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村上春樹 - Wikipedia

村上春樹

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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Disambiguationこの項目では日本の小説家について説明しています。平将門の研究者については村上春樹 (研究者)をご覧ください。
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村上 春樹むらかみ はるき1949年1月12日 - )は、日本小説家米文学翻訳家

目次

[編集] 概要

京都府京都市生まれの兵庫県芦屋市育ち。住職の息子で国語教師でもある父と、大阪の商人の娘である母の間に生まれる。兵庫県立神戸高等学校卒業。早稲田大学第一文学部に入学。その後演劇映像専修へ進む。大学在学中に陽子夫人と結婚。結婚後、国分寺市に転居し、大学に在学しながらジャズ喫茶を開業する。大学を7年かけて卒業後,閉店後の店で小説を書き、1979年『風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞しデビュー。1981年には作家専業で生きていく決意を固め、ジャズ喫茶を廃業した。全共闘世代、団塊の世代を代表する作家であるが、政治活動にかかわることを避け、全共闘運動からは遠く距離を置いている様子が、作品の端々からうかがわれる。

1987年『ノルウェイの森』が、空前の大ベストセラーとなり、一般的にも認知される。その後、出せば必ず売れる作家の1人に数えられるようになった。作品は韓国、米国、台湾などでも絶大な人気があり、1980年代以降の日本文学現代文学を代表する最も評価の高い文学者の1人である。福田和也夏目漱石以降で最も重要な作家と位置づけ[1]柴田元幸は現代アメリカでも大きな影響力をもつ作家の一人であると指摘しているが[2]、他方で柄谷行人をはじめ、蓮実重彦大江健三郎島田雅彦渡部直己のようにアンチも多い[要出典]

[編集] 評価

小説エッセイノンフィクション の他、翻訳も手がける。翻訳文体の影響が見られる文章と、多彩な比喩に特徴がある。村上龍と共に「W村上」と呼ばれ、日本の現代文学の新しい世代の作家として注目を集める。

1987年に『ノルウェイの森』がベストセラーになった時には、若い女性に人気の流行作家としての一面が強調され、一部には安易な恋愛小説だと批判する文芸評論家もいた。この後遺症とでもいうべき状況は今でも根強く日本に残り、アンチを生み出す原因のひとつともいわれる。

より良い執筆環境を求めて、ヨーロッパアメリカに生活の拠点を構えたり、取材を兼ねた旅行など海外で活動する機会も多い。よしもとばなならと並んで、多くの作品が外国語に翻訳されている。1996年に『ニューヨーカー』で11ページに及ぶ特集記事が掲載され、2005年には『海辺のカフカ』の英語版Kafka on the Shoreが『ニューヨーク・タイムズ』の"The Ten Best Books of 2005"に選ばれるなど、海外での評価は極めて高い。特に「平易な文体で高度な内容を取り扱い、現実世界から非現実の異界へとシームレスに(=つなぎ目なく)移動する」という手法は「春樹チルドレン」と呼ばれる作家たちを、日本はもちろん、アメリカなど諸外国で生み出している[3]

2006年3月、フランツ・カフカ賞受賞が決定する。同賞は、2004年にエルフリーデ・イェリネク、2005年にハロルド・ピンターが受賞しているが、両者ともにその年のノーベル文学賞を受賞しており、ノーベル賞の行方が注目されたものの、2006年度ノーベル文学賞はトルコのオルハン・パムクが受賞した。10月、プラハで行われたフランツ・カフカ賞の授賞式に陽子夫人とともに出席。式前には初めての記者会見も行い、受賞の喜びやカフカの作品について語った。曰く、15歳のときに『城』を読み、大きな衝撃を受けたという。『海辺のカフカ』は彼へのオマージュである、とのことである。

[編集] 人物

かつては一日三箱を喫うヘヴィースモーカーであったが、『ダンス・ダンス・ダンス』を執筆する頃から禁煙[4]。身体を鍛えるためにマラソンを続け、最近ではトライアスロンにも参加している。これは、小説を集中して書き続けるために体力維持に励んでいる、という文学的理由による。したがって、生活は非常に健康的である。毎朝4時か5時には起床し、日が暮れたら仕事はせずに、夜は9時すぎには就寝する。ほぼ毎日10km程度をジョギング、週に何度か水泳、ときにはスカッシュなどもしている。

期間限定のホームページを何度か開設したことがあり、膨大な時間と手間をかけて読者との直接の意見交換を実行。そのやりとりの一部は出版されたが、これも「誤解の総体が正しい理解に通じる」という村上の文学的なスタンスの結果である(この点にかんして『スプートニクの恋人』も参照のこと)。批評家や専門家の個々人の意見ではなく、(それら一つ一つが誤解であったとしても)一人ひとりのさまざまな読者の意見が総合された所こそが、自己の文学の位置を見晴らせる場であると村上は公言している[5]

