ニュータイプ研究所
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ニュータイプ研究所(ニュータイプけんきゅうじょ、Newtype Laboratory)は、アニメ『機動戦士ガンダム』をはじめとする「ガンダムシリーズ」のうち、宇宙世紀及びアフターウォーを舞台とする作品に登場する、架空の研究所。ニュータイプを研究する軍事機関である。「ニタ研」と呼称することもある。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 宇宙世紀におけるニュータイプ研究所
[編集] ジオン公国軍のニュータイプ研究所
[編集] フラナガン機関
フラナガン機関(フラナガンきかん、Flanagan Agency)は、アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する、ジオン公国のニュータイプの研究機関である。
一年戦争開戦後、一部のパイロットが高速な荷電粒子(メガ粒子砲)を高確率で避けるという事象を解明するため、宇宙世紀0079年6月、サイド6・パルダコロニー(一説にリノコロニー)においてキシリア・ザビによって創設された。
当時存在が疑問視されていたニュータイプに一定の理解を持ち、その軍事利用を考えていたキシリアの統括の下、フラナガン博士らが研究を行った。
また、本研究所に所属していたクルスト・モーゼス博士は、ニュータイプの存在に疑問を抱き、EXAMシステムを開発したが、後に地球連邦に亡命した。
戦争末期にはサイコミュシステムを開発し、ニュータイプ専用モビルアーマーのブラウ・ブロやエルメスの開発を行った。
終戦後、地球連邦軍やネオ・ジオンはフラナガン機関の研究内容を引き継いで、ニュータイプの研究や強化人間としての改造、専用のモビルスーツやモビルアーマーの開発を行った。
主な研究員
主な研究・開発機体
- MS-08TX[EXAM] イフリート改
- MAN-03 (MAN-X3) ブラウ・ブロ
- MAN-08 (MA-05H, MAN-X8) エルメス
- MSN-02 (MS-X16, MSN-X2) ジオング
主な被験者
[編集] 地球連邦軍のニュータイプ研究所
地球連邦軍のニュータイプ研究所は、主に一年戦争後に設置された。戦後直後はホワイトベースクルーのアムロ・レイらを研究対象とするが、ニュータイプを危険な存在とみなしていた上層部の思惑もあって目立った活動はしていない。
グリプス戦役では、ティターンズによって掌握され戦果を挙げることのみに専念させられた。ニュータイプ研究所によって最初からニュータイプ専用として開発されたモビルスーツやモビルアーマーには「NRX」の型式番号がつけられたとされる。(ただし、異説も存在する。)
[編集] EXAM研究所
EXAM研究所(エグザムけんきゅうじょ、EXAM Laboratory)は、ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』に登場する、地球連邦軍のニュータイプ研究所の一つ。ジオン公国軍から亡命したフラナガン機関出身のクルスト・モーゼス博士やローレン・ナカモト博士らにより、一年戦争中期に地球連邦軍ハミルトン基地内に設置された研究所。北アメリカに存在するというが正確な位置は不明である。しかし、北アメリカは一年戦争中ジオン公国軍の支配下にあり、地球連邦軍の支配下にあったのはオーガスタ基地とその周辺であることから、オーガスタ基地に比較的近かったものと推測される。
一年戦争中、クルスト・モーゼス博士によりEXAMシステムとブルーディスティニーシリーズの開発が行われたが、クルスト・モーゼス博士の死去により研究は頓挫し、その後どうなったかは不明である。ローレン・ナカモト博士が戦後ムラサメ研究所に移ったことを考えると、おそらくは消滅してしまったものと考えられる。
主な研究員
主な研究・開発機体
- RX-79BD-1 ブルーディスティニー1号機
- RX-79BD-2 ブルーディスティニー2号機
- RX-79BD-3 ブルーディスティニー3号機
[編集] オーガスタ研究所
オーガスタ研究所 (Augusta Laboratory) は、アニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場する、地球連邦軍のニュータイプ研究所の一つ。一年戦争中期に地球連邦軍オーガスタ基地内に設置され、地球連邦軍のニュータイプ研究所としては最も古い部類に入る。北アメリカのジョージア州とサウスカロライナ州の境にあるクラークヒル湖の畔に存在する都市オーガスタに位置する。そのため、クラークヒル研究所 (Clarks Hill Laboratory) と呼ばれることもあったようである。オークランド研究所やムラサメ研究所と関係が深く、またアナハイム・エレクトロニクス社とも接点を持っている。
