時刻出し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
時刻出し(じこくだし)とは、テレビ局が現在の時刻を画面上に出すテロップ表示のことを指す。俗称として「テレビ時計」(-どけい)、「時刻表示」とも呼ばれることも多い。
目次 |
[編集] 表示時間帯
- 朝帯
- 日本国内では一般に早朝の放送開始時から9時台にかけて表示されている(最近は在京キー局で10時台の情報バラエティ番組での表示が出てきているが大半の地域は朝のワイドショーが終わる頃までの表示になる)。いわゆるカスタム表示や天気ループを表示する局が多い。
- 昼帯
- 12時台の番組で表示されている。かつては地方局での表示が中心だったが、近年では在京キー局での表示も増えている。昼をまたぐ番組では11時台から表示する局もあればこれまで同様12時台での表示と分かれている。在京局のほとんどは0時と表示するがTBSテレビは12時と表示する。ここでは天気ループを表示する局は少ない(昼前のニュース枠で表示する局はある)。
- 夕方帯
- 17~18時台のニュース番組、報道番組、夕方ワイド番組枠を中心に表示されるが、時刻出しは本編のみで、コマーシャル中はそれを中断する局がある。ここではカスタム表示を使う局は少ない。在京キー局ではコーナーに寄って天気ループを単体で表示し、時刻出しを消す場合もある。
- なお、スポーツ競技大会が日本時間の早朝や12時台、平日夕方に行われる場合には時刻出し表示を行わないケースもある。近年ではテレビ朝日系でゴルフ中継の時には左上の何番ホールなどの表示と重ならないように右上に表示することもある。
- また、ニュース速報・地震速報・気象情報(地方局中心)など各種速報テロップが表示される場合も時刻出し表示を一時消去することがあったりする。
[編集] 表示位置
時刻表示の位置は通常左上であるが、1980年代半ばから後半頃のTBSテレビなどのJNN系列局や北海道文化放送、岡山放送や1990年代前半頃の北海道テレビ放送、並びに2006年7月31日までのびわ湖放送、現在の放送大学(実際に放送を行っているのは放送大学学園)テレビジョン放送やウェザーニュースのように右上に表示したり、また1970年代(JNN系列局などは1980年代)までは通常左下表示だった。(現在、民放は全て左上表示だが、CS放送のスカイ・A sports+が左下に表示している。)
[編集] 歴史
[編集] 創成期~1980年代
日本における時刻出しは、日本テレビが1956年8月に早朝放送を開始した際に、アメリカNBCテレビの報道番組「TODAY」を真似て「NTVニュース」で行った(当然左下表示)ことに始まる。
普通は分単位までしか表示しないが、2006年7月31日までのびわ湖放送や、かつてのJNN系列の早朝ワイド番組、岐阜放送や群馬テレビなどの局の早朝のオープニング前の試験電波(テストパターン)時は秒単位まで表示することもあった。また、テレビ朝日で放送されていた「おはようテレビ朝日」やメ~テレで放送されていた朝の番組「コケコッコー」では、番組開始から終了までCMも含めて秒単位で時刻を表示していたほか、NHKでも1970年代末と1980年代後半に10秒間の時刻表示の際に“秒”の表示を実施していた。
[編集] 1990年代
通常の時刻表示と別に朝の時間帯に、より目立つ文字で表示する「カスタム表示」に見られる時刻表示のデザイン多様化は、1990年にフジテレビが、早朝の情報番組「グッドモーニングジャパン」の時間帯で採用したのが始まりで、番組は3ヶ月の打ち切りと共に一旦消滅する。さらに3ヶ月後の1990年11月には、TBSのビッグモーニングで関東ローカルながらカスタム表示が登場し、同じく関東ローカルでやじうまワイドにも広がった。そして本家フジテレビも1994年放送開始のめざましテレビで、大型フォントで全国ネットワーク共通時刻表示が復活し、それからは全国に広がっている。