以上のように、彼の日常生活の活動はほとんど、小説の創作のために捧げられているといっても過言ではない。「なぜそのようなことをするのか?」という質問に対して、スポーツにしろ、読者との意見交換にしろ、彼にはもっぱら文学的な理由が存在する。逆に近年はエッセイの執筆に消極的だが、それは本来小説に向かうべき個人的体験や経験を切り売りすることに抵抗を覚え始めたからだという[6]。どのような作家であれ、日常の活動が小説の制作にかかわることは何ら不思議ではないが、彼の場合はその度合いが著しいといえる。その意味において、彼は「文学至上主義者」である。

彼が特に影響を受けた作家としてスコット・フィッツジェラルドトルーマン・カポーティリチャード・ブローティガンカート・ヴォネガットレイモンド・チャンドラーらを挙げている[7]。このほかにフランツ・カフカドストエフスキーらの作家も加わる。

[編集] 「総合小説」への試み

村上は『海辺のカフカ』執筆後のころから、しきりに「総合小説を書きたい」ということを口にしている。村上自身の定義によればそれは19世紀的総合小説、とくにドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』が念頭におかれている。これは多様な世界観と視座を小説内に据えることによって、総合的に、すなわち新たな世界観を立体的に浮き上がらせることをいう。その複数のパースペクティヴの設置のためには複数の人称とヴォイス(と村上が呼ぶもの)が必要とされると村上は考える。そのため、もともと一人称形式(主に「僕」)で構成されていた村上作品が、一人称「僕」と回想や手紙といった複数の視点より構成される「モザイク的な」『ねじまき鳥クロニクル』、そして『アンダーグラウンド』『神の子供たちはみな踊る』といった完全な三人称の形態を持つ作品の成立によって重要な転換点を迎える。その後、一人称と三人称で物語が交錯する『海辺のカフカ』、加えて一人称複数(「我々」)と三人称による『アフターダーク』などが近年執筆されているが、今後もこのような「総合小説」への試みは絶えず実践されてゆくはずである[8]

[編集] 人気の理由

村上春樹の作品は若年層(20代~30代)をはじめとして、老若男女、国内外を問わず広く人気があり、その理由はいくつか考えられる。

彼の作品には、文学的モチーフとして同じテーマとキーワードが頻繁に現れる。特に文学(本好きの天才、手紙、翻訳、本(特に海外小説))と音楽(50~70年代のアメリカのバンド、ジャズ、クラシック、ロック、ピアノ演奏)、多彩な趣味(酒(ビール、ウィスキーやカクテル)、料理、ファッション、旅、自動車、映画)、個人経営のビジネス(バー、喫茶店)、青春(学生運動、大学時代)、病理(孤独、心理学、病気(心身の障害)、自殺)、そして恋愛喪失などである。これら広範なテーマのお陰で、広いターゲット層に訴求力を持つと考えられる。またこれらは、村上の経験したことや趣味と密接な関わりがあることが『村上朝日堂』『やがて哀しき外国語』などのエッセイ、インタヴュー、インターネットでの読者とのやり取りなどから分かる。

運動靴を愛好しており、いつまでも「男の子」でありたいと語っている。ジャズ、クラシックのほか、レディオヘッドなどの現代ロックを聴き、最近ではゴリラズのファンを公言[9]。こうした精神的な若さが、とくに若年層(20~30代)の読者への訴求力をもつと考えられる。

文章が比較的平易で読みやすいことも、若者の間で人気の理由の1つと考えられる。これは村上がデビュー当時から意識して行ったことであり、いわく「敷居の低さ」で「心に訴えかけ」る文章はアメリカ作家のブローティガンヴォネガットからの影響だという[10]。よって、文章の平易さとは裏腹に作品のテーマや世界観は難解であり、読解が容易ではない箇所が多々ある。いわゆる作品の「謎解き本」が他の現代作家を押しのけて多いのも、このような理由による。また短編ではフランツ・カフカに代表されるシュールで不条理な文学の影響もうかがえる。「長編小説作家」と自認している点からも分かるように、デビュー作『風の歌を聴け』や二作目『1973年のピンボール』を除く長編作品はストーリー性を重視しており、同時代の作家のなかでは長大な作品を出す傾向がある。一方で短編小説は長編小説のための、すなわち「総合小説」への実験の場として機能していると考えられる。

