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とんねるず - Wikipedia

とんねるず

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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とんねるずは、石橋貴明木梨憲武の2人からなるお笑いコンビ。芸能事務所アライバル所属。

目次

[編集] メンバー

石橋貴明(いしばし たかあき)
東京都板橋区出身 1961年10月22日生まれ 血液型A型
木梨憲武(きなし のりたけ)
東京都世田谷区千歳台出身 1962年3月9日生まれ 血液型O型

コンビ芸人だがとんねるずは二人の役割が特に別れていないスタイルである。デビュー当時のプロフィールにはそんな自分たちの存在を“カリスマ芸人”と記載していた。

[編集] プロフィール

共に東京都出身で帝京高等学校を卒業。在学中、石橋は野球部、木梨はサッカー部に所属。この2つの部の交流は盛んで、部室内でのモノマネや一発芸などを披露を通じ、それぞれの部の「一番面白いヤツ」とお互い認識したのが出会いのきっかけ。当時は主に先輩や先生のモノマネなどで、共に校内の人気者であったという。

石橋は高校在学中から「ぎんざNOW!」(東京放送)や「TVジョッキー」(日本テレビ)をはじめとした、素人参加番組の常連であり、アントニオ猪木のモノマネやスポーツ選手の形態模写をはじめとする芸で一部の視聴者から注目されていた。なお同時代のライバルには竹中直人がおり、TVジョッキーのザ・チャレンジ(素人お笑い勝ち抜きコーナー)グランドチャンピオン大会で第3代チャンピオン石橋と初代チャンピオン竹中が対決している。

また石橋ほどの頻度ではないが主に和田アキ子のモノマネで素人参加番組に顔を出していた木梨を、高校卒業の記念として石橋が誘い、所ジョージ司会のドバドバ大爆弾に出演。それがコンビとして初めてのテレビ出演となる。「お笑いスター誕生」の出演までは、賞金を合計で多く得るために、意図的にバラバラで出演することもあったという。

帝京高校卒業後、2人は一般企業(石橋はホテルセンチュリーハイアット、木梨はダイハツ)に就職するものの、「お笑いスター誕生」へのチャレンジ決意を機に再会。漫才ではなく、モノマネ一発ギャグ、学校やアイドルタレントの一コマを演じるコント等面白いものは何でもエネルギッシュに演る多彩さで、素人ながら5週目まで勝ち抜く(当時のコンビ名は「貴明&憲武」)。

それを契機に2人は退社、1980年に正式にコンビ結成。コンビ名も「とんねるず」と改め「お笑いスター誕生」にプロとして再挑戦して挑むが、惜しくも10週目で落選してしまう。またこの時期、同番組NTVの赤尾プロデューサーの紹介で、赤坂のクラブ「コルドンブルー」におぼん・こぼんの後釜として所属。芸風がクラブの客層に全く合わず、厳しい下積み修行時代を過ごした。

1981年には西城秀樹司会の朝の情報番組「モーニングサラダ」にレギュラー出演も、些細な事から前出NTV赤尾プロデューサーと衝突。一貫してNTV系番組出演タレントであったとんねるずは同局から完全に干されることになる。この間は新宿御苑のパフォーマンスバー「KON」に出演するなど、再び下積み時代を過ごした。また、この頃は同じショーパブ系タレントであるビジーフォー(いそがしバンド)やアゴ&キンゾーらと交流を持ち、グッチ裕三宅に居候していたこともある。

その後、西城秀樹の初代マネージャーが設立した新事務所「AtoZ」に移籍し再浮上の機を窺うことになった。同事務所の社長は、当時のお笑い芸人には無縁だったスタイリストをとんねるずに付け、派手なブランドの代名詞でもあったK-FACTORYの衣装をコンセプトとするなど、イメージプロデュース戦略を図った。また現在に至るまでとんねるずの重要なブレーンであり、彼らの楽曲の作詞を行っている秋元康との出会いもこの時期である。

こうして周囲の環境も整え、エネルギーも充分に蓄えたとんねるずは1983年、深夜の人気番組「オールナイトフジ」を皮切りにテレビ復帰。当初は番組後半に5分のコーナー「とんねるずの見栄講座」をもらったに過ぎなかったが、その後「とんねるずの何でもベストテン」「とんねるずなっわけだぁ!」とコーナーや番組内のOA時間が早まるにつれ、若者中心に爆発的な支持を集め、翌1984年に放送した同番組の「女子高生スペシャル」の発展形としてスタートした「夕やけニャンニャン」(1985年-1987年)では片岡鶴太郎吉田照美を脇役に追い立てるほどパワーと存在感を示した。 その後も「オールナイトニッポン」「トライアングル・ブルー」などレギュラー番組を順調に増やしてゆく。

