強肩

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強肩（きょうけん）は主に野球において、野手や捕手の返球・送球能力（主に速度）が高い事を指す。かつては鉄砲肩と呼ばれる事もあったが、この場合はコントロールが定まらない意味を含める事が多い。

強肩であるか否かは捕手の盗塁阻止率、一塁手への送球を常に行わなければならない内野手（遊撃手・二塁手・三塁手）の守備能力、外野手の本塁やその他の塁への返球による補殺数に大きく関わっている。もちろん強肩であるからといって即守備の能力が高いとは言えず、送球のコントロールや正確性、さらには状況判断が必要である。例えば、強肩の外野手が、走者をアウトに出来ないのにもかかわらず本塁へ返球してしまい、三塁や二塁に打者・他の走者を進ませてしまうようでは宝の持ち腐れである。

また、科学的に立証された案件ではないが、投手としては挫折した後、コンバートされて強肩の野手として活躍した選手も多いという事実が存在する。その理由として、野手は投手ほどの繊細なコントロールが要求されないこと、投球フォームが全く違うことなどが考えられる。野手として成功するには打撃の能力も重要である。

[編集] 「強肩」の定義

一般には、硬球を90メートル前後ノーバウンドで投げられれば、強肩と評される。ただし、外野手に求められる、ボールを100メートル投げられる肩の強さと、内野手や捕手に求められる、20メートル内外の距離を即座に送球できる肩の強さとは別だとも多くのプロ野球経験者が証言している。

[編集] 表現の仕方

アメリカではstrong arm（強腕）と言われ、日本では強肩の外野手の送球を指してレーザービームなどと言うことがあるが、これはアメリカの実況の、イチローの送球に対するコメントに由来する。また、守備位置を問わず、鉄砲肩という呼び方もある。

[編集] 主な強肩の選手

捕手

• 城島健司(シアトル・マリナーズ)
• 谷繁元信(中日ドラゴンズ)
• 中嶋聡(北海道日本ハムファイターズ)
• 細川亨(西武ライオンズ)
• 的山哲也(オリックス・バファローズ)
• 阿部慎之助（読売ジャイアンツ）
• 矢野輝弘(阪神タイガース)

内野手

• 二岡智宏(読売ジャイアンツ)
• 今岡誠(阪神タイガース)
• 中島裕之(西武ライオンズ)
• 鳥谷敬(阪神タイガース)
• 中村紀洋(中日ドラゴンズ)

外野手

• アレックス・オチョア(元中日ドラゴンズ)
• イチロー(シアトル・マリナーズ）
• カリーム・ガルシア(元オリックス・バファローズ)
• 金城龍彦(横浜ベイスターズ)
• 柴原洋(福岡ダイエーホークス-福岡ソフトバンクホークス)
• SHINJO(元北海道日本ハムファイターズ)
• 羽生田忠克(元西武ライオンズ)
• 飯田哲也（東北楽天ゴールデンイーグルス）
• 英智(中日ドラゴンズ)
• 廣瀬純(広島東洋カープ)
• 福留孝介(中日ドラゴンズ)
• 赤松真人(阪神タイガース)
• 南竜介(千葉ロッテマリーンズ)
• 嶋重宣（広島東洋カープ）

ジャイアンツに在籍したゲーブ・キャプラーも入団時『強肩』と称されたが、実際はそうでもないようである。