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灼眼のシャナの登場人物 - Wikipedia

灼眼のシャナの登場人物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

灼眼のシャナの登場人物(しゃくがんのしゃなのとうじょうじんぶつ)は、高橋弥七郎のライトノベル作品「灼眼のシャナ」、及びそれとしたアニメ、ゲームに登場する人物の一覧である。

※「CD」は『電撃hp』で誌上通販されたドラマCDのキャスト。

目次

[編集] 主要人物

坂井 悠二(さかい ゆうじ) (CD 森田成一/アニメ 日野聡
主人公。性格は大人しく、すぐに弱音を吐くなど普段は頼りないが、危機の時にはフレイムヘイズに一目置かれるほどの頭脳の切れを見せる。また、“千変”シュドナイ相手に時間稼ぎの為の一世一代の大芝居をかますなどの土壇場の度胸も持ち合わせている。但し恋愛に関してはかなり鈍感かつ優柔不断である。好物はチョコレートで、嫌いな物はマシュマロセロリ(特にセロリは口にすると凄い顔になるらしい)。利き足は右。
人間の坂井悠二は物語開始より以前に“紅世の徒”に喰われ死亡。喰い滓の“存在の力”が加工されてトーチとなり、さらに宝具『零時迷子』を宿す“ミステス”となっていた。『零時迷子』の能力で封絶の中でも動くことができたため、“狩人”フリアグネ配下の“燐子”の襲撃を目撃してしまう。その時に偶然通りかかったシャナに助けられ、世界の真実を知らされる。初めは自分がすでに死亡し、消滅するしかない存在である事に落ち込み、悩んでいたが、フリアグネとの戦いの中で徐々に自分の気持ちを整理し、シャナに協力するようになった。フリアグネの死後は彼が所持していた火避けの指輪アズュール』を首飾りにして所持している。
II巻でシャナが新たな能力を身に付けて以降、「『零時迷子』の能力を利用した無尽蔵のエネルギー・タンク」として彼女の鍛錬に付き合っていたが、その副次効果で未熟ながら“存在の力”を操作できるようになる。しかし未熟な操作能力では、逆に“存在の力”を全て失う危険が大きいことから、シャナ(XI巻以降はヴィルヘルミナも)を師に“存在の力”を操る鍛錬を始める。その結果、基本中の基本である身体強化や封絶など初歩的な自在法などの技術を身につけた。
当初はごく平凡なトーチだったらしいが、『零時迷子』に掛けられた自在式によって、“千変”シュドナイの腕や“彩飄”フィレスの“存在の力”を吸収、同化し、“紅世の王”にも匹敵する量の“存在の力”を持つようになる。また、悠二が“ミステス”になる以前に『零時迷子』に打ち込まれた自在式『大命詩篇』の影響により、本来有り得ないの炎を顕現させている。(本来なら彼の“存在の力”を喰らったフリアグネの色である薄い白、あるいは『零時迷子』に封じられたヨーハンの色である琥珀色になる。)
双子の兄がいたが、出産直後に亡くなった。悠「二」の名は、兄の分まで生きるようにと、父の貫太郎によって名付けられたもの。悠二本人は長くその事を知らなかったが、母の胎内に3人目が宿った事を機に、父より教えられた。
クリスマスイヴの日に現れたザロービを自力で討滅、更にサブラクの正体を見抜き追い詰めるなど、自らの力をかつてないまでに発揮したが、シャナと吉田一美のどちらを選ぶかを決めた瞬間、自らに内在していた黒い影に導かれ、[仮装舞踏会(バル・マスケ)]の盟主“祭礼の蛇”として目覚めた。
シャナ[Shana](CD 堀江由衣/アニメ 釘宮理恵
もう一人の主人公かつメインヒロインその1 、『炎髪灼眼の討ち手』という称号を持つフレイムヘイズ。容姿は12、3歳前後(フレイムヘイズとなった時点で未だ第二次性徴を迎えていなかった)。不老であるため実年齢は不詳だが、「フレイムヘイズとなったのは数年前」「未だ人間だった時間の方が長い」と言う描写から、10代後半~20代前半と思われる。イラストでは、つむじの辺りからアホ毛が出ているときがある。
御崎市に巣食う“紅世の徒”を探している最中、偶然悠二と出会う。当初は“ミステス”である悠二を「人間ではないモノ」として扱っていたが、次第に好意を抱いていく。VII巻終盤で遂に悠二への好意を自覚したが、告白しようとする度に邪魔(ヴィルヘルミナ、フィレスの来訪時の2回。ヴィルヘルミナは意図的に妨害した)が入り、未遂に終わっている。想いを同じくする吉田一美は恋敵であり度々張り合っているが、友人として認めてもいる。また体つきを吉田一美と比較されて以来、成長しない自分の体に悩むようになる。
悠二と知り合った直後から、悠二のクラスメイトでトーチだった平井ゆかり(アニメ 浅野真澄)に存在を割り込ませており、周囲の人間からは「平井ゆかり」と認識されている(「シャナ」の名は、彼女の正体を知らない者には「あだ名」と説明される)。「シャナ」の名の由来は、自らの武器であり、あらゆる自在法を無効化する大太刀贄殿遮那(にえとののしゃな)』から。元々は、彼女が「本物の平井ゆかり」ではないことを唯一認知できた悠二が、「本物の平井ゆかり」と区別するために付けた名だったが、それがフレイムヘイズではない「少女としての一個人」を形成するきっかけとなった。悠二に名づけられて以降、自らも「シャナ」を名乗るようになったが、それ以前は名前を持っておらず、他のフレイムヘイズと区別するため便宜的に「『贄殿遮那』のフレイムヘイズ」と名乗っていた。
普段は黒髪に黒目だが、戦闘時は称号が示す通りの炎髪、灼眼となり、武器である宝具『贄殿遮那』の他に、アラストールの翼の一部を顕現させた黒衣『夜笠』を纏う。『夜笠』は柔軟かつ強固な防具であると同時に、その「隙間」に様々な物を大量に収納する事が可能で、『贄殿遮那』なども普段はこの中に収まっている。
フレイムヘイズには珍しく、契約している“紅世の王”の能力や自在法や宝具を使うより、肉弾戦による戦闘を得意とする(これは主として彼女に先入観を与える事を避ける為に、先代や一般的なフレイムヘイズの戦い方を教えなかったアラストールとヴィルヘルミナの教育方針による影響)。物語初期は足裏を爆発させるか、『贄殿遮那』を併用して炎を切っ先から出せる程度で、アラストールの能力を使いこなせない事に密かなコンプレックスを抱いていた。その後『弔詞の詠み手』マージョリー・ドーとの戦いを経て、翼をイメージした炎『紅蓮の双翼』で飛翔できるようになり、以降は積極的に新能力の開発と技術向上の鍛錬を行うようになった。その成果もあってXIV巻現在は、炎弾や炎の腕、巨大な炎の剣なども出せるようになっている。
赤ん坊の頃、日本で捨て子となっていた所を、新たな『炎髪灼眼の討ち手』となる人材を探していた『万条の仕手』ヴィルヘルミナ・カルメルに拾われる。新たな『炎髪灼眼の討ち手』に「復讐者としてのメンタリティを持たない、純粋なフレイムヘイズであること」を求めたアラストールの意向により、そのまま名前を付けられず、フレイムヘイズとしての徹底した英才教育を受けて育った。非常に才能豊かであり、フレイムヘイズにならなければ世界的、歴史的に多大な影響力を与えていたであろう「運命」を持っていた。契約の際に捧げた「人間としての運命」の大きさは、“紅世の王”の中でも最大級の存在であるアラストールの存在を、全て受け入れられるほど。そのため、通常ならば「アラストールの存在の巨大さ」に耐えられず死んでしまうはずの、フリアグネの宝具『トリガーハッピー』による攻撃(原作)や、アラストールの神威召喚(アニメ版)にも耐えている。こうした運命の巨大さから「在るべくして在るもの」「偉大なる者」と称されることもある。
アラストール、ヴィルヘルミナ、シロ(“虹の翼”メリヒム)らの教育方針により、フレイムヘイズとして必要な知識や技術のみを叩き込まれており、フレイムヘイズとしては極めて優秀な反面、人間としての知識や一般常識に欠け、特に人の感情に関する知識は極端に乏しかった。また炊事や洗濯、清掃など家事全般についての知識も無きに等しく、特に料理は何でも黒焦げにしてしまうほど不得手。なお、フレイムヘイズは自在法『清めの炎』で身体の消毒・洗浄を行なう為、坂井家に来て初めて覚えた入浴という行為は、実用の為というよりも趣味の一つとなっている。
かなりの甘党で、中でもメロンパンが大好物。そのこだわりは強く、「香料臭さがあってはならない」「メロン果汁入りは邪道」「網目模様は必須」という持論(実はヴィルヘルミナの受け売り)がある。食べ方にもこだわりがあり、硬いビスケット生地の「カリカリの部分」と、柔らかいパン生地の「モフモフの部分」を交互に食べるのが好み。
親しい者は姓名の名を呼び捨て、そうでない者はフルネームで呼び捨てにする。口癖は「うるさいうるさいうるさい」(主に悠二に対する照れ隠し)。
なお、彼女は過去に「お喋り男に爆弾女、乱暴絵描きに弾き語り、偏執狂に肝っ玉母さん(ムッタークラージェ)」と形容するフレイムヘイズと出会った事があるという。「肝っ玉母さん」はゾフィー・サバリッシュであろう(かつて彼女に教えを受けた事がある)が、他の者については詳細・関係とも不明。当初から他のフレイムヘイズを無条件に同志と看做していない事から考えて、敵対していた可能性もある。
“天壌の劫火(てんじょうのごうか)”アラストール[Alastor](CD 大塚明夫/アニメ 江原正士
シャナと契約している“紅世の王”。“コキュートス”と呼ばれるペンダント型の神器に意思を表出させている。
毅然とした性格をしているが、内心シャナの事が可愛くて仕方ない。シャナが悠二に好意を持っていることにも気付いており、シャナと親密になりつつある悠二に難色を示すが、その成長ぶりを認めてもいる。また、常に的確なアドバイスを与える千草に一目置いており、特に「少女としてのシャナ」の精神教育については全幅の信頼を寄せている。
通常は“紅世の王”として扱われるが、実は“紅世”では神に相当する超常的存在であり、それを指して「“紅世”真正の魔神」と称される。その神格は天罰を司り、フレイムヘイズと契約しているのも「両界のバランスを乱す同胞に天罰を与える」ためであることから「天罰狂い」とも呼ばれる。普段は力を抑えているが、神威召喚『天破壌砕』にて顕現した際にはその真正の姿を見せ、自身の絶大な力であらゆる敵を滅する。ただし、発動には生贄として“紅世の徒”が必要で(アニメ版では生贄の代わりに御崎市に溢れる莫大な量の存在の力を使用)、更に代償として契約者はそのあまりの力の大きさに肉体が耐え切れず死亡してしまう。
シャナの前に契約していた女性、先代『炎髪灼眼の討ち手』マティルダ・サントメールと愛し合っていた。炎の色は紅蓮
通称の由来はユダヤ教キリスト教の神話における地獄の刑執行長官に由来し、神器「コキュートス」はダンテの『神曲』に登場する地獄の最下層、氷結地獄の名である。「裏切り者の地獄」であるのは、「同胞殺し」であるフレイムヘイズの隠喩か。
吉田 一美(よしだ かずみ) (CD 佐藤朱/アニメ 川澄綾子
メインヒロインその2、悠二のクラスメイト。親しい者を除いて、同級生にすら敬語を使うほど内気で弱気と言う、非常に古典的な清純派ヒロイン。しかし悠二やシャナとの関係や“紅世”に関する事件を通じて、精神的に強く成長しつつある。
元々悠二にほのかな好意を持っていたが、学校でシャナと教師の対立のとばっちりを受けた際、助けてくれた悠二を好きになる。しかしすぐに、シャナも悠二を好きだと(当人が自覚する前から)察知し、以来シャナとは悠二をめぐって度々張り合うようになる。
悠二と二人きりで何度か遊びに行っているが、内気な性格ゆえ告白はできずにいた。その後、カムシンとの出会いを切っ掛けに、悠二がトーチである事を知りショックを受けるが、そんな悠二を「トーチというモノ」ではなく人間として好きだと告白した。
カムシンから“紅世”の話を聞いた当初は、動揺し怯えるだけだったが、『調律』に協力する過程でカムシンの過去や信念を知り、自分の弱さを克服する決意をした。そのため、自分を利用しただけのカムシンを非常に尊敬しており、「それでも、良かれと思うことを選ぶ」という彼の言葉を、決意する勇気を出すために時々思い出している。
シャナとはあらゆる意味で対照的な女の子。料理上手で、野菜を使った料理が得意。悠二に昼食のお弁当を作って渡している。また、実はスタイルも良く周囲から「着痩せするタイプ」と言われた。シャナと対極にあるようなスタイルなので、しばしば嫉妬の目線を受けている。名前の由来は吉田茂元首相。シャナからはフルネームで呼ばれていたが、原作XII巻で「一美」と名前で呼ばれるようになった(=親しい友人と認められた)。また、健という中1の弟がいる(吉田茂の息子の健一から取られたものか?)。
XIII巻でフィレスから宝具『ヒラルダ』を受け取るものの、使用の代償は使用者の存在の消滅である事と、それを自分だけに告げたフィレスの真意を計りかねて思い悩む。
なおアニメ版のみの設定として、エカテリーナという名の小型犬を飼っている。寝床は一美の寝室で、河川敷の散歩は彼女の日課(小説3巻に相当する早朝の河川敷で連れ歩く悠二とシャナを目撃するエピソードに関連)。
アニメ番外編「灼眼のシャナたん」ではブラックな一面を垣間見せる。
弁当を作るといった世話好きな性格で人気はあるが、一部のファンからは嫌悪感を抱かれている。

