がんばれ!!ロボコン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『がんばれ!! ロボコン』は1974年10月4日から1977年3月25日にかけて、NETテレビ(現・テレビ朝日)系で全118話が放送された子供向け特撮番組。東映との共同制作によるコメディロボット作品の一作目。原作は石ノ森章太郎(放映時は石森章太郎)。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
物語はロボット学校に通っているロボット達が人間社会に派遣され、世のため、人のために働きながら一人前のロボットに成長していく過程を描いたもので、主人公のG級ロボット・ロボコンは常に失敗ばかりで師匠のガンツ先生に怒鳴られてばかり。しかし、それを乗り越えてA級ロボットに成長していくために努力を惜しまない。
各ロボットの特性からそれぞれネーミングされており、ロボコンの場合はロボット+根性=ロボコンとなる。これは、当時流行っていたロボット物と根性物を組み合わせたものだ。
毎週番組の終わりにガンツ先生から、自分の行為について審査・採点を受けていくが、状況によってはマイナス点、あるいは採点する価値がないということで得点なしの週もあったり、折角取った100点を翌週の失点で取り消されたりしたこともある(採点については外部記事参照)。最終回においては、子供たちの遊べる公園を一人で作り上げた頑張りで最高得点500点を得、皆から賞賛される。
当初、このドラマでは大山家に居候していたが、1976年4月以降(三期開始以降)は小川家に居候の場所を変えた。ANNのネットワーク加盟局変更(1975年4月に大阪地区のネット局の腸捻転解消で毎日放送→朝日放送に変更された)、またNETテレビのテレビ朝日への放送局名変更(1977年4月1日)などの諸事情も絡んで1977年3月の放送を最後に打ち切りとなったが、仮にそれ以降も続いていたら日本の子供向けドラマに残る長寿番組になっていたのではないかといわれている。但し、シリーズでない単体の特撮作品としては2年半の放映期間は最長であり、本作を破る作品は未だにない記録である。
このドラマではその後歌手・舞台女優として幅広く活躍する島田歌穂が、バレリーナ星からやってきた宇宙人・ロビンちゃんの役でタレントデビューしたことで脚光を浴びた。
水木一郎が歌った主題歌「がんばれ!! ロボコン」のシングルレコードは12万枚を売り上げた。
テレビ放送とリンクして子供向けテレビ雑誌に連載されたコミック版は、作画を『ゲームセンターあらし』などで有名なすがやみつる(当時石森プロに在籍)が担当していた。 「秘密戦隊ゴレンジャー」の、石森自ら手がけたコミカライズ版は中盤から急にお色気ギャグ漫画にシフトするが、そのギャグ編ではなぜかロボコンがレギュラー出演者として登場しており、モモレンジャーにエッチなことをしたりしていた。
なおテレビ放送ではないが、1981‐1982年にこの作品のテイストを生かしてフジテレビジョンで放映・製作された『ロボット8ちゃん』に登場した8ちゃんとロボコンが、徳間書店の少年向け漫画雑誌「テレビランド」で共演(コラボレーション)する企画が行われた。
また1998年ごろから香港を中心にロボコンのリバイバルブームが起こり(VCDで全話ソフト化された、日本でこの作品が全話ソフト化された事は2006年現在ない)その影響で日本にも女子高生を中心としたブームが起き、関連商品の発売がその後2年間に渡って発売され続けた。これをきっかけにリメイク版が企画される要因になったといわれている。
前述のブームの直前に、晩年の石ノ森がロボコンの新作の企画書を東映に出したが当時の東映にリメイクの意思はなかったようだ。石ノ森にとっては、仮面ライダーとキカイダーの次がロボコンだと思っていた(実際にはロボット刑事などを製作している)というくらい思い入れのある作品だったようだ。
[編集] ロボコン
