キングダムハーツII
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ジャンル | アクションRPG |
対応機種 | プレイステーション2 |
開発元 | スクウェア・エニックス |
発売元 | スクウェア・エニックス |
人数 | 1人 |
メディア | DVD-ROM 1枚 |
発売日 | 2005年12月22日 |
価格 | 7,770円(税込) - 通常版 16,989円(税込) - トリニティマスターピース |
対象年齢 | CERO:全年齢 |
売上本数 | 約112万本(日本、2007年1月末現在) |
『キングダムハーツII』(-ツー、KINGDOM HEARTS II、略称:KH2、KHII)は、2005年12月22日にスクウェア・エニックスより発売されたプレイステーション2用ゲームである。名前は『II』だが、キングダムハーツシリーズの第3作目にあたる。また月刊少年ガンガンに天野シロによる漫画が連載されている。第1作目のKHより2作目であるCOMとの関連性の方がやや強く、一部の話はKH2上においては省略されているので(ソラ復活後の「ナミネにお礼を言う」というジミニーメモなど)COMをやった方がより物語を理解できると思われる。
目次 |
[編集] 概要
これまでのシリーズと同様、ディズニーとファイナルファンタジーシリーズのコラボレーションを実現。主題歌は再び宇多田ヒカルが『Passion』(英語版は『Sanctuary』)で担当した。ディズニーからはトロンやイェン・シッドといったマイナーな作品や人物が登場し、FFからは『FFIX』のような野村哲也がキャラクターデザインをしていない作品も出るようになった。
限定版として、『キングダムハーツ トリニティマスターピース』も発売された。『KH』『COM』『KH2』の3作がまとめられた、業界初のハードの垣根を越えたセットである。
発売後3日で出荷枚数100万本突破という記録を残し、シリーズの人気を印象づけさせる結果となった。また、北米でも発売後1週間で100万本の売り上げを達成しており、さらに欧州での発売によって2006年末には全世界でのシリーズ累計出荷本数が1000万本を突破した。
発売前のゲームに送られる「9th CESA Game Awards Future」にて優秀賞を受賞。「ファミ通アワード2005」では大賞を受賞し、ディレクターの野村も最優秀クリエイター賞を受賞している。さらには日本ゲーム大賞優秀賞を受賞した。
[編集] 主なスタッフ
- ディレクター:野村哲也
- コンセプトデザイン:野村哲也
- シナリオ原案:野村哲也
- シナリオ:野島一成
- メインプログラマー:原田弘、安井健太郎
- アートディレクター:大館隆幸
- キャラクターデザイン:野村哲也
- 音楽:下村陽子
- プロデューサー:橋本真司
- 主題歌:『Passion』(作詞・作曲・歌:宇多田ヒカル)
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ゲームとしての特徴
基本的なシステムとしては第1作『キングダムハーツ』とあまり変わらないが、カメラワークの変更や新システムの導入により、第1作とは趣の変わった戦闘ができるようになり、戦略の幅が広がっている。戦闘以外にも、第1作ではセーブポイントでしか変えられなかったパーティメンバーをどこでも変更できるようになったり、ワールド間の移動「グミシップ」がよりシューティングゲームらしくなっているなど、様々な変更点がある。
前作で「たたかう/まほう/アイテム/?(状況に応じて変化する)」だったコマンド欄は「たたかう/まほう/アイテム/ドライヴ」になり、「たたかう/しょうかん/チェンジ/れんけい」のコマンド欄にも切り替えられるようにもなった。それらの新システムの中から、特筆すべきものを以下に記述する。
[編集] ドライヴ
新たに追加された「ドライヴゲージ」を消費してフォームチェンジを行い、ソラの戦闘能力を上げることができるシステム。使用するとソラの服の色と戦闘スタイルが変わる。発動の際にはHP・MPが全回復するので、ピンチの時の切り札にもなる。変身できる時間は限られているが、時間の上限はフォームのレベルとともに上げることができる。
