大同特殊鋼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
種類 | 株式会社 |
市場情報 | |
本社所在地 | 〒461-8581 愛知県名古屋市東区東桜1-1-10 |
電話番号 | 052-963-7501 |
設立 | 1950年(昭和25年)2月1日 |
業種 | 鉄鋼 |
事業内容 | 特殊鋼鋼材、電子・磁性材料、自動車部品・産業機械部品、エンジニアリング、チタン等の新素材の製造販売 |
代表者 | 代表取締役会長 高山剛、代表取締役社長社長 小澤正俊 |
資本金 | 371億7246万4289円(2006年3月31日現在) |
売上高 | 単体2974億600万円、連結4807億400万円(2006年3月期) |
総資産 | 単体3353億7500万円、連結4768億1700万円(2006年3月31日現在) |
従業員数 | 単体3542人、連結10231人(2006年3月31日) |
決算期 | 3月 |
主要株主 | 新日鉄10.19%、明治安田生命4.77%、三菱東京UFJ銀行3.6%、みずほコーポレート銀行3.57%、日本発条2.92%、三菱UFJ信託銀行2.89% |
関係する人物 | 福澤桃介 |
外部リンク | http://www.daido.co.jp/ |
大同特殊鋼株式会社(だいどうとくしゅこうかぶしきがいしゃ)は、大手凡庸特殊鋼メーカー。
目次 |
[編集] 概要
特殊鋼に特化しており、数々の製品で世界トップシェアをもつ有力メーカーである。
2006年現在、事業を「特殊鋼鋼材」、「電子・磁性材料」、「自動車部品」、「エンジニアリング」、「新素材」、「流通・サービス」の6部門に分けている。主力の特殊鋼は構造用鋼、軸受鋼、ステンレス鋼、チタン合金等を製造している。
2006年3月期の連結売上構成は特殊鋼鋼材55.2%、電子・磁性材料10.7%、自動車部品・産業機械部品21.6%、エンジニアリング7%、新素材2.3%、流通・サービス2.8%となっている。
自動車向け鋼材はホンダ、日産自動車向けにシェアが高い。航空機エンジン用シャフトでは世界シェア30%[1]、携帯電話・ハードディスクドライブ(HDD)モーター用磁石は子会社のダイドー電子で生産し携帯電話用世界シェア35%、HDD用世界シェア50%以上[2]等、自動車用ターボチャージャー部品等、様々な製品で高シェアを確保し高い競争力を持つ。
1950年(昭和25年)の事業再開当初は普通鋼の生産が中心であったが数年後に特殊鋼に特化した。1970年代の石油危機後は赤字に転落。1976年(昭和51年)に3社合併により大同特殊鋼となった。2006年3月に高級特殊鋼最大手の日立金属と包括的な提携を行うと発表した。また、2007年1月にはアメリカのベアリング・特殊鋼メーカーのティムケンと特殊鋼生産に関する業務提携を発表するなど、複眼的なアライアンスを推進している。
企業グループとしてはかつては日本興業銀行グループに属していたが、日本興業銀行がみずほフィナンシャルグループに編成される前後から、資本関係としては密な関係ではなくなってきている。筆頭株主は新日鉄であるが、資本関係以外はあまり親密な取引関係はないとされる。
[編集] 社名の由来
戦前の五大電力業者の一つで、福澤桃介が設立し木曽川水系に水力発電所を多く保有していた大同電力(戦時統合で日本発送電を経て関西電力に統合)の副業として電気製鋼事業が開始されたことから、冒頭に「大同」を冠した。
[編集] 沿革
- 1916年(大正5年)8月 名古屋電燈株式会社から製鋼部門を分離し株式会社電気製鋼所を設立。
- 1917年(大正6年)福沢桃介が電気製鋼所の取締役社長に就任、名古屋電燈に製鉄部を設置。
- 1918年(大正7年)名古屋電燈から電力開発事業および製鉄部を分離し木曽電気製鉄株式会社を設立。
- 1919年(大正8年)木曽電気製鉄を木曽電気興業株式会社に改称。
- 1921年(大正10年)木曽電気興業、日本水力株式会社が大阪送電株式会社に合併し大同電力株式会社と改称。大同電力から大同製鋼株式会社が分離。
- 1922年(大正11年)電気製鋼所から熱田工場、福島工場が分離と大同製鋼が合併し、株式会社大同電気製鋼所と改称。電気製鋼所は木曽電力株式会社に改称。
- 1934年(昭和9年)大同電気製鋼所が帝国発条株式会社を合併。
- 1938年(昭和13年)大同電気製鋼所が大同製鋼株式会社に改称。
- 1941年(昭和16年)大同電気製鋼所が富永鋼業株式会社を合併。
- 1950年(昭和25年)2月 企業再建整備法により新大同製鋼株式会社と大同鋼板株式会社(現在の日鉄鋼板)に分割。(登記上の設立日)
