いわて銀河鉄道線
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いわて銀河鉄道線(いわてぎんがてつどうせん)は、岩手県盛岡市の盛岡駅と青森県三戸郡三戸町の目時駅を結ぶIGRいわて銀河鉄道の鉄道路線(第一種鉄道事業者)である。また、日本貨物鉄道(JR貨物)が第二種鉄道事業者となっている。
目次 |
[編集] 路線データ
- 区間(営業キロ):盛岡~目時(82.0km)
- 軌間:1067mm
- 駅数:18駅(起終点駅含む)
- 複線区間:全線複線
- 電化方式:交流(20,000V 50Hz) - 全線
- 閉塞方式:複線自動閉塞式(CTC付帯、ぎんが指令)
[編集] 運転
[編集] 地域輸送
運転系統としては青い森鉄道線と事実上一体であり、毎時1本程度の各駅停車及び少数の快速列車が盛岡~八戸間で直通運転されるのが基本である。盛岡~いわて沼宮内間の区間列車も多いが、社界駅である目時駅は相対式ホームがあるだけの無人駅であるため、ここを始発・終着とする列車はない。
盛岡~好摩間にはJR東日本花輪線から列車が乗り入れているが、両社境界の好摩駅における両社間引継は行われず、JRの列車はIGR線上でもJR東日本側の乗務員が盛岡駅まで通しで乗務する形となっている。
[編集] 広域輸送
転換前と同様、本州と北海道を結ぶ物流の幹線ルートの一部であり、多数の貨物列車の他、上野~札幌間の寝台特急「北斗星」・「カシオペア」が通過するが、盛岡を除いて線内の停車駅はない。
[編集] 歴史
- 1891年(明治24年)9月1日 日本鉄道盛岡~(目時~青森)間が開業。当時目時駅は未開業。
- 1893年(明治26年)2月15日 一ノ戸駅(現在の一戸駅)開業。
- 1898年(明治31年)1月11日 川口駅(現在の岩手川口駅)開業。
- 1906年(明治39年)1月21日 滝沢駅開業。
- 1906年(明治39年)11月1日 日本鉄道が国有化。
- 1907年(明治40年)11月1日 一ノ戸駅を一戸駅に改称。
- 1909年(明治42年)9月21日 小繋駅開業。
- 1909年(明治42年)10月12日 線路名称制定。東北本線とする。
- 1909年(明治42年)11月25日 金田一駅(現在の金田一温泉駅)開業。
- 1915年(大正4年)9月11日 中山駅を奥中山駅に改称。
- 1918年(大正7年)11月1日 厨川駅開業。御堂信号場開設。
- 1921年(大正10年)6月1日 福岡駅を北福岡駅に改称。
- 1924年(大正13年)12月20日 目時信号場開設。
- 1934年(昭和9年)2月1日 川口駅を岩手川口駅に改称(同年2月15日に埼玉県の川口町駅を川口駅に改称)。
- 1943年(昭和18年)10月1日 滝沢~好摩間に渋民信号場、奥中山~小繋間に西岳信号場開設。
- 1944年(昭和19年)10月11日 厨川~滝沢間に長根信号場、御堂信号場~奥中山間に吉谷地信号場、小繋~小鳥谷間に滝見信号場開設。
- 1948年(昭和23年)10月1日 目時信号場を格上げして目時駅開業。
- 1949年(昭和24年)9月15日 御堂信号場~奥中山間の吉谷地信号場廃止。
- 1950年(昭和25年)12月1日 渋民信号場を格上げして渋民駅開業。
- 1956年(昭和31年)10月8日 御堂信号場~奥中山間が複線化。
- 1960年(昭和35年)11月1日 盛岡~厨川間に青山信号場開設。
- 1961年(昭和36年)4月15日 御堂信号場を格上げして御堂駅開業。
- 1962年(昭和37年)12月10日 斗米信号場開設。
- 1964年(昭和39年)12月8日 盛岡~青山信号場間が複線化。
- 1965年(昭和40年)8月4日 青山信号場~厨川間が複線化。青山信号場廃止。
- 1965年(昭和40年)9月21日 渋民~好摩間が複線化。
- 1965年(昭和40年)9月25日 一戸~鳥越信号場間が複線化。鳥越信号場開設。
