福井鉄道560形電車
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560形電車(560がたでんしゃ)とは、はじめ北陸鉄道(北鉄)に6両が所属し、後に名古屋鉄道(名鉄)に譲渡され名鉄岐阜市内線で使用された車両であり、廃車後更に福井鉄道(福鉄)へ1両が転じた。
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[編集] 経歴
[編集] 北陸鉄道(1956~1967年)
本車両ははじめ、北陸鉄道金沢市内軌道線用のモハ2200形として、1956年に日本車輌製造で6両が製造され、同線に投入された。モハ2000形と異なり、張上げ屋根を採用している。
しかし1967年の同線廃線によって余剰となり、モハ2000形と共に名鉄に売却されることになった。このとき、本車両はモ560形と改番された。
[編集] 名鉄(1968~1988年)
名鉄岐阜市内線の伊奈波通-長良北町間には急曲線区間があり、モ570形などのボギー台車車両が投入できず、単車が現役で活躍していた。モ560形はモハ2000形改めモ550形と共に、ボギー台車を採用しながらも車長が短く車幅も狭かったことから、同区間近代化の役割を果たした。
しかし、1983年に老朽化のため3両が廃車され、残りも岐阜市内線徹明町-伊奈波通-長良北町間が廃止された1988年に現役を退き、名鉄での使用を終えた。
なお、機器の一部はモ590形のワンマン運転改造用に転用されている。
[編集] 福井鉄道(1989~2006年)
その後、1989年に福井鉄道へ1両(562号車)が売却された。当初は福井市制100周年記念事業の一環として、福武線の軌道線(路面電車)区間での専用車両として、同年1月1日から1月12日まで運行された。それ以降は主としてイベント運行に使用された。
2001年10月~11月には、名鉄から貸与されたモ800形と共に、福井駅前のトランジットモール実験で使用された。
- 実験車両として
福井鉄道では、2004年11月に福井大学と大研化学工業が新型のリチウムイオン電池を使用した公開実験を実施し、その実験車両として560形が使用された。
[編集] 引退後の状況
本車両は、2006年3月に廃車となり、引き取りが無ければ解体される予定であった。これに対し、石川県金沢市のジェイアール貨物・北陸ロジスティクスが保存を申し入れ、保管されることになった。車両は2006年8月11日に金沢市に移送され、正式な保存先をするまで、同社が保管している。
[編集] 主要諸元
- 製造年:1956年
- 車体構造:鋼製
- 定員:70人
[編集] 外部リンク
[編集] 関連項目
- 名古屋鉄道の車両
- 現用車両
- 特急用電車 : 2000系・2200系 | 1000系・1030系・1200系・1230系・1800系・1850系 | 1600系
- 一般用電車(SR系高性能車) : 7000系・7100系・7700系 | 5700系・5300系 | 6000系・6500系・6600系・6800系 | 1380系
- 一般用電車(VVVF車) : 3500系II・3700系III・3100系 | 3300系III・3150系
- 地下鉄乗入用電車 : 100系・200系 | 300系
- AL系電車 : 6650系・6750系
- 電気機関車 : デキ300形 | デキ370形 | デキ400形 | デキ600形
- 過去の車両
- AL系電車 モ3300形・モ3600形・ク2040形 | モ800形I | モ850形 | 3400系 | 3500系I | 3550系 | 3560系 | 3600系・3650系 | 3700系I | 3800系 | 3850系 | 3880系 | 3900系 | 7300系 | 3300系II
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