小説吉田学校
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『小説吉田学校』(しょうせつよしだがっこう)は、政治評論家の戸川猪佐武の実録政治小説である。
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[編集] 概要
『小説吉田学校』は、第一次吉田内閣から鈴木善幸内閣までの保守政界の権力闘争史を描いた長編小説。最初は雑誌連載で、その後は単行本の形で第7部までが発表され、1981年に角川文庫に収録されるとともに第8部が書き下ろされて完結した。
なおこの作品と、これをさらに掘り下げた二編『小説吉田茂』と『小説三木武吉』は、いずれも “小説” と銘打ってはいるものの、実際は史実を克明に追ったノンフィクションに近いものである。戸川が「小説という形を取ってあえて評伝にしなかった」のは、「政治家というものは、そのパーソナリティ、キャラクターによって、行動様式が支配されている」ものであり、政治家の「人間を描くことによって、こういう人だから、こういう行動をとったということがはじめてわかるから」だという。[1]
戸川猪佐武が評価していた田中角栄が誇張して書かれているとの批判もある。
- 第1部 「保守本流」
- 第2部 「党人山脈」
- 第3部 「角福火山」
- 第4部 「金脈政変」
- 第5部 「保守新流」
- 第6部 「田中軍団」
- 刑事被告人となった田中が初の総裁予備選で大平正芳内閣を樹立するまでを描く。
- 第7部 「四十日戦争」
- 衆議院選挙惨敗を巡る大角主流派と三福中非主流派の対立を中心に描く。
- 第8部 「保守回生」
[編集] 映画『小説吉田学校』
製作:フィルムリンク・インターナショナル 配給:東宝 公開日:1983年4月9日
[編集] スタッフ
[編集] キャスト
- 吉田茂: 森繁久彌
- 鳩山一郎: 芦田伸介
- 松野鶴平: 小沢栄太郎
- 幣原喜重郎: 三津田健
- 星島二郎: 伊豆肇
- 林譲治: 土屋嘉男
- 河野一郎: 梅宮辰夫
- 広川弘禅: 藤岡琢也
- 大野伴睦: 田崎潤
- 斎藤隆夫: 佐々木孝丸
- 石橋湛山: 里木佐甫良
- 佐藤栄作: 竹脇無我
- 池田勇人: 高橋悦史
- 田中角栄: 西郷輝彦
- 岸信介: 仲谷昇
- 麻生太賀吉: 村井国夫
- 三木武夫: 峰岸徹
- 福田赳夫: 橋爪功
- 河本敏夫: 成田次穂
- 福田一: 和崎俊哉
- 増田甲子七: 加藤和夫
- 中井川隆一郎: 鈴木瑞穂 (※中井川隆一郎は架空の人物。山口喜久一郎がモデルとされる)
- 益谷秀次: 稲葉義男
- 石田博英: 辻萬長
- 西村栄一: 小林稔侍
- 浅沼稲次郎: 小池朝雄
- 大麻唯男: 神田隆
- 河上丈太郎: 庄司永建
- 宮沢喜一: 角野卓造
- 太田一郎: 神山繁
- 須永一雄: 石田純一
- ダグラス・マッカーサー: リック・ジェイソン
- 中曽根康弘: 勝野洋
- 麻生和子: 夏目雅子
- 緒方竹虎: 池部良
- 三木武吉: 若山富三郎
- ナレーター: 平光淳之助
追加キャスト
[編集] コミック
戸川の没後、『小説吉田学校』はさいとう・たかをによって『歴史劇画・大宰相』としてコミック化されている。各巻のタイトルは以下の通り。
- 第 1巻 「吉田茂の抗争」
- 第 2巻 「鳩山一郎の悲運」
- 第 3巻 「岸信介の豪腕」
- 第 4巻 「池田勇人と佐藤栄作の激突」
- 第 5巻 「田中角栄の革命」
- 第 6巻 「三木武夫の挑戦」
- 第 7巻 「福田赳夫の復讐」
- 第 8巻 「大平正芳の決断」
- 第 9巻 「鈴木善幸の苦悩」
- 第10巻 「中曽根康弘の野望」
[編集] 出典
- ^ 『小説吉田茂』「あとがき」より。