一年戦争中、北米地域はジオン公国軍の占領下にあったが、オーガスタ周辺にまでは支配が及んでいなかったらしく、宇宙世紀0079年8月頃からニュータイプ専用機などのの研究・開発を行い、アムロ・レイ専用として開発されたガンダムNT-1や、大出力ビーム兵器運用実験機ガンダム4号機 (G-04)、空間戦闘用高機動実験機ガンダム5号機 (G-05)などを開発している。また、MSパイロット用ノーマルスーツの研究・開発も行っており、オーガスタ基地所属のテストパイロットの大半は同研究所のパイロットスーツを着用している。
一年戦争後は、ガンダムNT-1などを開発した経験を生かして、その設計を流用・発展させた量産型MSジム・カスタムやジム・クゥエルなどの“オーガスタ系MS”と呼ばれるMSを開発する一方、オークランド研究所とアッシマーやギャプラン、バウンド・ドックなどの共同開発を行った。基本的に、オーガスタ研究所では機体の開発よりもニュータイプや強化人間の研究を主に行っており、他の研究所で開発された機体や強化人間を調整したり改修したりすることのほうが多かったようである。また、ギャプラン(型式番号:ORX-005 (ORX-05) あるいは CRX-005)は元々オーガスタ研究所で研究されていたが、実機の開発はオークランド研究所で行われたといわれる。「ORX」の"O"はオークランドを、「CRX」の"C"はクラークヒルを意味する。
漫画『機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル』では、宇宙世紀0085年、隣接するモビルスーツパイロット養成学校において、訓練の名目でニュータイプの選別をおこなっていた描写もある。ニュータイプと選別されなくても、成績が優秀なものに関しては強化人間の候補としてリストアップしていた模様である。
ティターンズが弱体化しムラサメ研究所が没落してからは、ムラサメ研究所の所属だったローレン・ナカモト博士やロザミア・バダムの他、サイコガンダムやサイコガンダムMk-IIも譲渡された。また、アナハイム・エレクトロニクス社との裏取引でフジタ博士が出向し、ガンダムMk-IVの開発を行っている。それらの研究結果を元にローレン・ナカモト博士らがガンダムMk-Vの開発も行った。
その後、裏取引でアクシズへローレン・ナカモト博士らの亡命と共にガンダムMk-Vを譲渡し、ドーベン・ウルフなどが開発されている。
主な研究員
主な研究・開発機体
- RX-78NT-1 ガンダムNT-1(アレックス)
- RX-78-4 ガンダム4号機 (G-04)
- RX-78-5 ガンダム5号機 (G-05)
- RGM-79N ジム・カスタム
- RGM-79q ジム・クゥエル
- NRX-044 (NRX-004) アッシマー
- ORX-005 (ORX-05, CRX-005) ギャプラン
- NRX-055 (NRX-005) バウンド・ドック
- MRX-009 サイコガンダム
- MRX-010 サイコガンダムMk-II
- ORX-012 (MSF-008) ガンダムMk-IV
- ORX-013 ガンダムMk-V
主な強化人間被験者
[編集] 備考
クラークヒル研究所及び「CRX-005」は、アニメ『機動戦士Ζガンダム』の準備稿における設定であった。クラークヒル湖の畔に位置するという設定は小説版からであり、データコレクションシリーズなどにも取り入れられている。
[編集] オークランド研究所
オークランド研究所 (Oakland Laboratory) は、アニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場する、地球連邦軍のニュータイプ研究所の一つ。地球連邦軍オークランド基地内に設置された。北アメリカカリフォルニア州の都市オークランドに位置する。キャリフォルニアベース(カリフォルニア基地)やオーガスタ研究所と関係が深い基地である。
元々アッシマーやバウンド・ドックなど型式番号が「NRX」で始まる機体は、本研究所でニュータイプ専用機として開発され、その後オーガスタ研究所でニュータイプ用に調整されたといわれている。また、ギャプランやガンダムMk-IV、ガンダムMk-Vなどは研究自体はオーガスタ研究所で行われたが、実機の開発は本研究所で行われたため、「ORX」の型式番号がつけられているとされる。
主な研究・開発機体
- NRX-044 (NRX-004) アッシマー
- ORX-005 (ORX-05, CRX-005) ギャプラン
- NRX-055 (NRX-005) バウンド・ドック
- ORX-012 (MSF-008) ガンダムMk-IV
- ORX-013 ガンダムMk-V
[編集] オーランド研究所
オーランド研究所 (Orlando Laboratory) は、アニメ『機動戦士Ζガンダム』に設定上存在する、地球連邦軍のニュータイプ研究所の一つ。一説によればオーガスタ研究所やオークランド研究所とは別に、北アメリカ大陸に存在するとされるニュータイプ研究所の一つである。ただし、通常はオークランド研究所の誤記だと考えられている。
