JR九州815系電車
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JR九州815系電車![]() |
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両数 | 52両(2両編成26本) | ||
起動加速度 | 2.6 km/h/s | ||
営業最高速度 | 120km/h | ||
設計最高速度 | 120km/h | ||
速度種別 | A24 | ||
編成出力 | 150kW×4=600kW | ||
編成定員 | 人(立席)+人(座席)=人 | ||
全長/全幅/全高 | 20000mm/2950mm/3680mm | ||
編成重量 | 62.0 t | ||
軌間 | 1067mm(狭軌) | ||
電気方式 | 交流20000V 60Hz | ||
制御装置 | VVVFインバータ制御(IGBT素子) | ||
ブレーキ方式 | 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ | ||
製造 | 全車日立製作所 |
815系電車(815けいでんしゃ)は、九州旅客鉄道(JR九州)の交流近郊形電車。1999年(平成11年)10月1日の豊肥本線(熊本駅~肥後大津駅)の電化開業に併せて営業運転を開始した。
目次 |
[編集] 車両解説
1999年10月1日、豊肥本線熊本~肥後大津間が電化開業するのと同時に、鹿児島本線熊本地区および日豊本線大分地区でワンマン運転が開始されることから製造された車両である。熊本・大分地区でのワンマン運転開始は、423系および457系・475系の置き換えをも兼ねたものである。
JRグループでは初めて日立製作所のA-trainシステムを用いて製造された車両である。デザインはそれまでのJR九州の車両と同様、水戸岡鋭治率いるドーンデザイン研究所が手掛けている。
811系電車・813系電車・817系電車との連結運転が可能となっている。
2001年(平成13年)、グッドデザイン賞およびブルネル賞を受賞した。最高速度120km/h。
[編集] 車体
A-trainシステムの特徴の一つである、FSW方式(摩擦撹拌方式)により製造されたダブルスキン構造のアルミ合金車体となっており、従来の813系電車より更に軽量化が図られた。片側3箇所に両開き扉が設置されている。窓は813系と異なり、扉間に1枚の固定式大窓を設けている。車端部の窓も固定式で、開閉可能な客用窓は無い。窓ガラスはUVカットガラスを使用し、カーテンを省略している。
前面は813系と同様、中央に貫通扉を設けている。前照灯と尾灯は813系よりも高い位置に上げられた。
塗装は813系と似ており、無塗装地で扉部分を赤色に塗装しているが、813系のように前頭部を接合する車体構造ではないため前面の縁と貫通扉を赤く塗っている。
[編集] 台車・機器
台車は軽量ボルスタレス台車のDT404K(電動車)、TR404K(制御車)である。813系と異なり、ヨーダンパが省略された。
制御方式はVVVFインバータ制御。また、同社で初めてIGBT素子を用いた交流回生ブレーキと逆相ブレーキ(後の全電気ブレーキ)が使用可能な主変換装置を採用している。
運転台はJR九州初のワンハンドルマスコンである。2両編成が基本で、ワンマン運転対応である。813系と同様の乗務員支援モニタも備えている。また、普通列車用としては初めて定速制御を備えた。
固定編成であり、パンタグラフはシングルアーム式のものを制御電動車(クモハ815形)に設置している。
[編集] 車内設備
これもA-trainシステムの特徴の一つであるが、ユニット化され製造工程の合理化が図られた車内が特徴で、運転室およびトイレが独立したユニットとして設置されている。座席はJR九州発足以降の新形車両としては初めてロングシートが採用されており、背もたれと座布団が1人分ずつ独立している。
ワンマン運転を行うため、運賃箱や運賃表示器、整理券発行機を備えている。
[編集] 編成
全編成、上り側からクモハ815形 - クハ814形の2両固定編成である。製造番号は編成ごとに同じ番号で揃えられている。編成自体にも「Nxxx」の編成番号が与えられている。「N」は815系であることを示し、「xxx」は車両の製造番号に対応している。
車両に表示される編成番号は「Nxxx」だが、正式な編成番号は熊本配置車が「NTxxx」、大分配置車「NOxxx」である。
編成記号の「N」は以前715系に使用されていた(N101~112編成)が、同系列は1998年に廃系列となっており、本系列との記号重複は生じていない。
[編集] 製造
N001~N026の26編成が一度に製造された。技術上の理由により、ほとんどが日立製作所製であるが、N026編成のみ小倉工場製である。N015編成は2000年頃にN027に改番されており、現在の編成番号はN001~N014・N016~N027である。
これ以降は転換クロスシート採用の817系電車に移行し、本系列の増備は行われていないが、この車両の設計思想は817系にも受け継がれることになる。なお、方向幕は811系や813系の空コマに、豊肥本線ローカル系統の行先を追加した内容である。
[編集] 運用
2007年3月現在、以下のとおりである。本系列は、JR九州発足後に登場した在来線用電車系列の中で、唯一博多駅への定期列車としての乗入れがない。(303系は、地下鉄ではあるが博多駅に乗入れている。)
[編集] 熊本運輸センター所属車
1999年10月1日のダイヤ改正に併せて熊本鉄道事業部熊本運輸センター(熊クマ)にN001~N017の17編成が配置された。この内N007~N010は豊肥本線高速鉄道保有株式会社が保有している。その後、先述のようにN015はN027に改番された。同時に2両編成時は車内収受式のワンマン運転を実施するようになった。
配置当初、運用線区は鹿児島本線銀水~八代間および豊肥本線熊本~肥後大津間が中心で、朝1本下りのみ鳥栖始発の運用があった。
2005年3月1日のダイヤ改正により、N016・017が大分鉄道事業部大分車両センターに転出し、代わりに大分に配置されていた817系V012・013が熊本に転入している。また同改正で鳥栖~銀水間でのワンマン運転が開始されたことから、熊本地区だけでなく、北部九州地域本社管内でも常時使用されるようになった点が特筆される。これに伴い南福岡電車区の運転士も本形式の乗務を担当するように改められている。同じく熊本所属の817系も同区間で使用されるようになったが、817系とは運用が分離されている。ただし互いに代走することがある他、同系列との併結運用もある。ちなみに、1区分番台1編成の717系900番台が本センターに在籍していた時期(2004年3月~2007年3月)は、本系列が代走に充当されていた。
2006年3月のダイヤ改正で、ワンマン運転が駅収受式に改められたため、運賃箱や整理券発行機を使用しなくなった(運賃表示器の駅名表示のみ使用)。ただし、田原坂駅は乗車券の券売機が設置されていないため、乗車方法が異なる。
[編集] 大分車両センター所属車
熊本配置の17編成と同時に大分鉄道事業部大分車両センター(分オイ)にN018~026編成の計9編成が配置された。
運用線区は日豊本線柳ヶ浦~佐伯が中心で、早朝の下り1本のみ中津始発運用がある。この他、先述の中津始発列車の送り込みで宇島までの回送運用がある。中津~柳ヶ浦間を除き、大部分が2両編成時はワンマン運転を実施している。
2005年3月に熊本からN016・017編成が転入し、現在はN016~026の11編成となっている。