作中の独特の空虚感や喪失感、どん底とはいえないがどんよりした絶望感が共感を呼ぶのか、彼の作品を愛読する不登校児や心の病を抱える人も多いという専門家もいる[要出典]。前述のように「喪失」は村上文学の一貫した主要テーマでもある。

また、村上春樹(または村上春樹作品)の熱狂的なファンを「ハルキスト」、彼の作品に影響された作風(小説家に限定しない)のクリエーターを「春樹チルドレン」などと呼んだりする。村上春樹のテーマは、初期では「デタッチメント」(無関心)にあるが、徐々に「コミットメント」(関わり)に移っていっているとの指摘がある(『ねじまき鳥クロニクル』を参照)。このため、ハルキストの中には80年代の作品のみを好む層と、90年代以降の作品をより好む層に分かれる傾向が見られる。学生時代は80年代の作品のみを愛読するが、その後、モラトリアムを卒業し、社会生活を送る中で、90年代以降の作品に傾倒するパターンも良く見られる[要出典]

一般には村上春樹は寡作の人というとらえ方をされているが、エッセイや翻訳などの仕事を含めると、同年代の作家の中では尋常ではない質量の仕事をこなしている作家でもある。もちろん需要があることも理由の一つとしてあげられるが、長編小説以外のそれらの周辺の仕事を村上自身が積極的に取り組んでいることも、人気の理由としてあげられる。

[編集] 村上春樹と人々

ここでは村上春樹と特にかかわりのある人物を取り上げる(順不同)。

[編集] 村上龍

村上春樹と村上龍は、登場した時期が同年代で同姓であるため「W村上」などと呼ばれることもあるが、もとより2人は縁戚関係に無く、仕事の上でも世間で一般的に言われるほどには共通点もない。こうした呼称が出てきた背景には、双方のファンを刺激して著作に対する需要を拡大したいという出版者側の思惑があったようである。二人の対談集『ウォーク・ドント・ラン』が出版されたこともある。

村上春樹は「小説家ロス・マクドナルドのファンで、彼の作品に登場する名探偵リュー・アーチャーにちなんで、村上龍のペンネームを使いたがったが、村上龍に先に使われたため、本名にした」と自身のスピーチで述べている[要出典](もちろん彼一流のジョークだと解釈するべきだろう。他のペンネームを使わないことの理由にはならないからだ)。

[編集] 柴田元幸

柴田元幸は東大教授。彼らの付き合いは翻訳を通じてのことである。その後、村上が柴田の授業に参加したり(『翻訳夜話』『翻訳教室』)、積極的にインタヴューに応じたり(『ナイン・インタビューズ―柴田元幸と9人の作家たち』)と、二人の親交は篤い。一部雑誌などを除いてほとんど自著についての狙いを公にしない村上ではあるが、『翻訳夜話2』などを中心として「村上自身が語る文学観」を引き出せるのは、現在のところ柴田をおいて他にいない。村上文学をよりよく文学的に理解しようとする者にはうってつけの材料となるだろう。

[編集] 安原顕

2006年3月10日、自身直筆の原稿が本人に無断で、安原顕によって流出させられ、東京神田神保町古本屋や、インターネットオークションで販売されていることを、『文藝春秋』誌上にて明らかにした。村上は「安原さんがなぜこのようなことをしたのか分からないが、職業モラルに反しているし、盗品売買にあたる」とコメントをしている。

この発表は各方面に大きな波紋を広げ、出版業界にはびこる「自筆原稿の流出」という、いわば半ば公然の闇の事態が明らかとなった。安原が故人であったため「死者に鞭打つような仕打ち」と一部で批判する者もあった。しかし村上はこのような事態が、彼に関してのみならず、多くの作家に関しても未だに行われていることを指摘しつつ、誰かが声高に叫ばなければ、流出によって傷つけられる、生きている者たちの痛みはなくならないのではないか、と反論している[11]。なおこれら一連の動きから、明確な意思表示がない限り「生原稿は作家の所有物である」との確認が日本文芸家協会によって行われ、「生原稿『流出』等についての要望」としてまとめれ、関係各所へと配布された。

[編集] 特記事項

  • 猫が好きで大学生の頃からヨーロッパで生活する1986年まで数匹の猫を飼っている。また、飼っていた猫をヨーロッパに渡る前にある編集者に預けたが、その時に条件として、書き下ろしの長編小説を渡す、と言う約束をした。この書き下ろしの長編小説が『ノルウェイの森』である。「猫」は村上小説の中で重要な役割りを果たすことが多い。
  • 東京ヤクルトスワローズの熱心なファンだが、その理由は東京に移り住んだ時にその土地のホームチーム(読売ジャイアンツ東映フライヤーズ東京オリオンズ、サンケイアトムズ)を応援するべきだと思い、その中で立地と居心地の良い神宮球場が気に入ったためにサンケイアトムズの応援を始める。その後も東京ヤクルトスワローズのファンを続け、しばしば球場に足を運んでいる(『村上朝日堂ジャーナル』より)。神宮球場でデーゲームの野球観戦中に「小説を書こう」と思い立ち、『風の歌を聴け』を執筆したという逸話は有名。

