク
- 公式サイト(スクウェア・エニックス) *:※詳細なコンテンツは既に掲載終了している
- 公式サイト(任天堂)
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チョコボシリーズ | 不思議なダンジョン - 不思議なダンジョン2 - レーシング - スタリオン - コレクション・ダイス(ランド) - はたらく - どこでも - モバイル - 魔法の絵本 |
映像作品 | OVA - 映画 - FF:U - FFVII AC |
キングダムハーツシリーズ | キングダムハーツ - キングダムハーツチェインオブメモリーズ - キングダムハーツII |
登場人物 | シド - ギルガメッシュ - エクスデス - ビッグス&ウェッジ - クラウド - ヴィンセント - セフィロス |
関連項目 | 魔法形態 - アビリティ - ジョブ - 召喚獣 |