京阪特急
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京阪特急(けいはんとっきゅう)は、1950年7月1日より京阪電気鉄道の京阪本線にて運行を開始した特急列車の通称。
本項では京阪特急の歴史と概要などについて記述する(現在の停車駅に関してはこの項を参照)。
なお、2003年9月8日より運行を開始した「K特急」はこの項を参照のこと。
目次 |
[編集] 歴史
- 1934年(昭和9年) 日本初の連接車である60形による京津線直通の特急「びわこ号」が運転開始。天満橋駅~浜大津駅間を72分で結ぶ。
- 1950年(昭和25年) 7月1日のダイヤ改正で、1000形・1100形運用による、京阪本線単体としては初の特急列車が設定される。京橋駅~七条駅間ノンストップ運転はこの時から開始された。この時点では朝夕のみの設定であった。
- 1951年(昭和26年) 運転時間を日中にも拡大するにあたって、京阪としては初めての特急専用電車である1700系が登場。
- 1952年(昭和27年) 特急の増発に伴い、1300系の一部車両が特急運用に入る。
- 1953年(昭和28年) 日本初のカルダン駆動方式を採用した1800系が登場。この系列より一部の車両に登場間もないテレビを設置、テレビカーと称される。
- 1956年(昭和31年) 1800系の改良型、1810系が登場。これ以降、1700系以前の車両は順次一般車へ格下げ改造される。1300系も運用を離脱したためこれ以降は定期列車の京阪特急は原則として特急車による運行となる。
- 1958年(昭和33年) テーマソング「京阪特急」が制作される。
- 1963年(昭和38年) 天満橋駅~淀屋橋駅延伸開業に伴い、それに伴う増備と1700系と1800系の置き換えを兼ねて1900系が登場。1810系は一部を除いて1900系に編入され、1700系と1800系は順次一般車へ格下げ改造される。
- 1971年(昭和46年) 阪急2800系や国鉄の新快速登場に伴う対抗策として、全車冷房装置およびカラーテレビ搭載の3000系が登場。1900系は順次一般車へ格下げ改造される。守口付近の複々線化工事の進捗と樟葉駅の改良工事の完成で運転間隔が15分ヘッドに変更される。
- 1987年(昭和62年) 6月1日の京阪本線・七条駅~三条駅地下化工事完成(同年5月24日)に伴うダイヤ改正で、早朝深夜に運転されていた3~4連の特急が廃止される(全て6~7連化)。
- 1989年(平成元年) 10月5日の鴨東線・三条駅~出町柳駅開業に伴うダイヤ改正で、その車両補充と3000系の7両編成への統一のために8000系が登場。
- 1993年(平成5年) 1月30日のダイヤ改正にて、平日朝の淀屋橋行が中書島駅に追加停車。京橋~七条間ノンストップ運転の原則が初めて破られた。
- 1995年(平成7年) 3000系の車体更新工事実施。そのうちの1両が2階建車両に改造される。既存車両のこのような改造は日本国内で初めての例となる。
- 1997年:3月22日のダイヤ改正にて、更なる特急と急行・準急の混雑の平準化を狙って、平日朝の淀屋橋行特急が枚方市駅に追加停車。これに伴い、3扉セミクロスシートの9000系が投入され、これらの運用に優先的に回される。この車両の投入により41年振りに特急車以外の運用が設定される。
- 1998年:4月28日までに8000系に新造2階建車両投入と3000系の予備車を活用して、全ての特急が8両編成に(ただし後年登場した交野線私市駅発のK特急は除く)。
- 2000年(平成12年) 7月1日ダイヤ改正にて、中書島駅と丹波橋駅が終日停車駅に(京橋-七条間ノンストップ運転列車完全消滅)。
- 2002年:女性専用車両を導入。
- 2003年(平成15年) 9月6日のダイヤ改正にて、従来の特急停車駅の列車を「K特急」に名称変更し(平日朝夕夜のみ運転)、特急は新たに枚方市駅・樟葉駅が終日停車駅になる。昼間時間帯の全区間通しの急行の運転がなくなる。
- 昼間時の特急が15分ヘッドから10分ヘッドに(阪急京都線では2001年にほぼ同様のダイヤ改正が行われていた)。運用増加に合わせて、9000系の特急運用が増加したほか、6000系などのロングシート車運用も増加。
- 2006年(平成18年) 4月16日の改正でロングシート車両の運用が増加する。平日の特急運転時間を前後30分程度拡大する。
- 2007年(平成19年) 1月21日に宇治線で10000系(きかんしゃトーマス号)による本線への臨時特急が運行。宇治線での特急列車の走行は(臨時ではあるが)初となる。宇治線内での停車駅は全駅に停車していた。
[編集] 過去の停車駅
[編集] 京阪間ノンストップ時代
1993年1月30日ダイヤ改正後~2000年7月1日ダイヤ改正前
出町柳駅 - 三条駅 - 四条駅 - 七条駅 - <中書島駅> -<枚方市駅> - 京橋駅 - 天満橋駅 - 北浜駅 - 淀屋橋駅
※<>の駅は平日朝の淀屋橋行のみ停車(停車開始時期は#歴史の項を参照)。鴨東線および、天満橋駅-淀屋橋駅間開業前も同じ停車駅である。
[編集] 専用車両
- 1700系(1951年~1956年)
- 1800系(初代)(1953年~1963年)
- 1810系(1956年~1963年)
- 1900系(1963年~1973年)
- 3000系(1971年~)
- 8000系(1989年~)
ちなみに、いずれの車両も乗車券だけで乗れる特別料金不要列車としては当時の最高水準の接客設備を誇った名車であるが、登場年のタイミングの悪さからブルーリボン賞やローレル賞をことごとく逃している。 現在でも、乗車券だけで乗れる特急列車としては、豪華かで有り新型車は乗り心地も良く、人気が有る。
[編集] 京阪特急に関する楽曲
- 1958年に、三木鶏郎が作詞・作曲し、楠トシエとホアーコインズが歌う「京阪特急」という歌が発表された(淀屋橋まで延長された1963年に歌詞を一部修正)。
- 2003年春に、元CoCoのメンバーであった三浦理恵子が「中之島ゆき」名義で「朝靄の京橋で乗り換え」と「出町柳から」を歌唱し、京阪電気鉄道が「淀屋レコード」名義で発売した。現在でも入手可能である。
京阪特急 (楽曲)も参照。
[編集] その他
- 「びわこ号」の他に大津線関連では1960年代辺りまでは京阪京津線にも臨時特急が運転されていたことがあった(1970年代は不明。また1980年代以降は設定自体がされていない)。停車駅は三条駅~浜大津駅間ノンストップであった。
[編集] 関連書籍
- 京阪特急 JTBキャンブックス 沖中忠順 編著 2007年2月28日発売 ISBN 9784533066504
[編集] 関連項目
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