[編集] 経歴

[編集] 作品リスト

[編集] 長編小説

[編集] 中編小説

  • 街と、その不確かな壁 (1980年『文學界』9月号)

[編集] 短編小説

  • 中国行きのスロウ・ボート (1980年『海』4月号)
  • 貧乏な叔母さんの話 (1980年『新潮』12月号)
  • ニューヨーク炭鉱の悲劇 (1981年『ブルータス』3月15日号)
  • カンガルー日和 (連作短編、1981年『トレフル』4月号~1983年3月号)
    • 五月の海岸線 (1981年4月号)
    • スパゲティーの年に (1981年5月号)
    • 四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて (1981年7月号)
    • 眠い (1981年8月号)
    • かいつぶり (1981年9月号)
    • カンガルー日和 (1981年10月号)
    • 32歳のデイトリッパー (1981年11月号)
    • タクシーに乗った吸血鬼 (1981年12月号)
    • 彼女の町と、彼女の緬羊 (1982年1月号)
    • サウスベイ・ストラット―ドゥービー・ブラザーズ「サウスベイ・ストラット」のためのBGM (1982年2月号)
    • あしか祭り (1982年3月号)
    • 1963/1982年のイパネマ娘 (1982年4月号)
    • バート・バカラックはお好き? (1982年5月号)『村上春樹全作品1979~1989 5』収録の際、「窓」に改題
    • 図書館奇譚 (1982年6月号~11月号)
    • 駄目になった王国 (1982年12月号)
    • チーズ・ケーキのような形をした僕の貧乏 (1983年1月号)
    • 鏡 (1983年2月号)
    • とんがり焼の盛衰 (1983年3月号)
  • カンガルー通信 (1981年『新潮』10月号)
  • あしか (1981年『ビックリハウス』10月号)
  • パン屋襲撃 (1981年『早稲田文学』10月号)
  • 書斎奇譚 (1982年『ブルータス』6月1日号)
  • 月刊「あしか文芸」 (1982年 糸井重里『ヘンタイよいこ新聞』に書き下ろし)
  • おだまき酒の夜 (1982年『ショートショートランド』夏号)
  • 午後の最後の芝生 (1982年『宝島』8月号)
  • 土の中の彼女の小さな犬 (1982年『すばる』11月号)
  • シドニーのグリーン・ストリート (1982年『海』臨時増刊「子どもの宇宙」12月号)
  • 螢 (1983年『中央公論』1月号)
  • 納屋を焼く (1983年『新潮』1月号)
  • めくらやなぎと眠る女 (1983年『文學界』1月号)
  • 回転木馬のデッド・ヒート (連作短編)
    • プールサイド (1983年『IN・POCKET』10月号)
    • 雨やどり (1983年『IN・POCKET』12月号)
    • タクシーに乗った男 (1984年『IN・POCKET』2月号)
    • 今は亡き王女のための (1984年『IN・POCKET』4月号)
    • 野球場 (1984年『IN・POCKET』6月号)
    • BMWの窓ガラスの形をした純粋な意味での消耗についての考察 (1984年『IN・POCKET』8月号)
    • 嘔吐1979 (1984年『IN・POCKET』10月号)
    • ハンティング・ナイフ (1984年『IN・POCKET』12月号)
    • はじめに・回転木馬のデッド・ヒート (1985年10月 『回転木馬のデッド・ヒート』に書き下ろし)
    • レーダーホーゼン (1985年10月 『回転木馬のデッド・ヒート』に書き下ろし)
    • 沈黙 (1991年1月 『村上春樹全作品1979~1989 5』に書き下ろし)
  • 踊る小人 (1984年『新潮』1月号)
  • 三つのドイツ幻想 (1984年『ブルータス』4月15日号)
  • ハイネケン・ビールの空き缶を踏む象についての短文 (1985年『ショートショートランド』5・6月特大号)
  • パン屋再襲撃 (1985年『マリ・クレール』8月号)
  • 象の消滅 (1985年『文學界』8月号)
  • ファミリー・アフェア (1985年『LEE』11・12月号)
  • 双子と沈んだ大陸 (1985年『別冊『小説現代』冬号)
  • ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界 (1986年『月刊カドカワ』1月号)
  • ねじまき鳥と火曜日の女たち (1986年『新潮』1月号)
  • 雨の日の女#241・#242 (1987年『L'E』1月号)
  • 眠り (1989年『文學界』1月号)
  • TVピープル(1989年『par AVION』6月号、原題「TVピープルの逆襲」)
  • 飛行機―あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか (1989年『ユリイカ』6月号)
  • 我らの時代のフォークロア―高度資本主義前史 (1989年『Switch』10月号)
  • 加納クレタ (1990年1月 『TVピープル』に書き下ろし)
  • ゾンビ (1990年1月 『TVピープル』に書き下ろし)
  • トニー滝谷 (1990年『文藝春秋』6月号)
  • 緑色の獣 (1991年『文學界』4月臨時増刊『村上春樹ブック』)
  • 氷男 (1991年『文學界』4月臨時増刊『村上春樹ブック』)
  • 人喰い猫 (1991年7月 『村上春樹全作品1979~1989 8』に書き下ろし)
  • 青が消える (Losing Blue) (1992年『ル・モンド』)
  • 使いみちのない風景
    • 使いみちのない風景 (1994年12月 写真集『使いみちのない風景』に書き下ろし)
    • ギリシャの島の達人カフェ (1998年8月 文庫版『使いみちのない風景』に書き下ろし)
    • 猫との旅 (1998年月 文庫版『使いみちのない風景』に書き下ろし)
  • ふわふわ (1998年月5月 『NUNO NUNO BOOKS FUWA FUWA』に書き下ろし)
  • めくらやなぎと、眠る女 (1995年『文學界』11月号)
  • 七番目の男 (1996年『文藝春秋』2月号)
  • レキシントンの幽霊 (1996年『群像』10月号)
  • 神の子どもたちはみな踊る
    • 連作『地震のあとで』その一 UFOが釧路に降りる (1999年『新潮』8月号)
    • 連作『地震のあとで』その二 アイロンのある風景 (1999年『新潮』9月号)
    • 連作『地震のあとで』その三 神の子どもたちはみな踊る (1999年『新潮』10月号)
    • 連作『地震のあとで』その四 タイランド (1999年『新潮』11月号)
    • 連作『地震のあとで』その五 かえるくん、東京を救う (1999年『新潮』12月号)
    • 蜂蜜パイ (2000年2月 『神の子どもたちはみな踊る』に書き下ろし)
  • バースデイ・ガール (2002年12月 『バースデイ・ストーリーズ』に書き下ろし)
  • 東京奇譚集 (連作短編、『新潮』2005年3月号~6月号、2005年9月 新潮社よりに書き下ろし)
  • はじめての文学 村上春樹(2006年12月 文藝春秋)