[編集] 主人公の周辺の人物

[編集] 御崎高校クラスメート

生徒たちの名前は、悠二とシャナを除いて政治家の名をもじったものと思われる。1組は日本社会党右派、主要キャラの所属する2組は自由民主党、3組は日本社会党左派の政治家の名に近い。

佐藤 啓作(さとう けいさく)(アニメ 野島健児
とりあえず美をつけてもよい容姿の華奢な少年。親がかなりの資産家らしいが、確執があり、現在は豪邸で居候のマージョリーと二人暮らしをしている(昼間はハウスキーパー達が出入りしているが)。中学時代はかなり荒れた生活をしており敵は多い。栄太の母親からは「狂犬」と呼ばれている。
マージョリーから“紅世”の事を聞き、栄太と共に子分としてサポートに当たる。彼女を「マージョリーさん」と呼び尊敬し、何とか彼女の役に立ちたいと日々努力を重ねている。
外界宿(アウトロー)の存在を知ってからは、外界宿に参入してマージョリーのサポートを行う事を考えるようになるが、佐藤自身の引越しが決まったことで、マルコシアスとティアマトーから外界宿の話を聞いている。
名前の由来は佐藤栄作元首相。アニメ版と小説版では性格がかなり違う(小説版ではひょうきんな感じだがアニメ版ではトゲトゲしい雰囲気を放っている)。
田中 栄太(たなか えいた)(アニメ 近藤孝行
愛嬌のある面付きをした大柄な少年。シャナ曰く、学園で一番身体能力が高いらしい。啓作とは中学からの同級生で、一緒に喧嘩をして回るのは日常茶飯事だった様子。その為、二人とも喧嘩の場所や逃走経路としていた裏道には詳しい。マージョリーから“紅世”の事を聞き、啓作と共に子分としてサポートに当たる。彼女を「姐さん」と呼び尊敬している。
緒方に告白されて戸惑っていたが、マージョリーの放った流れ弾で(封絶の中ではあったが)緒方が砕け散る様を目撃し、彼女への想いに気づいた様子。
次第に激しさを増していく“徒”との戦いに恐怖心を感じるようになっている。
名前の由来は田中角栄元首相。田中も佐藤ほどではないがアニメ版と小説版では性格に差がある。
池 速人(いけ はやと)(アニメ 野島裕史
悠二の中学からの同級生。学業優秀で、ごく自然に皆のトップに立ち場をまとめる(教師よりも、クラスをまとめるのが巧い)、天性のリーダー気質を持った頼れる少年。通称はメガネマン。吉田一美に好意を抱いているが、彼女の悠二に対する想いも知っているため、己の感情との板ばさみに苦悩する。しかし十二月二十四日に吉田一美に告白した。悠二やシャナらの近くにいながらも、“紅世”についての事情を知らない一般人である。
名前の由来は池田勇人元首相。
緒方 真竹(おがた またけ)(アニメ 小林由美子
佐藤・田中とは中学からの同級生。「かわいいよりかっこいい」と評される性格。バレー部に所属。池と同様、“紅世”についての事情を知らない一般人。田中に好意を抱いており、第7巻において告白。“徒”の起こした事件の最中だった事もあって、返事はまだきちんともらっていないが、周囲からはほぼ公認カップルの扱いを受けている。
名前の由来は昭和の名政治家・緒方竹虎
中村 公子(なかむら きみこ)
悠二のクラスメイトの一人で、“紅世”とは無関係の一般人。いかにも最近の女子高生らしく、化粧が趣味の活発な性格で、イベントなどの際にはクラスの中心として活躍する。一美にせがまれて悠二の写真を渡したのも彼女。
名前の由来は第57代衆議院議長・中村梅吉か。
藤田 晴美(ふじた はるみ)
悠二のクラスメイトで、1年2組の副クラス委員。メガネがトレードマーク。女性らしい即決即断の性格で、深く考えて行動するタイプの池とはクラス委員として名コンビを組んでいる。内気な吉田が下の名前で呼ぶ数少ないクラスメート。
名前の由来は「カミソリ後藤田」の異名を取った名政治家・後藤田正晴
平井 ゆかり(ひらい ゆかり)(アニメ 浅野真澄
悠二のクラスメイトで、悠二とは隣の席に座っていた。その為、何度かノートを借りたりする仲だったが、実は彼女も“紅世の徒”の一派に家族ごと襲われ、トーチになっていた。生前は吉田一美が数少ない名前で呼ぶ間柄だった。
その残り火は燃え尽きかけていたが、悠二がシャナによって自分がトーチだと知らされた日、もしくは翌日に、シャナが存在を割り込ませた為に周囲にはそのまま認知されている。
アニメ版では池速人に好意を持っていたが、悠二がシャナと出会った時に襲ってきた“燐子”によって“存在の力”を食われ、トーチにされた。消え行く運命にある平井ゆかりの為に悠二はせめて最後に池と思い出を作ってもらおうと努力したが、消えかけていた為、池にほとんど理解を示されず、最後は悠二の目の前で燃え尽きた。このアニメ版限定のオリジナルエピソードによってトーチの悲劇性が顕著に語られている。

[編集] 坂井家

坂井 千草(さかい ちぐさ) (CD 皆口裕子/アニメ 櫻井智
悠二の母。実年齢よりかなり若く見える(ただし正確な年齢は不明。おそらく三十代前半)。家事一般に精通しており、料理上手で特に炒め物が得意。常に笑顔を絶やさず、人の心の機微にも鋭い。感情表現に拙いシャナに対しては豊富な人生経験からしばしば的確なアドバイスを与え、アラストールやヴィルヘルミナとも教育論において対等に渡り合い、彼らから一目置かれている。
夫である貫太郎とは学生結婚で、今なおラブラブな良き夫婦。現在妊娠中。アラストールのことを「アラス トオルさん」(アクセントは「ア」におく)と呼ぶ。
貫太郎の発言から、養護施設の類で育ったらしい事が窺える。
坂井 貫太郎(さかい かんたろう)
悠二の父。初登場は第IX巻。普段は海外に単身赴任しているが、たまに突然帰宅して悠二や千草を驚かせる。細身の体型に似合わず運動神経がよく、シャナの飛び蹴りを(偶然に助けられてだが)かわしたほどである。職業は本人曰く、「他人の困りごとを解決すること」。尾行や調査の手腕は一流で、シャナですら彼を撒けなかったほどである。大戸ファンシーパークでヴィルヘルミナを追跡した際には彼女に全く気取られず、しかも僅かな時間で変装(着ぐるみ)を次々と取り換えてみせる手腕を示した。かなりの大食らいでしかも無茶な食べ方をする。

[編集] フレイムへイズ

世界のバランスの崩壊を危惧する異世界人“紅世の王”と契約し、得た異能を持って世界をバランスを護る(≒世界のバランスを崩す“紅世の徒”を討滅する)ことを使命とする(元)人間。詳しくはフレイムヘイズも参照の事。

ここでは、異能者であるフレイムヘイズと共に、フレイムヘイズと契約し異能を与える“紅世の王”も併せて紹介する。

フレイムヘイズ 契約者 神器 炎の色
炎髪灼眼の討ち手 シャナ(『贄殿遮那』のフレイムヘイズ) “天壌の劫火”アラストール コキュートス(ペンダント型) 紅蓮
マティルダ・サントメール コキュートス(指輪型)
弔詞の詠み手 マージョリー・ドー “蹂躙の爪牙”マルコシアス グリモア(巨大な本型) 群青色
万条の仕手 ヴィルヘルミナ・カルメル “夢幻の冠帯”ティアマトー ペルソナ(ヘッドドレス型) 桜色
儀装の駆り手 カムシン・ネブハーウ “不抜の尖嶺”ベヘモット サービア(飾り紐型) 褐色
愁夢の吹き手 ドレル・クーベリック “虚の色森”ハルファス ブンシェルルーテ(ステッキ型) 薄いオレンジ色
極光の射手 カール・ベルワルド “破暁の先駆”ウートレンニャヤ ゾリャー(鏃型) 極光色
“夕暮の後塵”ヴェチェールニャヤ
震威の結い手 ゾフィー・サバリッシュ “払の雷剣”タケミカヅチ ドンナー(ベール型) 眩い紫電
棺の織り手 ティス “冥奥の環”アシズ 無名の金環
魑勢の牽き手 ユーリイ・フヴォイカ “虺蜴の帥”ウァラク ゴベルラ(短剣型) 丹色
星河の喚び手 イーストエッジ “啓導の籟”ケツアルコアトル テオトル(浮き彫りを施した石のメダル型) 青磁色
末路の語り手 シュルス・レルリス “筆記の恩恵”ペネムエ 不明 不明
潜める追っ手 ノトブルガ “秘説の領域”ラツィエル レオナルドゥスの解放(鎖により作られた鉄爪型) 薄紅色