主人公の赤いボディのG級ロボット。友情に厚く、持ち前のロボ根性であらゆる逆境に負けない程頑張るのが美点だが、基本的にそそっかしい駄目ロボットで何かと対物破壊が多い。お手伝いロボットとして売りこむが断られて、千件目の大山家のまことを助けて就職するが、被害が多く大山家では常に夫妻がロボコンを追い出す方法を考えていた。千一件目の小川家では弁償を果たすまで働けと言われかなり酷使されている。
友情に厚い為、ロボワルにダイオードを貸して半病人のようになったり、ロボガリを助ける為に爆発し真っ二つになったり、解体を言い渡された同級生を庇ったりと何かと世話を焼いてきた為か、小川家で働く頃には旧友に恩を返される形で助けられる事も多くなった。
ロボコンの動力源は100馬力の四気筒ガソリンエンジンであり(排気パイプは収納されている。また、排気で洗濯物を乾かした事がある)、劇中ではガス欠で行動不能に陥る事も少なくない。また必要に応じて、背中に内蔵されたプロペラを展開しての飛行や、下半身に車輪を展開して走行する(二期までは3輪、三期で4輪)など、長距離移動に適した変形を行う。ロボコンの馬力は最後まで例外を除くと100馬力のままで、知名度が低いが「ロボコン100馬力パンチ」という技も有り、怪人2面相などに正義の鉄拳を食らわせた。なお、構造上浮力が皆無に等しく、沈んでしまう為水上・水中の行動は出来ないのだが、その性格ゆえ、溺れたまことを助けようとして自分が溺れる事(1話とop)もあり。また、沈んだ為万事休すと思われ葬式が出された事もあった。
弱点として、ゴキブリが非常に苦手であり、その姿を見るとパニック状態に陥り家屋など周囲を破壊して皆に迷惑をかけてしまう。また、日本語の会話能力は十分なのだが、居候先の子供達を呼称する時に限り舌たらずなところがある(例:「まこと」を『マココ』、「すすむ」を『シシム』と呼ぶ)。
[編集] ロボット学校の生徒たち
[編集] 一期生
- ロビン
- この作品のヒロインでバレリーナロボットと思われていたが、途中でバレリーナ星のお姫様である事が判明した、つまりバレリーナ星人なのだが、劇中で「宇宙ロボット」と紹介された事があり、広義の意味で地球人よりロボットに近い存在である事が伺える。本編開始の2年前にガンツの元に預けられ、バレエの修行をしていたが2年かけてもロボコンの様に人間と深い絆で結ばれる事が出来なかった事を悟り、最初に迎えが来た時には帰らなかった。初期の頃にはロボガリと仲が良く、他人の事に想像が及ばない点も見られ、公園で空中浮揚しながら踊るという事もあったが、素性が明らかになった時期から徐々にロボコンと仲良くなり、他人を気遣う優しい少女へ成長した。空中浮揚の他にロボドロよりも高い跳躍力を持ち、音速で疾走できる。またロボコンの為に再三の帰還要請を断っていた。劇中でロボコンの事を「好き」だと公言し、最終話では汚れる事を厭わず、ロボコンを手伝って大岩を押したりもした。ただし劇中の大人は宇宙人の存在を信じておらず、ロボット達と子供以外には基本的に普通のロボットだと思われている。
- ロボガリ
- 勉強ロボット。勝つ為には手段も選ばないなど利己主義的ではあるが(このことをガンツ先生にとがめられ、せっかく集めたハートマークを没収された)、反面悩みを抱えたりする描写も少なくなく、ストレスを溜め赤い布を被って他のロボットを襲ったりした事がある。また、その発明能力は相当なものである。ちなみに、ロボットなのに眼鏡をかけているのは、勉強のし過ぎで視力がとても悪くなったためによるもの。
- ロボパー
- バラバラロボット。常に壊れていて、ショックを受けると「ショックのパー」の決め台詞で体がバラバラになってしまい、再び元に戻る。三期生のロボペケも同じ。頭が弱く、大山家に一時的にいた事がある(この為ロボコンは自ら出て行く羽目になる)。ロボットなのになぜかミルクを飲む。
- ロボワル
- 不良ロボット。怪力で悪さばかりしているが、根っからの悪ではない200馬力のロボット。ロボトンが造った家の骨組を一撃で破壊した事も有る。その際大工の棟梁に詫び、以後ロボトンと共に大工修行をした。
- ロボドロ
