トヨタ・カローラ
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カローラ (COROLLA) は、トヨタ自動車が生産する小型の乗用車である。
[編集] 概要
1969年から2001年までの33年間連続して、派生車を作るなどし車名別国内販売台数1位を維持するなど、日本を代表する車種である。また、2002年には年間世界販売台数が初めて100万台を突破した。更に2005年には、累計生産台数3,000万台を達成し2007年現在、世界140ヶ国以上の国で販売されており世界で最も多く販売されている乗用型の自動車でもある。そのためか「4輪車界のスーパーカブ」とも呼ばれることもある。
その名前は同社の大型セダン「クラウン」の「王冠」、中型セダン「コロナ」の「太陽の冠」に対して、「花冠」(花で作った冠ではなく、花において花弁が環状に連なっている部分を指す。語源はラテン語)を意味する。また、同社にはほかに「冠」をもじった大型前輪駆動セダン「カムリ」がある。
現行モデルとしては、日本ではセダンの「カローラアクシオ(COROLLA Axio)」、ステーションワゴンの「カローラフィールダー(COROLLA FIELDER)」、小型MPVの「カローラスパシオ(COROLLA SPACIO)」がある。
以前は5ドアハッチバックの「カローラランクス(COROLLA RUNX)」(ネッツ店での兄弟車「アレックス(ALLEX)」もあった)もあったが、2006年10月に新型欧州戦略車「オーリス(AURIS)」を同車の後継として導入し、ハッチバックのカローラ名は終了した。ランクスおよびアレックスは日本においてはカローラの若年層向け異型車として展開されていたが、オーリスはネッツ店専売車種となっている。
2006年7月に東京・お台場のMEGAWEBでカローラ生誕40周年記念展示が行われ、初代から9代目までのカローラとAE86型レビン、スパシオの欧州向け兄弟車「カローラ・ヴァーソ」、ヴォルツの北米向け兄弟車「マトリックス」が展示された。マスコミ向けに行われた撮影会では内装まで撮影できたが、一般公開では囲いがしてあり、外観しか見られなかった。ちなみに多くの車のリアには販売会社のステッカー(トヨタカローラ徳島など)が貼ってあり、実際に走っていた車であることが分かる。
[編集] 型式表記の凡例
トヨタ自動車では通例として、「エンジン型式記号+車種記号+世代あるいはバリエーション別・開発順番号表記+開発順の車型番号・・・」の順に記される。
- 例:初代カローラ KE10
- 「Kシリーズのエンジンを搭載する(K)+カローラ(E)の+初代(1)+車体形状などの開発順(0などの数字)」
- 3代目コロナ RT40
- 「Rシリーズのエンジンを搭載する(R)+コロナ(T)の+3代目(4)+車体形状などの開発順(0などの数字)」
- 初代コロナマークII RT60
- 「Rシリーズのエンジンを搭載する(R)+コロナ(T)の+バリエーション(6)+車体形状などの開発順(0などの数字)」
- 2代目コロナマークII Lシリーズ MX20
- 「Mシリーズのエンジンを搭載する(M)+マークII(X)の+2代目(2)+車体形状などの開発順(0などの数字)」
この項では、同一車種で異なるエンジンを搭載する場合の煩瑣な例を避けるため、各世代の表記についてはエンジンの型式記号を除いた「Exx系」と統一して呼称することとし、世代内の車種については、車種の特徴をあらわす意味も含め、通称としてエンジン記号も適宜付すこととする。
[編集] 歴史
[編集] 初代(KE10系、1966年-1970年)
[編集] 開発
1960年代後半、日本では本格的なモータリゼーション時代を迎え、各自動車メーカーは車種の充実をはじめた。カローラは、エントリーモデルであり、国民車構想の流れを汲むパブリカと、量販車種であり、排気量のアップや車体の大型化により車格が上昇したコロナの中間に位置する量販車種として、1962年ごろに初めて企画された。トヨタは、パブリカが実用的に過ぎたため人気を得られなかったと分析し、実用以上の「魅力」を付加することを目標とし、開発理念として「80点主義」を掲げた。エンジンは、パブリカの空冷2気筒700cc(のちに800cc)に対して、先行して開発されていた水冷4気筒で中高回転域での追従性に優れたハイカムシャフト方式で5ベアリングのクランクシャフトを用いたOHV式の1000ccエンジンを搭載することとした(この1000ccエンジンはのちに2K型と命名され、晴れて2代目パブリカ(P30系)に搭載される事となる)。
車両重量その他の計算から、時速100kmで巡航するために必要な最高出力を60psとし、その出力を余裕を持って発揮するという名目から、また、後述するサニーに対抗するため、発売前の最終段階にはエンジン排気量が1100cc(実際は1077cc)に決定された。エンジン形式はK型である。そのほか、クラス初のフロアシフトによる4段トランスミッション、国産車として初のマクファーソン・ストラット式の前輪独立懸架(ただし、スタビライザーは横置きリーフ式)などの新機構が取り入れられた。また、トヨタはカローラ生産のために新工場(高岡工場)を建設し、年間2万台の生産と販売を目標とした。また、国産車で初めてエクステリア上のバンパーフェイスが排除されたのがこの初代カローラである。
[編集] ライバルの先行登場
ほぼ同時期、日産自動車でも、やはり大型化したブルーバード(P410型)の下位車種として、排気量1000ccの新型車が構想され、車名公募などのティーザー・キャンペーンが大々的に行われた。この車はダットサン・サニーと名づけられ、1966年4月に発売された。
[編集] 発売前キャンペーン