- ■スタンダードフォーム(Standard Form)
- 普段のソラの姿。バランスが重視されている。チェンジするフォームのレベルが上がると、それに応じてそのフォーム固有の能力(グロウアビリティ)を使用できるようになる。
- ■ブレイヴフォーム(Brave Form)
- キーブレードによる攻撃を強化した近距離戦型の赤いフォーム。2本のキーブレードを操ることで攻撃力は2本の合計になり、アビリティも二本分使える。さらに移動スピードも速くなり、ジャンプ力と滞空時間も強化される。ただし魔法による攻撃は一切使用できないため、遠距離からの攻撃には苦戦を強いられる。中盤に攻撃力が高く魔法も使えるマスターフォームを覚えると、使用することは必然と少なくなるため、序盤向けのフォームといえるだろう。グロウアビリティはハイジャンプ(通常より高くジャンプできる)。グーフィーの力を借りて変身し、ゲージを3消費する。
- ■ウィズダムフォーム(Wisdom Form)
- 魔法による攻撃を強化した遠距離戦型の青いフォーム。キーブレードを使った物理攻撃は使えないが、代わりに通常攻撃が魔法の弾を打ち出す『ショット』になり、また魔法の連射・威力の強化などができるようになる。地面を滑るように移動し、移動しながらの攻撃が可能。魔法の発動時間が短くなっており、ショットの連射能力と合わせると攻撃を途切れさせることなく敵にダメージを与え続けることができる。しかし攻撃力の低さはネックで、使いこなすには慣れが必要なフォーム。魔法好きなら持って来いともいえる。グロウアビリティはエアスライド(滑るように高速移動する)。ドナルドの力を借りて変身し、ゲージを3消費する。
- ■マスターフォーム(Master Form)
- キーブレード・魔法攻撃の両方が強化される黄色いフォーム。ブレイヴフォームとウィズダムフォーム両者の性能を持ち合わせている。キーブレードが2本になり、左手のキーブレードは宙に浮く。攻撃力や魔力が二本分になり、アビリティも二本分なのはブレイヴと同じだが、こちらは魔法と物理攻撃を同時に行うことができる。地上コンボが存在せず、2段ジャンプを使った空中戦を得意としている。ただし移動スピードはチェンジできるフォームの中では一番遅く、消費するドライヴゲージも前述の2フォームより多くなっている。グロウアビリティはエアドッジ(2段ジャンプできると同時に敵の攻撃をガードする)。仲間2人の力を借りて変身し、ゲージを4消費する。
- ■アンチフォーム(AntiForm)
- フォームチェンジをした時、敵からダメージを受けると稀に変身するフォーム。ドライヴを使うごとに「アンチカウント」(画面上では確認できない)が溜まってゆき、カウントが増えると変身しやすくなる。『KH』に登場したハートレス「アンチソラ」に酷似した姿を持つ。獣が走るような四足歩行にキーブレードを使わず素手で戦う野生的な戦闘スタイルで、全フォーム中最速という驚異的なスピードと連続攻撃による爆発的なパワーを持ち合わせる。ただし移動・攻撃・ジャンプ以外の操作を行う事はできず、ドライヴゲージは全て消費し、受けるダメージも増加するなどのデメリットのほうが目立つ。魔法も使えず、回復プライズも拾えないので、わずかなダメージを受けても致命傷となりやすい。どのフォームを選んだとしても、このフォームに変身してしまうと仲間2人がいなくなる。マップを切り替えるか、ゲージがなくなる(攻撃することで減りが速くなる)と戻る。
- ■ファイナルフォーム(Final Form)
- キーブレードの真の力を解放した銀色のフォーム。2本のキーブレードがソラの後方で交差して宙に浮いており、意思を持つかのように攻撃する。さらに魔法攻撃も強化され、移動しながらの攻撃もできるという、あらゆる能力に長けた遠近どの距離でも戦える最強のフォーム。絶えず地表から浮いていて滑空もできるようになり、移動スピードもかなり速くなる。消費するドライヴゲージがマスターフォームよりも多く、またフォームレベルを上げにくいという欠点はわずかにあるが、実用性はどのフォームよりも断トツといえる。しかも、このフォームにチェンジした時は必ずアンチフォームにならず、「アンチカウント」も激減するというメリットも持つ。固有アビリティの「オートアサルト」によってキーブレードがソラをサポートするように動く。グロウアビリティはグライド(滑空する)。仲間2人の力を借りて変身し、ゲージを5消費する。