[編集] 本編に登場したフレイムヘイズ

マージョリー・ドー[Margery Daw](アニメ 生天目仁美
弔詞の詠み手(ちょうしのよみて)』という称号を持つフレイムヘイズ。見た目は20代、伊達眼鏡を掛けたトップモデル顔負けの美女だが、すでに数百年を生き抜いている強者。イギリス出身(推定)。
通常のフレイムヘイズとは異なり、“紅世の徒”への強烈な憎しみから無差別に“徒”を殺すことを目的とする、フレイムヘイズ屈指の「殺し屋」。邪魔者や気に入らない相手は同業者であるフレイムヘイズにも容赦しない凶暴性を持ち、“徒”はもちろん、時には同業者にも恐れられる。戦闘時にはずんぐりむっくりな獣型の炎の衣『トーガ』を纏い、『屠殺の即興詩』というを唱えて数多の自在法を操る、戦闘に秀でた熟練の自在師である。ただし、過程を省略して即興で結果を導き出せる天才であるため、逆に細かな自在法の構成の把握や分析は苦手。
日常的には大雑把でグータラで酒好き。酒癖は悪いが強くはなく、よく二日酔いに陥る。人生経験豊富で姐御肌のためか、他人の相談や愚痴の相手になることも多い。
逃走する“紅世の徒”を追って御崎市を訪れ、案内を頼んだ縁で佐藤啓作と田中栄太に慕われるようになる。その後、御崎市での数々の戦いを通して、子分となった佐藤啓作と田中栄太を「守りたい」と思うようになり、初めて憎しみ以外で戦う理由を見い出した。現在は佐藤家の室内バーに居候中。
典型的な「復讐者」のフレイムヘイズで、自分から全てを奪った正体不明の銀色の炎の“徒”を憎み、執拗に探し続けている。その執念は、悠二が自在法を使う際に発した銀色の炎を見て、周りに対する配慮無しにヴィルヘルミナに対して激烈な戦闘を行ったほど。その際に封絶内だったとは言え、流れ弾が緒方に当たってしまい、田中の心に影を落とす事になってしまう。また“千変”シュドナイとは過去に因縁があり、「殺戮の美姫」と呼ばれている。こうした過去については、S巻収録の短編にて一端を知ることができる。
なお、当時のマージョリーは眼鏡をかけていなかった。何故かける様になったかは今のところ不明(フレイムヘイズの視力が低下する事はあり得ない為、何らかの理由があると思われる)だが、眼鏡をかけた新米フレイムヘイズの死に対し、何か思うところがあったとも考えられる。
『屠殺の即興詞』は全て英語圏の童謡集『NURSERY RHYMES』(いわゆるマザー・グース)からの引用であり、「マージョリー・ドー」の名前もその一篇に登場する人物から取られている。
“蹂躙の爪牙(じゅうりんのそうが)”マルコシアス[Marchosias](アニメ 岩田光央
マージョリーと契約している“紅世の王”。他の“紅世の徒”から「戦闘狂」と評される、無類の戦闘好き。マージョリーと契約しているのも、世界のバランスを守る使命感より、己の闘争心を満たすためという割合が強い。“グリモア”と呼ばれる巨大な本型の神器に意思を表出させている。
戦闘時には、“グリモア”に刻まれた自在式の中から、マージョリーがアドリブで唱える『屠殺の即興詩』に合った自在法を、マルコシアスが選び放つ。また“グリモア”のページの間には、シャナの『夜笠』と同様に様々な物を「挟んで」収納する事ができる。
騒がしく無作法で下品な性格だが、表面的な乱暴さや軽薄さとは裏腹に仲間思いで情に厚い一面を持つ。しかし、その優しさを見せる相手はマージョリーと、彼女に子分と認められた佐藤啓作、田中栄太に限られている。よく他人のセリフにツッこんではマージョリーに“グリモア”を叩かれて無理矢理黙らされる。
フレイムヘイズの使命を至上とする生真面目なアラストールとは、折りが合わない。
顕現すれば巨大な狼の姿となるが、アラストールの話では“紅世”では狼の姿ではないらしい。炎の色は群青色
通称の由来はソロモン72柱の一柱、悪魔マルコシアス。グリモアは魔術に関わるさまざま書物をさすグリモワ(Grimoire)と思われる。
ヴィルヘルミナ・カルメル[Wilhelmina Carmel](アニメ 伊藤静
万条の仕手(ばんじょうのして)』という称号を持つフレイムヘイズ。幼少期のシャナの育成に携わった、いわば養育係。
人形のように端正な顔立ちで、鉄仮面のように無表情な女性。非常にぶっきらぼうで堅苦しく、融通の利かない頑固な性格だが、実は非常に友人思いで義理堅く、また非常に感情的な面を持ち合わせる。語尾に「~であります」と付ける、軍人風の若干変わった話し方をする。
直接的な破壊に関してはあまり得意ではないが、非常に卓越した戦技の持ち主。戦闘時には鬣のような無数のリボンを自在に操り、硬化したリボンを突き立てたり、リボンを用いて相手の力を利用し投げたり体勢を崩したり、その際リボンに爆破や反射などの自在法を織り込むなどの技を駆使して闘う、フレイムへイズ屈指の強者。その戦い振りは華麗な踊りのようで、「戦技無双の舞踏姫」の異名を持つ。
非戦闘面においても、情報操作や家事能力などに秀でた有能かつ万能な女性だが、唯一料理が苦手で、得意料理は湯豆腐サラダと言うレベル。シャナのメロンパン好きは、料理が苦手な彼女が馬鹿の一つ覚えのように買い与えていた事による。
メイド服を日常的に着用しており、外出の際にはその背に登山用のザックを背負うという異様な出で立ちになる。このメイド服は、偶然拾った赤ん坊の少女(後のシャナ)を養育する際に、ヴィルヘルミナ自身の養育係の服装を真似たもの(完全に当時の服装を見習っているので、スカートの下はドロワーズとなっている)で、その実用性の高さを気に入っている。しかし、シャナに戦闘服としてチャイナドレスを着せた(カンフー映画から誤った知識を得たらしい。しかも裾が長過ぎて邪魔だと抗議されると今度は下着が見えかねない程の超ミニスカートに直してしまった)辺りから考えて、そのセンスには疑問も残る。
シャナを非常に愛しており、彼女のことを内心誇りに思っている。しかし、悠二と出会ったことで「理想的かつ完璧なフレイムヘイズ」が変わりつつあることを察知しており、二人の仲を良く思っていない。そのため、悠二が名づけた「シャナ」と言う名前も嫌っている。
ちなみに9巻以後は毎夜の悠二の鍛錬に参加しているようだが、その内容はシャナの鍛錬より圧倒的にハードであり、さらに意図的な嫌がらせも行っている(悠二を襲った“燐子”を象った人形で悠二を襲ったり、屋根から無抵抗で悠二を落とす訓練で意図的に強く自動車に叩きつけたり)。
マージョリーとは飲み仲間で、その際よく彼女に愚痴をこぼす(其処から推測するに意外と泣き上戸の様子)。また、先代『炎髪灼眼の討ち手』マティルダとは無二の親友で、先の『大戦』では共に戦った(当時は貴婦人風の衣装だった)。シャナを育てたのも、元々はマティルダと交わした約束によるもの。
フレイムヘイズになる以前の経歴は不明だが、侍女に育てられた、マティルダや契約者のティアマトーから「姫」と呼ばれるなどの描写から、高貴な出自であることが伺える。
この世のバランスを乱す“紅世の王”、“虹の翼”メリヒムに恋していたが、最後まで片思いであり、彼がシャナによって倒されて久しい現在でも、その想いを断ち切れないでいる。先代『炎髪灼眼の討ち手』マティルダと行動を共にしていたのも、元々はメリヒムが想い続けていたマティルダのことを探るためであった。
8巻でシャナ達と合流し、“ミステス”坂井悠二の破壊に伴う『零時迷子』の無作為転移を強行しようとするが、周囲の説得により断念。この決断は、シャナへの思い入れと同時に、『零時迷子』本来の持ち主にして一時期行動を共にした「友」“彩飄”フィレスとの友情から来たもの。彼女のフィレスへの思い入れは非常に強く、シャナが嫉妬するほど。フィレスの出現に自失し、ティアマトーの叱咤でようやく正気に戻る、などの失態も演じている。
灼眼のシャナSによれば、『ぶつ切りチーズを肴にワインを飲む』のが彼女の密かな楽しみらしい。
“夢幻の冠帯(むげんのかんたい)”ティアマトー[Tiamat](アニメ 渡辺明乃
ヴィルヘルミナと契約している“紅世の王”。ヴィルヘルミナのヘッドドレス型神器“ペルソナ”に意思を表出させている(戦闘時にはのような仮面になり、縁から鬣のようにリボンを出す)女性の“王”。「大戦」当時はヴィルヘルミナの衣装に合わせてティアラ型だった。常に寡黙で、口を開いても端的な単語や五文字以内の言葉しか話さない。結構薄情な性格で、ヴィルヘルミナからヘッドドレスを叩かれることで抗議されることも多いが、ヴィルヘルミナ同様シャナを愛しているようだ。あだ名は「寡言の大河」。炎の色は桜色
通称の由来はギリシア神話の海の怪物、またはバビロニア神話の女神ティアマト
カムシン・ネブハーウ[Khamsin Nbh`w](アニメ 皆川純子
儀装の駆り手(ぎそうのかりて)』という称号を持つフレイムヘイズ。見た目は十に満たないほどの少年であるが、最古のフレイムへイズの一人であり、“紅世の徒”によってできた世界の歪みを修復できる世界でも数少ない『調律師』の一人。
布でグルグル巻きにした、身の丈の倍はある長く太い鉄棒『メケスト』を担ぎ、これまでの戦いで負った傷が全身に残されている(本来は消せるが、カムシンはわざと残している)。フレイムヘイズであるが故の存在感と違和感、見た目の年齢と傷だらけの外見によるギャップは見る人間を怖がらせてしまうため、普段はフードを深く被っている(それでも『メケスト』を担いでいることで目立っている)。
戦闘の際には自在法『カデシュの心室』を核として、周囲に支点となる『カデシュの血印』を配置し、それらをエネルギー流である『カデシュの血脈』で結んで瓦礫を寄せ集めた巨大な『儀装』(瓦礫の巨人)を纏う。瓦礫の巨人は右手には『メケスト』を握りとした瓦礫を炎で束ねた鞭を持ち、左手は『アテンの拳』と呼ばれるロケットパンチになる。瓦礫の鞭の先端から遠心力で放たれる『ラーの礫』と呼ばれる瓦礫の砲弾の破壊力は極めて大きいが、動作はおおざっぱで命中率は低く、“探耽求究”ダンタリオンとの戦闘ではマージョリー・ドーを危うく巻き添えにしかけた(カンターテ・ドミノはカムシンを「壊し屋」と呼んでいた)。また、『カデシュの血印』や『カデシュの心室』は『調律』にも用いられる。シャナの談では怪力無双(人間との相対で言えばフレイムヘイズ皆がそうなるが)。
表面上は穏やかな少年だが、フレイムヘイズの使命のために「相手が抱くであろう感情」を利用したり切り捨てたりできる冷徹さを持つ。自身に対しても同様であるため、「ジジイ」呼ばわりされても気にしない。事務的で自身の感情を表に出すことはないが、その本心は・・・。
「ああ」と最初に言うのが口癖で、誰に対しても敬語で喋る。
フレイムヘイズになる前は「とある暑い国(中東?)」の王子だった。
“不抜の尖嶺(ふばつのせんれい)”ベヘモット(アニメ 宝亀克寿
カムシンと契約している“紅世の王”。カムシンの左手に巻かれた飾り紐型の神器“サービア”に意思を表出させている。枯れた老人のような穏やかな口調で話すがカムシンに劣らず事務的で非情な性格。「ふむ」と最初に言うのが口癖。炎の色は褐色
通称の由来は悪魔ベヘモス(ベヒモス)。
ドレル・クーベリック
愁夢の吹き手(しゅうむのふきて)』という称号を持つフレイムヘイズ。外見は年老いた男性だが、比較的近代になってから契約したため、集団で“徒”を討滅するという「若い」考えを持つ。古来から独立独歩だったフレイムヘイズたちに組織化や情報交換の重要性を浸透させ、戦闘以外で初めて名を馳せた。
欧州で要となる外界宿(アウトロー)『ドレル・パーティ』を運営し、影で他のフレイムへイズの活動を支えていたが、“千変”シュドナイによって『ドレル・パーティ』ごと討たれた。外界宿が襲撃された際にかろうじて自身一人だけが脱出し、勝てないと知りつつ、半ばフレイムヘイズの意地としてシュドナイ相手に幻術で戦いを挑んだが、すぐに見破られ、敗北した。
マージョリーから「フォン・クーベリック」と呼ばれているので、ドイツ系と推測される。シュドナイからは「若きご老体」、マルコシアスからは「若え爺さん」と呼ばれている。
彼は組織の運営にフレイムヘイズだけでなく一般の人間も参加させており、その中から新たなフレイムヘイズが誕生するケースもあるという、思わぬ副次的効果も生まれている。
“虚の色森(きょのしきしん)”ハルファス[Malthus]
ドレルと契約している“紅世の王”。ステッキの形をした神器“ブンシェルルーテ”からその意思を現す。女性の“王”で、ややヒステリー気味な性格。契約者のドレルをシュドナイに砕かれるが、ドレルが死亡前に言い聞かせたため、顕現はしなかった。炎の色は薄いオレンジ色。能力は「幻覚」。
通称の由来はソロモン72柱の一柱、悪魔ハルファス
マティルダ・サントメール[Mathilde Saint-Omer](アニメ 岡村明美
シャナの前にアラストールと契約していたフレイムヘイズで、先代の『炎髪灼眼の討ち手』。『大戦』当時、名実共に最強のフレイムヘイズだったが、『大戦』にて故人となっている。
戦いに喜びを見出す凛々しい女武人。優れた剣技の使い手であると同時に、アラストールの強大な力を自在に操る技量の持ち主で、『騎士団(ナイツ)』と呼ばれる特殊能力を持ち、炎の軍勢を顕現させる事ができる。この炎の騎士や炎の獣で構成された軍勢は、一体一体が並みのフレイムヘイズと同等の力を持っており、マティルダの指揮に応じ炎でできた騎馬や槍や爪や牙などで戦う。また、炎の槍衾や弓矢を持った腕だけなど部分的に顕現させたり、軍勢をそのまま爆弾の様に使ったり、マティルダそっくりの姿の『騎士団』を顕現させることもできる。この能力の一端としてマティルダは自身が振るう炎で作った大剣、盾、矛槍などの武具や、炎の悍馬を顕現させている。
契約者であり最大の理解者でもあるアラストールを愛し、彼からも愛されていた。彼女のアラストールを露出させる神器は、左手中指にはめる大振りな指輪の形をしている。シャナの首飾りの神器はこれを参考にしており、名前も同じ“コキュートス”である。
宿敵である“紅世の王”、“虹の翼”メリヒムに愛されていたが、自身の愛を押し付けマティルダを理解しない彼に振り向くことは、遂になかった。
あだ名は「女丈夫」。数多くの人の心に大きな物を遺した。
カール・ベルワルド
極光の射手(きょっこうのいて)』という称号を持つフレイムヘイズ。巨大な型の神器“ゾリャー”に乗り、その両脇から展開する極光の翼を流星に変えて放つ『グリペンの咆』と『ドラケンの哮』が最大の攻撃。
フレイムヘイズによくみられる傲慢な性格で、人に従うことを嫌う。しかしそれ相応に単独戦では強大な強さを誇り、『大戦』の際、先手大将ソカルを討滅する功を挙げた。しかし集団戦の経験は浅く、オルゴンの『レギオン』により巧みに敵陣深くに誘い込まれた。そこに現れた“徒”に対して「強力な敵かもしれないから油断無く通常の必勝パターン」を行おうとするという、「致命的な油断」を『神鉄如意』を駆る“千変”シュドナイに突かれ、ほとんど何もできずに討たれた。
なお、後述の新米フレイムヘイズであるユーリイは尊敬するフレイムヘイズの一人として『極光の射手』の名を挙げているが、カールと同じ『大戦』で亡くなったフレイムヘイズ、マティルダの事は「故人の中では」尊敬していると区別しているので、これはカールの事ではなく、20世紀初頭までには代替わりした新たな『極光の射手』が存在していた可能性がある。
“破暁の先駆(はぎょうのせんく)”ウートレンニャヤ / “夕暮の後塵(せきぼのこうじん)”ヴェチェールニャヤ
双子の“紅世の王”だが、2人として存在している訳ではなく、一つの体に二つの意思が存在している一心同体の姉妹という他に類を見ない形の“王”。『極光の射手』カール・ベルワルドと契約していて、神器“ゾリャー”にその意思を現す。ウートレンニャヤは艶っぽい女性の声、ヴェチェールニャヤは軽くはしゃいだ少女の声をしている。
契約者であるカールともども浅慮な性格で、彼の失策を咎めるどころか一緒に楽しんでいた。それが仇となり、カールと共にシュドナイの『神鉄如意』に潰される。契約者の死後の顕現については触れられていないので、“紅世”にその後帰ったものと思われる。炎の色は極光色
それぞれの通称の由来はロシア神話の神で、前者は夜明けのオーロラ、後者は夕暮れのオーロラをそれぞれ司り、神器“ゾリャー”の由来は2人の神に共通する名で、オーロラを意味する。
ゾフィー・サバリッシュ
震威の結い手(しんいのゆいて)』という称号を持つフレイムへイズ。を操る。元修道女で、現在でも修道女の姿をしているが、十字架は身に着けていない。仲間からは「肝っ玉母さん(ムッタークラージェ)」と呼ばれている。瞬発的な戦闘力は群を抜いており、現代まで生き延びる屈強なフレイムヘイズ。過去、フレイムヘイズとなった後のシャナとの接触もある。
16世紀初頭の『大戦』には総大将として参加しており、先代『炎髪灼眼の討ち手』マティルダとも親交があった。
20世紀初頭の[革正団(レボルシオン)]との戦いの中で、補佐役にして生涯の友たる2人のフレイムヘイズ(ドゥニとアレックス)を失い、隠居同然の暮らしをしていたが、ドレル・クーベリックと、彼同様に重要な外界宿、『モンテヴェルディのコーロ』を主宰していたピエトロ・モンテヴェルディを相次いで失い、大打撃を受けた欧州のフレイムヘイズたちは彼女を中核として担ぎ出し、体制立て直しを図っている。しかし、現在のところほとんど功を奏しておらず、混乱は続いている。
“払の雷剣(ふつのらいけん)”タケミカヅチ
ゾフィーと契約している古き“紅世の王”。通称が和風なのは、かつて日本で(現在の契約者、ゾフィー・サバリッシュとは別のフレイムヘイズと)契約した際の物を使っているため。ベール型の神器“ドンナー”の額に刺繍された蒼い星から意思を示す。炎の色は眩い紫電
通称の由来は日本神話の雷神タケミカヅチ
ティス
まだ“冥奥の環”と名乗っていたころのアシズのフレイムヘイズ。『棺の織手ひつぎのおりて)』の称号を持つ。蒼い髪をした信心深い少女で、おそらく最古のフレイムヘイズの一人。遥か昔、数多の“紅世の徒”の組織を壊滅させた強力な討ち手だったが、“徒”と戦い、力を使い果たしたところに人間の裏切りと凶刃を受け、非業の死を遂げる。身に納める“王”の意思を表す神器は“無名の金環”。閉鎖空間『清なる棺』を使い戦う。
アシズを深く強く恋い慕っており、彼女が死に際に遺した夢がアシズを『壮挙』への道へと歩ませた。
#とむらいの鐘の項を参照。
ユーリイ・フヴォイカ
魑勢の牽き手(ちせいのひきて)』という称号を持つフレイムヘイズ。小動物や虫などの生物を使い魔として支配し、伝声や監視、計測に使役し、またそれらの力の奔流を竜巻の様に立ち上がらせ、攻撃と防御を行う自在法『隷軍』を使う。
気弱さと生真面目さを半々に含んだ、サイズの合わない大きな眼鏡を掛けた少年。契約してまだ1年余りという日の浅さから、性格も普通の少年そのものである。元はウクライナ移民で、15歳のときアメリカへ向かう移民船の航海上で“紅世の徒”に襲われ、死の淵でウァラクと契約し仇を討った。その後アメリカに渡り、外界宿『イーストエッジ外信』で働いていた。
復讐を目的として契約する「典型的なフレイムヘイズ」とは異なる、「誰かを守りたい」という思いで動く「善意のフレイムヘイズ」。「フレイムヘイズ」として必要な生き残るための冷徹さや合理性などの、「生への渇望」を持ち合わせておらず、他者のために簡単に命を捨てかねないその危うさを感じとったイーストエッジから戦いを禁じられていた。
マンハッタンでマージョリーと出会い、フレイムヘイズには向かないと突き放されるも、マージョリーとシュドナイ、アナベルグの戦いに参戦。マージョリーを助けてアナベルグを討滅したが、死も覚悟して危機に陥ったマージョリーを救おうとするも、シュドナイに討たれた。
“虺蜴の帥(きえきのすい)”ウァラク
ユーリイと契約している“紅世の王”。性別は女性。古風短剣ゴベルラ”に意識を表出させており、ときおり鯉口を鳴らしながら話す。
常に気だるそうな口調だが、何だかんだ言いつつ己の契約者たるユーリイを気遣い見守る優しい性格。ユーリイの前にも契約者がいたが、全員復讐鬼で討ち死にした模様。炎の色は丹色
名前の由来はソロモンの72柱の悪魔“大総裁”ウァラク
イーストエッジ
星河の喚び手(せいがのよびて)』という称号を持つフレイムヘイズ。
中肉中背でいかつい面相のアメリカ・インディアン。ニューヨークで『イーストエッジ外信』なる外界宿を経営している、アメリカ・インディアンの強力な討ち手だが、とある理由でめったに戦う意欲は湧かないらしい。外界宿の管理者『大地の四神』の1人。アメリカ大陸を西洋人が発見したという意味の「新大陸」という呼び方で呼ばれるのを嫌う。称号で呼ばれると怒る。他のフレイムヘイズたちを称号とは違う独自の名で呼ぶ。S巻の時点ではマージョーリーとは酒飲み友達だが、かつて戦ったこともあるらしい(“琉眼”ウィネが口にした「アメリカでの道具どもの内紛」か?)。
“啓導の籟(けいどうのふえ)”ケツアルコアトル
イーストエッジと契約している“紅世の王”。浮き彫りを施した石のメダル“テオトル”に意思を表出させている。短く深く、貫禄のある声で話す。炎の色は青磁色
通称の由来はアステカ神話の農耕神ケツァルコアトル
アレックス
ゾフィー・サバリッシュの補佐役で生涯の友。『大戦』にも共に参加した。ぞんざいな口調で話す小男。[革正団(レボルシオン)]との戦闘の渦中、死亡した。称号など詳細は不明。
ドゥニ
ゾフィー・サバリッシュの補佐役で生涯の友。『大戦』にも共に参加した。丁寧な口調で話す背の高い男性。[革正団(レボルシオン)]との戦闘の渦中、死亡した。称号など詳細は不明。