サニー発売に遅れること5ヶ月、1966年9月に「カローラ」という車名と、セミファストバックスタイルのボディの一部のみを見せるティザー・キャンペーンが行われた。この時から用いられた「プラス100ccの余裕」というキャッチコピーは、新開発のK型水冷4気筒5ベアリング・ハイカムシャフトOHVエンジンの排気量(1100cc)を表現したものであり、同時に「日本のハイ・コンパクトカー」を称して、パブリカや、あるいは同クラスの他社製品より上質であることを訴えた。初代カローラ(E10系)は翌10月、東京モーターショーで発表される。同年10月28日には「お茶の間発表会」と銘打ち、当時トヨタが提供していた日本テレビのゴールデンタイム(午後9時からの1時間)に特別番組「カローラビッグバラエティショウ」を放送、梓みちよ・北島三郎・坂本九など、当時の流行歌手が出演した。
このような発売前の大々的なキャンペーンを経て、カローラは翌11月に発売された。各グレードの販売価格は、スタンダード432,000円、スペシャル472,000円、デラックス495,000円であった。「100ccの余裕」は、余裕を謳う反面、税制上は不利であったが、販売台数はサニーを上回った。
[編集] 車種の追加
発売当初は2ドアセダンのみのラインナップであったが、翌1967年5月、4ドアセダンとバン(KE16型)、トヨグライド式2速AT仕様車が追加された。4ドアは2ドアセダンの25,000円高、トヨグライド仕様はマニュアル仕様の38,000円高であった。ほぼ同時期、サニーにも同様の車種追加がなされている。
1968年4月にはマイナーチェンジが行われる。計器盤のソフトパッド化、メーターへの無反射ガラス採用、2スピードワイパーの標準装備化、メーカーオプションでフロントディスクブレーキが用意される(15,000円高)など、「33項目の安全対策」をアピールした。同時にクーペモデルのスプリンター(別項参照)が登場、同時にセダンにも73psのツインキャブエンジンを搭載しフロントディスクブレーキとタコメーターを標準装備するSLが車種追加され、SL以外のグレードにはコラムシフト車も追加された。なお、この年から米国・欧州への輸出が開始された。
1969年9月の改良では、全車に排気量を100ccアップした3Kエンジンを搭載する(KE11型)。シングルキャブモデルは68psを発揮、新たに圧縮比を高めて出力を73psに増した3K-D型エンジンを積むハイ・デラックスが車種追加される。SLにはツインキャブの77psエンジン(3K-B型)が搭載された。また、乗り心地やハンドリングを向上させるため全車にフロントサスペンションのスタビライザーが横置きリーフ式からテンションロッド式に改められ、ロアアームの形状がA字型からI字型に改められた(フロントサスペンションの形状の一部改良、変更により本来の意味でのマクファーソン・ストラット式になった。この方式のフロントサスペンションはAE85型/AE86型のカローラレビン、スプリンタートレノまで踏襲される)。
ちなみに、E10系のデビュー当初のCMキャラクターは俳優の竜雷太を起用していた。
[編集] 2代目(KE20/TE20系、1970年-1974年)
1970年5月、初のモデルチェンジ。E20系となる。V字型クロスフロー配置のOHV方式(メカニズム的にクライスラーのHEMIヘッドエンジンを手本にしたといわれている)を用いたT型1400ccエンジン搭載モデル(1600cc、2T型OHVエンジンもメカニズムは共通)登場。クーペ発売。1972年3月には、2T-G型DOHCエンジンを搭載するレビン(TE27型)が登場。ステアリング形式は初代のウォーム・セクター方式からボール・ナット(リサーキュレーティング・ボール)方式に進化した。
[編集] 3代目(KE30/TE30系・1974年-1977年、KE50/TE50系・1977年-1979年)
[編集] ひとまわり大きくなり、国際競争力も向上
1974年4月、E30系にモデルチェンジ。3代目カローラは、型式番号より「さんまる」と称されて登場した(同時にスプリンターはE40系となり、型式としては独立したシリーズになった)。
従来通り1200/1400/1600の3シリーズ構成で、グレードはセダン1200STD/DX/HI-DX/SL、1400DX/HI-DX/SL,1600HI-DX/GSL、ハードトップ1200DX/HI-DX/SL/SR、1400DX/HI-DX/SL、1600HI-DX/SR/GSL、そしてホッテストバージョンの「レビン」であった。
ボディータイプは2ドア・4ドアのほか、クーペに代わってハードトップがカローラ専用に与えられた(スプリンターはクーペが与えられた)。また、1200と1400/1600シリーズで2種類のフロント及びリアのデザインが与えられている。従来型よりひと回り以上大きくなったボディーは、走行安定性や室内居住空間の拡大といった「ゆとり」を生むとともに、来たるべき排出ガス規制にあわせ、処理デバイスを取り付ける空間の確保という意味合いもあった。
メカニズムは従来型のキャリーオーバーである。エンジンは1200が3Kの改良型3K-H(STD,DX,HI-DX)/ツインキャブレギュラー仕様の3K-B型(SL,SR)。1400がT型(DX,HI-DX)/T-BR型(SL)、1600が2T型(HI-DX)/2T-BR型(GSL)、そして2T-GR型(レビン)及び2T-G型(同有鉛ハイオク仕様)である。トランスミッションは4速MT、5速MT、2速ATの設定のほか、1400以上はコロナ用の3速ATも準備された。シャシーはフロントストラット、リアリーフスプリングである。
安全対策も充分に配慮され、全車フロントインストゥルメントパネルはフルパッドで覆われており、自動巻取式のフロント連続3点シートベルトはトヨタ車初の採用である。DX以上は衝撃吸収ステアリングコラムが、HI-DX以上はフロントディスクブレーキが標準採用されている。
このように、車格がコロナ並にあげられた3代目は、カローラの歴代中最も生産台数が多い車種となった。
[編集] オイルショックとキャンペーン自粛
