中島裕之
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中島 裕之(なかじま ひろゆき、1982年7月31日 - )は、西武ライオンズ所属のプロ野球選手。ポジションは内野手(遊撃手)。背番号は3番。
目次 |
[編集] 来歴・人物
高校時代は投手と遊撃手兼任。高校通算43本塁打。2000年のドラフト会議で兵庫県立伊丹北高等学校からドラフト5位で内野手として指名され入団。2003年オフにFA権を行使してメジャーリーグ・ニューヨーク・メッツに移籍した松井稼頭央選手の後釜に抜擢された。また、大先輩の清原和博の背番号3を引き継いでいる。チームではその身体能力が秘める潜在能力に早くから目を付けられて3年間、2軍において鍛え上げられてきた期待の新星。2004年には、それまでほとんど実績がなかったために「荷が重過ぎる」との声もありながらも、伊東勤監督は、開幕からスタメン7番遊撃手として固定し続け、終わってみれば、2004年パシフィック・リーグ唯一の全試合全イニングフル出場を果たし、打率.287、27本塁打、90打点、18盗塁と、松井の穴を感じさせない大活躍を見せ、チームのリーグ優勝、日本一に貢献した。
しかし翌2005年は交流戦の対広島東洋カープ戦で、広島市民球場の土のグラウンド特有のイレギュラーバウンドした打球を顔面に当て頬骨を骨折するなど、全体的に前年より成績を下げる結果となってしまった。
2006年は開幕から3番バッターとして、遊撃手のレギュラーで活躍した。若さゆえ粗さが目に付くが、走攻守に見せる突出した才覚から次世代のスターとしてファンからの期待が大きい選手である。
2006年7月30日に、東北楽天ゴールデンイーグルスの山村宏樹投手から死球を受け、左手の甲(左第四中手骨)を骨折し、戦線を離脱したが、驚異的な回復力で予定よりも早い9月12日にレギュラーに復帰し、その後一時は首位打者争いに加わるなど、打撃を中心としてチームの優勝争いに貢献。この年、自身初めての打率3割を達成、打率リーグ4位に入った。確実に成長を遂げている打者である。
2006年は遊撃手でリーグ最多となる16失策を記録してしまい、守備に不安が見られた。この年の契約更改では球団初となる守備での出来高払いの項目が設定された。
持ち味は、広角に長打が打てる打撃・俊足・強肩と三拍子が高いレベルで揃った遊撃手であること。また体力もあり故障に強い。2軍監督だった石井浩郎から伝授された、剣道の上段の構えを思わせるバッティングフォーム(後にテレビの企画で「ぶった切り打法」と命名される)も特徴的である。唯一の難点は守備に確実性がないことであり、守備力の向上が課題だが、持ち前の勝負強い打撃力は打線の中核を担える素晴らしいものである。
[編集] エピソード
- 背ネーム表記は「H.NAKAJIMA」となっているが、2007年シーズン現在、中島姓が1人しかいないにもかかわらず「H」が付いているのは中嶋聡(現・北海道日本ハムファイターズ)が球団に在籍していた時の名残りである。文字数が多いほうが格好いいからという本人の希望で「H」を入れたままとなっている。
- 名前の裕之は父親が山崎裕之のファンだったことに由来するという。
- 甘いマスクから女性から人気があり、2004年のオールスターゲームには、ファン投票では同じくイケメン遊撃手の川﨑宗則に敗れたが出場している。さらに、雑誌の「プロ野球ai」が実施したアンケートでは、人気ランキング2位につけた(1位は川﨑で、ここでも敗れている)。
- 兵庫県伊丹市出身のスポーツ選手で結成されているNPO法人「伊丹アスリートクラブ」に所属しており、シーズンオフにはイベントを行っている。
- ファンの間でのニックネームはナカジ。ニューヨーク・ヤンキースのデレク・ジーターを捩って、文化放送アナウンサーには「ナカジーター」とも呼ばれることもある。
- 小学校時代は山崎勝己(福岡ソフトバンクホークス)とバッテリーを組み、全国大会に出場。
- ファンは、サザエさんに登場する野球少年の「中島」の絵を掲げて彼を応援する。
- 2004年より、文化放送ライオンズナイター内で「中島裕之の今日もやったるで!」コーナーを担当。2006年より、「中島裕之の何が何でもやったるで!」に改題されている。
- 入団1年目、スポーツニッポンに掲載された選手名鑑に誤って野田浩輔の顔写真が掲載され、数日後に訂正されたことがある。
- 2004年、選手名鑑の顔写真を見た伊東監督夫人が「中島くんってアイドルみたいな顔してるわね」と評したことから、この年のシーズンの中島の応援歌の一番最初には小泉今日子の「なんてったってアイドル」のイントロが使われていた。
- 2006年シーズンから本人のラッキーカラーとしてピンク色のバッティンググローブとリストバンドを着用している。(久保田スラッガー愛用)
- 本来、中村剛也のあだ名である、「おかわり君」を間違って使われていたことがある。