[編集] キリマンジャロ研究所
キリマンジャロ研究所 (Kilimanjaro Laboratory) は、アニメ『機動戦士Ζガンダム』に設定上存在する、地球連邦軍のニュータイプ研究所の一つ。ティターンズのキリマンジャロ基地に設置された小規模な研究所である。キリマンジャロ基地には通常のモビルスーツの型式番号が割り当てられていたため、独自に開発された機体はないとされる。
[編集] ニューギニア研究所
ニューギニア研究所 (New Guinea Laboratory) は、アニメ『機動戦士Ζガンダム』に設定上存在する、地球連邦軍のニュータイプ研究所の一つ。ティターンズのニューギニア基地に設置された小規模な研究所である。ニューギニア基地には通常のモビルスーツの型式番号が割り当てられていたため、独自に開発された機体はないとされるが、一説によれば「NRX」で始まる機体は元々ニューギニア研究所で開発されていたとする説もある。
[編集] ムラサメ研究所
ムラサメ研究所 (Murasame Laboratory) は、アニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場する、地球連邦軍のニュータイプ研究所の一つ。ムラサメ博士らにより日本の中国地方に設置された研究所で、地球連邦軍のニュータイプ研究所としては最も古い部類に入る。ローレン・ナカモト博士やナミカー・コーネル博士も在籍した。オーガスタ研究所やティターンズのグリプス基地と関係が深い。
主にジオン公国軍のサイコミュシステムの解析と研究を行い、ガンダムNT-1やガンダムMk-IIを元に機体を開発していたが、結局サイコミュシステムの小型化ができず、通常のモビルスーツの2倍以上の大きさを持つ可変モビルアーマー・サイコガンダムシリーズの開発に至った。本研究所で開発された機体は「MRX」の型式番号がつけられている。また、地球連邦軍で初めて強化人間の研究・開発を行っており、中でもゼロ・ムラサメやフォウ・ムラサメが有名である。
しかし、ニューホンコンの事件などによりその力を失い、オーガスタ研究所などにその地位を譲った。研究者の一部はアナハイム・エレクトロニクス社に移って量産型サイコガンダムの開発を続けたり、オーガスタ研究所などに移った後アクシズに亡命したりなどしたようである。
主な研究員
主な研究・開発機体
- MRX-002 ニュータイプ専用プロトタイプガンダム
- MRX-007 (MRX-07) プロトタイプサイコガンダム
- MRX-008 (MRX-08) サイコガンダム試作8号機
- MRX-009 サイコガンダム
- MRX-010 サイコガンダムMk-II
- MRX-011 量産型サイコガンダム
主な被験者
[編集] ネオ・ジオンのニュータイプ研究所
ネオ・ジオンのニュータイプ研究所は、アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』及び『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場する、ニュータイプ研究所の一つ。かつてのフラナガン機関の流れを汲む研究所で、アクシズ潜伏期から研究を続けていた。
第一次ネオ・ジオン抗争では、ニュータイプの試験管ベビーとしてエルピー・プルを、またエルピー・プルからクローン技術でプルツーらを生み出した。ただし、エルピー・プルとプルツーは双子ともいわれる。その他マシュマー・セロやキャラ・スーンらを強化した。
第二次ネオ・ジオン抗争では、ナナイ・ミゲルが所長を務めギュネイ・ガスを強化した。
主な研究・開発機体
アクシズ時代にサイコミュ兵器の小型化に成功し、モビルスーツに装備することを可能にした。
第二次ネオ・ジオン抗争時の開発はアナハイム・エレクトロニクスで行われている。
主な被験者
[編集] アフターウォーにおけるニュータイプ研究所
[編集] 地球連邦軍のニュータイプ研究所
地球連邦軍のニュータイプ研究所は、アニメ『機動新世紀ガンダムX』に登場する、ニュータイプ研究所の一つ。
第7次宇宙戦争中、旧地球連邦軍はニュータイプの研究を積極的に行っており、ニュータイプ研究所を設置していた。ニュータイプ研究所は戦後も生き残り、新地球連邦軍の元、カロン・ラット所長らによって研究が続けられていた。
主な研究・開発機体
- 旧地球連邦軍時代
- GT-9600 ガンダムレオパルド
- GW-9800 ガンダムエアマスター
- GX-9900 ガンダムX
主な被験者
- 新地球連邦軍時代
[編集] 宇宙革命軍のニュータイプ研究所
詳細不明。第7次宇宙戦争中にはドーラット博士らが所属していたと見られる。
[編集] 関連項目
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