当時は第一次オイルショックや排気ガス問題がクローズアップされ、自動車メーカーに対しても新型車開発及び発売自粛を求められていた時期で、発売前には国会で問題として取り上げられる事態となった。そのため、新聞広告を減らし、キャッチフレーズに新型と明記せず、従来型の20系を「にーまる」として併売するなど、いわゆる派手な新型車キャンペーンは自粛された。
[編集] 排気ガス規制とマイナーチェンジ
昭和48年、50年、51年、53年排気ガス規制の間に販売された3代目は、エンジンの改良の度に変更が繰り返され、その過程で形式が30系から50系、55系と増えていった。変更の履歴概要は次の通り。
- 1974年4月 カローラ30登場。
- 1200シリーズ KE30(セダン)、KE35(ハードトップ)
- 1400シリーズ TE30(セダン)、TE35(ハードトップ)
- 1600シリーズ TE31(セダン)、TE37(ハードトップ)
- バン 1200/1400 KE36V、TE36V
- 1975年1月 ハイオク仕様車廃止。
- 1975年11月
- 1400シリーズ T-U型エンジン(TTC-C 触媒方式)で昭和50年排出ガス規制適合。型式名はA-TE30(セダン)、A-TE35(ハードトップ)。
- 1600シリーズ 2T-U型エンジン(TTC-C 触媒方式)で昭和50年排出ガス規制適合。型式名はA-TE31(セダン)、A-TE37(ハードトップ)。
- バンシリーズ 昭和50年排出ガス規制適合。型式名はH-KE36V/H-TE36V。
- 2T-GR型エンジン廃止に伴い、レビンシリーズ生産中止。同時にデザイン小変更。ボンネット熱抜きグリルがダイカスト別体型からボンネットプレス一体型に。ドアロックが丸から四角に(セダン系)。
- スピードメーターが180キロ表示から160キロ表示に。排気温警告灯追加。リア2点式シートベルト追加。
- 1976年1月
- リフトバックシリーズ発表。スプリンタークーペのボデーにリヤゲートを追加したもの。
- 1200シリーズ 3K-U型エンジン(TTC-C 触媒方式)で昭和51年排出ガス規制適合。型式名はB-KE50。
- 新1600シリーズ 12T型エンジン(TTC-L 希薄燃焼方式)で昭和51年排出ガス規制適合。型式名はB-TE52。
- 1976年5月
- 1600シリーズ 2T-U型エンジン(TTC-C 触媒方式)で昭和51年排出ガス規制適合。型式名はB-TE51。
- 1977年1月 マイナーチェンジ。
- 1400シリーズ T-U型エンジン(TTC-C 触媒方式)で昭和51年排出ガス規制適合。型式名はB-TE50。
- レビンシリーズ、従来の2T-G型エンジンに電子燃料噴射装置(EFI)を追加した2T-GEU型エンジンで昭和51年排出ガス規制適合。型式名はB-TE51。
- セダン・ハードトップの外装はフロント・リアデザイン変更。フロントエプロンはスポイラー形状になる。
- クーペシリーズ追加。レビンはハードトップからクーペに変更。(同時にスプリンターにはハードトップ追加)
- 内装はインパネがセダン・ハードトップ・クーペとも、マイナーチェンジ前のものとは全く別デザインとなる。
- 上級車種には対米輸出仕様と同じ5マイルバンパー(大型バンパー)が装備された。
- 1977年8月
- 1600シリーズ(MT車のみ)12T-U型エンジン(TTC-C 触媒方式)で昭和53年排出ガス規制適合。型式名はE-TE56。
- 1977年10月
- 1200シリーズ(MT車のみ)の排気量を1300ccに拡大し、4K-U型エンジン(TTC-C 触媒方式)で昭和53年排出ガス規制適合。型式名はE-KE55。
- 1978年5月 マイナーチェンジ。
- 1400シリーズを除き、昭和53年排出ガス規制適合。1200シリーズAT車も1300ccの4K-U、1600シリーズのAT車も12T-Uに変更。2T-GEU搭載車はE-TE55に型式変更。
- 外装は、セダン・ハードトップが排気量により2種類あったフロントデザインを中止し、排気量問わずセダン用、ハードトップ用のみとした。CP、LB用も意匠変更。
- STD、バンを除き大型バンパー採用。左右テールライトの間に社名入り(旧"TOYOTA"ロゴ)ガーニッシュ採用。セダンドアサッシをブラックアウト化。
- ホイールキャップを中止し、KP61型スターレットと同じデザインのスチールホイールとした。
- 内装に変更はなし(サイドデフロスタ、チャイルドロックを標準とした)
- シリーズのグレード構成を縮小した。
[編集] 4代目(KE70/AE70/TE70/CE70系、1979年-1987年)
1979年3月、4代目にモデルチェンジ。主力の1400ccT-U型に代わって新開発の1500cc、3A-U型(カローラ史上初のSOHCガソリンエンジン)が搭載される。発売当初のキャッチコピーは「いい友、誕生」。
ボディバリエーションはE50系と同じ(2ドアセダン、4ドアセダン、2ドアハードトップ、3ドアクーペ<レビンも存在する>、3ドアリフトバック、3ドアバン、5ドアバン<E70系バンは1987年8月まで生産された。また、日本向けにE70系5ドアバンをベースとしたワゴンが1982年5月に追加されている。これが日本向けとして初のカローラワゴンの誕生である。エンジンは当初は1300ccの4K-U型のみの展開でグレードは1300DXと1300GLの2グレードでトランスミッションは4速MTのみ。のちに1800ccディーゼルの1C型(SOHC、65馬力【グロス値】、トランスミッションは5速MTのみ)も搭載される。ただしリアサスペンションはE70系バンと共通でリーフスプリングを採用する。E70系ワゴンも1983年5月に大規模なフェイスリフトを実施し1987年8月頃まで生産された>)。ステアリング形式はデビュー当初は1300cc車のみラック&ピニオン形式だったが1981年のマイナーチェンジ後には1500cc車にも採用される。また、この4代目カローラから全車にフロントディスクブレーキを採用する。