- 愛車はハマーである。
- 好きな音楽はHIP-HOP。
[編集] 略歴
- 身長・体重:180cm 80kg
- 投打:右投右打
- 出身地:兵庫県伊丹市
- 血液型:A型
- 球歴・入団経緯:伊丹北高 - 西武ライオンズ(2001年 - )
- FA取得:なし
- プロ入り年度・ドラフト順位:2000年(5位)
- 背番号:56(2001年 - 2003年) - 3(2004年 - )
- 英語表記:H.NAKAJIMA
- 推定年俸:7000万(2007年)
- 守備位置:遊撃、三塁、二塁
[編集] プロ時代の戦歴
[編集] 通算成績(2006年シーズン終了時)
年度 | チーム | 試合 | 打席 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 塁打 | 打点 | 盗塁 | 犠打 | 犠飛 | 四球 | 死球 | 三振 | 併殺打 | 打率 | 失策 |
2001 | 西武 | 出場なし | ||||||||||||||||||
2002 | 西武 | 4 | 7 | 7 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | .143 | 0 |
2003 | 西武 | 44 | 98 | 89 | 12 | 23 | 3 | 1 | 4 | 40 | 11 | 1 | 0 | 0 | 5 | 4 | 22 | 0 | .258 | 3 |
2004 | 西武 | 133 | 559 | 502 | 70 | 144 | 22 | 3 | 27 | 253 | 90 | 18 | 3 | 4 | 39 | 11 | 108 | 7 | .287 | 17 |
2005 | 西武 | 118 | 444 | 405 | 56 | 111 | 21 | 2 | 11 | 169 | 60 | 11 | 3 | 3 | 22 | 11 | 67 | 17 | .274 | 10 |
2006 | 西武 | 105 | 459 | 412 | 76 | 126 | 22 | 1 | 16 | 198 | 63 | 14 | 0 | 4 | 30 | 13 | 66 | 12 | .306 | 16 |
通算成績 | 404 | 1567 | 1415 | 214 | 405 | 68 | 7 | 58 | 661 | 224 | 44 | 6 | 11 | 96 | 39 | 265 | 37 | .286 | 46 |
[編集] 特別試合出場
- オールスター出場
-
- 2004年(新人賞獲得)・2006年(第2戦で優秀賞獲得)
- 日米野球出場
-
- 2004年
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
0 大崎雄太朗 | 2 柴田博之 | 3 中島裕之 | 4 高木浩之 | 5 和田一浩 | 6 後藤武敏 | 7 片岡易之 | 8 平尾博嗣 | 9 赤田将吾 | 10 佐藤友亮 | 11 岸孝之 | 12 河原純一 | 13 西口文也 | 14 小野寺力 | 15 大沼幸二 | 16 涌井秀章 | 17 山崎敏 | 19 長田秀一郎 | 20 山本淳 | 21 石井貴 | 22 野田浩輔 | 23 許銘傑 | 24 松永浩典 | 25 正津英志 | 26 星野智樹 | 27 細川亨 | 28 岡本篤志 | 29 三井浩二 | 30 ジェーソン・ジョンソン | 31 吉見太一 | 32 石井義人 | 33 江藤智 | 34 クリストファー・ギッセル | 35 岩崎哲也 | 36 山岸穣 | 37 銀仁朗 | 38 西川純司 | 39 貝塚政秀 | 40 ジェフリー・リーファー | 41 木村文和 | 42 アレックス・カブレラ | 43 原拓也 | 44 高山久 | 45 水田圭介 | 46 G.G.佐藤 | 47 帆足和幸 | 48 松川誉弘 | 49 上本達之 | 50 田沢由哉 | 51 大島裕行 | 52 栗山巧 | 53 福地寿樹 | 54 アレックス・グラマン | 55 黒田哲史 | 56 黒瀬春樹 | 57 田中靖洋 | 58 松坂健太 | 59 山本歩 | 60 中村剛也 | 61 星秀和 | 62 朱大衛 | 63 藤原虹気 | 64 石橋尚登 | 65 内田和也 | 66 宮越徹 | 68 田原晃司 | 69 東和政
83 監督 伊東勤 | 71 土井正博 | 75 荒木大輔 | 80 森山良二 | 78 立花義家 | 81 植田幸弘 | 72 清水雅治 | 79 笘篠誠治 | 87 原井和也 | 74 二軍監督 渡辺久信 | 76 田辺徳雄 | 77 石井丈裕 | 86 潮崎哲也 | 89 森博幸 | 88 相馬勝也 | 70 河田雄祐 | 98 大迫幸一 | 99 坂元忍 |