1991年10月、NNNニュースプラス1のリニューアルに合わせ日本テレビで夕方18時台の時刻表示が始まり、夕方のニュースで初めての時刻表示となる(ただし、過去にもフジテレビのお天気チャンネルで夕方16時台の表示が存在した。)。しばらくは他局に影響が波及することはなかったもののその後も時刻表示は続き、プラス1の放送時間拡大に合わせ表示時間も拡大した。 そんな中で1997年、大きな変化が現れた。3月30日、この日から開始したフジテレビのFNNニュース555 ザ・ヒューマンでCM中を除く全編で時刻表示が始まった。そうするとNHKの首都圏ネットワーク、テレビ朝日のスーパーJチャンネルでも次々に始まり、9月1日にTBSのJNNニュースの森でも開始され、半年もしないうちに関東地方の夕方18時台のニュース番組全てで時刻表示が始まったことになる。 地方局での夕方の時刻出しは2000年代に入ってから急速に普及することになるが、皮肉にも関東で夕方の表示が本格化するきっかけとなったフジテレビ系列は一歩、出遅れている。
かつては岡山放送のように朝から夕方まで12時間連続で表示していた局もあった。
[編集] 2000年代・地上デジタル放送開始
通常の時刻表示は、2004年頃までは「興和フォント」と呼ばれる独特のフォントが全国的に主流だったが、地上デジタル放送開始に伴い放送設備を更新する放送局が相次ぎ、現在はNHKのデジタル放送はセグメント文字で統一(デザインは地上デジタル、デジタルBS1・BS2、デジタルBShiでそれぞれ異なる。)、民放は丸みを帯びたゴシック文字を中心に、様々なデザインが存在する。(ちなみに、テレビ埼玉のデジタル放送はデザインこそNHKのいずれのデジタル放送波とも異なるものの、NHKと同じくセグメント文字を採用している。)
[編集] 天気予報テロップ(天気ループ)
- 一般には放送エリア内の各地域の天気予報、降水確率、気温予報などを出すことが多い。(時刻出し表示位置の右、もしくは下に表示するが、主に前者の方が多い。)
- 局によっては放送エリア内だけでなく全国主要都市の天気予報などを出すこともある。(テレビ東京の「ニュースモーニングサテライト」の放送中は全国共通で全国主要都市の天気予報と主要株価指標が画面上部に表示される。また「おはスタ」第2部内でも同様にTXN系列が存在する地域のエリア内と「おはスタ」をネットする独立UHF局が存在する地域のエリア内のみの天気予報をネット局すべてに送出している。)
- テレビ朝日「やじうまプラス」では2007年3月30日まで、番組終盤に天気予報テロップを一時消去し、時刻表示右に全国送出で「今日の占い」の表示をしていた。
- NHK宮崎放送局では1994年頃、地元の天気表示に全国放送用のテロップが重なったときに自動的に天気表示を消すシステムを開発した。
[編集] 時刻出しの分類(フォントの種類)
時刻出しはアナログ放送とデジタル放送では、フォントや種類が違う。
- 通常表示
- 興和フォント
- 一昔前までは、NHK・民放各局のほとんどのテレビ局が使用しており、主流でおなじみであった独特のフォント。数字にしっかり特徴があるので見分けやすい。現在は地上デジタル放送移行によるデジタルマスター更新により、姿を消しつつある。ただし、既存マスターをデジタル対応に改修しただけの北海道テレビ(HTB)、静岡朝日テレビ(SATV)や、デジタル・アナログ統合マスターに交換した局では三重テレビ放送(MTV)、などのようにアナログ放送のみ興和フォントを使い続けている局がある。また、新たなマスターに切り替えた局の中でも日本テレビ(NTV)では興和フォントに似た独自のフォントを使っている。興和フォント使用局でもそれぞれの局によって縁の太さ等はそれぞれ違う。なお中国放送(RCC)は2000年ごろからデジタル放送によるマスター更新までは興和フォントだが文字の色はオレンジ色であった。
- 後期丸フォント
- 「後期丸サークルエッジ」と比べ、少し文字の太さが細いのが特徴的。テレビ朝日(EX)、ミヤギテレビ(MMT)、テレビユー福島(TUF)(TUFは、信越放送(SBC)と同様にサイズが一回り小さめ)、テレビ神奈川(tvk)、TOKYO MX(MXTV)等が使用。また、地上デジタル放送のみ後期丸フォントを使用している局もある。(関西テレビ(KTV)など)東芝・NEC製ともに2004年頃運用開始のマスターで多用されている。
- 後期丸サークルエッジ
- 丸みを帯びた形のもので、地上デジタル放送移行により、使用する局はアナログ・デジタル共に増えつつある。大きさも少し大きめ。使用している代表的な局は静岡第一テレビ(SDT)、長野朝日放送(abn)、新潟総合テレビ(NST)、福井放送(FBC)などNEC・松下製デジタルマスターを導入している局で使われる。比較的多くの県で見られるフォントである。
- 非写植マール