1979年8月には、1600シリーズの代替としてカリーナやセリカなどの上級小型車に搭載されている1800cc、13T-U型ガソリンエンジン(TTC-L対応、OHV、95馬力【グロス値】)搭載の1800シリーズが登場するが、車重増加(特にフロントまわりの重量増加)によるドライバビリティやハンドリングの低下(2T-GE型エンジン搭載車を除くE70系の場合、むしろ1300ccモデルや1500ccモデルの方が1800ccモデル以上に軽快な走りやハンドリングを示していたようである)と、税制上の問題から販売不振となり、1981年にカタログ落ち(廃止)となる。
1981年に大規模なマイナーチェンジが行われた。バンを除く全車に異形角型2灯式ヘッドライトおよびスチールラジアルタイヤが採用される(具体的にはセダン:SAE規格丸型4灯式→異形角型2灯式。2ドアハードトップ&3ドアクーペ&3ドアリフトバック:SAE規格角型2灯式→異形角型2灯式。ちなみにバンの場合はSAE規格丸型4灯式→同SAE規格角型2灯式。ワゴンは登場時からモデル末期までSAE規格角型2灯式)。さらにセダン系はリアコンビネーションランプも大型化される。
1982年2月には、カローラとしては初(しかも日本の大衆車としては初。余談ではあるがライバルのサニーもそのおよそ8ヶ月後にディーゼル仕様(CD17型エンジン。SOHC、55馬力【グロス値】)を投入している)のディーゼルエンジンが搭載された(SOHC、1800cc、1C型、65馬力【グロス値】)。モデル後期にはCMに伊武雅刀を起用。
4ドアセダン・3ドアリフトバック・2ドアハードトップモデルに2T-GEU搭載のGTが追加(カローラセダンおよび3ドアリフトバックとしては初の1600ccのDOHCエンジンを搭載)。特にセダン1600GTはラリーフィールドで活躍した。ちなみにFR時代のカローラセダンとしては最初で最後の2T-G搭載車だった。
[編集] 5代目(EE80/AE80/CE80系、1983年-1987年)
1983年5月、5代目にモデルチェンジ。2/3ドアのクーペカローラレビンを除き、前輪駆動化される。4ドアセダンをベースにした5ドアリフトバック(セダン)を新規で設定(カローラ史上初。日本国内では販売台数はいまひとつ振るわなかったものの、欧州市場ではなかなかの売れ行きだった)。
後輪駆動で残されたカローラレビン(AE85/AE86)は、姉妹車であるスプリンタートレノと共に通称「ハチロク」と呼ばれ、ドリフト族等に人気を博した。現在でも漫画「頭文字D」などの影響で人気が高い。ステアリング形式は全車、ラック&ピニオンを採用。このE80系カローラ以降からはホイールハブのP.C.Dはカローラレビン以外はすべて100.0mmとなる(レビンは後輪駆動のためか114.3mmを継続)。しかし、レビンとは対照的に日本国内では特に基本形となる4ドアセダンのスタイリングがあまりにも若々しすぎるために、一部の年輩ユーザーは戸惑いを隠せなかったようである。
カローラFX(ハッチバックモデル)登場。国内グループAレースで活躍。シビックと死闘を繰り広げる。このFXの登場に伴い、4ドアセダンにも新たに4A-GE型エンジンを搭載した1600GTが追加される。
CMキャラクターは郷ひろみ(前期型、後期型共に)。最初はCMソングとして自身の「素敵に・シンデレラ・コンプレックス」(作詩・阿久悠、作曲・鈴木康博。CBSソニー(現・ソニー・ミュージックレコーズ内「ソニーレコーズ」レーベル))よりEP発売、現在も郷のベストCDに収録。)が使われていた。その後「素敵に…NEWカローラ」のキャッチコピーの下、映画「アラビアのロレンス」のテーマ曲に合わせ、郷がアラビア衣装を身に纏い砂漠で佇むシーンがあった。また別バージョンで、雨の中で郷が同車を運転中、子犬が舞い込んでくるといったほのぼのとしたCMもあった。
1985年5月のマイナーチェンジでは1300ccのガソリンエンジンがこれまでの2A-LU型からEP71系スターレットと共通の2E-LU型SOHC12バルブガソリンエンジンに換装され動力性能が若干向上した。後期型のキャッチコピーは「それ以上のNEWカローラ」。また後期型の「SEサルーン」は同クラスで初めて後席センターアームレストを装備したりと、次期モデルのE90系へと繋がる豪華さを持つようになった。
歴代カローラのセダンでは唯一トミカで発売されたモデルでもある(1987年まで)。
[編集] 6代目(EE90/AE90/CE90系、1987年-1991年)
1987年5月、モデルチェンジ。5ドアリフトバックは消滅。同年8月にワゴンをモデルチェンジ。同年10月にセダンに4WDが追加。典型的なキープコンセプトでのモデルチェンジだった。
好景気との相乗効果で大ヒットしたが、最上級グレードである「SEリミテッド」の内外装は、当時のマークIIクラスに肉迫する高級感と高い品質感が特徴で、装備面でも電動格納式リモコンドアミラー、ワンタッチパワーウィンドウや高級モケットシート、エレクトロニック・ディスプレイメーター、TEMSといったそれまでひとクラス上にしかなかった装備が数多く採用された(ただし、エアコンはまだ販売店装着のオプション扱いだった)。
キャッチコピーは前期型は「ニッポンの自動車の新しい物語が始まります」、後期型は「この国のセダン」。
エンジンは1500cc以上はすべてDOHC16バルブとされ、1300ccSOHC12バルブのキャブレター(2E型)、1500ccハイメカツインカムのキャブレター(5A-F型)とEFI(5A-FE型)、1600ccのハイメカツインカム(4A-F型)とスポーツツインカム(4A-GE型)を搭載。この他、1800ccディーゼルエンジン(1C-II型)が用意された。なお、1600ccハイメカツインカムは4WD専用とされた。1988年の一部改良ではセダンの1500SEリミテッドに5A-FE型が追加される。