またこの頃、「ど根性ガエルのテーマ」以来のシングル「一気!」をリリース。彼らの勢いと見事にシンクロし、ヒットを記録をする。同曲は「オールナイトフジ」のコーナーでも毎回歌われ、セットを壊す、思い余ってTVカメラを倒壊させる、自ら勝手に「カリスマ芸人」と名乗る、などのインパクトある言動で、視聴者に強烈な印象を与えた。ちなみに1985年には、「一気!」のあまりの人気に、前述のとおり断絶状態であったNTVが動き、「スーパージョッキー」に歌手としてとんねるずを呼びぶことで、当時の関係者だけが知る事実上確執の「手打ち」となった。

このようなアイドル的な人気も集める一方、「コラーッ!とんねるず」や「夕やけニャンニャン」などで披露するコントにお笑いファンからも注目されるようになる。また従来のお笑い芸人にはなく、二人とも180cm前後の長身で、ルックスも良かったことから、女性からの人気もあった。

当時はこの人気も一時的なものと見る向きもあったが、「とんねるずのみなさんのおかげです」で本格ブレイク。「仮面ノリダー」「保毛尾田保毛男」などのコントが好評で、放送当初は視聴率30%超えを連発。それと並列するように音楽活動にも精力的に臨み、ヒットを重ねスターの座を不動のものにする。

その後も「ねるとん紅鯨団」「とんねるずの生でダラダラいかせて!!」といった長期レギュラー番組に出演。「とんねるずのみなさんのおかげです」が終了し、充電期間を挟み「とんねるずのみなさんのおかげでした」とリニューアルした後も長きに渡って一線で活躍する、漫才ブーム以降を代表するお笑いコンビである。

近年は別々での仕事が目立ち、石橋は得意のスポーツ料理を題材にしたレギュラー番組出演、木梨はそのお気楽キャラを生かしたCM出演など、両名ともに活動の幅を広げている。

ちなみに、現在のコンビ名「とんねるず」は、日本テレビプロデューサー(当時)・井原高忠(通称:ター様)が貴明のTと憲武のNをもじった「とんまとのろま」と「とんねるず」を提案し、本人たちに選ばせた(井原はザ・ピーナッツの命名者でもある)。

[編集] 芸風

デビュー当時は、それほどでもなかったが、オールナイトフジ出演以降に若さとエネルギー全開「ナ!訳だァ!」節炸裂の過激トークや、スタジオで所狭しと暴れるなどの勢いに任せた行動が茶飯事だった。そのためか、テレビを観ている視聴者はおろか共演者すらも笑顔がひきつるようなハプニングもしばしばで、そのハチャメチャな行為を繰り広げるその光景は常に賛否の渦中にいた。特に出世番組ともいわれる「夕やけニャンニャン」ではアイドルによって態度が激しく違うため、自分が好みのアイドルが不本意なイジられ方をすると「あの石橋や木梨の態度は絶対に許さない」と不満を買った。しかしこれらも本人たちの計算とも言え、視聴者が自らをブラウン管の彼らに投影できるような身近なスタンスこそがとんねるずの魅力でもあった。

なお、とんねるずのトークの中にはその時代の流行を反映した言葉が多く用いられている。例えば「○○みたいな~?」と語尾に付ける言葉は若者中心に使われているが、これは主に東京近郊の女子大生が使う言葉を敢えてとんねるずがTVで誇張して用いることで、全国的に広まった。 他にも「ねるとん紅鯨団」から端を発した「ねるとんパーティ」、「ねる様の踏み絵」で使われた「元サヤ」など、彼らが発信元となった言葉は数多い。

内輪ネタ」もとんねるずの特徴である。ただし、これはある一部の放送関係者だけに向けた発言である事が多く、しかもその発言内容も視聴者にはわかりづらいものがほとんどであった。(ただし古くはひょうきん族でもこの傾向は見られ、当時は“楽屋落ちネタ”と呼ばれた)。また、「とんねるずのオールナイトニッポン」ではトーク内容がほとんどスタッフ(放送作家マネージャープロデューサー、高校時代の友人など)の話題で占めるため、ハガキ職人の書くネタの内容もその話題を受ける格好で放送関係者絡みのネタが目立ち、常連のリスナー以外が番組に馴染みづらいという側面もあった。