- ■リミットフォーム(Limit Form)
- 『Final Mix』で追加された、『KH』『COM』までのソラの服と同じカラーリングのフォーム。『KH』で定評のあったアビリティがそろっておりリミット技として4つの必殺技(ソニックレイヴ・ラストアルカナム・ストライクレイド・ラグナロク)が使えるようになる。グロウアビリティはドッジロール(素早く前転する)。仲間の力は必要なく一人の戦いのときも使用出来る。ゲージは4消費。
[編集] れんけい
ソラがパーティメンバーや召喚キャラと連携攻撃を繰り出すシステム。ソラのMPを全て消費して、多数の敵を巻き込む強力な技を使用することができる。
- パーティメンバーとの連携
- ファンタジア (×ドナルド)
- フレアフォース (×ドナルド)
- ユニゾンアスリート (×グーフィー)
- トルネドフュージョン (×グーフィー)
- トリニティリミット (×ドナルド&グーフィー)
- ドラゴンブレイズ (×ムーラン)
- ハウリングムーン (×ビースト)
- オーバードライブ (×アーロン)
- トレジャーアイランド (×ジャック・スパロウ)
- トリックファスター (×アラジン)
- アプローズプリーズ (×ジャック・スケリントン)
- キングスプライド (×シンバ)
- フルコンパイル (×トロン)
- エターナルセッション (×リク)
- 召喚キャラとの連携
[編集] リアクションコマンド
状況に合わせて△ボタンで使用することができる。マップ移動中の、宝箱を開けるときや人と話すときにもリアクションコマンドを使う。バトル中の敵の多くにも専用のコマンドが設定されており、バトル中に条件を満たしコマンドを使うことによって強力な攻撃を繰り出すことができる。いくつかのボス戦ではさらに派手な演出が用意されている。
元々は野村哲也が『ファイナルファンタジーVIII』の開発時に考案したアイディアだったが、当時は実現不可能ということで断念。本作の開発にあたり、バトルを進化させるためと、リアルタイムの操作感の向上のために採用された。
[編集] キングダムハーツII FINAL MIX+
ジャンル | アクションRPG |
対応機種 | プレイステーション2 |
開発元 | スクウェア・エニックス |
発売元 | スクウェア・エニックス |
人数 | 1人 |
メディア | DVD-ROM 2枚 |
発売日 | 2007年3月29日 |
価格 | 7,980円(税込) |
対象年齢 | CERO:A(全年齢) |
『キングダムハーツII FINAL MIX+』(-ツーファイナルミックスプラス、KINGDOM HEARTS II FINAL MIX+)は、北米版をベースに追加要素を盛りこんだ英語音声版。本作の英語音声版については、「日本語版を『FINAL MIX』のつもりで作ったので、どうしようか迷っている」「今回は『FINAL MIX』の制作予定はない」といった発言が開発側から出されていたが、2006年9月に制作中であることが明らかにされた。
『キングダムハーツII Final Mix』と、GBAで発売された『COM』の3Dリメイク『キングダムハーツ Re:チェインオブメモリーズ』の2枚組のため、特別版以上であるということを意味して『FINAL MIX+』とされた。『Re:COM』の一部のイベントシーンは日本語ボイス付きで表現されるほか、オリジナル版には無かった要素も多く追加される。
以下は『キングダムハーツII Final Mix』における変更点である。『Re:COM』の変更点は当該項目を参照のこと。
- 音声が全て英語に
- 主題歌変更
- 日本語歌詞の『Passion』から、英語歌詞の『Sanctuary』に。
- イベント追加
- 多くは英語音声は無しになっているが、後述のシアターモードでは日本語音声がついたものを聴ける。
- ザコ敵・ボス敵追加