- 1965年(昭和40年)9月27日 小繋~滝見信号場間が複線化。
- 1965年(昭和40年)12月14日 西岳信号場~小繋間が複線化。
- 1966年(昭和41年)9月26日 奥中山~西岳信号場間が複線化。西岳信号場廃止。
- 1966年(昭和41年)10月1日 斗米信号場を格上げして斗米駅開業。
- 1967年(昭和42年)7月25日 滝見信号場~小鳥谷間 複線化。滝見信号場廃止。
- 1967年(昭和42年)9月15日 岩手川口~沼宮内間が複線化。
- 1967年(昭和42年)9月29日 滝沢~渋民間が複線化。
- 1967年(昭和42年)12月14日 金田一~目時間を複線新線に切り替え。
- 1968年(昭和43年)4月25日 厨川~滝沢間が複線化。長根信号場廃止。
- 1968年(昭和43年)6月4日 沼宮内~御堂間が複線化。
- 1968年(昭和43年)6月11日 鳥越信号場~北福岡間が複線化。鳥越信号場廃止。
- 1968年(昭和43年)6月17日 好摩~岩手川口間が複線化。
- 1968年(昭和43年)6月21日 北福岡~金田一間が複線化。
- 1968年(昭和43年)7月12日 小鳥谷~一戸間間が複線化。盛岡~目時間の複線化完成。
- 1968年(昭和43年)8月22日 盛岡~目時(~青森)間が交流電化。
- 1976年(昭和51年)8月2日 盛岡~目時(~青森)間CTC化。
- 1987年(昭和62年)2月1日 北福岡駅を二戸駅に、金田一駅を金田一温泉駅に改称。
- 1987年(昭和62年)4月1日 国鉄分割民営化に伴い東日本旅客鉄道に承継。
- 2002年(平成14年)12月1日 東北新幹線の八戸延伸に伴い並行在来線として東日本旅客鉄道(JR東日本)から移管しいわて銀河鉄道線となる。沼宮内駅をいわて沼宮内駅、奥中山駅を奥中山高原駅に改称。
- 2005年(平成17年)1月 小繋駅に置かれた「命のノート」を題材にした映画『待合室』ロケにIGRいわて銀河鉄道が全面協力。
- 2005年(平成17年)9月10日 開業3周年特別企画として社を全国にPRすべく、歌手大川栄策を招いて臨時列車「大川栄策号」を盛岡~いわて沼宮内間で運行。
- 2006年(平成18年)3月18日 青山駅、巣子駅開業。
[編集] 駅一覧と接続路線
- ●:全て停車、▲:一部停車、|:通過
- 普通列車は省略(各駅に停車)
駅名 | 営業キロ | 快速 | 快速八幡平 | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|
盛岡駅 | 0.0 | ● | ● | 東日本旅客鉄道:東北新幹線、東北本線、田沢湖線(秋田新幹線)、山田線 | 岩手県 | 盛岡市 |
青山駅 | 3.2 | ▲ | | | |||
厨川駅 | 5.6 | ▲ | ● | |||
巣子駅 | 10.2 | ▲ | | | 岩手郡滝沢村 | ||
滝沢駅 | 12.2 | ● | ● | |||
渋民駅 | 16.6 | ▲ | ● | 盛岡市 | ||
好摩駅 | 21.3 | ● | ● | 東日本旅客鉄道:花輪線(一部直通) | ||
岩手川口駅 | 26.9 | ▲ | JR花輪線直通 | 岩手郡岩手町 | ||
いわて沼宮内駅 | 32.0 | ● | 東日本旅客鉄道:東北新幹線 | |||
御堂駅 | 37.3 | | | ||||
奥中山高原駅 | 44.4 | ▲ | 二戸郡一戸町 | |||
小繋駅 | 52.2 | | | ||||
小鳥谷駅 | 59.8 | | | ||||
一戸駅 | 64.5 | ● | ||||
二戸駅 | 70.8 | ● | 東日本旅客鉄道:東北新幹線 | 二戸市 | ||
斗米駅 | 73.7 | | | ||||
金田一温泉駅 | 78.4 | | | ||||
目時駅 | 82.0 | | | 青い森鉄道:青い森鉄道線(直通運転) | 青森県三戸郡三戸町 | ||