モデル後期の1989年には、1500cc及び1600ccエンジンがすべてEFI(電子制御燃料噴射)化され、1500ccには追加されたSEリミテッドGのみハイカムシャフトを採用し出力を若干向上させた5A-FHE型ハイメカツインカム(5A-FEの高性能版、最高出力は105馬力(ネット)。エンジンのカムカバー上には「16VALVE EFI・S」と表記。外見上では4A-GE型エンジン搭載車と同じくデュアルタイプのマフラーカッターが装備されていた)が設定されるとともに、2C-III型2000ccディーゼルエンジンを搭載する4WDモデルが追加された(こちらは同年9月に追加)。1800ccディーゼル1C-Ⅱを1C-Ⅲに換装、1300cc2Eは電子制御キャブレターに。
また、このモデルからフルタイム4輪駆動モデルが設定されているが、搭載されるエンジンやトランスミッションごとにシステムが異なり、ガソリンエンジンのMT車にはメカニカル・デフロック付フルタイム4WD、ガソリンエンジンのAT車には電子制御油圧式ハイマチック4WD、後期に追加されたディーゼルエンジン車(MTのみ設定)にはビスカスカップリング・センターディファレンシャル式のフルタイム4WDが搭載された。余談ではあるが4WD車用のコンポーネントの一部にAE85/86レビン(トレノ含む)用の燃料タンクや4リンク・リジット・コイル式のリアサスペンションが流用されていた(ただしホイールハブのP.C.Dは異なる)。
[編集] 7代目(EE100/AE100/CE100系、1991年-2002年)
1991年6月、7代目にモデルチェンジ(ワゴンは同年9月にモデルチェンジ)。このモデルは歴代で一番大きなボディサイズとなった。キャッチフレーズは「大きな 愛のような カローラ」。発売当初のCMソングは、さだまさしの「奇跡-大きな愛のように-」。数ヶ月後には同じくさだまさしの「ありがとう」がCMソングとして起用された。
エンジンは、先代から搭載されている5A-FE型1500cc、4A-FE型1600cc(ハイメカツインカム)と4A-GE型1600cc(スポーツツインカム)、新開発の4E-FE型1300cc(前期型は100馬力、後期型は97馬力)を搭載。ディーゼル仕様は二輪駆動モデルも四輪駆動モデルも2C-III型2000ccに統一された。
100系カローラは時代がちょうどバブル景気の時で質感向上を追求する時代の後押しを受け、重要回路に金メッキ端子を採用したり、ボディ全体の80%に亜鉛メッキを用いた防錆鋼板を大幅採用する(なおE110系カローラシリーズも使用比率は同様)など品質、内外装の質感は非常に高かった。装備も当時の大衆車の水準を大きく凌ぎ、前期型の最上級グレード(1600SE-G)には運転席パワーシートが装備されていたほか、販売価格の面でも小型セダンにしてはかなり割高なものだった(その後「バブル・カローラ」の俗称も現れた)。
1992年5月にはカローラセレスが追加された。全高の低い4ドアハードトップ。姉妹車はスプリンターマリノ。TRDから、セリカ(ST202型)に使われたトランスミッション、ドライブシャフト、および3S-GE型2000ccエンジンを搭載した特別仕様車「TRD2000」(セダンベース)が販売された。ちなみに、セレスベースのTRDセレス2000も存在するが、これはTRD関係者が特別に依頼した物である。生産台数は大変少なく、TRD2000は12台、TRDセレス2000は2台との情報がある。
1993年にはマイナーチェンジが行われた。グリル・バンパー・テールライト・ホイールキャップの形状変更やシートクロスの柄が変更されるなどの変更を受ける。またSE-Gのデジタルメーターのオプション設定とパワーシートがコスト削減の流れで廃止される。またSEリミテッドにおいても価格が下げられた。しかしながら、カローラ歴代史上最高(1990年代当時)とされる高い内外装の質感は変わらなかったため、1995年のモデルチェンジ時まで高い人気を維持して生産し続けられた。CMキャラクターは、イッセー尾形と東ちづる。
E110系登場後もワゴン、バン、セレスはE100系のまま生産が続けられ、セレスは1998年3月頃まで(後継車なし)、ツーリングワゴンは2000年8月まで(後に「カローラフィールダー」となる)、バン及びビジネスワゴンは後継車の「プロボックス」にバトンタッチされる2002年8月まで生産された。この間、ワゴンは1995年のE110系セダン登場と同時に行われたマイナーチェンジ時に4WD車を、翌1996年には4A-GE型エンジン搭載のBZツーリングをそれぞれ追加し、さらに翌1997年の大幅なマイナーチェンジ時には、BZツーリングに6速MTが搭載された。この時のCMキャラクターに篠原ともえとユースケ・サンタマリアが起用され、「カロゴン」の愛称が定着し、「カロゴンズ」名義でCMソングも発売された。なお、バン・ワゴンのディーゼルエンジンは、1998年4月にE110系セダンのディーゼルエンジンが3C-E型2200ccに変更された時に、同時に3C-E型に変更されている。
[編集] 8代目(EE110/AE110/CE110系、1995年-2000年)
1995年5月15日、8代目の110系にモデルチェンジ。登場時のCMキャラクターはピーター・フォーク演じる「刑事コロンボ」。
好景気の後押しを受け車格を超えた装備と質感を追求し、販売価格も割高で「角を矯めて牛を殺す」的なコンセプトだった(実際E100系ワゴン/バンを除く【勿論、1世代限りのE100系セレスも除く】E100系カローラシリーズはその先代にあたるE90系セダン、同E90系レビン、同E90系FXほどの人気を獲得することが出来なかった)7代目の反省を元に、バブル経済崩壊後の8代目は徹底したコスト削減と軽量化を実施した。