- ザコ敵には新しいキノコ型ハートレス「XIIIキノコ」、ボス敵にはオリジナル版ではイベントで終わったロクサス戦などが追加。またシナリオとは関係のない要素として、『COM』で消滅したメンバーを含めたXIII機関全員、シークレットムービーに登場した鎧の騎士と戦えるようになる。
- クリティカルモード(最高難易度)の追加
- ドライヴにリミットフォーム追加
- 『KH』のソラの服のカラーリングに似たフォーム。詳しくは前述。
- シアターモード追加
- イベントムービーを自由に閲覧できるモードで、本編クリア後に追加される。『Re:COM』のリク編をクリアしたデータがあると英語と日本語の切り替えが可能になり、追加イベントには日本語音声がついている。
- クリスマスタウンに新コスチューム
- ワールド「ハロウィンタウン」のクリスマスタウン部分では、ソラ、ドナルド、グーフィーがサンタコスチュームとなる。尚、余談だがBGMも新しくなっている。
- サブゲーム「ピースコレクション」追加
- 世界中にピースが散らばっており、集めたピースで『KH』のイラストのパズルができる。
- マップギミック追加、新マップ追加
- 新武器、新アビリティの追加
- 音楽追加
- ハートレスのテクスチャ変更
- シークレットムービー追加
- 一部キャラクターの細かい衣装変更。
[編集] あらすじ
トワイライトタウンに住む少年ロクサスは、残り少ない夏休みを仲間のハイネ、ピンツ、オレットらと共に楽しく過ごしていた。しかし、この頃になって急に見知らぬ少年の夢を見たり、街で自分にしか見えない現象が起こったりと、身の回りでおかしなことばかりが起こる。そしてロクサスが全てを思い出し、ソラと出会ったとき、彼の夏休みは終わりを告げた……。
ソラ、ドナルド、グーフィーが眠りから覚めるとそこはトワイライトタウンだった。訳もわからず街を探索するうちに王様と出会うが、列車に乗るよう告げるとどこかへ消えてしまう。王様の命令のまま列車に乗ると、不思議な塔に辿り着いた。そこでソラたちは王様の師匠であるイェン・シッドから、世界に再び異変が起きていることを知らされる。ノーバディと呼ばれる怪物を率いるXIII機関が暗躍しているというのだ。ソラは3人の妖精に服を変えてもらい、装いも新たに、再び世界を駆け巡る冒険に出発する。
[編集] 登場キャラクター
- ソラ(Sora)
- 1年前ハートレスから世界を救った、キーブレードに選ばれた勇者。闇の世界に残ったリクと王様を探し出し、故郷であるデスティニーアイランドで待つカイリに会うため旅を続けている。忘却の城でナミネによってバラバラにされた記憶の鎖を再生するための1年の眠りから覚め、イェン・シッドの導きのもとで新たな冒険に出る。いまだ世界に溢れ返っているハートレスや、新たな敵ノーバディと激しい戦いを繰り広げる。
- ロクサス(Roxas)
- トライライトタウンに住む、ソラに似た少年。友達と一緒に仲良く暮らしていたが、時々眩暈が起こり自分ではない誰かの記憶が頭に流れ込むようになる。ソラと同じ髪の長さという設定になっている。
- ドナルドダック(Donald Duck)
- 1年前ソラと共に世界を救った、ディズニーキャッスルの王宮魔導士。ソラとはよく口論になるがとても仲がいい。今回もソラを得意の魔法でサポートすると共にソラの新たな力、ウィズダムフォーム、マスターフォーム、ファイナルフォームへの変身の手助けをする。
- グーフィー(Goofy)
- 1年前ソラと共に世界を救った、ディズニーキャッスルの王宮騎士隊長。人を傷つける武器を嫌うため、盾を装備している。のんびり屋だが意外に冷静で勘が鋭く、すぐに暴走するソラとドナルドのストッパーでもある。ソラの新たな力、ブレイヴフォーム、マスターフォーム、ファイナルフォームへの変身の手助けをする。
- 王様(King Mickey)
- ディズニーキャッスルを治める王。キーブレードの勇者であり、黒いコートに身を包んでいる(コートの下にはソラのブレイヴフォームに似た赤い服を着ている)。ソラたちのピンチに駆けつけてその力を貸してくれる。このため前々作、前作とはうって変わって出番が激増した。ちなみに彼の名前はもちろん「ミッキーマウス」なのだが、KHシリーズにおいてこの呼び方をされることは無い。