青い森鉄道線八戸駅まで直通運転 |
[編集] 線内踏切一覧
※踏切番号表は、JR東日本仙台支社と盛岡支社との管轄境界(岩手、宮城県境・石越駅付近)を基準にして数えた番号を表示(カッコ内の数字)。
- 1(101) :境田川原
- 2(102) :青山町(県道223号盛岡滝沢線)
- 3(103) :馬頭
- 4(104) :元滝沢
- 5(105) :葉の木沢(上り線のみ)
- 6(106) :長根(下り線のみ)
- 7(107) :大崎
- 8(108) :一本木
- 9(109) :下田
- 10(110):第二鹿角(JR花輪線と共用)
- 11(111):中塚
- 12(112):好摩
- 13(113):大更
- 14(114):永井道
- 15(115):二ツ森(歩行者専用)
- 16(116):南岩崎
- 17(117):野原(歩行者専用)
- 18(118):丹藤
- 19(119):丹藤街道
- 20(120):芦田内
- 21(121):御代堂
- 22(122):一方井(歩行者専用)
- 23(123):大宮
- 24(124):五日市
- 25(125):川原木
- 26(126):小山沢
- 27(127):農場(県道30号葛巻日影線)
- 28(128):中山
- 29(129):十三本木
- 30(130):稲荷林
- 31(131):東田子
- 32(132):下平
- 33(133):稲荷道
- 34(134):篠畑(歩行者専用)
- 35(135):姉帯道(県道15号一戸葛巻線)
- 36(136):関屋
- 37(137):太田
- 38(138):西法寺(歩行者専用)
- 39(139):新天王
- 40(140):欠番(かつて歩行者専用の第4種踏切「樋ノ口踏切」があったが廃止)
- 41(141):昼場(歩行者専用)
- 42(142):浪打
- 43(143):川原田(歩行者専用)
- 44(144):上米沢通
- 45(145):長瀬
- 46(146):第二長瀬
- 47(147):上平
- 48(148):上金田一
- 49(149):下糠通
- 50(150):矢沢通(歩行者専用)
- 51(151):九戸通
- 52(152):下金田一
- 53(153):野々上通(歩行者専用)
- 54(154):小野道
[編集] 運賃
大人普通旅客運賃(小児は半額・10円未満切り上げ)。2006年3月18日改訂。
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キロ程 運賃(円) 初乗り1・2km 150 3・4 200 5・6 280 7~10 300 11~15 360 16~20 500 21~25 630 26~30 760 31~35 900 36~40 1,030 41~45 1,170 46~50 1,300 51~60 1,510 61~70 1,760 71~80 2,030 81~82 2,300
但し、下記の区間では乗継割引運賃(小児は半額・10円未満切り上げ)が適用される。
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山岸 上盛岡 小岩井 大釜 岩手飯岡 仙北町 330 290 380 330 330 290 青山 410 370 460 410 410 370 厨川 490 450 540 490 490 450 巣子 490 450 540 490 490 450 滝沢
- 好摩駅~花輪線連絡
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滝沢 渋民 430 410 東大更 450 430 大更
- 目時駅~青い森鉄道線連絡
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斗米 金田一温泉 440 340 三戸 450 350 諏訪ノ平