- 1950年(昭和25年)9月 名古屋証券取引所第1部に上場。
- 1951年(昭和26年)6月 東京証券取引所第1部、大阪証券取引所第1部に上場。
- 1953年(昭和28年)2月 京都証券取引所に上場。(昭和42年1月に廃止)
- 1953年(昭和28年)3月 新大同製鋼が大同製鋼株式会社と改称。
- 1955年(昭和30年)10月 大同製鋼が新理研工業株式会社を合併。
- 1957年(昭和32年)8月 株式会社株式会社東京製鋼所を合併。
- 1964年(昭和39年)7月 関東製鋼株式会社渋川工場を合併。
- 1976年(昭和51年)9月 大同製鋼が日本特殊鋼株式会社、特殊製鋼株式会社を合併して大同特殊鋼株式会社に改称。
- 2004年(平成16年)10月 大阪証券取引所への上場廃止。
[編集] 工場等
- 研究開発本部(名古屋市南区)
- 知多(愛知県東海市)
- 知多型鍛造(愛知県東海市)
- 君津(千葉県君津市)
- 星崎(名古屋市南区)
- 渋川(群馬県渋川市)
- 川崎(川崎市川崎区)
- 知多帯鋼(愛知県東海市)
- 王子(東京都北区)
- 粉末(名古屋市港区)
[編集] テクノセンター
[編集] ハンドボール部
男子ハンドボールチームのフェニックスは、1973年(昭和48年)から3年連続で全日本実業団、国民体育大会、全日本総合、NHK杯の4冠を達成するなど、国内トップクラスの強豪チームである。 2006年12月25日、全日本総合決勝で大崎電気を39(20-13,19-21)34で下し、優勝した。 前大会で負けていたので、見事雪辱を果たした。
[編集] 関係会社
[編集] 連結子会社
- 大同興業(東京都港区)(特殊鋼鋼材他)
- DAIDO PDM(THAILAND)CO.,LTD.(タイ王国・サムットプラーカーン県)(特殊鋼鋼材)
- 大同アミスター(大阪府大東市)(特殊鋼鋼材)
- 天文大同特殊鋼股※有限公司(台湾・桃園県)(特殊鋼鋼材)(※にんべんに分の文字)
- DAIDO AMISTAR(M)SDN.BHD.(マレーシア・スランゴール州)(特殊鋼鋼材)
- 下村特殊精工(千葉県市川市)(特殊鋼鋼材)
- 大同ステンレス(大阪府東大阪市)(特殊鋼鋼材)
- DAIDO AMISTAR(S)PTE LTD(シンガポール)(特殊鋼鋼材)
- 大同マテックス(川崎市川崎区)(特殊鋼鋼材)
- 大同資材サービス(名古屋市南区)(特殊鋼鋼材)
- 大同エコメット(名古屋市南区)(特殊鋼鋼材)
- 大同テクニカ(愛知県東海市)(特殊鋼鋼材)
- ダイドー電子(岐阜県中津川市)(電子・磁性材料)
- DAIDO ELECTRONICS(THAILAND)CO.,LTD.(タイ・アユタヤ県)(電子・磁性材料)
- 大同スペシャルメタル(東京都港区)(電子・磁性材料)
- 大同キャスティングス(名古屋市港区)(自動車部品・産業機械部品)
- フジオーゼックス(静岡県菊川市)(自動車部品・産業機械部品)
- 日本鍛工(兵庫県尼崎市)(自動車部品・産業機械部品)
- 東洋産業(横浜市鶴見区)(自動車部品・産業機械部品)
- 大同スターテクノ(群馬県渋川市)(自動車部品・産業機械部品)
- 日星精工(名古屋市南区)(自動車部品・産業機械部品)
- 大同精密工業(東京都豊島区)(自動車部品・産業機械部品)
- OHIO STAR FORGE CO.(アメリカ・オハイオ州)(自動車部品・産業機械部品)
- 大同機械製作所(名古屋市南区)(エンジニアリング)
- 大同環境エンジニアリング(名古屋市南区)(エンジニアリング)
- 大同プラント工業(名古屋市南区)(エンジニアリング)
- 大同ライフサービス(名古屋市南区)(流通・サービス)
- 木曽駒高原観光開発(長野県木曽郡木曽町)(流通・サービス)
- 大同分析リサーチ(名古屋市南区)(流通・サービス)
- スターインフォテック(名古屋市東区)(流通・サービス)
- DAIDO STEEL (AMERICA) INC.(アメリカ・イリノイ州)(流通・サービス)
[編集] 持分法適用子会社
- 日本精線(大阪市中央区)(特殊鋼鋼材)
- 理研製鋼(東京都中央区)(特殊鋼鋼材)
- 王子製鉄(東京都中央区)(特殊鋼鋼材)
- 東北特殊鋼(宮城県柴田郡村田町)(特殊鋼鋼材)
- 丸太運輸(名古屋市瑞穂区)(特殊鋼鋼材)
- 桜井興産(名古屋市南区)(特殊鋼鋼材)
- 泉電気工業(東京都墨田区)(特殊鋼鋼材)
- 川一産業(川崎市川崎区)(特殊鋼鋼材)
[編集] 関連項目
- 大同工業大学
- 大同病院、だいどうクリニック
- イオン熱田ショッピングセンター(高蔵製作所跡地)