- リク(Riku)
- ソラが探している親友。かつては闇に囚われソラと対峙した。闇をも自分の力とし自分を取り戻したものの、ゼアノートのハートレスを心の中に抱えている罪悪感から王様の元を離れ、現在は行方知れずとなっている。王様は彼の行方を知っているらしいが……。髪がかなり伸びており、前作では肩に届くほどの長さだったが今作ではセミロング並の長さになっており、また前髪は完全に目を隠すほどの長さになっている。また今作から彼もキーブレードの勇者になり武器は前作のソウルイーター似で、それより刀身が細い武器になる。ちなみに今作の最終決戦においては従来のメンバー(ドナルド、グーフィー)ではなく、彼と共に戦うことになる。
- カイリ(Kairi)
- 光の世界を支えるセブンプリンセスの1人で、ソラの幼馴染の少女。生まれはレイディアントガーデン(後のホロウバスティオン)だが、ゼアノートの手によってキーブレードの勇者のもとへ送り出され、ソラとリクの住むデスティニーアイランドに流れ着いた。デスティニーアイランドでリクとソラの帰りを待っていたが、ナミネがソラの記憶の鎖をほどいたためソラのことを思い出せないでいた。
- ナミネ(Naminé)
- ソラが忘却の城で出会った白いワンピースの謎の少女。ソラとその周りの者たちの記憶を操る力を持っていて、カイリと深い関わりがあるらしい。ディズ曰く「特別な生まれ方をしたノーバディ」で、カイリのノーバディである。ディズとはKHCoMソラ編とリク編のエンディングの間に初めて会った。
- ピート(Pete)
- 王様の永遠のライバルであるヤマネコ。かつては王様がのっていた船、ウィリー号の船長であった。ディズニーキャッスルで悪事ばかりを働き、王様によって異空間の牢獄に閉じ込められたが、マレフィセントの助けにより脱獄した。ソラたちの行く先々に現れ、ハートレスを使って悪事を企むが、その殆どがソラ達の手によって失敗に終わる。
- マレフィセント(Maleficent)
- 1年前にソラたちに倒された闇の力を操る魔女。しかし、その野望を果たすべく、かすかな魔力を頼りに一年の時を経て復活をとげた。ピートを手下のようにこき使いながら、ソラたちへの復讐を目論んでいる。ノーバディ達とも敵対関係のため、ストーリー中盤から終盤にかけては、ソラを味方するような動きもみせた。
- "闇の探求者"アンセム(Ansem)
- 賢者アンセムの弟子で、本名はゼアノート(Xehanort)。闇を求め続けた結果、自らハートレスになった。自らの師匠の名を奪い、無の世界へ閉じ込めた。自らを闇の探求者と称する。前々作でソラたちに滅ぼされたはずだが、今は狭間の証である黒コートを着てディズに協力している。正体は、闇の力を開放したリクであった。
- 賢者アンセム(Ansem the Wise)
- ゼアノートたちの師で、かつてのレイディアントガーデンを治めていた人物。好物はシーソルトアイス。人の心の闇について研究しているうちに、ハートレスの存在に気づく。また、ゼアノートたちがハートレスの研究に没頭し、危険な実験を繰り返していることを知り、実験を止めるようにゼアノートに命令するが、逆にゼアノートたちの手によって無の世界に追放されてしまった。現在の消息は不明。
- ディズ(DiZ)
- 赤い包帯で顔を包んでおり、その包帯ゆえに表情が読み取れない謎の男。前作『COM』ではリクを導いた。XIII機関に強い怒りと復讐心を持っている。コンピューターの扱いに長けており、ロクサスがいた仮想トワイライトタウンは彼が作ったもの。その正体は賢者アンセムである。
[編集] XIII機関
- 詳細はXIII機関を参照
数々の世界で暗躍する、黒いコートを着た集団。ノーバディを支配・統率しており、彼らもまたノーバディである。13人のメンバーで構成されていて、それぞれが専用の武器・司る属性・専属の配下ノーバディを持つ。
[編集] 声の出演
オリジナル版キャスト(日本語)、『Final Mix』版キャスト(英語)の順。ただし『FM』でもシアターモードでは日本語音声を聴ける。