基本構造は先代のE100を継承しているが、ボディデザインも抑揚ある複雑な曲線からの簡略化が図られた。品質感の大きな落ち込みが指摘され、要因として硬質プラスチックで覆われた内装、および一部の普及グレードにおける機械(ガバナ)式スピードメーターの採用(但し、タコメーターを装備するグレード(SEサルーン系以上)はE100系と同じ電気(パルス)式スピードメーター)、黒い素地色がむき出しの二分割バンパー、更にフレームなどの溶接がE100系ではスポット溶接を用いていたが、E110系ではその一部にリベット溶接を採用し、製造コストを大きく下げた点などにあるとされ(ただし亜鉛メッキなどを用いた防錆鋼板の使用比率はE100系と全く変わらなかったがある程度防錆処理が向上している)、販売状況は壊滅的なものだった。そのため、1996年5月の一部改良ではバンパーに塗装が施され、同時にABS・デュアルエアバッグを装備するなどの改良が施された。
1997年4月に比較的大規模なマイナーチェンジを行い(セダンの場合、最も変化が大きかったのはリア周辺のデザインだった)、通常のカラードバンパー、ソフトパッドに覆われたインストゥルメントパネルなどを用いて、再びE100系並の品質感を得る事となった。最上級グレードが「SEサルーンG」から「SEサルーンLセレクション」へと変更され、ブロンズガラスや木目調パネル、オートエアコンが標準装備された。同時に後席ヘッドレストを分割式に、ヘッドライトをマルチリフレクター式にするなどの安全装備も充実した。
また、廃止されていたスポーツグレードのGTが6速MTを装備して復活し、E110系カローラの象徴的なグレードとなった。このGTは先代とは異なりDジェトロ方式を採用し、各気筒独立のスロットルの口径も拡大され、1600ccながら出力は165psに達した。これに伴い、「1.6 Sクルーズ」は廃止された。4ドアセダンのボディのcd値(空気抵抗係数)は0.31(前期、後期共)。
1998年4月の一部改良では、ディーゼル車がこれまでの2000ccから2200ccのEFIディーゼル(3C-E型、79ps)に換装された。1300cc4E-FE型エンジン車のマニュアルミッションが4MTから5MTに変更になる。
しばらく続いていた4年サイクルをこの代からやめることになり、2000年8月まで5年あまり販売が続けられた。
[編集] 9代目(NZE120/ZZE120/CE120系、2000年-2006年)
2000年8月28日、9代目にモデルチェンジ。プラットフォームやエンジンが一新され、NZ、ZZ系エンジンが採用される。
通称NCV(New Century Value)シリーズと呼ばれる。フロントグリルのエンブレムも、それまでのカローラ(花冠)マークではなく、NCVを図案化したものに変わった(また、このNCVエンブレムはセダンのアシスタパッケージ(X系グレードをベースに装備を簡素化し、法人向けに特化したグレード。パワーウィンドー、電動リモコンドアミラー等はメーカーオプション扱い)にはフロントグリルに付けられていない。代わりにトヨタのCIエンブレムがフロントグリルに付けられている。海外仕様も同様に、トヨタのCIエンブレムがフロントグリルに付けられている。海外仕様に関しては1990年代以降から)。また、一時はカローラの名前を廃止する計画もあったが、日本を代表する車名という事で残されることになった。
プラットフォームは、V50系ビスタ用およびT230系セリカをベースに縮小化し、E110系(ただし衝突安全ボディ「GOA」を採用した後期型)と比較し更なる軽量化を図り走行安定性向上のため、リヤサスペンションが先代の独立懸架式(パラレルリンク式・ストラット)から固定車軸式トレーリングアーム(同社呼称「イータビーム」。一般呼称カップルド・リンク式)に変更された。全高はE110系セダンに対して90mmも高くなり、ホイールベースはT230系セリカと同じく2600mm(E100系およびE110系カローラと比較すると135mmも延長されている)にまで延長されている。尚、4輪駆動車用には前述のT230系セリカとほぼ共通したバイザッハ・アクスル方式のダブルウィッシュボーン式独立懸架が採用されている。スポーツモデル(セダンGT、カローラレビン)廃止と相まって、スポーツファンには少し寂しいモデルではある(スポーツモデルはフィールダーやランクスに引き継がれた)。
カローラにとっては初のVSC(ビークル・スタビリティ・コントロール)やTRC(トラクション・コントロール)といった安全装備が採用された(ただしセダンの1.8ラグゼールのみ。メーカーオプション。2004年4月以降の後期型ではTRCが廃止)。セダンには1ZZ-FE型1800cc(FF車用は前期型のみ136ps、中期型、後期型は132ps、4輪駆動車用は前期型、中期型、後期型共に125ps)と1NZ-FE型1500cc(前期型のFF車用は110ps、中期型のFF車用は109ps、後期型はFF車の5MT車用は既存の1NZ-FE、109ps、4AT車用はローラー・ロッカーアームを採用した大幅改良版の1NZ-FE、110ps、4輪駆動車用は前期型、中期型、後期型共に105ps)、セダン専用の2NZ-FE型1300cc(前期型、中期型、後期型共に87ps)の3種類のエンジンが搭載され、フィールダーとランクスには前述3種類のエンジンに加え、2ZZ-GE型1800cc(前期型、中期型、後期型共に190ps)が搭載される。ちなみにガソリンエンジン全車、カムシャフトはタイミングチェーンによって駆動される(全車カムシャフトのチェーン駆動を採用するという点は3代目(E30系/E50系)以来26年ぶり)。4ドアセダンのボディのcd値(空気抵抗係数)は0.29。また、フィールダー、ランクスのcd値は共に0.30。
2001年10月の一部改良に伴い、セダンの1.8ラグゼールに本革シート(カローラ初)を標準装備した「1.8ラグゼール・プレミアムエディション」が追加された。同時に車体色も1色追加されている。
2002年9月19日に行われた最初のマイナーチェンジでは、エクステリアデザインおよびインテリアデザインの変更、セダン、フィールダー、ランクス全車のリアシートの中央部に新たにヘッドレストが装備された。