その「スタッフを表舞台に出す」というスタイルの一つの形が「野猿」の結成であり、その「スタッフネタ」から生まれた番組企画、コントも多数。でとんねるずならではのものであった。

[編集] 元祖アイドル呼び捨て芸人

近年、お笑いタレントがバラエティ番組の中で出演アイドルを面と向かって呼び捨てにする場面は珍しくはない。しかしこの点もとんねるずが元祖といってよい。それまでは礼儀として、また業界の暗黙のルールとしても“御法度”であった。

これは旧世代の芸人/漫才師の在り方に由来する。演歌歌手の前座仕事が多く、正月の隠し芸大会等でもあくまで歌手や人気アイドルを引き立てる“太鼓持ち”的な役回りであり、“歌手のおかげで食べさせてもらえる”意識が強かった時代の名残である。萩本欽一タモリはもちろん、毒舌と言われたビートたけしでさえも、誰かを呼び捨てにするのは、本やラジオ、TVの各メディアで本人がいない場所に限られていた。これは明石家さんまを含めた漫才ブーム系芸人でも同様に守られており、呼び捨てはあくまでも芸人の先輩後輩や仲間の“同業者間”でのみ許されるものであった。もしもこれを侵せば業界から抹殺されかねないほどの約束事とも言え、対スポーツ選手でもこれは同様であった。

この状況の変化は、ビートたけしの登場から始まっている。大学生活を経験したという意味で芸人としては異色の存在であったビートたけしは、歌手やアイドルが実は間抜けで頭が悪いという面をどんどんネタにすることと、本格的な哲学をも怖じずに知的に語る活躍によって、お笑いタレントの地位を徐々に上げていった。ビートたけしが開拓したマルチタレントカテゴリに位置するとんねるずのルールは明快で、体育会のルールをそのまま芸能界へ持ち込んだ“年齢が上か下か”という点にのみ基準を置いている。年下は問答無用で呼び捨て、そしてスタッフや関係者には目上であっても“ちゃん”付けかあだ名を付けて呼ぶというものである。素人系のオールナイターズからおニャンコまでは躊躇なく呼び捨て、アイドルに対しても、当初から比較的絡む率が高かったシブガキ隊辺りから、「薬丸テメー!」のような呼び捨てもハッキリと確認されるようになる。それ以後は、必要に応じて呼び捨てにしているようである。

傍若無人とも取れる行為であるが、とんねるずの場合は過去の風習も充分承知した上でのことであり、自己プロデュースの一環ともいえる。ガキ大将キャラ・とんねるずだからこそ周囲も納得して認めているものでもあり、これが業界に受け入れられたのは、芸人として確固たる結果を残しているためだろう。

[編集] とんねるずを育んだもの

とんねるずの二人はともに幼少時から超の付くTVっ子であり、特に「8時だョ!全員集合」のドリフターズをはじめ「カックラキン大放送」の堺正章井上順ラビット関根らのマンザイブーム以前のバラエティ番組全盛の時代の影響が強い。マンザイブームの時期はともに部活動に忙しかったこともあり受けた影響は少なく、独特の個性を持つコンビとなった。

バラエティ以外で影響を受けた者としては矢沢永吉アントニオ猪木、「傷だらけの天使」の萩原健一らが挙げられる。

[編集] 交流関係

石橋貴明は素人時代にTVジョッキーで竹中直人と知り合いそれ以後親交が続いている。またお笑いスター誕生の出演者らとも交流を深めた。特にシティボーイズとはお互いネタを見せ合い評論し合う仲であった。他に小柳トム(現BGBブラザートム)や草野球友達としてツーツーレロレロ等と交流があった。1983年の再デビューまではショーパブ出演で知り合ったビージーフォー等と親交を深めた。