[編集] 名称のみ登場のフレイムヘイズ

サーレ・ハビヒツブルグ
鬼功の繰り手(きこうのくりて)』の称号を持つフレイムヘイズ。称号とヴィルヘルミナの言動から人形のようなものを操作して戦うと思われる。教授はシイタケより嫌いだという。
ピエトロ・モンテヴェルディ
无窮の聞き手(むきゅうのききて)』の称号を持つフレイムヘイズ。マティルダの知己で、彼女は「明朗明敏の」と形容。『ドレル・パーティー』の中枢である世界の交通支援を担当していた『モンテヴェルディのコーロ』の運営管理者の筆頭であった。ドレル同様何者か(おそらく[仮装舞踏会])に殲滅された模様。
クレツキー
『ドレル・パーティ』の構成員。パーティ壊滅の際に死亡した。
ボード
『ドレル・パーティ』の構成員。パーティ壊滅の際に死亡した。
ヤマベ
マティルダの知己。彼女は「物事の窮理を探る」と形容。
フランソワ
『大戦』に参加していた。ドゥニの言によれば嵐の到来を予告していた事から、気象に関連した能力を持つと思われる。

名称不明

輝爍の撒き手(きしゃくのまきて)』の称号を持ち、 “壊刃”サブラクと交戦したフレイムヘイズ。サブラク曰く歯応えがあった様だが、生死は不明。

[編集] 番外編に登場したフレイムヘイズ

鎌池和馬による二次創作のため、いずれも正式なキャラかは不明。

シュルス・レルリス
コミックスニ巻の付属品、グリモア内小説“討滅の獄”にて登場。この話が正史かは不明。
末路の語り手(まつろのかたりて)』という称号を持つフレイムヘイズ。
男性ということ以外容姿に関する詳細は不明。復讐を目的とする「典型的なフレイムヘイズ」であり、“壊刃”サブラクへの復讐心を糧に討滅を続けていた。優れた自在師であり、過去の「大戦」そのものには参加していないが、その後の混乱を鎮める際には多大な功績をあげた。
御崎市のギリギリ外側、大戸でノトブルガの襲撃を受ける。自身の“存在の力”の破裂に怯え自在法を使えないまま、レオナルドゥスの解放によって貫かれ爆死する。
“筆記の恩恵(ひっきのおんけい)”ペネムエ
シュルスと契約している紅世の王。詳細不明。
名前の元ネタはエノク書において、本来子供達を守護する役目を持ちながら、人間に紙とインクを与えたため堕天させられたと記される悪魔 ペネムエ(Penemue)と思われる。
ノトブルガ
コミックスニ巻の付属品、グリモア内小説“討滅の獄”にて登場。この話が正史かは不明。
潜める追っ手(ひそめるおって)』という称号を持つフレイムヘイズ。
フレイムヘイズを殺す討滅者。
外見は幼い少女で、身長は140センチ前後で髪は金髪と茶髪が混じっ合っている。透き通るような白色の肌で、顔立ちは端整。服装は黒一色で声は低い。
「大戦」の前に名を馳せ、この世と紅世を行き来する自在法の研究を行っていた“紅世の王”を愛したが、その王が宝具「討滅の獄」により無理矢理人の身に封印・契約させられた為、それ以来彼の探索・解放を目的としている。
討滅の獄」とは「大戦」直後のフレイムヘイズ不足の最中、“探耽求究”ダンタリオンによって開発された宝具。(ちなみに、この宝具は教授が他の“紅世の徒”から忌まれる遠因の一つであるとされる)この世と紅世どちらに存在するかに関わらず、“紅世の王”を普通の人間と強制的に契約させる効力がある。ただしこの方法で契約した“紅世の王”は契約した即席フレイムヘイズが契約を解くと言うまでは、例えそのフレイムヘイズが死んでも紅世に帰ることはできず、消滅してしまう。また、顕現防止機能が備わっており、王はこの世に顕現することも不可能。
通常の契約とは違い、安易な覚悟で契約をする即席フレイムヘイズが“存在の力”を悪用し始める事件が多発したため、彼らを討滅する部隊が結成された。この時ノトブルガはカムシンと共に討伐組として戦っている。
ノトブルガは元凶である「討滅の獄」を破壊するが、同様の方法で契約を行った他の即席フレイムヘイズの契約が解除されなかったため、フレイムヘイズをこじ開け中身を取り出すために神器「レオナルドゥスの解放」の改良を行う。
レオナルドゥスの解放」には彼女が契約したラツィエルのものである、フレイムヘイズ殺しの能力の一端が備っており、鉄爪の音を聞き、輝きを目にしたフレイムヘイズの神器は壮絶に加圧され、神器からフレイムヘイズに対する“存在の力”の逆流が発生する。結果としてそのフレイムヘイズは「自己の“存在の力”を繰ることで自爆」するか、「破裂することに怯え“存在の力”を行使することができなくなり、その状態で攻撃を受け爆砕」するかの運命を辿るになる。(結果だけ見れば宝具「トリガーハッピー」と酷似)また、契約した“紅世の王”の強制覚醒・解放も誘発する。フレイムヘイズにとっては最悪の能力であり、相手をすれば対処できず確実に敗北することになる。尚、この能力はノトブルガ自身には効果がない。
また、愛する“紅世の王”に対して即席フレイムヘイズが最期に使用すると思われる、「紅世に返さない」「再顕現できない」といった封印機能を解除する自在法、「高貴な居場所(ノビリアクム)」の開発も行う。尚、「高貴な居場所」開発にノトブルガは500年の歳月をかけている。自在法の開発に成功したノトブルガは即座に探索を始め、片っ端からフレイムヘイズをこじ開けていき、わずか一週間で50人前後を殺害する。
事件の概要を外界宿で知り、実行者の使用した能力を推測したカムシンが、御崎市の坂井宅で神器に関する実験を行う。(尚、この際神器内の“紅世の王”4人とその周辺人物の間で普段あまり見られない珍問答が繰り広げられる。)それを踏まえ、『フレイムヘイズではない“討ち手”』『封絶内を自由に動き回る』『並みの“徒”を超える“存在の力”を持つ』という条件を兼ね備えた、宝具「零時迷子」を宿す“ミステス”坂井悠二にノトブルガの討滅を依頼。フレイムヘイズ達を助けるために、悠二はシャナ・マージョリー・ヴィルヘルミナ・カムシンそれぞれから宝具・自在式などを借り受け、ノトブルガと一人闘うことになる。
“秘説の領域(ひせつのりょういき)”ラツィエル
ノトブルガと契約している紅世の王。細い鎖によって形作られる鉄爪の神器「レオナルドゥスの解放」に意思を表出させている。低い男性の声で話し、フレイムヘイズ殺しの能力を持つ。炎の色は薄紅色
名前の元ネタはキリスト教・ユダヤ教で天界と地上における全ての秘密を知っているとされる天使ラジエル(Raziel)の別名ラツィエル(Ratziel) と思われる。

[編集] “紅世の徒”