- 防犯ロボットなのだが、手癖が悪く泥棒ロボットと呼ばれる事の方が多い。ロボイヌを過剰に恐れる。偽のハートマークを売って身寄りのない老人の世話をしていた時期もあった。時速300kmで疾走し、下の目はスライド投射、口からは煙幕を出したり、逆に火災の煙を吸う事も出来、蛙の様に壁面や天井を逆さに這う事も可能、見た目以上に多彩な性能を誇る。最終的に泥棒の経験を生かした防犯ロボット本来の防犯の啓蒙を生業にする。
- ロボトン
- 気難しい大工ロボット。惚れっぽく、大工修行をしている。ロボコンが何かを壊すと大抵彼が直す。腕の工具はアタッチメントだがあまり付け替えたシーンは見られない。顔面のトンカチを主に使っている。
[編集] 二期生
- ロボペチャ
- 看護婦ロボット。誰にでも巨大注射をする恐ろしい癖があり、ロボコンは度々被害にあっている。登場時は常にロボコンに迫っている。嫌がるロボコンに無理やりついてくる為、結構ロボコンと共に事件に巻き込まれたりする。ロボコンが怯えたゴキブリを食べて始末した事もある。また、殆どトラブルメーカーだが、ガス欠のロボコンに注射器でガソリンを補充したり、注射針を数メートル伸ばして溺れる人を助けたりした事もある。
- ロボクイ
- コックさんロボット。体内で料理を合成、目玉焼きが得意。
- ロボプー
- 焼きいも売りロボット。オナラをしそうになるとお尻から風船が膨らんでくる。体内にイモを蒸留してアルコールを作る機能が有り、それを燃料にして動く事が出来る。
- ロボピョン
- ウサギ型洗濯ロボット。性別不祥っぽいが雄。何となく人柄がいい。
- ロボショー
- 消防ロボット、やたらと水を撒く。内部が腐食して発狂した時に解体を言い渡されたが、何とか直ったため事無きを得た。
- ロボガキ
- 一期生のロボワルの弟。兄とに酷似した姿で同じく不良ロボット。300馬力。中々職につけなくて悩んでいたが兄弟でブラジルへ渡った。
- ロボゲラ
- 僧侶ロボット。泣いている方が多い。葬式で笑ってどつき回されたらしくコブだらけになった事も有る。
- ロボメカ
- 勉強ロボット。一期生ロボガリの弟で、当初はかなり偉そうにしており、後から作られた自分は優秀だと言っていたが、ロボコンに助けられたりしてそういう面は見られなくなった。
- ロボイヌ
- 途中から参加したため2.5期生(転入生)扱い。警察犬ロボット。合理的でロビンを愛している為、ロボコンをライバル視し、ロビンの気を引く為ロボコンを陥れようとした事もある。鼻が開くと虫眼鏡が出る。後にインターポールに就職し、怪人2面相を追って帰国した事も有る。ロボコンを敵視している為か劇場版でアークマンに操られた際にゴキブリロボットの装甲をつけられ、ロボコンを襲撃した。
- ロボカー
- 同上。タクシーロボット。唯一の車両型ロボット。温厚で人が良く、良くロビンちゃんを乗せている。劇場版ではアークマンの基地がある勝浦まではじめ達を乗せてきた。卒業後に自らタクシー会社を興す。
[編集] 三期生
- ロボリキ
- 怪力ロボット。500馬力。口癖は「あのね」。初登場時は塗装が違う(一般に撮影会のみのNG版といわれるが初登場回はその姿である)。彼もロボチャンに悪戯されたがその後仲良くなり、一緒にいる事が多くなった。
- ロボメロ
- 少女ロボット。傘でなぜか空を飛ぶ。ロボコンを「ロボコン王子様」と呼び、一人乙女な妄想にふけり、不気味な顔でロボコンに迫る。
- ロボデキ
- 勉強ロボット。歴代の勉強ロボで一番性格が温厚。ロボコンにかなり無理な事を頼まれても引きうける事が多いが一度だけ図に乗りロボガリを馬鹿にした事があった。ロボチャンにショートさせられて狂った事がある。
- ロボチョイ
- 大工ロボット。下半身がクローラー。やはり手先が器用。
- ロボペケ
- バラバラロボット。影が薄く通行人的な出番が多い。
- ロボピン
- 占いロボット。一人老けている。少々底意地が悪く占いで混乱させる(撮影会時にNG塗装が確認できるがこちらはテレビには出ていない)。石森プロの公式によるとロボカー、ロボイヌと共に2期生であるという事になっているが、ロボピンの出番は3期生登場以前にはなく、カー、イヌのように転入生という訳でもない。
- ロボチャン