元々師匠も持たず、お笑いとは言え、漫才でもなくコントと言っても従来のスタイルではないとんねるずは他のお笑いタレントと共演する事が難しく、事務所と秋元康のイメージ戦略の中で常に番組の中にコーナーを設けて個別に好きな事をさせてもらえる環境を選び、新しいタイプのタレントの価値を模索する事になる。その為に先輩お笑いタレントと絡む番組は選ばず、表面上はマンザイブーム系のタレントとの共演は殆どなく、同業者の交流も前出のお笑いスター誕生系タレントが中心であった。ただし同年齢のタレントとは盛んに交流を深め、田原俊彦久保田利伸チェッカーズ等はプライベートでも会う友人である。このようにどちらかと言えばお笑いタレントに偏らず、タレント全般で幅広い交流を持つのがとんねるずの特徴でもある。

タモリはとんねるずが素人時代、お笑いスター誕生出演時にあまりに突飛なネタで他の審査員からさほど共感を得られなかったなか、唯一タモリだけが「お前らなんだかわからねえけど面白い。」と褒めたことからとんねるずは好印象を抱いている。

若手芸人との共演はナインティナインねるとん紅鯨団出演を境に(その後、岡村隆史1997年3月の「とんねるずのみなさんのおかげです」最終回の「仮面ノリダー最終回スペシャル」にてノリダーの分身役を演じた)積極的になり、年々増加傾向にある。また、吉本興業所属の芸人とも共演が多くなったのも特徴で、いわゆる「ダウンタウンファミリー」と呼ばれる今田耕司東野幸治とも2000年以降共演する機会を持っている。また前出のナインティナインロンドンブーツ天然素材らは自らも語る通り、とんねるずの影響を直接受けた世代である。

一方で、同じくお笑い第三世代のダウンタウン浜田雅功松本人志)との共演はほとんどなく、一部のファンの間では不仲説が囁かれているが、どちらもそれぞれ看板番組を持てる力量のメジャータレントなので、帯番組で共演させる意味は業界的にほとんどなく、実際の所はお互い特別な感情は持っていない。過去にあったビートたけし、タモリ、萩本欽一の不仲説と同じ類と思われる。

余り知られていない事として草野球で交流のあったビートたけしを元祖マルチタレントの先輩として尊敬している。この事はとんねるずの著書に記載されている。

[編集] エピソード

[編集] テレビカメラ転倒パフォーマンス

  • フジテレビのバラエティ番組「オールナイトフジ」のレギュラー当時、「一気!」の歌唱中、エキサイトした石橋が1台数千万円するテレビカメラにしがみついて倒し、壊してしまった。それから数年はフジテレビのNG名場面集番組などでその場面が繰り返しオンエアされ、倒したカメラを前におののく二人の姿は初々しくも微笑ましい。ちなみに放送業界にも保険という制度があるため、弁償は免れている。また同番組では青年の主張をやはり歌いながらセットに登りまくり破損している。
  • TBSザ・ベストテン」でも「一気!」の歌唱中にテレビカメラを倒している。当時の司会者黒柳徹子らも顔面蒼白になり、石橋は弁償を考えたが、テレビ局にとってはこのようなアクシデントもそう珍しいことではなく、また故意にやった訳ではないと判断され、結局は保険によって解決されたらしい。
  • TBSうたばん」(放送時スペシャルの為、番組名「とくばん」)では、木梨が番組内で獲得した商品をカメラにぶつけ転倒させている。木梨は「大丈夫ですか?保険に入っていますよね?」とマネージャーの尾崎に確認し、逃げるように撤収した(カメラは無事だった)。中居正広が観客を煽ったことで、場内は「オールナイトフジ以来!」コールになった。
  • テレビカメラの破壊ではないが、日本テレビの歌番組「歌のトップテン」にて、「やぶさかでない」の歌唱中にカメラを強奪するというハプニングがあった。当時の司会者徳光和夫石野真子、さらには番組スタッフに迷惑をかけてしまい、のちのマネジャーが番組終了後に謝罪した。ちなみに強奪したのは、前述の「オールナイトフジ」「ザ・ベストテン」でカメラを破壊させた石橋である(木梨もつられて強奪し、石橋の局部を映していた)。
  • またこれもテレビカメラの破壊ではないがTBSザ・ベストテン」で過去に日本平での生放送で出演した時、会場からステージへ登場しようとする際に、あまりの観衆の多さで行く手が遮られ、怒った石橋が邪魔する観衆を殴ったこともある。後で歌い終えた石橋は会場に向かって「ふざけんじゃねぇよ!この野郎!!おめぇら最低だ!」と吐き捨てていた。