- 丸文字のフォントである。大きさは少し小さめで、細い。文字も特徴的である。テレビ東京(TX)、毎日放送(MBS)、山陰放送(BSS)、テレビせとうち(TSC)、福岡放送(FBS)、宮崎放送(MRT)が使用。
- 東芝製ゴシックフォント各種(ゴシックアレンジ・東芝ゴシック・東芝デジ丸)
- ゴシックの種類のものである。東芝製デジタルマスターを導入している局で使われる。最近では、ゴシックアレンジ使用局が減り、少し変更を加えた東芝製のゴシックのフォント(通称:東芝ゴシック)がよく使われている傾向がある。地方局のデジタルマスター更新で2005年頃から増え、東北・北陸地方、広島県のテレビ局でよく見られる。デジタル用はアナログ用と異なり丸みを帯びた独特なフォント(通称:東芝デジ丸ゴシック)で表示していることが多かったが、2006年に入ると同フォントを使用していた局のほとんどがアナログと同様、東芝ゴシック(アナログ用とは違いがある)に変更した。
- その他
- その他、様々なフォントを各テレビ局が独自として使用する場合もある。縁の太さに変化をつけたり、ゴシック風にしたり、丸文字風にしたり、パソコンで使われるものとまったく同じフォント(テレビ静岡(SUT)のアナログ放送はMSゴシックの半角(デジタルは東芝ゴシック)、TBSテレビは創英角ゴシック、フジテレビはJTCウィンR(除「めざましテレビ」)、東日本放送(KHB)と中部日本放送(CBC)はデジタル・アナログともTime New Romanなど)にしたりと多種多様である。
- カスタム表示
- 早朝(カラーバー時)や午前中の情報番組でよく見られるもの。(一部の局では夕方のニュース番組でも実施。局によってはCMを除く時刻出しをする番組全てにおいてカスタム表示という場合がある)民放各局によって、時刻に様々なデザインや色などが施されており、そのデザインは多種多様である。サイズは一般的には通常表示より大きめとなっている。天気テロップとセットで表示される場合が多い。
また、テレビ局によって、カスタム表示がないところもある。(存在しない局は朝の時間帯も通常表示)
カスタム表示の代表としては時刻出しとしては異例の全国に送出している「めざましテレビ」の時刻出しが代表的である。「SmaSTATION」もアナログ時計で全国送出している。
[編集] 地上デジタル放送への対応
地上デジタルテレビジョン放送では、放送局が電波を送信してから各受像器に画面が表示されるまでの間に、若干の遅延(約2秒間)が発生する。さらにワンセグ放送では、3秒以上遅延することも多い。このため、従来からの時刻出しの方法では正確な時刻の伝達が難しくなっており、ほとんどの民放では時刻表示の変化をクロスフェード(テレビ岩手・めんこいテレビなど)、文字の回転、文字のせり上がり(IBC岩手放送など)などにして、遅延による影響を最小限にとどめている(NHKでは従来どおりの切り替わり方(クロスカット)である。放送局側でタイムラグ発生分の秒数を早くずらしてアナログ放送と同じタイミングの切り替わりに合わせている。BSデジタル放送も同様)。サンテレビジョン・岐阜放送の地上デジタル放送では終日表示されない。ワンセグ放送では、NHK総合の全放送局、青森放送(「日テレNEWS24」を除く)、TBC東北放送、山形放送、テレ玉、SBC信越放送、テレビ大分は終日非表示、それ以外はハイビジョン放送に準じて表示されている。また、アナログ放送でも秋田テレビが番組により2秒位前の表示オフ、秋田朝日放送では通常フォントでカットフェードを使用しているなど、地上デジタルのタイムラグの発生を考慮している放送局も出てきている。
また、NHKで地上デジタル放送を実施している放送局では番組切り替え(または終了)の3秒前に表示が消える(地方により天気予報のあと、時報なしでそのままニュースに入る放送局もある)。しかし、「おはよう日本」「ニュース7」では(朝と夜の)7時直前の時計の秒針が少しずつ進み、7時ちょうどにポーンという効果音が鳴る演出(いわば時報としての役目)があったのだが、これは7時ちょうどに7時を差す時計が出てくるだけの演出に変更になっている(正午のニュース〔12時〕の場合も同様)。これはもちろん、遅延が発生するためである。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ksq annex 1 時刻表示リスト(全国のテレビ局の時刻表示を収集した個人サイト)