プエルトリコ
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自治領の標語 : Joannes Est Nomen Eius ラテン語:ヨハネは彼の名 |
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公用語 | スペイン語、英語 | ||||
主都 | サンフアン | ||||
知事 | アニバル・アセベド・ビラ | ||||
面積 - 総計 - 水面積率 |
9,104km² 1.6% |
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人口 - 総計(2003年) - 人口密度 |
3,957,988人 434人/km² |
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通貨 | USドル | ||||
時間帯 | UTC -4 | ||||
国歌 | La Borinqueña | ||||
ccTLD | .pr | ||||
国際電話番号 | 1-787 |
プエルトリコ (スペイン語:Puerto Rico) は、カリブ海の島である。ビエケス島、クレブラ島、ドミニカ共和国との間のモナ海峡にあるモナ島も含む。
目次 |
[編集] 歴史
カリブ海周辺の島々で生活していたタイノ・インディアンが先住民族であるが、1493年のクリストファー・コロンブスによる到着以来、スペインやアメリカを始めとする西洋人によって開発が続けられ現在に至る。当初、プエルトリコ島は「聖ヨハネ(サン・フアン)島」と呼ばれサンフアン市街を「豊かな港(プエルト・リコ、プエルトが港(英語のPort)、リコは豊かな(英語のRich)、という意味)」と呼ばれていたが、いつのまにか入れ替わってしまい、今の呼称になっている。1508年スペインから総監としてやって来たフアン・ポンセ・デ・レオンによる、プエルトリコへの本格的な入植がはじまり、ポンセは「サン・フアン・プエルト・リコ」と呼んだ。最初の入植地はサンフアン港の近くにあるカパラに造られたが、1521年にオールド・サンフアンに移された。同時に、エル・モロ要塞の建設も開始された。1655年から1670年の間はイギリスの領土となっていたが、一貫してスペインの植民地だった。1898年の米西戦争からアメリカ合衆国の領域になった。1917年に島民はアメリカ国民としての市民権を得て、1952年にはアメリカの自由連合州として内政自治権も獲得した。1998年にアメリカ合衆国の51番目の州昇格を巡る住民投票が行われたが否決された。
[編集] 政治
現在は自由連合州(英:commonwealth、西:estado libre asociado)という特別な立場にあり、プエルトリコ住民はアメリカ合衆国連邦税の義務を持たない代わり、大統領選挙への投票権はない。
[編集] 地理
プエルトリコ島は大アンティル諸島の最東端に位置し、西はモナ海峡を超えてドミニカ共和国、東のヴァージン海峡を越えてヴァージン諸島である。大アンティル諸島の中では小さな島であるが、9,104Km²の大きな面積を持つ。川が多く標高1,338mのセロ・デ・プンタ山をはじめとする1,000m級の山脈があり、中央山脈によって分割されている。ビエケス島、クレブラ島、モナ島、モニート島、デセチュオ島などのプエルトリコ本島の周囲にある小島も含む。
[編集] 経済
[編集] 交通
ルイス・ムニョス・マリン国際空港
[編集] 住民
プエルトリコ住民は、アメリカ合衆国のパスポートを所持し、アメリカドルを使い、米国市民としての意識も高い。しかし、島の住人の大多数は公用語の一つである英語はほとんど使わず、スペイン語のみしか話さない。メディアを含め日常生活ではスペイン語が使われている。そのため文化的にはスペイン語圏の中南米諸国とのつながりが非常に深い。島の住人はスペイン系の白人からアフリカ系の黒人、タイノ・インディアン系原住民、そして最近増えつつある中国人迄、ありとあらゆる肌の色が共存している。しかし米国本土同様、人種差別は社会的問題である。実際、人種差別の激しいプエルトリコでは、女性の知事はあり得るが黒人の知事は絶対にありえない、と言われている(前知事、シーラ・M・カルデロンは白人女性)。
貧富の差が激しく、島民の多くは政府提供の低所得者向け団地に住む。しかし、アメリカ領土として唯一「ユニバーサル住民健康保険制度」を持ち、島民たちは無償で医療サービスを受ける事が出来る。
[編集] 文化
州都はサンフアン。その他に、ビーチの綺麗なコンダド、著名美術館のあるポンセ、巨大原始林があるエル・ユンケ、そして世界一の天文台で有名なアレシボ等がある。
[編集] 出身者
ボリクァ (Boricua)という言葉は、かつてスペイン人が入植する以前から住んでいる住民を意味していたが、現在ではプエルトリコ住民やプエルトリコ系もすべて含む。また、プエルトリコ系アメリカ人のうち、ニューヨーク近郊で育った人間は、ニューヨリカン (Newyorican)と呼ばれる。ボリクァもニューヨリカンも民俗的背景だけでなく、彼らの音楽や話すスペイン語訛りなど文化的背景も指す。
[編集] 音楽関連
- 歌手。"The Cup Of Life"(1998 FIFAワールドカップフランス大会公式テーマ·ソング)、"Livin' La Vida Loca"等で有名。
- 歌手。レゲトンブームの旗手。"Gasolina"や"Rompe"がヒットした。
- メヌード
ティト・プエンテ、マーク・アンソニー、ジェニファー・ロペス、エリック・エストラーダ、ファット・ジョーなどは、プエルトリコ人の親を持つニューヨリカンである。
[編集] 野球選手
プエルトリコは、同じカリブ海のドミニカ共和国と並び、野球選手の「名産地」としても知られる。主なプエルトリコ出身の選手は次の通り。
ロベルト・クレメンテ(引退、殿堂入り)
バーニー・ウィリアムズ(NYY)
ホルへ・ポサダ(NYY)
ハビエル・バスケス(CWS)
マイク・ローウェル(BOS)
アレックス・コラ
ジョーイ・コラ
ハビエル・ロペス
ルイス・マトス
ホセ・クルス(引退)
ホセ・クルスJr.