[編集] 舎弟軍団“もっこりーず&ぺにーず"

オールナイトフジのとんねるずコーナーで募集を行った舎弟軍団。応募条件は大学生。ここでも高卒が大学生を自由に扱う下克上美学が炸裂。当初は4チーム存在していたが、途中で突然解散を告げられ『もっこりーず&ぺにーず』だけが残る。石橋曰く「俺達のガンバルマンズだ!」との通り、カニを口でくわえたりさせられたり体力型の試練ゲームをチーム対戦型で『憲武チーム』と『貴明チーム』に振り分けて展開した。メンバーは古賀薬局、ボッキー潮田等。ユニフォームはもっこりーずが上半身裸で赤いタイツ、ぺにーずが同じく黒いタイツ。双方登場のテーマ曲があり、もっこりーずが『♪も、も、も、も、もっこり〜ず〜♪』とボッキー潮田がフォークギターを弾きながら本日のテーマに合わせた歌詞にアレンジして熱唱しつつ皆で組み体操のような振り付けを決める。というもの。対してぺにーずは宴会ノリで『♪ぺぺぺい、ぺぺぺい、ぺぺぺいぺい♪ぺにーずの、ちょっといいとこ見てみたい♪(アレンジが入り最後に)あんたはお強い♪』である。特定のメンバーはそのまま夕ニャンにも出演。このメンバーの中にはそのままオールナイターズと結婚したメンバーもいる。オールナイトフジの最終回に可能な限りのメンバーを集め一度だけ再結成された。

[編集] ジャニーズの戦略を軌道修正させたとんねるず

とんねるずの勃興期のジャニーズタレントは少年隊シブガキ隊光GENJIがメインであった。若くルックスも良くスポーツのイメージも好印象のとんねるずは夜のヒットスタジオでは「パラダイス銀河」の光GENJIにライバル意識を燃やし、出演直前に衣装を変更するなど、アイドルをもライバルと見なす姿勢を剥き出しにする。ジャニーズ事務所は従来まではハッキリ別れていた「お笑いタレント」と「アイドル」のジャンルを跨ぐとんねるずに脅威とヒントを受け、当時光GENJIのバックであったSMAP(当時はメンバー構成不確定)をバラエティも網羅する位置づけにすべく戦略を立てるなどの方向転換を行った。美形で踊りと歌のうまい煌びやかな憧れのタレントという従来のアイドルのイメージに、「笑い」のファクタを採り入れるきっかけを与えたのはとんねるずであり、SMAPのみならずTOKIOKinki Kidsらもこれに対してのアンサーと言えよう。

業界全体はここに波及を受け、各大手タレント事務所は「バラエティもこなせるアイドル」の発掘に大きくベクトルをとり、育成と名を打ち、養成所も有料で整備し、収益も生むバラエティ・アイドル(バラドル)製造へ変貌した。近年の粗製濫造のバラドルの事情は嘆かわしいとの声はあるが、それはそれとして端を発したのは、とんねるずの存在なかりせしかばである。今現在、そのSMAPの中居正広と、石橋がうたばんで共演してるのは偶然の奇跡とも言えよう。

[編集] 高卒キャラ

番組のスタッフはほぼ大半が大卒者である。自分たちが高卒でありながら芸能界で大成功したことを、むしろ出世的に(もちろんギャグとして)強調することが多かった(特に石橋)。弟子に東大生がいたのも「東大生が高卒の俺たちの弟子だぜ」とギャグとして使用。ちなみにその東大生の弟子とは、現在タレント・医師として活躍している吉田たかよしである。

ただし「ザ・ベストテン」出演時に高卒発言をした際には、共演者の小泉今日子吉川晃司に「あたしは高校中退」「ボクは中卒ですよ」などと切り返される場面もあり、思わずとんねるずは沈黙してしまった。

[編集] 美空ひばり

とんねるずの二人は今は亡き歌謡界の女王美空ひばりとも生前は親交が非常に深く「お嬢」「タカ」「ノリ」と呼び合う間柄であった。とんねるずにとって美空ひばりはいわば芸能界の母のような存在と言えよう。