“”で括られた分が『真名』と呼ばれる“紅世”での本名であり、それ以外はこの世で自分で名づけた通名であり、愛称の様なもの。

[編集] “紅世の徒”の一覧

真名 通名 炎の色 その他の情報
狩人(かりうど) フリアグネ 薄い白 “燐子”マリアンヌ他
屍拾い(しかばねひろい)
螺旋の風琴(らせんのふうきん)
ラミー
リャナンシー
深緑色  
纏玩(てんがん) ウコバク 爛れた赤銅色  
壊刃(かいじん) サブラク 茜色  
彩飄(さいひょう) フィレス 琥珀色 『約束の二人』の片割れ
髄の楼閣(ずいのろうかく) ガヴィダ 乳白色  
愛染自(あいぜんじ) ソラト 山吹色 二人で「“愛染の兄妹”」と呼ばれる
愛染他(あいぜんた) ティリエル
穿徹の洞(せんてつのほら) アナベルグ 鉛色  
祭礼の蛇(さいれいのへび) 坂井悠二
炎の影は銀
[仮装舞踏会]盟主
逆理の裁者(ぎゃくりのさいしゃ) ベルペオル [仮装舞踏会]参謀
頂の座(いただきのくら) ヘカテー 明るすぎる水色 [仮装舞踏会]巫女
千変(せんぺん) シュドナイ 濁った紫 [仮装舞踏会]将軍
探耽求究(たんたんきゅうきゅう) ダンタリオン 馬鹿のように白けた緑 “燐子”ドミノ
道司(どうし) ガープ 浅葱色  
獰暴の鞍(どうぼうのくら) オロバス  
千征令(せんせいれい) オルゴン 錆びた青銅のように不気味な緑青色 巡回士
琉眼(りゅうがん) ウィネ 藤色 捜索猟兵
嵐蹄(らんてい) フェコルー 臙脂 『星黎殿』の守護者
翠翔(すいしょう) ストラス 布告官
聚散の丁(しゅうさんのてい) ザロービ 飴色 捜索猟兵
吼号呀(こうごうが) ビフロンス 樺色 巡回士
不明 レライエ 不明  
不明 デカラビア 不明  
不明 ロフォカレ 不明  
棺の織手(ひつぎのおりて)
冥奥の環(めいおうのかん)
アシズ [とむらいの鐘]首領
虹の翼(にじのつばさ) メリヒム 虹色 『九垓天秤』 『両翼』の右
“燐子” 『空軍』
甲鉄竜(こうてつりゅう) イルヤンカ 鈍色 『九垓天秤』 『両翼』の左
大擁炉(だいようろ) モレク 黄色 『九垓天秤』宰相
闇の雫(やみのしずく) チェルノボーグ 枯草色 『九垓天秤』隠密頭
凶界卵(きょうかいらん) ジャリ 亜麻色 『九垓天秤』大斥候
巌凱(がんがい) ウルリクムミ 濃紺 『九垓天秤』先手大将
架綻の片(かたんのひら) アルラウネ 薄桃 ウルリクムミの副官
焚塵の関(ふんじんのせき) ソカル 黄土 『九垓天秤』先手大将
天凍の倶(てんとうのぐ) ニヌルタ 『九垓天秤』中軍首将
戎君(じゅうくん) フワワ 焦茶 『九垓天秤』遊軍首将


“狩人(かりうど)”フリアグネ[Friagne](CD 松風雅也/アニメ 諏訪部順一

人間を喰い物にする“紅世の王”。悠二をトーチにした元凶。御崎市で起こる一連の事件の契機となる。近代では五指に入るであろう強力な“王”(作者からも、本来なら第一巻に登場させるには強力過ぎる敵、と評されたほど)。
フレイムヘイズに対しては、炎を消し去る指輪『アズュール』とフレイムヘイズの内に眠る“王”を目覚めさせ器を破壊する銃『トリガーハッピー』をメインに戦い、さらに宝具の武器を持った“燐子”の軍団やそれらを爆破させるハンドベル『ダンスパーティー』や武器殺しの宝具『バブルルート』などを駆使して戦う。しかし、その戦い方は炎がほとんど使えない代わりに剣の腕は一流という変り物であり、さらには自身に対する宝具の特殊効果を無効化する太刀を持ったシャナにはほとんど通じず、『トリガーハッピー』に至っては“天壌の劫火”アラストールを目覚めさせたものの器を破壊できずに顕現させる事となってしまい、シャナ(アラストール)に討滅されてしまう。
マルコシアスから「人形フェチ」といわれるほどの人形好きで、愛する“燐子”のマリアンヌを独立した一個の存在とするため、『都喰らい』を引き起こそうとした。
能力は『物事の本質を見抜く』事で、入手した宝具の能力や使用法を即座に看破できるという。そのためか宝具のコレクターでもあり、状況に応じて様々な宝具を使用する。フリアグネが御崎市のデパート高層階に残した宝具『玻璃壇(はりだん)』は、彼の死後もマージョリー・ドーを手伝う田中栄太や佐藤啓作が町内の“存在の力”を見るために使用している。炎の色は薄い白
なお、彼は挿絵を担当するいとうのいぢのお気に入りのキャラであるらしく、その後番外編などの狂言回しとしてしばしば登場している。彼らの「なんでも質問箱」はDVDにも収録。
マリアンヌ(アニメ こやまきみこ
フリアグネに「可愛いマリアンヌ」と呼ばれる“燐子”。元は粗末なこの世の人形だったが、トリノで馬車から捨てられた所を偶然見かけたフリアグネが、あまりに可憐なその姿に心に雷霆億激の如き衝撃を受け一目惚れ、その後色々あって高度な“燐子”になって愛し合うようになったらしい。自立した意思を持ち宝具を使える、珍しい“燐子”。なお、彼女を含めたフリアグネ一党の“燐子”は総じて他の“徒”の“燐子”に比べ、かなりハイスペックであり、宝具まで使える“燐子”は作中では彼女達やドミノくらいである。

“屍拾い(しかばねひろい)”ラミー[Lamies](アニメ 清川元夢

人間に対し中立の立場を取る“紅世の徒”。トーチの姿を借り、老紳士の姿をしている。恋人であった人間の画家が描いてくれた自分の絵を復活させるために、“存在の力”を消えかけのトーチから集めている。世界の力のバランスに極力気を使っているため無害であり、普通のフレイムヘイズはわざわざ討滅に乗り出さない。なおラミーを討滅すると、集められた膨大な量の“存在の力”が制御を失い、逆に世界のバランスを崩す可能性の方が高いとされる。
偶然から悠二と出会い、シャナとの関係に悩む彼に様々な助言を与えた。性格は非常に冷静沈着で、討滅するために現れたマージョリーに対しても大して動揺せず、シャナにマージョリーを討つ機会を与えるために自ら囮になったりした。
“屍拾い”というのは、この世にのみ存在する「トーチを拾い集める者」を意味するこちら側での通り名であり、ラミーというのも偽名のようなもの。その正体は、『封絶』をはじめとする数多くの自在法を編み出した、“紅世”最高の天才自在師“螺旋の風琴(らせんのふうきん)”リャナンシー。その名はシャナやマージョリーも知悉していた。少女の姿をした、存在そのものはとても小さい“徒”だが、異常に高効率な自在式を即座に構成することが可能。炎の色は深緑色
通称のリャナンシーは、欧州の伝承に登場する、芸術家に才を与える代償に夭折させるという妖精

“纏玩(てんがん)”ウコバク[Ukobach]

人間を喰い物にする“紅世の徒”。シャナが悠二に出会う前に討滅した(0巻収録の短編参照)。己の本来の醜い姿を極端に嫌い、理想的な美しい人間型の姿を作る為に人攫いや写真撮影を行っていた。泡を放ち相手を捕獲する宝具『アタランテ』を持つ。他の“徒”と比較しても格段に弱い力しか持たない。炎の色は爛れた赤銅色
通称の由来はユダヤ、キリスト教の神話に登場する下級の魔神ウコバクから。

“壊刃(かいじん)”サブラク[Sabrac]

“紅世の王”。依頼を受け対象を抹殺する、文字通りの「殺し屋」。普段は思考も言動も全てが長口上。かなりの不平屋であるものの、怒るという場面はそうそう無いらしい。一時期、“探耽求究”ダンタリオンに雇われていたが、秘蔵の宝具である剣『ヒュストリクス』を「イカレたからくり」(正式名称は『浪漫の結晶ドォ――リル付き西洋風の両手剣』)に改造され激怒、袂を分かった。
現在は[仮装舞踏会]に雇われており、宝具『零時迷子』を狙っていた。
自らの存在を薄く広範囲に浸透させる事で、フレイムヘイズや“徒”に気付かれずに初撃のみ完全な不意打ちを、自らを浸透させた地域に限り複数個所に同時に行えるという特性を持つ。その初撃の洪水とも思えるような炎の濁流の威力とその炎に混ぜた剣による攻撃、さらにそれらで傷付いた箇所を時と共に広げていく自在法『スティグマ』を持つ。さらに実際に見えるサブラクは本体のほんの一部であるがゆえに、その自らを広範囲に浸透させる特性に気付かれなければ不死身の耐久力とも思える力を発揮し、さらに広範囲に浸透させているがゆえに広範囲の人間を戦いの最中に容易に喰らう事もできる。
かつて『約束の二人』とヴィルヘルミナを執拗に追い続け、終に『零時迷子』に『大命詩篇』の一片を刻んだ事もある。
“ミステス”坂井悠二に『大命詩篇』を打ち込み、さらに剣を突きつけ一時窮地に追い込むがヴィルヘルミナとの交戦中に悠二に正体を見破られ、シャナ、ヴィルヘルミナ、マージョリーらフレイムヘイズによって敗北。しかし死んだわけではなくビフロンスの『非常手段(ゴルディアン・ノット)』を使ってその場から転移したので生きている。炎の色は茜色。通称の由来はソロモン72柱の序列43番目の悪魔サブナックから。

“彩飄(さいひょう)”フィレス[Pheles]

人間に対し中立の立場を取る“紅世の王”で、『約束の二人(エンゲージ・リンク)』の片割れ。ヨーハンとともに『零時迷子』を作った。約束の二人は共に強大な実力の持ち主であり、さらに決して人間を喰らわないという誓いを立て、ヨーハンから供給される“存在の力”のみで顕現を維持し続けていた為、これまではフレイムヘイズ・“徒”のいずれとも真っ向から敵対することがなかった(多少のいざこざはあった模様)。外見は黄緑色の長髪の華奢な美女で、ツナギのような服を着ている。両肩の人または鳥の貌を象ったプロテクターと両手の無骨な手甲はいずれも強力な武器らしい。一時期、自分達を付け狙う“壊刃”サブラクの必殺の罠にかかってしまったヴィルヘルミナ・カルメルを助け、行動を共にしていた。再度サブラクに襲われた際、瀕死の重傷を負った『永遠の恋人』ヨーハンを助けるため、彼を『零時迷子』に封じ込め、自らはサブラクとともに自在法『ミストラル』で転移し、ヴィルヘルミナの逃走の時間を稼いだが、その為『零時迷子』に生じた異変を知る事ができなかった。
風を操る技を得意とし、目標物を探索し、発見した後はそこへの移動手段ともなる独自の自在法『風の転輪』や、周囲に発生させた風を自身の一部とし、相手を包み込んで攻撃する自在法『インベルナ』を使用。『零時迷子』を探しており、悠二を分解してヨーハンを取り戻そうとするが、突然、悠二の中から現れた『暴君』の為に失敗に終わる。その後、一時的に悠二から変化したヨーハンに説得されて悠二の分解を断念した。去り際、一美に宝具『ヒラルダ』を授けるが、その真意は不明。炎の色は琥珀色

“髄の楼閣(ずいのろうかく)”ガヴィダ[Gavida]

人間に対し好意的な、世話好きで人情に厚い“紅世の王”。かつては討ち手や同胞と多く闘っていたが、芸術の魅力に取り憑かれて以降、人間と協力してさまざまな宝具を作り出した老成の“徒”。芸術に惚れこんで人間好きとなった後、人間を喰らわなければ顕現出来ないという邪魔な「“徒”」としての立場を取り払い人間と芸術について語らうために、“存在の力”を消耗せずにこの世に自らを留め置く宝具『カイナ』を作りあげた。[仮装舞踏会]と協力関係にあった事もあったが、とある変人が絡んだ騒ぎをきっかけとして袂を分かち、『天道宮』の『カイナ』の上に身を留めて隠居していた。その姿は6本腕の板金鎧で、柄の長い大金槌『キングブリトン』を武器とする。
『大戦』の折、『天道宮』を取り引きによってフレイムへイズに貸し、その後チェルノボーグによって討滅される。[仮装舞踏会]の本拠地『星黎殿』も彼が作った。炎の色は乳白色
通称の由来はケルト神話の鍛冶神ゴヴニュの別名。

“愛染自(あいぜんじ)”ソラト[Sorath](アニメ 白石涼子

人間を喰い物にする“紅世の徒”。シャナに匹敵する超一流の剣の腕に似合わぬ幼い言動が特徴。大剣『吸血鬼ブルートザオガー)』の使い手。戦闘時はを一瞬にして装着する。『贄殿遮那』を狙ってシャナを襲撃する。特殊能力として、欲するものを、見なくとも在処を知ることができる『欲望の嗅覚』を持つ。妹よりも目先の欲を優先した冷酷な性格。炎の色は山吹色
ちなみに『吸血鬼』は、その後マージョリーが持ち帰り、シャナに譲られた後、最終的に悠二の手に渡った。

