又吉イエス
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唯一神又吉光雄・イエス・キリスト(ゆいつしん またよしみつお・いえす・きりすと、1944年2月5日 - )は、日本の政治運動家であり、自称唯一神。世界経済共同体党の代表を務める。戸籍上の本名は又吉光雄(またよし みつお)であるが、自らを唯一神又吉光雄・イエス・キリストと称している。また、これも自らその名を唯一神又吉イエスと略している。なお「唯一神」は又吉の著作において「ゆいつしん」と記されている[1]。
世界キリスト教会を設立したが、現在は活動していないものと思われる。
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[編集] 経歴
1944年、沖縄県宜野湾市に父・又吉清真と母・又吉ウシの二男として生まれた[2]。宜野湾市の助役・沖縄県総務部長を務めた又吉辰雄は実兄。
1968年、中央大学商学部を卒業、その後、自動車販売会社の会社員・学習塾経営・世界キリスト教会の牧師などを務めた。1996年に起こったペルー日本大使公邸占拠事件の際には、ゲリラとペルー政府を説得するために沖縄県からペルーに駆けつける。1997年に世界経済共同体党を設立。2007年現在、同党代表を務める。
1997年の宜野湾市長選挙に立候補したのを皮切りに、沖縄県知事選挙に2回・名護市長選挙・2001年の宜野湾市長選挙に立候補するがいずれも落選。2002年の沖縄県知事選挙の際掲げた「今回落選すれば、沖縄を見捨てて東京に移る」という公約を守り、2003年には、世界経済共同体党本部を宜野湾から東京都新宿区高田馬場に移した。さらに、衆議院議員総選挙に東京1区から立候補、2004年参議院議員選挙に東京選挙区から立候補するがいずれも落選。2005年8月8日の衆議院解散を受け、2005年9月11日の衆議院選挙に東京1区から出馬するが落選。
選挙公報や選挙ポスターに過激な文面が並ぶ(自らが唯一神である事や、対立候補やその支持者は「腹を切って死ぬべきである」等と明言している)ことから、主にインターネット上で話題になり、数々のパロディーを生んだりもした。もっとも、本人によると「腹を切って・・・」という表現は、日本ではかつて武士が責任を取るときには切腹をしたことに基づく婉曲表現とのことである。
また、2004年9月18日に世界経済共同体党公式ウェブページを立ち上げ、活動を行っている。2004年11月26日には早稲田大学で、2005年11月26日には京都大学で講演会を開いている。
また、秋葉原の歩行者天国で演説を行っていた際には、演説をするための道路使用許可を取らずに演説をしていたので、警察官が演説中に現れて万世橋警察署に連行される事件があった。
2007年には、参議院議員通常選挙に出馬するため、東京都知事選挙には出馬しないことを表明した。[3]
[編集] 政治思想
又吉は、不公平で、失業や自殺等の害悪があふれる現在の経済体系を「利益至上主義経済」と名付け批判し、万人が公平・平等に幸福になれる農林漁業中心の新たな経済体系の構築を目指している。同時に民主主義、共産主義、天皇制(およびイギリス王室などの君主制全般)も否定している。また、社会風紀の乱れも憂慮し、ミニスカートに代表されるようなセックスアピールの強い服装や、歩き煙草を強く批判している。
2005年の衆院選では、郵政民営化反対、全失業者の救済、憲法第9条の改憲反対、首相の靖国参拝反対、普天間基地の本土移設、人権擁護法案反対、外国人参政権反対、ミニスカートとそれに類するものの廃止などを公約に掲げた。
[編集] 宗教観
又吉は自身のことをイエス・キリストと呼び、ヤハウェと同一のものともしている。聖書は、又吉イエスが預言者や弟子達を通して授けた聖典であるという。また、又吉は、「宇宙・万物そして人類を創造し、天国と地獄も造り持っている霊・聖霊なる神が、人間の肉の形を取って、この地上に現れた者、それがキリストであり、その再臨が、唯一神又吉イエス」としている。イスラム教は否定しており、アッラーフの神など存在しないとしている。 また、寺社仏閣は破壊されるべきだとも主張している。
[編集] 話題になった文面
2002年の沖縄県知事選に立候補した際の選挙ポスターに書かれていた文章。これが全国的に注目を集めた最初の選挙となった。
「沖縄県・日本・世界を正し・守ることができるのは唯一神又吉イエスしかいない。従って、その第一段階としての沖縄県知事に唯一神又吉イエスを選ばないものは、悪人であり、唯一神又吉イエスが地獄の火の中に投げ込む者だ。」
加えて、当時宜野湾市にあった世界経済共同体党本部(又吉の自宅)には以下の看板が掲げられていた。
「沖縄県・日本・世界を正し・守ることができるのは唯一神又吉イエスしかいない。唯一神又吉イエスが次期沖縄県知事を務めて、沖縄県からそれが始まる。」 「沖縄県民が唯一神又吉イエスを次期沖縄県知事にしないというなら、本世界経済共同体本部は東京に持って行く。それは沖縄県民の子や孫・ひ孫達、更に末代までの沖縄県の恥になるが、それでもいいのか。」
2003年11月の第43回衆議院議員総選挙に立候補した際の選挙ポスターに書かれていた文章。
「海江田万里・与謝野馨・佐藤文則[4]らは腹を切って死ぬべきだ[5]。また、彼らはただ死んで終わるものではない。