両者の出会いのきっかけは、とんねるずの大ファンだったひばりの息子、現ひばりプロ社長の加藤和也の誕生会に二人が呼ばれたことであった。その後もラジオ番組とんねるずのオールナイトニッポンに、ひばりがアポ無しで飛び入り出演した、とんねるずが出演していたオールナイトフジの生放送中にひばり本人から電話が入るなど、彼らのエピソードは枚挙にいとまがない。そのためか晩年の闘病の際、親交の深かった芸能人の見舞いにさえ「面会謝絶」の姿勢を崩さなかったひばりも、とんねるずの二人にだけは面会を許したという。

ちなみに、結果的にひばりの生涯最後のシングルとなってしまった「川の流れのように」は、奇しくもそのとんねるずが歌った「一気!」「雨の西麻布」「歌謡曲」などと同じ作詞・秋元康、作曲・見岳章のコンビによって作られた。

[編集] 過去の出演作品・CDなどについて

版権についてはかなり厳しく、2004年に発売された『夕やけニャンニャン』のDVDでは出演箇所はモザイクで消され、CSで再放送されている番組(『ひょうきん族』等)でも彼らのシーンはカットされるか、放送されない回も多い。これは一説に、版権管理に厳しいイザワオフィス傘下で独立し事務所を構えたこと(イザワオフィスドリフターズやとんねるずに関しての映像使用許可依頼に対し、数秒でも高額を要求すると言われている)や、それまでにも所属事務所を転々としてきたため版権関係が複雑化しているのが原因とされている。実際、ベストアルバムが発売される際には「○○所属時代のベストアルバム」と分類されることがほとんどである。


[編集] 秋元康との出逢い

1983年に新事務所所属となり本格的なタレント活動戦略を練る中で、当時新進の放送作家であった秋元康の前でネタ見せを行う機会があった。そのネタからつかこうへいの影響を洞察した秋元は本人らにこれを確認するが、彼らはつかこうへいの名前すら知らなかった。その事実が秋元を驚かせ、それを機に秋元はとんねるずに可能性を感じ、以後彼らの筆頭ブレーンとして番組構成や作詞をはじめとしたイメージ戦略に携る事となった。

[編集] 下克上タレント

とんねるずに関しての初期文献広告批評とんねるず特集では、彼らを“下克上タレント”と評している。芸人間では通常上下関係に関しては非常に厳しいが、とんねるずは“生意気”“成り上がり”“下克上”など媚びぬことをスタンスに定めている部分があり、志村けん笑福亭鶴瓶などの大物芸人相手にすら、番組中志村けんへ突然攻撃を仕掛けたり、鶴瓶へ「ねえ笑福亭」と屋号だけで名前を呼ぶ等、半ば意図的に芸人の礼儀を裏切る事がある。しかしとんねるずは誰もが認める体育会系であり、控え室では「志村さん」「鶴瓶師匠」と呼びキチンと礼を踏まえている。

[編集] 音楽活動

お笑い芸人としても成功を収めた彼らは、音楽活動でもトップクラスの実績を誇る。お笑いタレントがCDを出すことは珍しくないが、職業歌手並みに継続的なリリースの中でコンスタントにセールスの結果を出すタレントはめずらしい。

デビュー曲はアニメ(新・ど根性ガエル)の主題歌。その後も「一気!!」「雨の西麻布」など、音楽活動開始当初はどこかコミックソングを思わせるような曲を歌っていたものの秋元康後藤次利見岳章、友人の有名アーティスト(高見沢俊彦玉置浩二藤井フミヤなど)らが提供する曲の中には完成度が高いものもあり、「迷惑でしょうが……」や「おらおら」などは今でもファンの間で人気がある。

セールス的に大きく飛躍したのはシングル「情けねえ」以降といえる。以前は「初登場2位→翌週ランク外」がほとんどだったシングル売り上げが、「情けねえ」では数ヶ月もの間オリコンチャートの上位に位置するロングヒットを記録。同曲にて第22回日本歌謡大賞の大賞受賞、ついにはNHK紅白歌合戦に初出場し、パンツ1丁で出演して「受信料を払おう」というペインティングをして話題をさらったのはあまりにも有名。その後のシングル「ガラガラヘビがやってくる」では悲願のオリコン1位を獲得し、ミリオンセラーを記録する。シングル「一番偉い人へ」でも2週連続1位となる。

ライヴも積極的にこなし、過去に“アーティストの聖地”ともいえる日本武道館1986年から1995年までに掛け、計6回の武道館ライブを。それだけでなく1989年には東京ドームで5万人以上もの観客を前にライブを行う。お笑いタレントのコンサート規模では最大の部類である。

