武庫川
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武庫川 | |
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![]() JR福知山線道場駅付近 |
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延長 | 66 km |
水源の標高 | 741 m |
平均流量 | m³/s |
流域面積 | 496 km² |
水源 | 白髪岳(兵庫県) |
河口 | 大阪湾(兵庫県) |
流域 | 兵庫県 |
武庫川(むこがわ)は、兵庫県南東部を流れる武庫川水系の本流で、二級河川。
目次 |
[編集] 地理
[編集] 概要
丹波高地にある白髪岳(標高741m)南麓に発して南流。三田盆地を潤したのち再び山峡に入り、武庫川渓谷を形成する。宝塚市街西方で大阪平野の北西端へ出て南流、下流域では尼崎市と西宮市の境界を成しつつ大阪湾に注ぐ。
[編集] 流域の市町
[編集] 流域解説
白髪岳の麓では武庫川は小川だが、谷筋の田圃の間を流れながら周辺の山から流れ出る水を集めて次第に大きくなり、三田盆地に入る。広やかな三田盆地の田圃の間をゆっくり流れる間にも、支流からの水を集め川幅を広げる。三田市内の武庫川沿いの田圃では毎春レンゲの花が見られる。三田周辺の武庫川東岸側は人口の少ない地域で、上流側の支流には青野ダム、下流側の支流には千刈ダムの2箇所の上水道用貯水ダムがある。西側は最近特に住宅地として開発されてきた地帯で、武庫川にもかなりの下水が流れ込む。
三田盆地を抜けると急に山間部に入り、武庫川渓谷となる。渓谷入口には流域の鎌倉峡・百丈岩等の巨岩が聳える。武庫川は山間を蛇行しながら下ってゆくが、途中しぶきを上げるような急流も各所に見られる。途中の川岸に武田尾温泉があり、冬のぼたん鍋が有名。現在このあたりに治水を主眼とした巨大なダム(武庫川ダム)を作る計画があり、流域の住民との間で話し合いが行われている。
渓谷を抜けると、宝塚で大阪平野に出る。有名な宝塚歌劇場は川沿いにあるが、元々は宝塚温泉に客を呼ぶアトラクションとして阪急電鉄の創始者小林一三が始めたもの。河川敷では毎夏、宝塚花火大会が開催される。ここから河口までは両岸の大部分が公園化され、たくさんの人が球技・サイクリング・ジョギングを楽しんでいる。宝塚市街南部で西から逆瀬川が注ぐ。同川中流部は関西きっての高級住宅街として知られる。
尼崎市と西宮市の間を流れる下流部では、両岸は松並木の茂る高い堤防となり、川底が周辺の地面より高い天井川である。第一阪神国道武庫大橋の西宮側にはかつて関西を代表する高級ホテルだった旧甲子園ホテルがその優美な姿を見せている。阪神電鉄より南の最下流部では海水が入り混じり(汽水)、ハゼ釣の名所となっている。
[編集] 主な支流
市町名は流域。
- 青野川 三田市。中流にダム湖の千丈寺湖がある。
- 有馬川 神戸市北区、西宮市。上流に有馬温泉がある。
- 有野川 神戸市北区。
- 羽束川 大阪府豊能郡能勢町、篠山市、三田市、宝塚市、神戸市北区。最上流に籠坊温泉、下流に千刈貯水池がある。
- 逆瀬川 宝塚市。
- 枝川 西宮市。大正期(当時は武庫郡鳴尾村)に廃川となり、その跡地を阪神電鉄が開発したのが西宮七園の一つ、高級住宅地として、そして野球のメッカとして名高い甲子園である。
[編集] 並行する交通
- JR西日本福知山線 宝塚駅~古市駅間で、一部区間を除き並行。
- 阪急電鉄今津線 宝塚駅~宝塚南口駅間でほんの少し並行し渡河するのみ。以南で沿岸は通らないが、2,3kmほど西を並行。
- 国道176号 宝塚市~篠山市古市で、局地的に並行する。
- 阪神電気鉄道武庫川線 全線が並行し、特に武庫川駅~洲先駅では武庫川の堤防下を走る。
[編集] 沿岸の観光地
[編集] トピック
- JR福知山線の生瀬駅~道場駅間は、1986年11月1日に同線新三田駅以南が複線電化となるまで、ほぼ武庫峡に沿い屈曲していた。現在同区間は殆どがトンネル新線となっており、峡谷を眺めることはできない。非電化時の廃線跡は武庫川沿岸の各所に残っているが、ハイキング道として整備されていないけもの道で、トンネルも多くが閉鎖されているなど、探訪には充分な注意が必要である。
- 阪神電気鉄道本線の武庫川駅は、武庫川にかかる橋梁上にホームがある珍しい駅である。駅舎も東岸の尼崎市、西岸の西宮市にそれぞれある。なお、同駅から南下する阪神武庫川線のホームは、西宮市方の堤防下にある。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 武庫川を愛する会(武庫川ダムの要否を問うサイト)
- 武庫川の治水を考える連絡協議会(武庫川に関する環境レポート)