- 途中から参加したため3.5期生(珍入生)扱い。赤ちゃんロボット。悪戯が凶悪。ロボコンを苛める為のゴキブリの玩具を常に携帯しているが、ロボコンに反撃されると「ロボコンがいじめたー」と泣く。この作品の終盤時期を大いに盛り上げ、結局最後のロボットとなった。また、本作のロボットキャラクターの中で唯一、超合金が発売されていない。
[編集] 放映ネット局
- NETテレビ、北海道テレビ、青森放送、テレビ岩手、ミヤギテレビ(~1975年9月)→東日本放送(1975年10月~)、秋田放送、山形テレビ、福島中央テレビ、新潟総合テレビ、山梨放送、北日本放送、北陸放送、福井放送、長野放送、テレビ静岡、名古屋テレビ、毎日放送(~1975年3月・第26話まで)→朝日放送(1975年4月~・第27話以降)、山陰放送、瀬戸内海放送、岡山放送、広島ホームテレビ、テレビ山口、四国放送、南海放送、高知放送、九州朝日放送、長崎放送、テレビ熊本、テレビ大分、テレビ宮崎、鹿児島テレビ、沖縄テレビ
[編集] キャスト
- 大山新太郎:大野しげひさ
- 大山初江:加藤みどり
- 大山はじめ:山田芳一
- 大山みどり:佐久間真由美
- 大山まこと:福田信義
- ロビンちゃん:島田歌穂
- 山本先生:山本ゆかり
- 町田巡査:由利徹
- 小川太郎:住吉正博
- 小川よし子:上田みゆき
- 小川まゆみ:蝦名由紀子
- 小川すすむ:飯田誠
- 以下声の出演
- ロボコン:山本圭子
- ガンツ先生:野田圭一
- ロボガリ:千々松幸子
- ロボパー/ロボメカ:矢田耕司
- ロボワル/ロボプー/ロボビン:永井一郎
- ロボドロ/ロボトン:緒方賢一
- ロボトン:山田俊司
- ロボショー/ロボクイ/ロボチョイ:はせさん治
- ロボトン/ロボガキ/ロボゲラ:加藤修
- ロボペチャ/ロボピョン:沢田和子
- ロボワル/ロボカー:北川国彦
- ロボデキ:神谷明
- ロボメロ:堀絢子
- ロボイヌ:肝付兼太/八代駿
- ロボリキ:増岡弘
- ロボペケ:田の中勇
- ロボチャン:杉山佳寿子
[編集] スタッフ
[編集] 主題歌
- OP1「がんばれロボコン」作詞:石ノ森章太郎/作・編曲:菊池俊輔 歌:水木一郎、山上万智子、コロムビアゆりかご会
- ED1「おいらロボコン世界一」作詞:八手三郎/作・編曲:菊池俊輔/歌:水木一郎、コロムビアゆりかご会
- OP2「おいらロボコンロボットだい!」作詞:石ノ森章太郎/作・編曲:菊池俊輔/歌:水木一郎、山上万智子/セリフ:山本圭子
- ED2「ロボコンガッツラコン」作詞:八手三郎/作・編曲:菊池俊輔/歌:水木一郎、山上万智子
- 夏限定ED「ロボコン音頭」作詞:八手三郎/作・編曲:菊池俊輔/歌:水木一郎、山上万智子、コロムビアゆりかご会
- 秋限定ED「走れ!!ロボコン運動会」作詞:石ノ森章太郎/作・編曲:菊池俊輔/歌:水木一郎、山上万智子、コロムビアゆりかご会
[編集] 関連項目
- 仮面ライダーアマゾン→仮面ライダーストロンガー(本作と同時期に放送されていた)
- 秘密戦隊ゴレンジャー(同上)
- 東映まんがまつり(劇場版が4本上映された。オリジナルは1976年の『ロボコンの大冒険』だけで、他3本はテレビ版をそのまま二次上映した)
- 燃えろ!!ロボコン
- 燃えろ!!ロボコンVSがんばれ!!ロボコン(ビデオ映画)
- 山本ゆか里(デビューした当初『決定版・あなたをスターに!』の特番でロボコンが特別出演したことあり)
- ロボット110番
- ロボット8ちゃん
- バッテンロボ丸
- もりもりぼっくん
- ビーロボカブタック
- テツワン探偵ロボタック
- ぐるぐるメダマン
- S.I.C.
[編集] 外部リンク
[編集] 前後番組の変遷
NET系 金曜19時台後半(1974年10月 - 1977年3月) | ||
---|---|---|
前番組 | がんばれ!! ロボコン | 次番組 |
生きている大自然 | ロボット110番 |
カテゴリ: 漫画作品 か | 石ノ森章太郎 | 週刊少年サンデー | 東映特撮作品 | テレビ朝日の特撮番組 | 1974年のテレビドラマ | 1970年代の特撮作品 | 架空のロボット