その後、「とんねるず」としてはしばらく音楽活動から離れていたものの、「とんねるずのみなさんのおかげでした」内で番組スタッフと結成した「野猿」音楽活動を再開することになる。この野猿でも紅白歌合戦に出場し、2000年3月15日から17日に掛けて、武道館3Daysライブを行っている。

また、音楽活動時のバックバンドにはDREAMS COME TRUE結成前の吉田美和中村正人の二人が1988年頃一時在籍していた。中村は当時デビュー前の吉田に、大勢の観客との一体感、雰囲気を体感させるため、バックコーラスとしてとんねるずのライブツアーに同行させたのだという。過去にドリカムが「うたばん」にゲスト出演した際、その当時のVTRがオンエアされた。

[編集] 秋元康のパロディ戦略

「一気!!」から秋元康がほぼ彼らの音楽活動に関わっているが、その戦略は「○○風」。原曲が存在した上でパロディ=フェイクの趣向としている。

  • 「雨の西麻布」=「男と女のラブゲーム」日野美歌 & 葵司郎
  • 「人情岬」=「岬めぐり」山本コータローとウイークエンド
  • 「嵐のマッチョマン」=「ハロー・ミスター・モンキー」アラベスク
  • 「迷惑でしょうが…」=「前略おふくろ様」他 萩原健一(歌詞に“ぐでんぐでん"など萩原健一曲のキーワードが複数出る。全体のテイストは前略おふくろ様)
  • 「おらおら」=「ぐでんぐでん」萩原健一
  • 「炎のエスカルゴ」=「コパカパーナ」バリー・マニロウ
  • 「情けねえ」=「ろくなもんじゃねえ」長渕剛

以上等原曲の特徴やサビ等がそのままあしらわれてアレンジされている。ポイントはとんねるずの世代背景を踏襲していることで、彼らの支持層の若者はこれらの楽曲を知らずに素直に評価する。またとんねるずと同世代か上の世代はこれを聴いて「ニヤリ」とする。この方法論は近年つんくモーニング娘のプロデュースで踏襲している。過去にヒットした曲のエッセンスを採り入れれば曲の成功率は高まる理屈である。

[編集] 作品

野猿での作品については野猿を参照。

[編集] シングル

  1. ピョン吉ロックンロール(1981年発売)
  2. ヤバシびっちな女(め)デイト・ナイト(1982年発売)
    • あまり知られていない企画シングル。徳間ジャパン
  3. 一気!(1984年12月発売 - ビクターに移籍)
  4. 青年の主張(1985年4月発売)
  5. 雨の西麻布(1985年9月発売)
  6. 歌謡曲(1986年1月発売)
    • 銀座音楽祭特別賞
    • メガロポリス音楽祭特別賞
    • 全日本歌謡音楽祭特別賞
  7. やぶさかでない(1986年5月発売 - ポニーキャニオンに移籍 )
    • ドラマ「お坊っチャマにはわかるまい!」主題歌
  8. 寝た子も起きる子守唄(1986年8月発売)
    • 映画「そろばんずく」主題歌
  9. 人情岬(1986年10月発売)
  10. 嵐のマッチョマン(1987年2月発売)
    • 日清やきそばUFO CMソング
    • イントロ部のMCで「炎のエスカルゴに続く…」とあるが、実は炎のエスカルゴの方が発売は後である。
  11. 迷惑でしょうが…(1987年4月発売)
  12. 大きなお世話サマー(1987年6月発売)
  13. おらおら(1987年9月発売)
  14. 炎のエスカルゴ(1988年2月発売)日清やきそばUFO CMソング
  15. YAZAWA(1988年7月発売)
  16. どうにかなるさ(1990年8月発売)
  17. 情けねえ(1991年5月発売)
  18. ガラガラヘビがやってくる(1992年1月発売)
  19. 一番偉い人へ(1992年9月発売)
  20. がじゃいも(1993年1月発売)
    • このタイトルは、石橋の(前妻との間の)長女がジャガイモのことを「がじゃいも」と呼んでいたことがきっかけで決まったという。
  21. フッフッフッってするんです(1994年2月発売)
  22. ガニ(1994年12月発売)
  23. おまえが欲しい(1996年2月発売)

