役牌
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役牌(やくはい)とは、麻雀における役のひとつ。1飜。正式名称は飜牌(ファンパイ)。特定の字牌による刻子もしくは槓子がある場合に成立する。門前でなくても成立する。
副露が可能であり、たった3枚の牌で成立する役なので、早あがりのために利用される傾向がある。このため、俗に「特急券」「急行券」と表現されることがる。
なお、この役を成立させる牌そのものも役牌と呼ばれる。
[編集] 概要
この役を成立させる牌は、以下の3種類である。
- 荘風牌:東場の東など、場と同じ牌。圏風牌または場風牌ともいう。
- 門風牌:北家の北など、自分の位置と同じ牌。自風牌ともいう。
- 三元牌:白・發・中。
これらの牌が刻子または槓子になっている場合に役が成立する。なお、該当する刻子(または槓子)が複数ある場合には、それぞれを1飜として数える。また、東場の東家など、荘風と門風が一致している場合は連風牌と呼ばれ、これが刻子(または槓子)となった場合は2飜として扱う。
なお、字牌であっても、荘風や門風でないものを客風牌といい、これが刻子(あるいは槓子)となっていても役とみなされない。一翻縛りでは、役が成立していないときに和了宣言するとチョンボとなるため、荘風および門風はしっかりと認識しておく必要がある。
役とは直接関係ないが、荘風・門風・三元牌の雀頭は2符となる(連風牌は4符とする場合もある)。なお、刻子もしくは槓子とした場合の符は客風牌および老頭牌などのヤオ九牌と同じ扱いであり、以下のとおりの符が与えられる(連風牌たりとも優遇されない)。
- 明刻子:4符
- 暗刻子:8符
- 明槓子:16符
- 暗槓子:32符
[編集] 例
東場か自風が東の時のみ、
で、役牌が成立する(1翻)。また、東場でかつ自身が東風の場合、双方の風が一致しているので、2翻になる。この2翻での東の場合、俗にダブ東(トン)と言うこともある。(ダブルで東風という意)。南場で南風の時なども、東の場合とシステムは同じ。ダブ南(ナン)等という俗称も同様。
白・發・中のの三元牌の場合は場風、自風に関係なく1翻役として成立する。
であがれる。三元牌の部分を刻子にできた場合(他家のポンでももちろん可)、門前でも副露でもあがれるため、早あがりできる事が多い。一般的に三元牌は、配牌時に刻子や対子にできないと判断された場合、他家によって早めに捨てられることが多いからである。ちなみにこの三元牌の三種類を全て刻子にすると大三元(役満)となる。
役牌同士、同時に成立させることももちろん可能である。東風か東場の時、上記で
であがると、東と中の2翻分の翻数が加算される。
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