[編集] 超短編・ショートショート

村上春樹自身はこれらの作品を「ひょひょいのひょい」と呼ぶ。

  • 夢で会いましょう (1981年11月 冬樹社より書き下ろし) 共著:糸井重里
アイゼンハワー* / アスパラガス* / アンチテーゼ* / インタビュー / インディアン / エレベーター / オイル・サーディン / オニオン・スープ / カーマストラ / カツレツ / クールミント・ガム / グレープ・ドロップス / K / コーヒー / コーヒー・カップ / コンドル / サドン・デス** / シーズン・オフ / シェービング・クリーム / シゲサト・イトイ** / シャングリラ / ジャングル・ブック / スウィート・スー / スクイズ / スター・ウォーズ* / ステレオ・タイプ** / ストレート* / タルカム・パウダー / チャーリー・マニエル / テント / ドーナツ* / バー・トーク / ハイヒール / パン / ビール / ピンボール / フィリップ・マーロウ その1 / フィリップ・マーロウ その2 / ブラジャー / ブルー・スエード・シューズ / ブルーベリー・アイスクリーム / プレイボーイ・パーティー・ジョーク / マッチ / マット / モーツァルト* / ヤクルト・スワローズ / ラーク / ラブレター** / ラジオ / ワム!*
*1986年6月 講談社文庫版に書き下ろし. **同版で訂正.
  • 象工場のハッピーエンド (1983年1月 CBSソニー出版より書き下ろし) 共著:安西水丸
カティーサーク自身のための広告 / クリスマス / ある種のコーヒーの飲み方について / ジョン・アプダイクを読むための最良の場所 / FUN, FUN, FUN / 万年筆 / スパゲティー工場の秘密 / マイ・ネーム・イズ・アーチャー / A DAY in THE LIFE / 双子町の双子まつり / マイ・スニーカー・ストーリー / 鏡の中の夕焼け / サヴォイでストンプ / にしんの話* / あとがきにかえて*
*1999年2月 『新版 象工場のハッピーエンド』に書き下ろし.
  • 村上朝日堂画報 (1984年『CLASSY』6月号~1986年5月号、1986年11月 『ランゲルハンス島の午後』に改題)共著:安西水丸
レストランの読書 / ブラームスとフランス料理 / シェービング・クリームの話 / 夏の闇 / 女子高校生の遅刻について / 財布の中の写真 / みんなで地図を描こう / ONE STEP DOWN / 洗面所の中の悪夢 / 時計はいかにして増加するか / トレーナー・シャツ雑感 / CASH ANDCARRY / UFOについての省察 / 猫の謎 / 哲学としてのオン・ザ・ロック / デパートの四季 / BUSY OFFICE / ニュースと時報 / 小確幸 / 葡萄 / 八月のクリスマス / ウォークマンのためのレクイエム / 「核の冬」的映画館 / 地下鉄銀座線における大猿の呪い / ランゲルハンス島の午後(1986年11月 『ランゲルハンス島の午後』に書き下ろし)
  • Jプレスの広告 (1985年4月~1987年2月『メンズクラブ』他)
ホルン / 鉛筆削り(あるいは幸運としての渡辺昇) / フリオ・イグレシアス / タイムマシーン(あるいは幸運としての渡辺昇) / コロッケ / トランプ / 新聞 / ドーナツ化 / アンチテーゼ / うなぎ / 高山典子さんと僕の性欲 / タコ / 虫窪老人の襲撃 / スパナ / ドーナツ、再び
  • パーカー万年筆の広告 (1993年4月~1995年3月『太陽』)