“愛染他(あいぜんた)”ティリエル[Tiriel](アニメ 田村ゆかり

人間を喰い物にする“紅世の徒”。最愛の兄・ソラトに見せる甘い顔と、それ以外のときに見せる残忍な顔を持つ。『揺りかごの園クレイドル・ガーデン)』という自在法を使い、ソラトのサポートに回る。『揺りかごの園』は封絶と似た力を持つが、内部の気配を外部に洩らさない。そのためシュドナイの様な気配が強大な“徒”でもフレイムヘイズに気付かれないでいる事が可能である。戦闘時にはオルゴールの力で自在法を込めた“燐子”ピニオンを配置し、街一つを覆うほど巨大に規模を拡大させる。その際は他者を逃がさない隔離空間としても機能し、さらにピニオンが周りの“存在の力”を奪い兄妹に“存在の力”を供給し続ける。他者(彼女の場合は兄)に尽くし、そのためには自分の命さえも厭わない彼女の存在の本質は『溺愛の抱擁』とも呼ばれ、自在法『揺りかごの園クレイドル・ガーデン)』の根源的な精神になっている。
この2人の互いにすがるような愛情表現にシャナは反感を覚えるものの、同時に愛するもののためならば自らの命を賭すことも辞さないその姿に大きな感銘を受ける。炎の色は兄のソラトと同じ山吹色

“探耽求究(たんたんきゅうきゅう)”ダンタリオン[Dantalion](アニメ 飛田展男

“紅世の王”。通称「教授」。実験に生き甲斐を感じており、そのためなら自分の命すらも捨てるマッドサイエンティスト。独自の理論体系によって創造された『我学』を用いて様々な実験を行う。自分の研究のためであればフレイムヘイズに協力することもある。彼の作った有形無形の実験物には『我学の結晶エクセレント(通し番号)』というシリーズ名が付けられ、その数は既に数万に及ぶ。大部分はガラクタだが、中には現在に至るまで使われる物や、他の自在師によって効果的に作り直され、広く普及したものもある(封絶の自在法など)。[仮装舞踏会]の客分待遇として組織と深い繋がりを持ち、トラブルを起こして逃げ出しては、必要な時にベルペオルに連れ戻されている。
人間の姿をしているが、あまりその形には捉われていないので腕や腰などの関節がありえない方向にありえないほど曲がったり、伸びたりする。ちなみに何故か近眼。
行動が荒唐無稽で凡人には理解不能(たまに自分でもわからないときがあるらしい)であるために、超が付くほどの変人と呼ばれるが、力は強大な“王”である為、最も始末に終えない。御崎市で『調律』に対する『逆転印章アンチシール)』を起動させ極限の歪みを作りどんな結果になるか、という実験を試みるが失敗に終わった。
やけにハイテンションな口調や仕草が特徴的。相手が誰だろうと気にしない無神経ぶりだが、ベルペオルの事は「シイタケと同じくらい嫌い」らしい。過去にはヘカテーを傷つけた不始末の罰として、シュドナイに殺されかけたこともある。
昔、興味の対象として何人かのフレイムヘイズを誕生させる、“徒”とフレイムヘイズの両方を強化し双方に甚大な被害を与える、協力者を新た思いついた実験で破滅に追いやる等の数々の問題行動も見られ、“紅世の徒”の中にも彼を恨んでいるものは多い(というより他者からの人格面での信用は完全なるゼロ)。炎の色は馬鹿のように白けた緑
通称の由来は悪魔ダンタリオン
ドミノ(アニメ 加藤奈々絵
ダンタリオンの“燐子”。ロボットの姿をしている。正式名称は『我学の結晶エクセレント28-カンターテ・ドミノ』。語尾に「~でありますです。」と妙な敬語を話す。一言多いタイプで、ダンタリオンに余計なツッコミを入れてはその都度(というか何もなくても)抓(つね)られる。温厚で“徒”には常に敬意を払う性格だが、主人であるダンタリオンの研究を否定する者には不機嫌な印象を持つ。しかし、宝具を使用できることから見ても、(実は)かなり高性能な“燐子”である。首だけになっても活動可能。
ナンバーが28なのは恐らく鉄人28号のパロディ。アニメ版では機械仕掛けの“燐子”と位置付けられ「フレイムヘイズはその気配を認識できない(御崎市駅潜伏時)」という特性があった。通し番号の若さを考えれば、ダンタリオンはその天才ぶりにふさわしく、遥か大昔に自律思考型ロボットを製造できた事になる。
アニメ版には彼(?)の量産型のような「27 1/5」が大量に出現した(1つ1つに意思はなく、ダンダリオンの機械から発せられる“存在の力”で動いている)。

“穿徹の洞(せんてつのほら)”アナベルグ[Annaberge]

“紅世の徒”。スーツに火掻き棒のような手と丸型メーターの顔を持つ。
人間が作り出す文明や優れた物に心酔しているが、「文明の発達を促進する」ため、それらの破壊を目的に活動している。袖口などから噴出する蒸気で気配や“存在の力”をぼやかす事が出来るが、敵味方問わずの気配の混淆の為にフレイムヘイズの奇襲に“徒”が気付きにくくもなる。炎の色は鉛色
[革正団]との戦いでフレイムヘイズ達がニューヨークから離れた隙を狙い、“千変”シュドナイを護衛として雇ってエンパイア・ステート・ビルを破壊しようと目論むが、マージョリーに阻止され、最後はユーリイに討滅される。
通称の由来はドイツで鉱山を守るとされる悪魔、アナベルグから。

ロフォカレ[Rofocale]

真名及び炎の色は不明。三角帽に燕尾服の青年で、古風なリュートを抱える自称「楽師」。感受性に優れる。[仮装舞踏会]の協力者で、シュドナイ率いる軍の索敵を行っている。

“祭礼の蛇(さいれいのへび)”

かつて存在した強力な“紅世の王”。かつて「支配」というものに興味を覚え、『大縛鎖』という都を作るが、作った途端にフレイムヘイズ達に袋叩きにされ、マルコシアスの談によると「一発昇天」したと言われていたが、どの様な状態かは不明だが、現在“久遠の陥穽”と呼ばれる場所に存在している模様。『玻璃壇』の製作者でもある。その正体は[仮装舞踏会]の盟主であり、『零時迷子』の“ミステス”である坂井悠二の中に意識が存在していた。“ミステス”坂井悠二を自分とともに歩める唯一の“人間”として認め、自らを“祭礼の蛇(さいれいのへび)”坂井悠二と名乗る。袋叩きにあって消えた彼がなぜ生きており、どうやって仮とはいえ復活を遂げたかは、『大命詩篇』や『暴君』と因果関係があると思われるが詳細は不明。

[編集] [仮装舞踏会(バル・マスケ)]

『盟主』と『三柱臣(トリニティ)』を中心とした、世界最大の規模を誇る“紅世の徒”の大集団。『大命』と呼ばれるの成就を主眼とした活動をしているらしいが詳細は不明。『大命詩篇』と呼ばれる自在式(を纏めたものか?)にその詳細が記載されていると思われる。普段はこの世に跋扈する“徒”に、フレイムヘイズの発生を防いだり追跡をかわすための訓令を与えたり、この世に跋扈する“徒”に仇なすフレイムヘイズやその外界宿(アウトロー)の殲滅を行っている。
役職として、戦闘を担当する巡回士ヴァンデラー)、フレイムヘイズの捜索・追討や組織のための情報収集を担当する捜索猟兵イェーガー)、組織の中枢と各地の捜索猟兵や巡回士らとの連絡を主任務とする布告官ヘロルト)などが存在する。

“祭礼の蛇(さいれいのへび)”坂井悠二

[仮装舞踏会]盟主。その正体は悠二の中に潜んでいた盟主の意識が、彼の望み(恐らくXIII巻での「頑張って戦い“徒”との戦いを終わらせる」という願い)を感じ、『零時迷子』では無く彼自身に興味を持ち、自分とともに歩む唯一の存在として認め、悠二もその存在を認め、融合を果したと思われる存在。声は悠二の物と盟主の物の二重になっているが言動に悠二の面影は確認できず、謎が多い。数千年前に多くの人間に呼ばれていた名を捨て、“祭礼の蛇”坂井悠二という名で呼称されることになる。つまり『零時迷子』の“ミステス”である坂井悠二の名を自らの通名としている。炎の色はであり、その炎が写す影の色は

『暴君』

仮装舞踏会の盟主に関係する『我学の結晶』だが詳細は不明。歪んだ西洋風の板金鎧の姿をしている。その本体は[仮装舞踏会]の本拠地、『星黎殿』の奥に磔にされている。フィレスが『零時迷子』を取り出そうとした際、その右腕が『零時迷子』の元へ転移した。マージョリー・ドーの仇敵である“銀”と深い関わりがある、もしくはそのものだと思われるが詳細は不明。人間の人格サンプリング装置であり「複数が存在」するような言動が見られる。炎の色は

“逆理の裁者(ぎゃくりのさいしゃ)”ベルペオル[Bel-Peol](アニメ 大原さやか

“紅世の王”。[仮装舞踏会]『三柱臣(トリニティ)』の参謀。かつての役職名は軍師で、[仮装舞踏会]改組の際に改名させた。右目に眼帯をした、三つ目の女性。狡猾で智略に長けており、さらに部下を簡単に切り捨てることができる冷酷な“王”。常から不在がちな盟主と託宣に明け暮れる巫女“頂の座”ヘカテー、不真面目な将軍“千変”シュドナイに代わり、実質的に組織を運営している。「組織であるがゆえの強さ」を重んじ、数千年という単位で唱えている。大命遂行時にのみ行使を許される宝具『タルタロス』を所持している。『大戦』で『大命詩篇』が砕け、その影響で苦しむヘカテーを救助するために外部との共振、特定現象から切り離すなどの場面が見られるものの、その力の詳細は不明。能力・実力がはっきりしない故に、対峙するフレイムヘイズは事あるごとに「彼女の陰謀の一環では無いか?」と疑心暗鬼に駆られて、その勢いを押し留める結果となっている。本人も自分の評判をせいぜい有効に活用しているようである。
悠二の内にある『零時迷子』の存在に気付いてからは、『実験』を一段落させたダンタリオンを再び呼び戻し、“壊刃”サブラクに声を掛け、シュドナイ始め戦闘部隊に外界宿(アウトロー)を攻撃させている。炎の色は
通称の由来は、ルシファーの副官とされる悪魔 ベルフェゴール(Belphegor)の別名とされる、バアル=ペオル(Bel-Peol)と思われる。

“頂の座(いただきのくら)”ヘカテー[Hecate](アニメ 能登麻美子

“紅世の王”。[仮装舞踏会]『三柱臣(トリニティ)』の巫女を務める。表情に乏しい幼い美少女の容姿をしている。杓子定規な物言いが特徴。大命遂行に際し、主に『盟主』の意思を受ける役割があると思われる。大命遂行の際にのみその行使を許される宝具『トライゴン』を所持する。自身の炎と同じ色の光弾を流星の如く飛ばす自在法『アステル)』を使う。一度に数十発飛ばす事も可能。華奢な外観とは裏腹に体術にも長けており、シャナと互角に渡り合える程である。
自らに言い寄るシュドナイを相手にしないなど、基本的に他人とはあまり関わらない性格だが、盟主たる“祭礼の蛇”を神として崇拝している。その他、何故か誰もが扱いに困る変人ダンタリオンのことは「おじさま」と呼んで慕っており、彼を馬鹿にされると静かにながらも機嫌が悪くなる。また、高い山の山頂で過ごす事を趣味にしており、山を汚す登山家を嫌っている(過去に何度か出くわした際は、例外無く皆殺しにしたらしい)。天然の気もあり、とにかく素性が知れない少女。『零時迷子』に刻印(おそらく探知系の自在式)を刻み付けて、『零時迷子』の位置を常時探知出来るようにした。炎の色は明るすぎる水色。通称の由来はギリシャ神話で呪術を司る女神ヘカテ
アニメ版での設定では、膨大な器の持ち主で自分の器が満たされる事が望みだった。他者の器に自分の器を合わせると言う能力をもっており、今まで様々な者に器を合わせてきたが満たされたことはなかった。
灼眼のシャナSの『狩人のフリアグネ』でのフリアグネの話によると帽子の中には夢と秘密が詰まっているらしい。

“千変(せんぺん)”シュドナイ[Sydonay](アニメ 三宅健太

“紅世の王”。[仮装舞踏会]『三柱臣(トリニティ)』の将軍。他者からの護衛の依頼を受け、それを果たすことに喜びを見出す“王”。“愛染”兄妹の護衛をしている際に悠二と遭遇し、宝具を奪い取ろうとしたが、『零時迷子』と知らなかったために逆にそれに組み込まれた『戒禁』(防御用の自在法)に右腕と本質の一部をもぎ取られた(その後、再構成した)。戦闘時に見せる姿は面妖で、腕や口を複数作ったり、蝙蝠、亀、大蛇、虎などのさまざまな動物に全身を変えたり部分的に変えたりする(比較的虎へと変化する事が多い)、異形の合成獣のようであり、さらに真名の通りのシュドナイの本質から生まれた力「変化」により姿をコロコロよく変えるので違和感が激しい(アニメでは一本角のライオンの体に鳥の脚、蝙蝠の翼、爬虫類の尾、という姿で一定している)。シュドナイ本人にとってはこの姿こそが自分の本質であり、人間の文化に憧れるあまり姿を人間型に固定し、本質そのままの姿を陳腐だなどとないがしろにする最近の“徒”の風潮を内心で寂しく思っている。一方で人間の姿をとる際には当代の流行文化をいち早く取り入れる洒落者の面も持つことから、人間の暮らし自体を否定している訳では無い。特に煙草が大好きで、いつも吸っている。
大命遂行の際のみその行使を許される宝具『神鉄如意』を所持し、事あればあらゆる物を一撃で粉砕する。
同格のヘカテーに好意を持っており「俺のヘカテー」と言って憚らないが、当人には全く相手にされていない(むしろ嫌われている)。普段は飄々とした性格だが、ヘカテーが傷つけられると怒り狂い、傷つけた相手に全力で報復する。さらにその怒りはヘカテーを守れなかった周囲にも向くようで、そのため味方は敵の襲撃以上に、ヘカテーが傷つくこと、それがシュドナイに知れることを恐れている。
一方でベルペオルのことは公然と「ババア」呼ばわりしてこき下ろすが、ベルペオルもいちいち皮肉たっぷりに接しているのでどっちもどっち、お互いに「性格の反りは合わないが、その実力を利用する」関係といえる。ちなみに両者とも何者かとなんらかの盟約を結んでいるが、シュドナイはあまりその盟約には忠実ではない。
長らく「将軍」という本来の職務には怠慢だったが、悠二の内にある『零時迷子』の存在を知ってから急に本腰を入れるようになる。炎の色は濁った紫。通称の由来は悪魔アスモデウスの別名から。