サントス・アロマル(引退)
サントス・アロマルJr.(NYY)
ホセ・バレンティン
ハビエル・バレンティン(CIN)
イバン・ロドリゲス(DET)
ファン・ゴンサレス
ベンジー・モリーナ(SF)
ホセ・モリーナ(LAA)
アレックス・リーオス(TOR)
エドガー・マルティネス(引退、生まれはニューヨーク)
ジョエル・ピニェイロ(KC)
ラモン・カストロ
カルロス・ベルトラン (NYM)
カルロス・デルガド(NYM)
ウィル・コルデロ
ホセ・ビドロ(SEA)
ヤーディエル・モリーナ(STL)
ロベルト・アロマル(引退)
ラモン・バスケス
ペドロ・バルデス(元福岡ソフトバンク)
ディッキー・ゴンザレス(東京ヤクルト)
ルイス・ロペス(元東北楽天)
[編集] バスケットボール選手
プエルトリコはバスケット大国の一つに数えられ、アメリカ選手権では米国に次ぎ、ブラジルと並ぶ3度の優勝を誇る。そのためNBAで活躍する選手も多い。
- アルフレッド・リー(ロサンゼルス・レイカーズ)
- カルロス・アロヨ(オーランド・マジック)
- ダニエル・サンティアゴ(ミルウォーキー・バックス)
- ホセ・ホアン・バレラ(ダラス・マーベリックス)
- ホセ・オルティス(ユタ・ジャズ)
- ピーター・ラモス(ワシントン・ウィザーズ)
- ラモン・ラモス(ポートランド・トレイルブレイザーズ)
[編集] ボクシング選手
1970年代以降、小国ながら多数の名世界王者を輩出している。伝統的にメキシコ人ボクサー(メキシコ系アメリカ人を含む)とライバル関係にあり、プエルトリコ出身のほとんどの有名選手は同階級のメキシカンと名勝負を残している。
- カルロス・オルチス (世界ジュニアウェルター級、世界ライト級)
- 1962年に東京で小坂照男の挑戦を受け5RKO勝利。NY育ちのニューヨリカンでもある。
- ウィルフレド・ベニテス (WBAジュニアウェルター級、WBCウェルター級、WBCジュニアミドル級)
- 史上最年少の17才6カ月で世界タイトルを獲得した典型的な天才ボクサー。
- エステバン・デ・ヘスス (WBCライト級)
- ウィルフレド・ゴメス (WBCスーパーバンタム級、WBCフェザー級、WBAジュニアライト級)
- "Bazooka"の愛称で知られる。WBCスーパーバンタム級タイトルは17連続KO(TKO)防衛。
- カルロス・デ・レオン (WBCクルーザー級)
- エドウィン・ロサリオ (WBCライト級、WBAライト級、WBAジュニアウェルター級)
- ヘクター・カマチョ (WBCスーパーフェザー級、WBCライト級、WBOジュニアウェルター級)
- スピードスタータイプでメキシコの英雄フリオ・セサール・チャベスと一時期人気を二分した。
- ウィルフレッド・バスケス (WBAバンタム級、WBAジュニアフェザー級、WBAフェザー級)
- フェリックス・トリニダード (IBFウェルター級、WBCウェルター級、WBAスーパーウェルター級、IBFジュニアミドル級、WBAミドル級)
- イバン・カルデロン (WBOミニフライ級)
- ミゲール・コット (WBOジュニアウェルター級、WBAウェルター級)
[編集] バレーボール選手
- Vリーグパナソニック・パンサーズでプレイ。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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