夜のくもざる / ずっと昔に国分寺にあったジャズ喫茶のための広告 / 馬が切符を売っている世界 / バンコック・サプライズ / ビール / ことわざ / 構造主義 / 大根おろし / 留守番電話 / ストッキング / 牛乳 / グッド・ニュース / 能率のいい竹馬 / 動物園 / インド屋さん / 天井裏 / もしょもしょ / 激しい雨が降ろうとしている / 嘘つきニコル / 真っ赤な芥子 / 夜中の汽笛について、あるいは物語の効用について
  • 村上朝日堂長短編小説 夜のくもざる(1995年6月平凡社) 共著:安西水丸
「Jプレスの広告」「パーカー万年筆の広告」の作品群に「おまけ」として「朝からラーメンの歌」と、著者各々のあとがきが追加されたもの
  • またたび浴びたタマ (2000年8月 文藝春秋より書き下ろし)--- 回文による50音のカルタ
  • 村上かるた うさぎおいしーフランス人 (2007年3月文藝春秋) イラスト:安西水丸

[編集] 随筆

  • ウォーク・ドント・ラン (1981年7月 講談社より書き下ろし)共著:村上龍
  • 村上朝日堂シリーズ
    • シティ・ウォーキン (1982年『日刊アルバイトニュース』 8月16日号~1984年5月21日号)
    • 千倉における朝食のあり方 (1984年『ビックリハウス』2月号)共著:安西水丸
    • 男にとって 早い結婚はソンかトクか (1984年『GORO』2月23日号)共著:安西水丸
    • 千倉における夕食のあり方 (1984年『ビックリハウス』3月号)共著:安西水丸
    • 千倉サーフィン・グラフィティー
    • 村上朝日堂 (1985年『週刊朝日』4月5日号~1986年4月4日号、1995年11月10日号~1996年12月27日号)共著:安西水丸
    • 村上朝日堂はいほー! (『ハイファッション』)
    • 村上朝日堂ジャーナル (1994年『SINRA』7月号~1995年10月号)
  • The Scrap (1982年『Sports Graphic Number』春号~1986年12月号)
  • だいじょうぶです。面白いから (1983年『Sports Graphic Number』4月号)
  • オリンピックにあまり関係ないオリンピック日記 (1984年『Sports Graphic Number』9月号特別増刊「1984年 夏、一瞬の輝き ロサンゼルス・オリンピックの16日間」)
  • 映画をめぐる冒険 (1985年12月 講談社より書き下ろし)共著:川本三郎
  • 日出る国の工場 (1987年4月 平凡社より書き下ろし)共著:安西水丸
  • やがて哀しき外国語 (1994年2月 講談社より書き下ろし)
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく (1996年12月 岩波書店より書き下ろし)共著:河合隼雄
  • 若い読者のための短編小説案内 (1997年10月 文藝春秋より書き下ろし)
  • ポートレイト・イン・ジャズ (1997年12月 新潮社より書き下ろし)共著:和田誠
    • ポートレイト・イン・ジャズ2 (2001年4月 新潮社より書き下ろし)共著:和田誠
  • 村上ラヂオ (2000年『anan』3月17日号~2001年3月3日号)
  • 翻訳夜話 (2000年10月 文藝春秋より書き下ろし)共著:柴田元幸
    • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記 (2003年7月 文藝春秋より書き下ろし)共著:柴田元幸
  • 意味がなければスイングはない (『ステレオサウンド』2003年春号〜2005年夏号)

