北近畿 (列車)
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柏原駅に入線する北近畿
大阪駅停車中の北近畿 (183系800番台 国鉄色)
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北近畿(きたきんき)とは、西日本旅客鉄道が新大阪駅~福知山駅・豊岡駅・城崎温泉駅間を福知山線・山陰本線経由で運行するエル特急の名称である。
北近畿ビッグXネットワークを形成する列車の1つである。
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[編集] 運行概要
- 大阪から丹波・丹後地区への観光特急の色合いを持っており、特に冬場は毎年運行されている「カニカニ日帰りエクスプレス」キャンペーンの一環で利用客が増える。また、福知山駅以南は福知山線の通勤特急的な要素もあり特に篠山口駅~福知山駅間は普通列車の本数が少ない関係でこまめに停まる列車もある。
- 特急列車が運転されるサイクルには大阪発着の快速列車は運転されない。また快速との所要時間が大きくないためにいわば三田以南ではホームライナー的な要素も持っている(三田以南で通過する快速停車駅は西宮名塩駅・中山寺駅・川西池田駅・伊丹駅のみ)。
- 停車駅
- 新大阪駅 - 大阪駅 - 尼崎駅 - 宝塚駅 - 三田駅 - (新三田駅) - (相野駅) - 篠山口駅 - (谷川駅) - 柏原駅 - (石生駅 - 黒井駅 - 市島駅) - 福知山駅 - 和田山駅 - 八鹿駅 - 江原駅 - 豊岡駅 - 城崎温泉駅
- 括弧内の駅は一部列車が停車。
[編集] 沿革使用車両・設定座席沿革
[編集] 福知山線優等列車沿革
[編集] 戦後の展開
- 1960年(昭和35年)6月1日、大阪駅~城崎駅(現:城崎温泉駅)間を運行する準急列車「丹波」(たんば)が運行を開始する。
- 1961年(昭和36年)10月1日、「サン・ロク・トオ」とのちに称されたダイヤ改正に伴い、以下のように変更となる。
- 1964年(昭和39年)3月20日、「まつかぜ」運行区間を博多駅まで延長する。
- 1964年9月1日、観光団体専用列車として「山陰観光」が大阪駅~大社駅間(上りは出雲市駅発編成もあり)が設定される。なお、運行種別としては下りが夜行準急列車、上りが急行列車と運行形態により変化を持たせていた。
- 1965年(昭和40年)3月1日、大阪駅~天橋立駅間を運行する準急列車「はしだて」が運行を開始する。
- 1965年(昭和40年)10月1日、このときのダイヤ改正に伴い以下のように変更する。
- 1966年(昭和41年)3月5日、準急行制度の見直しにより「丹波」・「はしだて」急行列車に格上げ。
- 1966年(昭和41年)10月1日、「三瓶」大社線乗り入れ列車の大社線内を普通列車に格下げ。
- 1968年(昭和43年)10月1日、ヨン・サン・トオとのちに称されるダイヤ改正に伴い、以下のように変更される。
- 「はしだて」の名称を廃止。主に大阪駅発着福知山線経由で兵庫県北部・京都府北部発着の列車名として「丹波」の名称が充てられる。これに伴い、「丹波」は福知山駅・豊岡駅・城崎駅・天橋立駅発着の4往復体制となる。なお、豊岡駅発着の内1往復は綾部駅経由であった。
- 大阪駅発着福知山線経由で山陰地方を結ぶ急行列車であった「山陰観光」・「三瓶」・「白兎」・「おき」の名称を「だいせん」に統合。これにより、「だいせん」夜行列車を含む4往復体制を取る。
- 1970年(昭和45年)10月1日、「丹波(上り)3号」豊岡駅→天橋立駅間を普通列車に格下げ。
- 1972年(昭和47年)3月15日、山陽新幹線岡山駅開業に伴うダイヤ改正に伴い、以下のように変更する。
- 1972年10月2日、以下のようにダイヤ改正を行う。
- 「丹波」 大阪駅~福知山駅間の下り1本を増発。
- 「まつかぜ(下り)1号・(上り)2号」の運行区間を下り大阪駅始発、上り新大阪駅着とする。
- 「いなば」、福知山駅以西を「白兎」と併結運転となる。
- 1975年(昭和50年)3月10日、「いなば」の名称を「いでゆ」に変更する。なお、「いでゆ」上り列車は福知山線内を「丹波(上り)2号」を併結運転とした。また、「だいせん(下り)1号」の運行区間を大阪駅→浜田駅間に変更する。
- 1978年(昭和53年)10月2日、ゴー・サン・トオとのちに称されるダイヤ改正に伴い、以下のように変更する。
- 「丹波」下り1本を減便する。
- 「いでゆ」列車名を「だいせん」に変更。これに伴い、「だいせん」4往復に復帰。
- 1980年(昭和55年)10月1日、「丹波5・2号」運行区間を大阪駅~福知山駅間に短縮。
- 1982年(昭和57年)7月1日、「まつかぜ3・2号」運行区間を米子駅まで延長する。
- 1985年(昭和60年)3月14日、「まつかぜ1・4号」の運行区間を短縮し、上り新大阪駅・下り大阪駅~米子駅間の運行とする。
[編集] 福知山線全線電化後の展開
- 1986年11月1日、福知山線宝塚駅~山陰本線城崎駅間電化完成に伴い、以下の特急列車・急行列車を統合し「北近畿」(きたきんき)運行を開始。
- 特急「まつかぜ」
- 急行「丹波」
- 急行「だいせん」(昼行列車分のみ)
- その際、特急「まつかぜ」など城崎駅以遠発着の列車については、城崎駅より連絡する快速列車を設定していた。
- 1989年、「北近畿」1往復を延長する形でエーデル形気動車による特急「エーデル鳥取」を運行開始。運行区間は、大阪駅~倉吉駅間。
- 1990年、「北近畿」2往復をエーデル形気動車による「エーデル北近畿」運行開始。また、「北近畿」1往復に北近畿タンゴ鉄道宮福線直通特急「エーデル丹後」連結。
- 1991年、大阪駅~城崎駅間を運行する臨時急行列車として「きのさき」が運行される。
- 1992年、舞鶴線東舞鶴駅まで「エーデル北近畿」延長。福知山駅で東舞鶴駅発着列車と浜坂駅発着列車との分割・併結を行う。
- 1994年、「エーデル鳥取」運行区間を鳥取駅までに短縮。
- 1995年、「きのさき」運行を終了。
- 1996年、ダイヤ改正に伴い以下のように変更。
- 1997年、尼崎駅改良工事完成に伴い、全列車(「文殊」、急行「だいせん」も含む)尼崎駅に停車開始する。
- 1999年、「エーデル鳥取」・「エーデル北近畿」運行終了。また「北近畿」、「タンゴディスカバリー」の連結も終了。
- 2004年、急行「だいせん」運行終了に伴い、新大阪駅~福知山駅間に下り1本を増発。
- 2005年4月25日、JR福知山線脱線事故が発生。6月18日まで新大阪駅~福知山駅間が運休となる。なお、この事故の際、事故現場に新大阪発の「北近畿3号」が迫っていたが、近くの踏切の非常ボタンが押されて特殊信号発光機が点灯したため運転士が異常を察知し非常ブレーキを掛け、100m手前で停車させたため危うく難を逃れている。
- 2007年3月18日、「北近畿」・「文殊」全面禁煙化を実施。
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