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[編集] 登場ワールド
- トワイライトタウン(Twilight Town)
- 光と闇の狭間にたたずむ黄昏の街。近頃はロクサスの周りで奇妙な事件が多々起こっている。住人の写真や、写真という言葉そのものが奪われるという事件が発生し、犯人として疑われたロクサスたちは事件の真相を追う。そこでロクサスは普通の武器が効かない奇妙な敵と遭遇するが、その時彼の手にキーブレードが出現する。
- ホロウバスティオン(Hollow Bastion)/レイディアントガーデン
- ソラたちが降り立ったのは、1年前の冒険でマレフィセントの根城となっていたホロウバスティオンだった。世界の変わり具合に驚いているところでレオンたちと再会したソラたちは、「ホロウバスティオン再建委員会特別会員」に任命される。協力を約束するソラだったが、そこへXIII機関のメンバー6人が現れた。
- ザ・ランド・オブ・ドラゴン(The Land of Dragons、作品:ムーラン)
- 古代の中国大陸。ソラたちは竹やぶで、1年前の冒険で力を貸してくれたムーシューと再会する。ムーシューが守り神を務めるファ家の娘ムーランが、家の名誉のため男装してピンと名乗り、フン族討伐隊に入隊するので、力を貸してほしいというのだ。ソラたちも一緒に討伐隊に参加し、国の平和をおびやかすシャン・ユーと戦うことに。
- ビーストキャッスル(Beast's Castle、作品:美女と野獣)
- 森の奥にそびえる古城。1年ぶりにビーストと出会うがその態度はそっけなく、バラを大事そうに抱えて自分の部屋にこもってしまう。ベルが言うには最近彼は様子がおかしく、召使いたちを城の地下に閉じ込めてしまったらしい。ソラたちは詳しい事情を聞くため、地下の幽閉された召使いたちに会いに行く。
- オリンポスコロシアム(Olympus Coliseum、作品:ヘラクレス)
- オリンポスから少し外れた冥界に降り立ったソラたちは、ヘラクレスのガールフレンドのメガラ(メグ)と出会う。ハデスの送る刺客との戦いに疲れ気味なヘラクレスを見かねて、ハデスに交渉しに行くのだというメガラ。彼女一人では危険だからとソラたちがそれを請け負うが、その頃ハデスは冥界の牢獄から罪人アーロンを呼び出し、ヘラクレスに差し向けようとしていた。
- ディズニーキャッスル(Disney Castle)
- ミニー王妃の願いに導かれるようにやってきたソラたち。平和の象徴であるはずの城になぜかハートレスが溢れていて、ドナルドとグーフィーも帰還を喜ぶどころではない。城を闇の力から守る「光の礎」が、マレフィセントの闇の力でイバラに囲まれてしまったのだ。ソラたちが事情をマーリンに話すと、マーリンは1つの扉を出現させる。
- タイムレス・リバー(Timeless River、作品:蒸気船ウィリー)
- 扉の先は、どこか懐かしいモノクロの世界だった。ソラたちがくぐった扉と同じものがもう1つ存在し、それを閉じればディズニーキャッスルの異変は解決するという。ソラたちはそこで過去のピートと出会い、彼が異変の原因だと考えて懲らしめるが、人違いだと気付く。ソラたちはピートに謝り、お詫びとして盗まれてしまったというピートの蒸気船ウィリー号を探す。
- 100エーカーの森(100 Acre Wood、作品:くまのプーさん)
- マーリンが取り出したプーの絵本。ソラは内緒で絵本の中に入り、プーと再会を喜び合うが、何かが起こりソラは絵本の外へ飛び出してしまう。ハートレスに絵本のページをちぎられてしまったのだ。ソラがもう一度絵本の中に入ると、プーはソラや森の友達のことをすっかり忘れていた。ちぎれたページを集めればプーは思い出すかもしれない。
- アトランティカ(Atlantica、作品:リトル・マーメイド)
- 1年ぶりにやってきた海底王国は、ハートレスやXIII機関の手の及んでいない平和な世界だった。しかしアリエルはソラたちと再会しても今ひとつ元気がない。アリエルが地上の人間に出会い、恋をしてしまってからずっとこの調子らしい。執事のセバスチャンはアリエルの気をそらすため、宮殿で開催されるミュージカルにソラたちを誘う。