“道司(どうし)”ガープ[Gaap]

“紅世の王”でベルペオルの直属の部下。武装修道士の姿をしている。大仰で騒がしい、嫌味な性格。駆ける速さで並ぶものはないと言われ、連絡役として動く事が多い。ただし精度や機動性には欠ける。『大戦』にも参加していた。
戦闘では『四方鬼』という人形(おそらく“燐子”)で固定した敵を体当たりで突き破る『大突破』という技などを使用する。史上最悪の“ミステス”、“天目一個”に討滅、吸収される。炎の色は浅葱色。通称の由来はソロモン72柱の序列33番の悪魔ガープ

“獰暴の鞍(どうぼうのくら)”オロバス[Orobas]

“紅世の徒”。『大戦』時は黒馬の姿をしており、シュドナイが騎乗していた。現在もシュドナイに仕えている。炎の色は。通称の由来はソロモン72柱の序列55番の悪魔オロバス

“千征令(せんせいれい)”オルゴン[Orgon](アニメ 斧アツシ

巡回士ヴァンデラー)の一人。“紅世の王”で、ベルペオルの古くからの直属の部下。『大戦』にも参加している。かなり傲慢で尊大な性格で、馬鹿にされるのを嫌う。円卓の騎士の名を冠す『レギオン』という、自らの“存在の力”を込めた薄く鋭い紙の軍勢を用いて戦う。また、この『レギオン』に自らの本質の顕現に使う力のほとんどを注ぎ込んでいる為、その姿は帽子、マント、手袋が浮いているだけのものとなっている。一見マティルダの『騎士団(ナイツ)』と似た能力だが、『レギオン』は自在法とはいえ、“千征令”というオルゴン固有の本質の顕現であるため『騎士団』とは原理も由来も関係なく、またオルゴン本体だけを討滅しても『レギオン』は消えない。一部を倒したり翻弄するのは容易でも、全てを滅ぼすには骨が折れ、敵を疲弊させてその数を持って敵を蹂躙する厄介な“王”。フレイムヘイズ達の外界宿(アウトロー)を単独で全滅させるほどに強大な力を持ち、「戦争屋」として恐れられている。
外界宿を潰す任務の帰り、[仮装舞踏会]からの連絡を受けてウィネと合流。ウィネに『天道宮』突入の為の囮として利用され、(彼の視点では)“天目一個”に虚仮にされ、ヴィルヘルミナに『レギオン』を翻弄され、と散々な目に遭った挙句、メリヒムの『虹天剣』によって全ての『レギオン』ごと一撃の下に滅された。炎の色は錆びた青銅のように不気味な緑青色

“琉眼(りゅうがん)”ウィネ[Vine](アニメ 鈴木達央

比較的若年の“紅世の徒”。捜索猟兵イェーガー)の一人。知覚を他人に伝染させて広範囲を探索する能力を持つ。また、他者の視界を任意の方向にねじ曲げるという、使い方次第では強力な武器になる能力もあり、過去に幾人ものフレイムヘイズを自身の手で討ち果たしている。ベルペオルを女神と崇め心酔しており、組織の大方針の一つである、「『炎髪灼眼の討ち手』の再契約阻止」を果たそうとするため、自身の能力で『天道宮』の場所を突き止めて奇襲したが、“天目一個”などの妨害に遭って失敗し、彼が女神と崇めるベルペオルによって命の残り火を利用され『天道宮』を崩壊させられた。
バイクをこよなく愛し、外見はライダースタイル。この世で手に入れ、手入れも欠かさない年季の入った中型バイクに跨り、フルフェイスのヘルメットのシールドには大きな両目が描かれている。この目は気分に応じて表情を作り、力を使うときなどは大きな一つ目となる。なお、ソラトとティリエルの兄妹を[仮装舞踏会]に紹介したのは彼である。彼らと別れる際、「因果の交差路で、また会おう」という“徒”の交わす別れの挨拶を教えたが、彼らの因果の道は再び交差する事はなかった。炎の色は藤色。通称の由来はソロモン72柱、序列45番ウィネ

“嵐蹄(らんてい)”フェコルー[Fecor]

“紅世の王”。『星黎殿』の防衛を一手に任せられている。ベルペオルの副官的存在。
外見に悪魔のような特徴を持つ、うだつの挙がらない中年男のような風采だが、相当に強大な“王”。『星黎殿』の中では『秘匿の聖宝(クリュプタ)』の効果で彼の強大な気配は隠されており、見た目の貫禄の無さと、誰に対しても腰が低い事もあって、若い“徒”には彼の実力を知らない者も少なくはなく、ウィネなどは単なる「案内係のおっさん」としか認識していない(そもそも彼が“嵐蹄”である事に気づいていない)。これは密かな監視などが目的ではなく、組織の末端にまで眼を配り、構成員たちの生の声を聞こうという彼自身の意図によるものである。粒子の嵐を操る鉄壁の防御用自在法『マグネシア』を使う。炎の色は臙脂

“翠翔(すいしょう)”ストラス[Stolas]

“紅世の徒”。布告官ヘロルト)の一人で、その中でも古株的な存在。全身は獣毛に覆われ、頭部は無く、大きく張った胸に一対の眼、腹部に裂けた口を持ち、両腕は翼になっている、鳥とも獣とも人ともつかぬ異形の“徒”だが、見た目に相違して非常に律儀で礼儀正しい。文中では「鳥男」と記述される。鳥肉が好物で、鵞鳥を丸のまま喰らう(“徒”に通常の食事は不要であり、これはシュドナイの煙草などと同様、彼の嗜好である)。かつて『大戦』に参加し、その経験から『炎髪灼眼の討ち手』の復活を極度に恐れ、“琉眼”ウィネを始めとする多くの捜索猟兵を焚き付けて『天道宮』の捜索と再契約の防止を図った(が、結果だけ見れば完全な逆効果となった)。シュドナイの大命遂行に付き従うが、気ままな将軍に振り回され、いつも苦労させられている。『ドレル・パーティー』討滅の際には、包囲網の指揮を取った。炎の色は(はなだ)。通称の由来はソロモン72柱、序列36番ストラス

“聚散の丁(しゅうさんのてい)”ザロービ[Zarovee]

“紅世の徒”。フレイムヘイズの捜索・追討に当たる捜索猟兵イェーガー)の一人。柔和な笑顔の痩身の老人の姿をした“徒”。それぞれが細い力の紐で繋がった赤、青、黄、緑、桃のスカーフをそれぞれ巻いた同じ姿(人数と色分け、及びオーバーなアクションは「秘密戦隊ゴレンジャー」など「スーパー戦隊シリーズ」のパロディ)に分身したり、離れた自分と融合する事が出来るが、一体一体の力は非常に弱く、残り火の強いトーチ程度。ビフロンスと組んで任務に当たる事が多い。“壊刃”サブラクを発見した結果、ベルペオルより大命の要たる坂井悠二の奪取、及び妨害するフレイムヘイズらを討滅する任務を授かったが、彼らはサブラクの襲撃のための囮に過ぎなかった。悠二によって討滅される(現在のところ、彼がこれまでに討滅した唯一の“徒”である)。炎の色は飴色

“吼号呀(こうごうが)”ビフロンス[Bifrons]

“紅世の徒”。巡回士ヴァンデラー)の一人。土管を2つつなげたような身体に鉄棒で編まれたような頭部という異形の姿。普段は隠れ蓑『タルンカッペ』(名前は北欧神話の小人の被る姿隠しの帽子から)で気配を隠しているが、この状態では移動速度が非常に遅い。破壊を得意とし、瓦礫を吸い込み、その砲身の様な身体から強烈な一撃を放つ。ザロービと組んで任務に当たる事が多い。ザロービと共にサブラクによって囮として使い捨てられる。炎の色は樺色。通称の由来はソロモン72柱、序列46番ビフロンス

レライエ[Lerajie]

真名及び炎の色は不明。白服の女性の姿をしている。シュドナイの大命遂行に同行する。通称の由来はソロモン72柱、序列14番レライエ

デカラビア[Dacarabia]

真名及び炎の色は不明。13巻で名前のみ登場。レライエの上位に当たるらしい。シュドナイいわく「有能ではあるが、とにかく変物」で、周囲からの好悪の感情が極端に分かれている。通称の由来はソロモン72柱、序列69番デカラビア

[編集] [とむらいの鐘(トーテン・グロッケ)]

古く強大な“紅世の王”、“棺の織手”アシズを中心に組織され、16世紀初頭(先代『炎髪灼眼の討ち手』の時代)に『大戦』の結果消失した当時最大規模の“紅世の徒”の集団。ヨーロッパのブロッケン山に要塞を築き、拠点としていた。[とむらいの鐘(トーテン・グロッケ)]の名は、世に新しい理を作る際に、古い理に対してとむらいの鐘を送るという意味を持つ。

16世紀初頭に、”棺の織手”アシズが『壮挙』と呼ぶ『両界の嗣子』の形成を実行するための『大戦』を、大戦の5日前には『壮挙』を為すために必要不可欠な宝具である『小夜啼鳥ナハティガル)』の争奪戦を、その18年前には都市オストローデで戦いを、フレイムヘイズや敵対する“紅世の徒”との間で起こしている。なお、争奪戦では『小夜啼鳥』を奪取し、都市オストローデでは秘法『都喰らい』を発動させ、勝利を収めている。

彼らの『壮挙』は、これに対抗すべく多数のフレイムヘイズを生み出す結果となった。この時期に「乱造」されたフレイムヘイズは、「ゾフィーの子供たち」と俗称される。

余談ながらブロッケン山、オストローデともに同名の土地が現ドイツ中部に実在する。「ゾフィーの子供たち」にゲルマン系の姓名が多いのは、同地方の出身者が多いからと思われる(物語のオストローデ市は都市ごと“存在の力”を喰われたので、人間同様「最初から存在しなかった事」となる筈であり、現在のオストローデ市と同一ではない可能性がある)。

“棺の織手(ひつぎのおりて)”アシズ[Asiz]

“紅世の王”。かつて『鍵の糸』という仕掛けを使い『都喰らい』を行い、都市丸ごとの“存在の力”を得て自身を強大な存在にした。宝具『小夜啼鳥ナハティガル)』の力を用い、自身と愛するティスの存在を融合させた『両界の嗣子』を生み出そうとした。
元々は最古のフレイムヘイズの一人として活動していた“王”で、世界のバランスを守るという使命に燃える優れた自在師だったが、契約者であった少女ティスの死に際に彼女への愛情に気づき、彼女の喪失を恐れて周りの人間を喰らい顕現する。その際の代償として、“紅世”との関わりを完全に断ち切った。“棺の織手”とは本来、彼と契約していたフレイムヘイズの称号であり、彼自身の本当の真名は“冥奥の環(めいおうのかん)”である。
ティスを蘇らせるためのすべを探してフレイムヘイズと敵対しながら世界を旅するうち、『九垓天秤』と呼ばれる強大な力を持つ九人の“王”を従え、中世最大規模の“紅世の徒”の集団、[とむらいの鐘(トーテングロッケ)]を組織するまでに至る。
[とむらいの鐘]が強大な組織となったのは彼が出会った“徒”を誰も見捨てなかったからであり、癖の強い『九垓天秤』全員から慕われているところからもその人格面での優しさを伺える。愛し合う者同士が共に生きる事を望んだが叶わなかった過去を持つためか、マティルダとアラストールが愛し合っていた事を知っていたため、瀕死でもはや勝利は無いのに道具の様に世界のバランスを守るために死のうとする二人に同情し、二人の間にも子を作らせ仲間にしようと説得するが、最終的にアラストールの神威召喚『天破壌砕』で彼らに討滅される。仮面をつけた蒼い天使の姿をしている。『清なる棺』と言うある意味封絶に似た強力な閉鎖空間を作り出す能力を使える。炎の色は

