会計検査院
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会計検査院(かいけいけんさいん、Board of Audit of Japan)は、日本国憲法に基づき設置される行政機関であり、国、公団、公社等の決算の検査を主要な任務とする。国の収支の決算報告を政府が国会に提出する前に検査する。
行政機関ではあるが、内閣の所轄外にある独立機関である(日本国憲法第90条第2項、会計検査院法第1条)ため、その検査権限は内閣及びその所轄下にある各機関のみならず、内閣とともに三権の頂点を構成する国会(衆・参議院)及び最高裁判所をも含むすべての国家機関に対しても当然に及ぶ点において、内閣所轄下にある人事院とは際立った違いを有する。
目次 |
[編集] 沿革
- 1880年(明治13年) 大蔵省から分離されて設置。
- 1889年(明治22年)5月10日 会計検査院法(明治22年法律第15号)公布。会計検査院長は天皇に直属し、国務大臣に対し独立の地位となる。
- 1947年(昭和22年)4月19日 会計検査院法(昭和22年法律第73号)公布。
- 1947年(昭和22年)5月3日 (新)会計検査院法施行。
[編集] 主な任務と権限
- 国の収入支出の決算に対する会計検査
- 会計経理の監督及び適正化
- 決算の確認
[編集] 検査の範囲
- 国の毎月の収入支出
- 国の所有する現金及び物品並びに国有財産の受払
- 国の債権の得喪又は国債その他の債務の増減
- 日本銀行が国のために取り扱う現金、貴金属及び有価証券の受払
- 国が資本金の2分の1以上を出資している法人の会計
- 法律により特に会計検査院の検査に付するものと定められた会計
[編集] 組織
- 検査官会議(検査官3人で構成。検査官は両議院の同意を得て内閣が任命する。また、検査官は認証官とされその任免は天皇から認証される。検査官の1人は会計検査院長となる。)
- 事務総局
- 会計検査院情報公開・個人情報保護審査会
[編集] 歴代会計検査院長(日本国憲法施行後)
- 現行の会計検査院法に基づき在任した者について記載。なお、荒井誠一郎は大日本帝国憲法下の(旧)会計検査院法に基づき任命された者であり、日本国憲法下では新たに任命辞令を受けることなく(新)会計検査院法附則第5条第1項の経過措置により在任していたことから代数は「0」とし、後任の佐藤基から代数開始とする。
- 再任は個別の代として記載。
- 退任日に付した(願)は任期途中の依願退任、(亡)は死亡、(定)は検査官としての定年退官に伴う院長自然退任、(他)は経過措置に基づく自動的退任。付していないものは検査官としての任期満了に伴う院長自然退任。
- 院長への就任は検査官に任命された者の互選で決まり、また、理論上は院長を退いて引き続き一検査官としてとどまることも可能であるため、認証官たる検査官としての任命日・免(退)官日と、内閣の辞令による院長就任日・退任日は必ずしも一致しない。下表では院長としての就任日・退任日を記載する。
- 空席期間又は院長の海外出張時においては、院長でない検査官の1人が「会計検査院長職務代行」として職務を遂行する。代行就任の順序に関する規定は、1947年5月3日から2006年1月30日までは「先任の検査官」が、2006年1月30日以降は「あらかじめ官報で公示した検査官」がそれぞれ優先、となっている。
代 | 氏名 | 在任期間 | 出身母体等での主要な役職 |
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0 | 荒井誠一郎 | 1946年6月26日 - 1947年8月26日(他) 日本国憲法下では経過規定による在任 |
大蔵省専売局長官、日本興業銀行副総裁 |
1 | 佐藤基 | 1947年8月26日 - 1954年8月22日 | 法制局第一部長、特許標準局長官、 新潟県知事 |
2 | 東谷傳次郎 | 1954年8月27日 - 1957年8月22日 | 会計検査院事務総長 |
3 | 加藤進 | 1957年8月27日 - 1959年8月31日 | 宮内次官、宮内府次長 |
4 | 山田義見 | 1959年9月25日 - 1961年8月24日 | 大蔵次官、日本勧業銀行副総裁 |
5 | 芥川治 | 1961年10月17日 - 1964年8月22日 | 参議院事務総長 |
6 | 小峰保榮 | 1964年8月25日 - 1966年9月21日 | 会計検査院事務総長 |
7 | 塚越虎男 | 1966年10月4日 - 1967年5月21日(定) | 大蔵省名古屋財務局長、宮内庁皇室経済主管 |
8 | 山﨑高 | 1967年7月18日 - 1971年8月23日 | 衆議院事務総長 |
9 | 白木康進 | 1971年10月26日 - 1973年9月29日 | 会計検査院事務総長 |
10 | 白石正雄 | 1973年12月1日 - 1975年10月15日 | 大蔵省国有財産局長 |
11 | 佐藤三郎 | 1975年11月25日 - 1978年10月21日 | 会計検査院事務総長 |
12 | 知野虎雄 | 1978年10月24日 - 1980年11月29日 | 衆議院事務総長 |
13 | 大村筆雄 | 1980年12月2日 - 1982年11月20日 | 大蔵省国有財産局長 |
14 | 鎌田英夫 | 1982年11月24日 - 1985年10月22日 | 会計検査院事務総長 |
15 | 大久保孟 | 1985年10月25日 - 1987年3月29日(定) | 衆議院事務総長 |
16 | 辻敬一 | 1987年4月3日 - 1989年4月10日(願) | 行政管理事務次官(大蔵省出身) |
17 | 中村清 | 1989年4月11日 - 1992年10月23日 | 会計検査院事務総長 |
18 | 中島隆 | 1992年10月30日 - 1994年4月4日(定) | 衆議院事務次長 |
19 | 矢﨑新二 | 1994年4月12日 - 1996年9月27日(定) | 防衛事務次官(大蔵省出身) |
20 | 疋田周朗 | 1997年2月18日 - 1999年10月26日 | 会計検査院事務総長 |
21 | 金子晃 | 1999年12月7日 - 2001年12月4日 | 慶應義塾大学教授 |
22 | 2001年12月7日 - 2002年7月30日(定) | ||
23 | 杉浦力 | 2002年8月2日 - 2004年2月16日 | 総務事務次官(総理府出身) |
24 | 森下伸昭 | 2004年2月20日 - 2006年1月20日(定) | 会計検査院事務総長 |
25 | 大塚宗春 | 2006年1月27日 - | 早稲田大学教授 |
[編集] 主な出身者
- 長谷川英憲(「都政を革新する会」代表、元都議会議員)
[編集] 関連書籍
- 西川伸一『この国の政治を変える―会計検査院の潜在力』五月書房、2003年、ISBN 9784772703932
[編集] 外部リンク
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