- ポートロイヤル(Port Royal、作品:パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち)
- カリブ海の港町。ウィルという青年に出会ったソラたちは、バルボッサ率いる海賊が町を襲撃しているところに出くわす。ソラたちが足止めされている間に、海賊の船ブラックパール号は提督の娘エリザベスをさらい出航してしまう。エリザベスに思いを寄せるウィルは、一匹狼の海賊ジャック・スパロウと手を組み、海軍の船インターセプター号でブラックパール号を追いかける。
- アグラバー(Agrabah、作品:アラジン)
- ソラたちは、かつてジャファーの手下だったオウムのイアーゴに出会う。改心したのでアラジンたちとの仲をとりもってほしいという。早速ソラたちは、アラジンと相棒の猿アブーが商人から怒られているのを見つける。アブーが盗んだランプを商人に返すアラジンだったが、そのランプは1年前の戦いでジャファーを封じ込めたものだった。
- ハロウィンタウン(Halloween Town、作品:ナイトメアー・ビフォア・クリスマス)
- いつもハロウィン一色の街のはずが、明るい飾りつけになっているのに戸惑うソラたち。そこへハロウィン風のソリに乗ったジャックが颯爽と現れる。ジャックは偶然見つけたクリスマスに夢中になり、自分の手でハロウィン風クリスマスを作ろうとしていたのだった。クリスマスタウンのサンタクロースに会いに行くというジャックに、サンタに憧れるソラも同行する。
- プライド・ランド(Pride Land、作品:ライオン・キング)
- 広大なサバンナの大地。降り立ってすぐハイエナの群れに囲まれてしまうソラたち。なんとか切り抜けたところでメスライオンのナラと出会い、スカーというライオンが王になってから国が荒れ果ててしまったと聞く。自分たちがなんとかできないかと考えるソラたちだったが、国を救えるのは王の資格を持つ者だけらしい。それは1年前の冒険で力を貸してくれたシンバだという。
- スペース・パラノイド(Space Paranoids、作品:トロン)
- ホロウバスティオンでアンセムが使っていたコンピュータの中の世界。コンピュータに乱暴な操作をしたソラたちは、メインシステムであるMCPによってコンピュータの中へ閉じ込められてしまう。牢獄の中にはセキュリティプログラムのトロンがいた。MCPに対抗するための力をDTDというデータエリアから得ようとしているトロン。リクたちの情報を得ようと思っていたソラたちは、トロンと共にDTDを目指す。
- 存在しなかった世界(The World That Never Was)
- XIII機関の本拠地。ノーバディたちの世界で、光と闇の狭間の世界。存在すら確かではなく、位置づけは非常に闇に近く、闇のにおいがそこら中に漂っている。ソラたちは、さらわれたカイリ、闇に染まったリク、そして光の世界の平和を取り戻すために、ダークシティの中央にある「存在しなかった城」に向かい、まだ残っているXIII機関のメンバーに戦いを挑んでゆく。大いなる心「キングダムハーツ」の月明かりの下で…。
[編集] PVの変更点
発売前に公開されたPVと本編の映像は若干異なるものや削除されたものがある。
- ロクサスが時計台を歩くシーン。PVでは顔が隠れるカメラワークだったが本編だと顔全体が映るような映像になっている。また、雑誌等は『ソラ似の謎の少年』と呼び発売直前まで名前がわからないようにしていた。しかし、関連商品を発売するにあたってロクサスの名前が表示されてしまい、事実上のネタバレとなってしまった。
- 街の中でロクサスがダスクを追うシーン。最後はダスクが建物の中へ消えるものだったが本編ではカットされたようである。
- vsアクセル戦(トワイライトタウン2回目)。ロクサスとアクセルの会話自体が変更されており、映像も本編には無いアクセルの不敵な笑いなどがあった。
- ドナルドとグーフィーのやりとり。寝ぼけたグーフィーをドナルドが氷系魔法で起こそうとするが、外れて反射してしまい逆にドナルドが氷漬けにされるというディズニーらしいギャグがあったが、カットされている。
- トワイライトタウン・屋敷でのディズとアンセムの会話がカットされている。