“虹の翼(にじのつばさ)”メリヒム[Merihim](アニメ 小西克幸

“紅世の王”で『九垓天秤』の一人。役柄は[とむらいの鐘]が誇る力の象徴『両翼』の右。『九垓天秤』中で唯一、その姿は人間のものと酷似している。一体一体が並のフレイムヘイズに匹敵する力を持つマティルダの『騎士団』を問題にせずに一瞬にして切り伏せる剣の腕を持ち、距離による威力減退が無いも同然の破壊の虹を剣閃と共に放つ、無双の射程と威力の当代最高の破壊力を誇る自在法、『虹天剣』を使い、その反射・変質を行う宙に浮く透明な「攻撃のための盾」、“燐子”『空軍アエリア)』を多数所持しており、戦いにおいて空中での強大な抑止力となっていた。また切り札として七人に分身し相手を囲み、それぞれが放つ七色の光で虹の輪を作り破壊の力を集中させ撃砕する技を持つ。宿敵であり、当代最強を誇ったフレイムヘイズ、マティルダ・サントメールを愛していた。恋敵であるアラストールを嫌っていた。
先の『大戦』の折、先代『炎髪灼眼の討ち手』マティルダ・サントメールに敗れたのち、マティルダとの「誓い」を彼女への愛の証明として守る為、自らの顕現の規模を最低限の動くのみに抑えた「白骨」として数多くの『炎髪灼眼の討ち手』候補や幼少期のシャナ(まだ名はなかったが)を鍛えた。シャナからは「シロ」と呼ばれていた。シャナの契約の後、マティルダとの「誓い」から、イルヤンカと共にマティルダとヴィルヘルミナと死闘を繰り広げ敗れた後、数百年間全く回復していない身体だったが、強力な“王”であるオルゴンを一撃で滅するほどの攻撃力を保持していた。残された最後の力で“紅世の王”としてシャナと戦い、身をもって彼女にフレイムヘイズの戦い方を教え、自らの成果に満足しながら倒される。ヴィルヘルミナは彼に好意を抱いていたが、彼は最後まで真っ直ぐにマティルダを愛し続けたのであった。自己中心的で傲慢な性格で癇癪持ちだが、聡明な所や冷静な所や一途な所もある。あだ名は「虹の剣士」。炎の色は虹色

“甲鉄竜(こうてつりゅう)”イルヤンカ[Illyanka]

“紅世の王”で『九垓天秤』の一人。役柄は[とむらいの鐘]が誇る力の象徴『両翼』の左。体中が鈍色の鱗で覆われた、四足・有翼の巨竜の姿をしている。自らを老人と称する、非常に古株の“王”。戦闘時は獰猛な面を見せるが普段は温厚で、ともすれば激発しがちなメリヒムらの抑えにまわる、『九垓天秤』の長老格。チェルノボーグのモレクに対する想いや、ヴィルヘルミナのメリヒムへの好意にも気付いていた。口や全身から噴出し留まらせる事で強大な防御力を発揮する、当代最硬を誇る自在法、『幕瘴壁』を使う。また、『幕瘴壁』は先端のみを硬化させることで強大な打撃力をもつ推進弾としても応用できる。
先の『大戦』の折、メリヒムと共に宿敵マティルダとヴィルヘルミナと戦い、ヴィルヘルミナの手によって討滅される。あだ名は「鎧の竜」。炎の色は鈍色
通称の由来はヒッタイト神話の邪龍イルルヤンカシュ(イルヤンカ)。

“大擁炉(だいようろ)”モレク[Molech]

“紅世の王”で『九垓天秤』の一人。役柄は宰相。『九垓天秤』の実質的なリーダーだが、普段は控えめというより小心で、地位に伴う威厳は皆無である。豪奢な礼服を纏った、直立した牛骨の姿をしている。その力の大きさは異常な程であり、自らを空間ごと山をも覆う巨大な牛型の迷宮へと変質させる自在法『ラビリントス』を使う。
同志に対しては穏やかで優しいが、人間は「自分達と同じ様な精神を持つが決定的に弱い種族」として、他の“徒”同様、「麦の穂」程度にしか思っていない。また、他人の自分への思いを察知するのにも疎く、最後まで周りからの密かな尊敬やチェルノボーグの好意にも気付けなかった。最後は主や仲間のために、自身の確実な死を理解しながらも『ラビリントス』を維持し続け、マティルダの全力爆破により討滅された。あだ名は「牛骨の賢者」。炎の色は黄色
通称の由来は中東の神、ソロモン72柱序列21番のモレク

“闇の雫(やみのしずく)”チェルノボーグ[Chernobog]

“紅世の王”で『九垓天秤』の一人。役柄は隠密頭。獣の耳を持つ、黒髪で痩身の女性。右の巨腕を織り交ぜた体術や爆破攻撃や相手の影に潜り込む『影浸』という自在法を駆使し闘う。モレクに好意を寄せ、彼から与えられた仕事をこなすこと、彼を守る事にこの上なく大きな充足感を覚えていたが、表面上は彼を「痩せ牛」と呼んで蔑むそぶりを見せ、いつもきつい態度で当たっていた。
モレクを失った喪失感からの自暴自棄気味な特攻の果てに、先代『炎髪灼眼の討ち手』マティルダ・サントメールの胸を貫き致命傷を負わせるも、ヴィルヘルミナ・カルメルの手で討滅される。あだ名は「黒衣白面の女」。炎の色は枯草色
通称の由来はロシア神話に登場する黒の神チェルノボグ

“凶界卵(きょうかいらん)”ジャリ[Jarri]

“紅世の王”で『九垓天秤』の一人。役柄は大斥候。魔物・老人・女の面が張り付いた人間大の卵の姿をしていて、その3つの面から付き合いの長い仲間でさえもなんとなくしか意図が知れない意味不明な声を繋げて喚く。チェルノボーグのモレクに対する想いにも気付いている様で全く関係ない様な、微妙な発言もした。
無数の蠅の大群にて広範囲の相手を索敵・情報収集・攻撃する自在法『五月蝿る風』を駆使する。本来は攻撃用の自在法では無いため、ある一定以上の防御力を持つ相手には効果がないが、それでも十分に強力であり、『大戦』の舞台となった平原の空中で『空軍(アエリア)』を失ったメリヒムに代わり、討ち手の大部分の飛行を封じていた。あだ名は「奇妙な卵」。最強の敵マティルダを前に最後まで主に付き従ったが、マティルダにより『天破壌砕』を行う際の生贄とされた。炎の色は亜麻色

“巌凱(がんがい)”ウルリクムミ[Ullikummi]

“紅世の王”で『九垓天秤』の一人。役柄は先手大将。分厚い鉄板もしくは鉄塊を巨大な人型に組んだような姿で頭部は無く、胴体部分に双頭の白い鳥の絵が描かれている。“徒”の軍勢を率い、フレイムへイズ兵団と戦った。周囲の鉄を集め、自身の濃紺の炎の竜巻に巻き込み、膨大な質量と速度で敵を砕く自在法『ネサの鉄槌』を使う。あだ名は「鉄の巨人」。
卓抜した戦術眼と統率力の持ち主であり、公明正大な人格者で、仲間からの信頼も厚い。炎の色は濃紺。『大戦』では、先手大将として軍勢を率いて、雷を使う相性の悪いゾフィー率いるフレイムヘイズ軍団と戦い続け、アラストールの顕現により大勢が決した後はより多くの同胞を生かすため、フレイムヘイズを足止めするために残り、ゾフィーに討滅される。
通称の由来はヒッタイト神話に登場する巨人。

“架綻の片(かたんのひら)”アルラウネ[Alraune]

“紅世の徒”。その姿は、美女の顔を中心に抱いた妖花。援護や補助の法を得意とする自在師で、“巌凱”ウルリクムミの副官を務めていた。常に疑問形で話す癖がある。炎の色は薄桃。最後まで先手大将としての使命を果たそうとするウルリクムミに付き添い続け、彼と共に散る。
通称の由来は人の形をした植物、アルラウネ

“焚塵の関(ふんじんのせき)”ソカル[Sokar]

“紅世の王”で『九垓天秤』の一人。役柄は“巌凱”ウルリクムミと同じく、先手大将。名うての戦上手と言われたが、『大戦』では、開戦早々に不意を突かれてカール・ベルワルドによって討滅されてしまった。木の葉一つ無い石の大木の姿をしており、洞から喋る。見栄っ張りな性格で、ブロッケン要塞落成の式典の際には、入城の序列を巡って騒ぎを起こしたりもした。話が回りくどい。陰険悪辣の嫌な奴(ウルリクムミの評)である為か、他の面々、特にニヌルタとは反りが合わない。。“千変”シュドナイと知らぬ仲ではないらしい。炎の色は黄土
通称の由来はメンフィスの墓地の神。

“天凍の倶(てんとうのぐ)”ニヌルタ[Ninurta]

“紅世の王”で『九垓天秤』の一人。役柄は中軍首将。その姿は槍や剣や棍棒など様々な武器が刺さったガラスの壷で戦闘時はこれらの武器に霜が降り始める。「氷の剣」と形容されている。謹厳実直な性格で、公正ならば文句は言わないが、ソカルとはよく激突していた。『大戦』直前の『小夜啼鳥』奪取の際にフレイムヘイズらによって討滅された。炎の色は(あおぐろ)。

“戎君(じゅうくん)”フワワ[Huwawa]

“紅世の王”で『九垓天秤』の一人。役柄は遊軍首将。腹まで口が裂けた巨大な狼の姿をしており、「牙剥く野獣」と形容される。戦いにしか興味のない性格。『大戦』以前の『都喰らい』発動後の戦いでマティルダによって討滅された。炎の色は焦茶

[編集] その他の登場人物

“天目一個(てんもくいっこ)”(アニメ 菅生隆之
隻眼鬼面の鎧武者。「史上最悪の“ミステス”」と呼ばれる。別名「化け物トーチ」。あらゆる自在法を無効化する大太刀『贄殿遮那』を持つ“ミステス”で、強者へとその大太刀を託すことが目的。強大な力を持つにも関わらず気配が全く無い事、自在法を完全に無効化できる特性から、“存在の力”の流れを見極める力や自在法を駆使する強いフレイムヘイズや“徒”ほど相性が悪く、強大を持っている為に弱者では手も足も出ないという事情が「史上最悪」と呼ばれる所以だった。
時期は不明だが、自ら望んで“ミステス”(元は『贄殿遮那』の製作者)となり、その際一人の“紅世の王”が立ち会っている(何者かは不明)。天目一個の誕生は『大戦』の後に生を受けたヨーハンが書物で(ミステスとなった者は人類の歴史記録から消滅するので、おそらくフレイムヘイズの著作物)知っていた。一方で同時期既に『天道宮』に篭っていたアラストールは彼の存在はともかく誕生経緯を知らなかった事から、誕生時期は16世紀あたりではないかと思われる。
シャナがアラストールと契約した直後交戦して敗れ、『贄殿遮那』を託すという目的を達成し、消滅する。自身に最低限の封絶を施しており人間にはその存在を知る事はできず、気配が無いという特性ゆえに実際に遭遇しなければフレイムヘイズや“徒”でも感知できない。強者を求めるが故に人間は一切斬らず、フレイムヘイズと“紅世の徒”を斬り捨て、その“存在の力”を喰らって活動していた。
日本をはじめとした東アジア諸国で行き会った”徒”、フレイムヘイズ双方を見境無く攻撃し、長らくその存在は落雷のような天災と同意義に思われていた。作中で、”徒”が日本のことをたびたび「辺境」と呼ぶのは、このような存在がいるために本格的な進出が無されなかったからとも推察される。
名の由来は山神・鍛冶の祖神である、天目一箇神(あめのまひとつのかみ)。
ドナート
中部イタリア、ウルビーノ出身の芸術家。“螺旋の風琴”リャナンシーとは恋仲であったが、彼女の力の源を知った怒りと悲しみから、彼女と仲たがいする。
リャナンシーが去った後、それを生涯悔やみ続け、親友たる“髄の楼閣”ガヴィダにリャナンシーに向けての一つの言伝を依頼し、この世を去る。
ヨーハン
約束の二人エンゲージリンク)』の片割れの“ミステス”で、通称『永遠の恋人』。“彩飄”フィレス同様、大きな力を持つ。フィレスを愛し、永遠に共にありたいと望んで、二人で『零時迷子』を創り、自ら“ミステス”となった。
“壊刃”サブラクに襲われた際、瀕死の重傷を負い、緊急避難の為フィレスによって『零時迷子』に封じ込められる。しかし、サブラクが『零時迷子』に打ち込んだ自在式『大命詩篇』の影響で『零時迷子』から抜け出す事は事実上、不可能となってしまう。
マージョリーが悠二に打ち込んだ自在式を組み替え、一時的に悠二から変化した事から、現在は同じ“ミステス”である悠二と融合した状態だと思われる。炎の色は琥珀色
ゲオルギウス
大法螺吹きの修士の男で、『永遠の恋人』ヨーハンの父に当たる人物。夢と現実に境を持たず、代わりに他人にその境を飛び越えさせる弁舌と狂熱を持つ。
ある時(時期的には『大戦』の少し後)一人の“紅世の徒”(“彩飄”フィレス)と出会い、さまざまな法螺と欲望を叶えていた。が、やがて老いる事を恐れた彼がとった行動は、“徒”が叶えた欲望の内の一つとして連れてきた女との間の子供を生贄に捧げ、使えもしない自在法で自らに活力を取り戻そうとするという狂気が生み出した夢だった。それに激しい怒りを覚えた“徒”は、その実行の前にゲオルギウスを殺し、赤子ヨーハンを連れて去っていった。

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