2004年4月28日に行われた2度目のマイナーチェンジでは、セダンとフィールダーは特にフロントノーズ周辺の造形が中期型までの丸みを帯びた造形から、押し出しや目鼻立ちを強調した若干角ばった造形に刷新された(ランクスの場合はランクスの項を参照)。同時にインテリアデザインも大幅に刷新されている(これはランクスも同様)。また、セダンの1.8ラグゼールにはE100系セダンの前期型の1600SE-G以来、パワーシートが再び採用された。
2004年4月のマイナーチェンジまでは、セダンとフィールダーに3C-E型2200ccディーゼルエンジン(既存の3C-E型の大幅改良版で、E120系用のガソリンエンジン同様(NZ型、ZZ型共に)に前方吸気、後方排気というレイアウトを採る。前期型、中期型共に79ps)も用意されていたが、3C-E型ディーゼルエンジン自体の旧態化(元を正せばこのエンジンの母体となったのは1980年代に開発された1C型および2C型ディーゼルエンジンである)および日本国内の環境規制に対応できないため、日本国内仕様のラインナップからは外された。
3代目カローラの1977年1月のマイナーチェンジ以降(E50系)から2006年10月のフルモデルチェンジ直前までの9代目カローラまで(E120系)およそ30年間存在したカローラの1300ccモデルは、このE120系(セダンのみ)が最後となった。また、全グレードにSuper ECTを用いた電子制御4速ATの採用も、このE120系が最初で最後だった。
[編集] E120系に関するトリビア
E120系カローラの開発にあたっては開発初期に試作車両として初代(NHW10系)プリウスを改造した車両を用いて試作を行っていたこともあった。
[編集] CMソング
[編集] CMキャラクター
- セダン・・・北野武(登場時~2004年のマイナーチェンジ前まで)、山田辰夫、近藤真彦、関谷正徳(CM中で近藤真彦と共演)
- カローラランクス・・・つんく(登場時)、中野真矢、柴咲コウ、木村拓哉(2004年のマイナーチェンジ以降)
- カローラフィールダー・・・北野武(登場時)、近藤真彦、武豊、小野伸二、平井堅、木村拓哉(2004年のマイナーチェンジ以降)
- カローラスパシオ・・・森高千里(登場時)、田辺誠一、松雪泰子、豊川悦司(2003年のマイナーチェンジ以降)
[編集] ボディバリエーションの再編
E120系導入の際に、ボディバリエーションが大きく再編された。
- ワゴンモデルには「フィールダー」のサブネームがつくようになった。
- クーペのカローラレビン、商用モデルのカローラバン、および姉妹車であるスプリンターを廃止。
- カローラバンはカルディナバンと統合され、後継モデルとして「プロボックス」、「サクシード」となる。直系モデルはプロボックスバンである。
- E100系以来、日本国内での販売がなかったハッチバックモデルが、「ランクス」というサブネームをつけて再発売された。また、姉妹車としてネッツ店向けに「アレックス」が用意されており、実質的なスプリンターの後継車として位置づけられている。
[編集] 海外仕様車
- 欧州では3ドアハッチバックも販売されており、後年のWRCのベース車にもなった。また、当初はスパシオが欧州向け車名をカローラ・ヴァーソとして販売されていたが、現在は全幅やホイールベースを拡大した欧州専用の2代目ヴァーソにモデルチェンジされている。
- 北米ではセダンのみ販売されているが、前後のデザインが日本仕様や欧州仕様とは大きく異なる。余談ではあるが、北米向けのE120系セダンには他国のE120系セダンには設定されていない2ZZ-GEエンジンを搭載したスポーツ系グレードが存在する(グレードは「XRS」。4速ATだけでなく6速MTも設定)。ちなみに、当初のイメージキャラクターはブラッド・ピットだった。
- アジア仕様車のデザインも北米仕様車のそれに準ずる(但し、シンガポール、香港は日本仕様とほとんど同じ。両国ともセダンのみの販売)。また台湾、東南アジアでは「アルティス」のサブネームが与えられている。(参考リンク)
[編集] 派生車種
[編集] 10代目(NZE140/ZRE140系、2006年-)
2006年10月10日に発売。今回、セダンにはサブネームが付いた「カローラアクシオ(COROLLA AXIO)」の新名称で一新。このネーミングは「品質」「価値」を意味するギリシア語の「AXIA(アクシア)」に由来する。一方、ワゴンは9代目に続き「フィールダー」の名称で展開される。なお「ランクス」の名称で展開してきたハッチバックは、後継車として3ナンバーサイズの新型欧州戦略車「オーリス」を導入することとなり、カローラランクスの名前は1代限りで消え、カローラの派生車種からハッチバックが無くなった。また、オーリスの販売はネッツ店単独となっている。
10代目のキャッチコピーは「新しい尺度。」、「今度のCOROLLAはよくしゃべる」。
なお、今回セダンは海外向けと国内向けとプラットフォームを2つ持つことになる。それは日本国内での根強い5ナンバー需要に対応するためで、従来車の車両寸法をほぼ維持した10代目のアクシオ(セダン)とフィールダー(ワゴン)(E140系)は今モデルより国内専用車となる。
エンジンは1500ccモデルの1NZ-FE型エンジン(今回からすべてローラーロッカーアーム式メカニズムに統一)が継続されるほかは1800ccモデルには1ZZ-FE型エンジンに代わって新開発の2ZR-FE型(DUAL VVT-i対応、136馬力)ガソリンエンジンが新たに搭載された。また、今回からセダン専用でありE50系(3代目の中期型以降)以降から続いてきたカローラシリーズの伝統ともいえる1300ccモデルやフィールダーやランクス、アレックスに搭載されていたスポーツツインカムモデルは廃止された。ただしカローラセダンの1300ccモデルの廃止後は事実上ベルタ(なおトヨペット店ではプラッツの後継車種として販売)がその空いたポジションを受け持つ事となる。