- ホロウバスティオンの城にXIII機関が集結、機関メンバーの一人に向けてキーブレードを振りかざすソラなどがカットされている。ディレクターの野村の話では、ソラがキーブレードを振りかざしたその人物はディズと話していた人物(=アンセム)と同一ということだったが、変更されている。
- トワイライトタウンで王様に助けられる時のソラの衣装。発売前のPVでは『II』のものになっていたが、製品版では前作の服の状態だった。
- 闇の世界の浜辺にてソラがキーブレードを振りかざすシーンがカットされている。
- ホロウバスティオンでの群集バトル。PVではいたベヒーモスやワイバーンが製品版ではいなくなっている。また、PVではドナルドとグーフィーも一緒に戦おうとしていたが、本編ではソラ一人である。
- 存在しなかった世界、記憶の摩天楼でのシーン。ソラたちがサムライに囲まれ、サムライが一斉に刀を構え、ソラと機関メンバー(ロクサス)がキーブレードを交えるというものがあったが、本編では変更されている。
- ロクサスの「俺には、よくわからないんだ。この世界が、本当に、本物なのか……」という台詞。1のOPでのソラの台詞とリンクしている意味深な台詞だが、製品版で聞くことはできない。
以上から、初期のPVから完成に至るまではかなり内容が変更されたことがわかる。
[編集] シリーズ
- 『キングダムハーツ』(プレイステーション2ソフト)
- 『キングダムハーツ チェインオブメモリーズ』(ゲームボーイアドバンスソフト)
- 『キングダムハーツII』(プレイステーション2ソフト)
[編集] 関連作品
- 『キングダムハーツシリーズ アルティマニアα ~イントロダクション オブ キングダムハーツII~』 ISBN 4-7575-1597-9
- 『キングダムハーツII アルティマニア』 ISBN 4-7575-1621-5
- 小説『キングダムハーツII』(著:金巻ともこ、画:天野シロ)
- Vol.1 Roxas -Seven days- ISBN 4-7575-1679-7
- Vol.2 The Destruction of Hollow Bastion ISBN 4-7575-1715-7
- Vol.3 Tears of Nobody ISBN 4-7575-1792-0
- Vol.4 Anthem―Meet Again/Axel Last Stand ISBN 4-7575-1964-8
- 漫画『キングダムハーツII』(天野シロ、月刊少年ガンガン連載)(2006年6月号~)
[編集] 備考
[編集] 誤植
エンディングのスタッフロール中、
- 片岡富枝→片岡富江
- 大和田伸也→大和田信也
上記の誤植が確認される。また、ジミニーメモにおいて映画『ムーラン』の公開年が1992年(実際には1998年)と誤りがある。
[編集] 東京ディズニーリゾートとの関連
- 本作には東京ディズニーシーの人気メニュー「シーソルトアイス」が登場した。しかし、実際に販売されているものはゲームに登場したようなバータイプのアイスキャンディーではなく、貝殻型のケースに入ったバニラアイスである。
- また、東京ディズニーランドのハロウィンイベントでの仮装の注意点のイラストに、ソラの衣装の一部が載っている。仮装はディズニーアニメーションもしくはアトラクションに登場するキャラクターのみが可能であり、キングダムハーツシリーズの仮装は認められていない。
- 「ストームライダー」という名前のハートレスが登場するが、同名のアトラクションが東京ディズニーシーにある。
[編集] 外部リンク
衛星ウサギテレビ | 王様の耳はオコノミミ | キングダムハーツII | 666~サタン~ | 屍姫 | 女王騎士物語 | スパイラル・アライヴ | ソウルイーター | 閉ざされたネルガル | ながされて藍蘭島 | 鋼の錬金術師 | はじめての甲子園 | PAPUWA | ハレグゥ | マテリアル・パズル | 円盤皇女ワるきゅーレ | 不定期連載: 鬼切様の箱入娘 | 休載中: フラッシュ!奇面組 |
カテゴリ: プレイステーション2用ソフト | キングダムハーツ | 2005年のコンピュータゲーム | 漫画作品 き | 月刊少年ガンガン