[編集] アルバム

  1. 成増(1985年)
  2. 仏滅そだち(1985年)
  3. 自歌自賛ザ・ベスト・オブとんねるず(1986年)
  4. そろばんずく(1986年)
  5. キャニオン初(1986年)
  6. 紅白(1986年)
  7. 河口湖(1987年)
  8. とんねるずベスト(1987年)
  9. 御年賀(1988年)
  10. 428(1988年)
  11. 市川と宮嶋(1989年)
  12. ほのちゃんにはがはえた。(1990年)
    • 石橋と前妻の長女の名前からアルバムタイトル命名
  13. みのもんたの逆襲(1991年)
  14. 無痛音楽教育 3才からのとんねるず(1992年)
  15. がむしゃら(1992年)
  16. 悪い噂(1993年)
  17. とんねるずベスト 足跡(1994年)
  18. Arrival(1994年)
  19. おまえ百までわしゃ九十九まで(1995年)

[編集] ビデオ

  • とんねるずの裏ビデオ in 武道館(1986年)
  • 気分は盆と正月(1986年)
  • とんねるずの手打ちライブ PART 1(1989年)
  • とんねるずの手打ちライブ PART 2(1989年)
  • おまえ百までわしゃ九十九まで~歌謡活動十周年記念コンサート~(1996年)
  • とんねるずのコント1~こんと いん なえば 10年の凝縮LIVE~(2000年)
  • とんねるずのコント2~こんと いん なえば 10年の凝縮LIVE~(2000年)

[編集] その他

  • 映画『ウルトラマンゼアス』の主題歌「シュワッチ!ウルトラマンゼアス」も歌っている。これを収録したCDは非売品で、当時は映画の公開に合わせて出光が行ったキャンペーンを利用するか、劇場で前売り券を購入するかしなければ入手できなかった。2006年12月27日発売の「ウルトラマンシリーズ生誕40周年記念 ウルトラマン 主題歌大全集」が初の市販化となる。
  • 過去に出光のCMに出演していた時のCMソング(「まいど まいど まいど まいど まいどでまいど~♪」「あ~ガソリンなくなる♪も~ぉ~お金な~い~よ~♪」等)もCD化されているが(「これが出光のまいどCDだ。」)これも非売品であり、当時出光のガソリンスタンドのキャンペーン利用客のみが入手できた。
  • 『とんねるずのみなさんのおかげです』のオープニングテーマだった「うなちん」は当初発売予定だったが、諸事情により中止となった。

[編集] 出演

とんねるずとしての出演作品を記載。ソロでの出演作品は石橋貴明木梨憲武出演の項目を参照。

[編集] テレビドラマ

[編集] バラエティ

[編集] ラジオ

[編集] 映画

[編集] 舞台

  • こんと いん なえば(1990年 - 2000年)
    1990年より10年間続いたコントライブ。全2巻でビデオが発売されている。

[編集] CM

・・・他多数

[編集] 書籍

  • 天狗のホルマリン漬(1984年、発売元:集英社ISBN 4087800865
  • とんねるずのおいにい(1986年7月、ニッポン放送出版、扶桑社ISBN 4893530984
  • とんねるず 大志(1988年6月、ニッポン放送出版、扶桑社)ISBN 4594002927
    とんねるずの生い立ちを第1章~第4章に分けてまとめたもの。
  • とんねるずのおいにい2~ん(1989年12月、ニッポン放送出版、扶桑社)ISBN 459400508X

[編集] 関連人物

  • 秋元康(放送作家、作詞家、作家、プロデューサー)
  • 後藤次利(ミュージシャン、作曲家)
  • 堤幸彦(元TBSディレクター、現職、TV、映画監督)
  • 杉本清(元:関西テレビアナウンサー、競馬関連)
  • 日枝久(フジテレビ代表取締役会長)
  • 牧原俊幸(フジテレビアナウンサー)
  • 石田弘(フジテレビ、エグゼクティブプロデューサー)
  • 港浩一(フジテレビ、編成制作局バラエティ制作センター室長)
  • 戸田修一(ニッポン放送 制作部長)
  • 土屋敏男(日本テレビ)
  • 伊藤輝夫(TV制作、タレント)
  • 後藤喜男(TV制作、プロデューサー)
  • 吉野晃章(放送作家、元帝京高校サッカー部・故人)
  • 櫨山裕子(元日本テレビ、プロデューサー)

[編集] 外部リンク

他の言語

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