オートマチックトランスミッションは全車CVT(1800cc車には7速のマニュアルモード付きが採用される)である。また、E120系に引き続いて1500ccモデルの2WD車に限りアクシオ、フィールダー共に5速マニュアルミッションも用意される。ちなみにアクシオは法人向けの「1.5X ビジネスパッケージ」(9代目カローラセダンの「X アシスタパッケージ」に相当する)を除き全車にバックモニター機能付5.8インチ液晶ディスプレイ(メーカーオプションでHDDナビを装着した場合は6.5インチに拡大される)が標準で装備される。なお、4WD仕様に関してはアクシオの最上級グレードの「1.8ラグゼールαエディション」を除く全てのグレードに設定される。
CMは先代から引き続き木村拓哉が出演(フィールダー)しており、新たに明石家さんま(アクシオ、フィールダー)や浅田美代子(アクシオ)、柄本明(フィールダー)も起用された。
1987年以降長らくトミカで発売されなかったカローラのセダンだが、このモデルから久しぶりにトミカで発売されることが決定した(2007年5月19日発売予定)。
[編集] 海外仕様車
- 2006年11月、中国・北京で開催されたオートチャイナ(北京国際モーターショー)にて世界初公開された。ボディタイプは現段階ではセダン(E150系)のみで、オーリスのプラットフォームをベースにしている。外寸は全長4540mm×全幅1760mm×全高1490mmで、国内向けと比べて全長が130mm、全幅が65mm、全高が30mm拡大された3ナンバーサイズの車体寸法となっている。また、内装は日本仕様のアクシオとほぼ共通のデザインであるが、外観はアクシオと大きく異なっており、フロントマスクは現行のカムリ風となっている。中国仕様車は1.8L 1ZZ-FE型VVT-iエンジンを搭載する。また、中国名が先代の「花冠」から「卡羅拉」に改名された。このE150系セダンは海外生産も積極的に展開し、今後日本を除く全世界140ヶ国以上で導入される予定である。
- 欧州でも同年11月末から開催のヘルシンキモーターショーでデビューを果たした。欧州仕様車は2種類のガソリンエンジンと2種類のディーゼルエンジンを搭載する。なお、従来のカローラハッチバック(ランクスと同様)の後継車種は欧州においてもオーリスを名乗り、カローラから独立した車種となる。
- 一方、北米向けのE150系はだいぶ間が空いて2008年の発売予定となっている。近年相次ぐ大量リコールの影響により品質管理の見直しを図っていることが新型投入を遅らせている一因である。とはいえ、現行のE120系の販売は長きにわたって好調を維持し続けている。
[編集] モータースポーツでの活動
- 古くはTE25型がラリー出場。
- カローラWRCが世界ラリー選手権で活動した。
1997年のフィンランド・ラリーでデビュー。WRC活動最後の1999年にマニュファクチュアラーズチャンピオンを獲得。インプレッサWRCやランサーエボリューションに比べ、絶対的なスピード面では一歩譲ったものの、ターマック、グラベル、スノー・アイスなどどの路面でも安定した速さを見せた。特にハンドリングのよさ、マシンセッティングのしやすさは抜群で、いろいろなタイプのドライバーに好まれた強いラリーカーであった。
[編集] ダイハツでの生産
パブリカ、スターレットがメインでカローラは意外に少なく、1975年11月から1977年12月までH-KE26V、1984年9月から1987年7月までE70V系、E70G系、1987年6月から1991年9月はE9#系、1991年6月から2002年6月までE10#系が委託生産された。また、カローラベースでシャルマンとしてダイハツで発売されていた。
[編集] 取扱販売店
当初はパブリカ店扱いであったが、1969年にパブリカ店がカローラ店に改称され現在に至る。なお、ディーゼル店でも併売されていたが、ディーゼル店の他系列への吸収(但し、宮城県ではディーゼル店がカローラ店(現:トヨタカローラ宮城)に、パブリカ店は一時カローラ店で冠していたがオート店(現:ネッツ店・ネッツトヨタ仙台)にそれぞれ社名変更)により販売は終了した。
[編集] 競合車種(2007年3月現在)
- ベルタ(トヨタ) - 1300ccモデルのみ
- プレミオ(トヨタ) - 2000ccモデルは除く
- アリオン(トヨタ) - 2000ccモデルは除く
- ティーダラティオ(日産)
- ブルーバードシルフィ(日産) - 1500ccモデルのみ
- フィットアリア(ホンダ)
- ランサーセダン(三菱) - 1500ccモデルのみ
- アクセラセダン(マツダ) - 1500ccモデルのみ
- インプレッサセダン(スバル) - 1500ccモデルのみ
- エリオセダン(スズキ)
[編集] 関連項目
- トヨタ自動車
- トヨタ・スプリンター
- トヨタ・カローラレビン
- トヨタ・WiLL VS
- トヨタ・カローラフィールダー
- トヨタ・アレックス
- トヨタ・カローラランクス
- トヨタ・オーリス
- トヨタ・ブレイド
- トヨタ・カローラスパシオ
- トヨタ・ヴォルツ
- トヨタカローラ店
- ネッツ店
- トヨタのエンジン型式一覧
- おはよう720・おはよう700(看板コーナーのキャラバンIIでE30系セダン/E50系リフトバック、E70系リフトバックを使用)
- 林家ペー(5代目モデルのE80系から新型が出るたび乗り継いでいる著名人のユーザー)
- ザ・ハングマン4(ドラマ本編では、タクシー(2号車)にカモフラージュした5代目モデルのE80系セダン(1600『SR』)が登場する。悪人の悪事が発覚すると、「緊急指令、トラ!トラ!トラ!」の号令でタクシーからハングマンカーに変身する)
- ダブルスコア(ドラマ本編では、E120系セダンの覆面ミニパトロールカーが登場する。グレードは前期型の1.5Xでトランスミッションは5MT。また、本作品に限らずカローラの覆面ミニパトロールカーは一部のサスペンス系2時間ドラマに登場しているケースも少なくない)
- 日経スペシャル ガイアの夜明け(2006年11月14日放送の回で10代目発売前の裏側を特集した)