唯一神又吉イエスが地獄の火の中に投げ込む者達だ。彼らの支持者も同様だ。理由は他人を殺すなら自分が死ぬべきだからだ。詳しい理由は選挙広報等で熟知すべし。」
2004年7月の第20回参議院議員通常選挙に立候補した際の選挙ポスターに書かれていた文章。
「首相小泉純一郎は参議院選後、唯一神又吉イエスに首相の座を明け渡すべきだ。そう出来なければ、小泉純一郎は腹を切って死ぬべきだ。のみならず、唯一神又吉イエスは彼を地獄の火の中に投げ込むものである。理由は他人を殺すなら自分が死ぬべきだからだ。唯一神又吉イエスに投票しない有権者も同様である。詳しい理由は選挙公報等で熟知すべし。」
2005年9月11日の第44回衆議院議員総選挙に東京1区から立候補した際の選挙ポスターに書かれていた文章。
「首相小泉純一郎・海江田万里・与謝野馨・堀江泰信[4]らは腹を切って死ぬべきである。また、唯一神又吉イエスは彼らを地獄の火の中に投げ込むものである。彼らを支持する有権者も腹を切って死ぬべきであり、また、唯一神又吉イエスは彼らも地獄の火の中に投げ込むものである。理由は「金が第一・金が全て」「罪・犯罪の元凶・原因」の利益至上主義経済による戦争・紛争・テロ・殺人事件・自殺・産業事故・公害病・飢餓等により、日本・世界で毎日数万人以上の命を殺している殺人犯であり、他人を殺すなら自分が死ぬべきが当然だからだ。詳しくは選挙公報・ホームページ等で熟知すべし。」
2003年のポスターでは「選挙公報」を「選挙広報」、2004年のポスターでは「衆議院候補」を「衆議員候補」と誤植している。
[編集] 過去の選挙結果
投票日 | 選挙内容 | 得票数 | トップとの差 | (参考)惜敗率 |
---|---|---|---|---|
1997.07.13 | 宜野湾市長選挙 | 516票 | 18,082票差 | |
1998.07.14 | 参議院選挙・沖縄県選挙区 | 4,007票 | 239,481票差 | |
1998.11.15 | 沖縄県知事選挙 | 2,649票 | 372,184票差 | |
2001.07.15 | 宜野湾市長選挙 | 2,111票 | 19,121票差 | |
2002.02.03 | 名護市長選挙 | 80票 | 20,276票差 | |
2002.11.17 | 沖縄県知事選挙 | 4,330票 | 355,274票差 | |
2003.11.09 | 衆議院選挙・東京1区 | 698票 | 104,525票差 | 0.66% |
2004.07.11 | 参議院選挙・東京都選挙区 | 8,382票 | 1,005,911票差 | 0.83% |
2005.09.11 | 衆議院選挙・東京1区 | 1,557票 | 148,337票差 | 1.04% |
[編集] その他
- 好きなテレビ番組は、大河ドラマである。[6]
- 趣味としては彼が「健全な娯楽[7]」と呼ぶ散歩などがあげられ、近所の小山に休日ハイキングをすることが知られている。[要出典]
- 沖縄から東京に来たばかりの頃は一人で切符が買えず(運賃表などの仕組みが解らない為)奥さんと一緒でなければ出かけることも儘ならなかったという。[要出典]
- 自らを「最も怖いものであり、同時に最も優しいもの」としばしば勉強会などで発言される。[要出典]
- 大変な野球好きであり、HP上でも野球を褒めちぎっている。[要出典]
[編集] 著書
- 『再臨のキリスト、唯一神又吉イエスは日本・世界をどうするか、どのようにするか』(那覇出版、 ISBN 4890951377 、2003年5月31日)
[編集] 関連項目
[編集] 参考
- ^ 演説等では「ゆいつーしん」と発音することも多い
- ^ ただ当人は、事実はそうではなく自らの意志で生まれたと主張。再臨のイエス・キリストであると自称している(『再臨のキリスト、唯一神又吉イエスは日本・世界をどうするか、どのようにするか』)
- ^ 『週刊朝日』3月23日号「毎度おなじみ“お騒がせ”候補 今回の都知事選のご予定は?」
- ^ a b 東京1区における日本共産党の公認候補
- ^ 2003年の総選挙には東京1区に浜田マキ子(元衆議院議員 浜田卓二郎の妻)も立候補しているが、告示当日に突然立候補したためポスターや選挙公報での言及は無かった。但し、選挙期間中に「浜田マキコはどうすべきか」との質問に対して、「浜田マキコは責任を取って死ぬべきであるが、女性であるので腹を切って死ねとは言えない。」と答えている
- ^ 2004年のトピックス、又吉イエス非公式サイト。
- ^ 世界経済共同体党への質問 回答(16) (回答16-(6)を参照)
- ^ 2004年3月14日、新宿でジョージ・ウォーカー・ブッシュはギロチンで首を落として死ぬべきだと発言した。[1]
[編集] 外部リンク
- 世界経済共同体党
- 又吉イエス非公式サイト
- TeBiCHi.com / 僕とイエスと掘っ立て小屋(かつて経営していた学習塾における教え子だった映画監督・真喜屋力によるエッセー)
- 1998年参議院議員沖縄選挙区選挙公報
- あなたの知らない奇人10傑 (2SPARE.COMの記事)
カテゴリ: 出典を必要とする記事 | 日本の政治運動家 | 1944年生 | 国政選挙立候補経験者 | 沖縄県出身の人物