[編集] ノンフィクション

[編集] インターネット本

  • 村上朝日堂シリーズ
    • 夢のサーフシティー(1998年6月 朝日新聞社
    • スメルジャコフ対織田信長家臣団(2001年4月 朝日新聞社)
  • 「そうだ、村上さんに聞いてみよう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける282の大疑問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?(2000年8月 朝日新聞社)
  • 少年カフカ(2003年6月 新潮社)
  • 「これだけは、村上さんに言っておこう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける330の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?(2006年3月、朝日新聞社)
  • 「ひとつ、村上さんでやってみるか」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける490の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?(2006年11月、朝日新聞社)

[編集] 紀行集

  • 遠い太鼓(1990年6月 講談社より書き下ろし)
  • 雨天炎天
    • ギリシャ編 アトス―神様のリアル・ワールド(1990年8月 新潮社より書き下ろし)
    • トルコ編 チャイと兵隊と羊―21日間トルコ一周(1990年8月 新潮社より書き下ろし)写真:松村映三
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(1997年『サントリークォータリー』)
  • 辺境・近境(1998年4月 新潮社より書き下ろし)
  • シドニー!(2001年1月 文藝春秋より書き下ろし)
  • 東京するめクラブ(2002年『TITLE』10月号~2003年12月号)共著:吉本由美、都築響一

[編集] 写真集

  • 波の絵、波の話 (1984年1月 文藝春秋)写真:稲越功一
  • PAPARAZZI (1990年7月 作品社)編集:伴田良輔
  • 使いみちのない風景 (1994年11月 朝日出版社)写真:稲越功一

[編集] 絵本

  • 羊男のクリスマス (1985年11月 講談社)絵:佐々木マキ
  • ふわふわ (1998年6月 講談社)絵:安西水丸
  • ふしぎな図書館 (2005年2月 講談社)絵:佐々木マキ

[編集] 翻訳

  • ジョン・アーヴィング
  • クリス・ヴァン・オールズバーグ
    • 『西風号の遭難』(1985年10月 河出書房新社
    • 『急行「北極号」』(1987年12月 河出書房新社)
    • 『名前のない人』(1989年8月 河出書房新社)
    • 『ハリス・バーディックの謎』(1990年11月 河出書房新社)
    • 『魔法のホウキ』(1993年6月 河出書房新社)
    • 『まさ夢いちじく』(1994年9月 河出書房新社)
    • 『ベンの見た夢』(1996年4月 河出書房新社)
    • 『いまいましい石』(2003年11月 河出書房新社)
    • 『2ひきのいけないアリ』(2004年9月 あすなろ書房)
  • ティム・オブライエン
    • 『ニュークリア・エイジ』(1989年10月 文藝春秋)
    • 『本当の戦争の話をしよう』(1990年10月 文藝春秋)
    • 『世界のすべての七月』(2004年3月 文藝春秋)
  • レイモンド・カーヴァー
    • 『ぼくが電話をかけている場所』(1983年7月 中央公論社)
    • 『夜になると鮭は…』(1985年7月 中央公論社)
    • 『ささやかだけど、役に立つこと』(1989年4月 中央公論社)
    • カーヴァー全集 全8巻(中央公論社/中央公論新社)
      • 『頼むから静かにしてくれ』(1991年2月)
      • 『愛について語るとき我々の語ること』(1990年8月)
      • 『大聖堂』(1990年5月)
      • 『ファイアズ(炎)』(1991年2月)
      • 『水と水とが出会うところ/ウルトラマリン』(1997年9月)
      • 『象・滝への新しい小径』(1994年3月)
      • 『英雄を謳うまい』(2002年7月)
      • 『必要になったら電話をかけて』(2004年8月)
    • 『カーヴァー・カントリー』(1994年10月 中央公論社)
    • 『CARVER'S DOZEN レイモンド・カーヴァー傑作選』(1994年12月 中央公論社)
    • 『必要になったら電話をかけて』(2000年9月 中央公論新社)
  • トルーマン・カポーティ
    • 『おじいさんの思い出』(1988年3月 文藝春秋)
    • 『あるクリスマス』(1989年12月 文藝春秋)
    • 『クリスマスの思い出』(1990年11月 文藝春秋)
    • 『誕生日の子どもたち』(2002年6月 文藝春秋)
  • マイケル・ギルモア
    • 『心臓を貫かれて』(1996年10月 文藝春秋)
  • ビル・クロウ
    • 『さよならバードランド―あるジャズ・ミュージシャンの回想』(1996年1月 新潮社)
    • 『ジャズ・アネクドーツ』(2000年7月 新潮社)
  • J・D・サリンジャー
  • マーク・ストランド
    • 『犬の人生』(1998年10月 中央公論社)
  • ポール・セロ―
    • 『ワールズ・エンド(世界の果て)』(1987年7月 文藝春秋)
  • スコット・フィッツジェラルド
    • 『マイ・ロスト・シティー』(1981年5月 中央公論社)
    • 『ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック』(1988年3月 TBSブリタニカ
    • 『バビロンに帰る ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック2』(1996年4月 中央公論社)
    • グレート・ギャツビー』(2006年11月 中央公論新社)
  • C・D・B・ブライアン
    • 『偉大なるデスリフ』(1987年11月 新潮社)
  • グレイス・ペイリー
    • 『最後の瞬間のすごく大きな変化』(1999年5月 文藝春秋)(文庫版2005年7月8日 文春文庫)
    • 『人生のちょっとした煩い』(2005年6月30日 文藝春秋)
  • マーク・ヘルプリン
    • 『白鳥湖』(1991年12月 河出書房新社)
  • アーシュラ・K・ル=グウィン
    • 『空飛び猫』(1993年3月 講談社)
    • 『帰ってきた空飛び猫』(1993年12月 講談社)
    • 『素晴らしいアレキサンダーと、空飛び猫たち』(1997年6月 講談社)
    • 『空を駆けるジェーン-空飛び猫物語』(2001年9月 講談社)
  • レイモンド・チャンドラー
  • その他
    • 『and Other Stories―とっておきのアメリカ小説12篇』(1988年9月 文藝春秋)共訳:川本三郎、柴田元幸、畑中佳樹、斎藤英治
    • 『Sudden Fiction 超短編小説70』(1994年1月 文春文庫)共訳:小川高義
    • 『月曜日は最悪だとみんなは言うけれど』(2000年5月 中央公論新社)
    • 『バースデイ・ストーリーズ』(2002年12月 中央公論新社)

村上春樹翻訳ライブラリー(2006年1月より隔月刊行 中央公論新社)

[編集] 映画化された作品

[編集] 外部リンク

[編集] 関連書

  • 柴田元幸、藤井省三、沼野充義、四方田犬彦、国際交流基金 編『世界は村上春樹をどう読むか』文藝春秋、2006年。ISBN 4163684700

[編集]

  1. ^ 福田和也『作家の値うち』飛鳥新社、2000年、214ページ。
  2. ^ 柴田元幸編・訳『ナイン・インタビューズ―柴田元幸と9人の作家たち』株式会社アルク、2004年、259ページ。
  3. ^ 〈ふたつのM-マンガと村上春樹4〉世界に根付く自己表現[1]
  4. ^ ジェイ・ルービン、畔柳和代訳『ハルキ・ムラカミと言葉の音楽』新潮社、2006年、463ページ。ISBN 978-4-10-505371-0
  5. ^ 例えば柴田元幸『翻訳教室』新書館、2006年、187-188ページを参照。
  6. ^ 村上『「ひとつ、村上さんでやってみるか」』375ページ。
  7. ^ 柴田『ナイン・インタビューズ』258-259ページ。
  8. ^ 柴田『翻訳教室』158-159ページ。
  9. ^ 村上『「ひとつ、村上さんでやってみるか」』136ページ。
  10. ^ 柴田『ナイン・インタビューズ』286ページ。
  11. ^ 村上『「ひとつ、村上さんでやってみるか」』33ページおよび76-77ページ。
村上春樹
作品
長編小説 : 風の歌を聴け | 1973年のピンボール | 羊をめぐる冒険 | 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド | ノルウェイの森 | ダンス・ダンス・ダンス | 国境の南、太陽の西 | ねじまき鳥クロニクル | スプートニクの恋人 | 海辺のカフカ | アフターダーク
短編小説 : パン屋再襲撃 | ファミリー・アフェア | TVピープル | トニー滝谷 | 東京奇譚集
随筆 : 意味がなければスイングはない | 遠い太鼓
ノンフィクション : アンダーグラウンド | 約束された場所で
翻訳 : キャッチャー・イン・ザ・ライ | グレート・ギャツビー | ロング・グッドバイ
関連
カテゴリ : 村上春樹 | 小説

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