岡山バイパス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
岡山バイパス(おかやまバイパス)は岡山市・倉敷市における交通混雑の緩和及び交通安全の確保等を目的として計画されたもので、岡山県岡山市浅川から倉敷市大西に至る延長38.3kmの国道2号の大規模バイパスである。岡山バイパスの構造は、4車線及び6車線で計画され、旭川以東については、本線と側道を分離したダイヤモンド型のインターチェンジによって本線に出入りできる複断面方式になっている。また、旭川以西については街路方式とし、主要な交差点のみ立体交差としている。全線立体化の構想もあるが、現在は未確定である。だが、将来岡山環状道路が通る大樋橋西交差点においては立体化が決定[要出典]している。1999年(平成11年)3月24日に起点部の岡山市浅川~同市福治間を暫定2車線供用し、全線開通となった。
岡山バイパスの名称は地元民による愛称として残るのみである。他の愛称として、バイパス、バイパス2号線、新2号、2号バイパスなど。
国道2号本線が岡山バイパスに切り替わる以前の区間(旧2号線と呼ばれる)は「国道250号浅川交点~国道429号大西交点」(このうち新京橋交差点~大供交差点は現在も国道2号別線。その関係で国道30号も起点の大雲寺交差点から岡山バイパスと交差する青江交差点までは国道2号別線との重複区間)であり、現在で言う岡山県道162号岡山倉敷線がメイン区間を担当していた。ちなみに大西交点以西の国道2号線も竹川橋交点までの区間が玉島バイパスに切り替わっている。
目次 |
[編集] 概要
- 起点:岡山市浅川
- 終点:倉敷市大西(国道2号玉島バイパスと接続)
- 延長:38.3km
- 規格:第3種第1級
- 車線数:暫定2車線(完成4車線)~完成6車線
- 道路幅員:32.0~50.0m
- 車線幅員:3.5m
- 設計速度:80km/h
- 制限速度:60km/h
[編集] 沿革
- 1963年(昭和38年) 事業化
- 1966年(昭和41年)8月6日 都市計画決定
- 1966年(昭和41年) 用地着手(岡山バイパス中央部に位置する岡山市箕島及び都窪郡早島町より開始)
- 1968年(昭和43年)8月23日 都市計画決定
- 1968年(昭和43年) 工事着手(4車線のうち2車線を先行整備する方針)
- 1970年(昭和45年)4月 岡山バイパス最初の区間である岡山市妹尾~都窪郡早島町間(L=5.4km)の暫定2車線供用
- 1970年(昭和45年)10月16日 都市計画決定
- 1971年(昭和46年)4月 岡山市米倉~同市妹尾間の暫定2車線供用、都窪郡早島町~倉敷市笹沖間(L=2.8km)の暫定2車線供用
- 1972年(昭和47年)5月9日 都市計画決定
- 1972年(昭和47年)10月 旭川大橋(L=340m)を供用し、岡山市倉田まで暫定供用
- 1973年(昭和48年) 百間川橋(上り線:L=389m)を供用し、岡山市君津~同市倉田間(L=5.2km)が側道経由ながら開通。また、倉敷市中島~同市大西間(L=1.3km)が暫定2車線供用
岡山バイパス東側はこの年に部分開業した岡山ブルーラインもあわせて順調に供用していくが、西側は特に大高地区の用地取得に難航し供用がやや遅れる。ただし、1974年(昭和49年)度時点で、岡山・倉敷市街地のバイパス機能の確保に至った。
1975年(昭和50年)4月、バイパス側道に岡山県トラックターミナルが供用し、大型車のバイパス利用が一気に拡大。これに対応すべく、岡山・倉敷間において拡幅整備を推進していく。更に、1977年(昭和52年)度に全通した岡山ブルーラインを活用してバイパス機能が確保される。
- 1977年(昭和52年) 倉敷市新田~同市笹沖間(L=1.0km)の暫定4車線供用
- 1978年(昭和53年)4月 倉敷市笹沖~同市中島間(L=2.7km)の側道部の供用
- 1979年(昭和54年) 百間川橋(下り線:L=389m)の完成
- 1980年(昭和55年) 倉田高架橋(L=415m)の完成により、倉田交差点が立体化
- 1982年(昭和57年) 古城池高架橋(上り線:L=388m)の完成
- 1983年(昭和58年) 大高高架橋(上り線:L=1106m)の完成
大高地区の高架橋の順次完成により、高架本線部(L=2.7km)を暫定2車線で供用する。
- 1987年(昭和62年)8月25日 岡山市君津~同市旭川東岸間(L=5.2km)の4車線化完成
- 1988年(昭和63年)3月17日 西大寺高架橋(下り線:L=2104m)が完成し、岡山市福治~同市君津間(L=5.0km)の暫定2車線供用と岡山市米倉~都窪郡早島町間(L=8.8km)の6車線化完成
- 1989年(平成元年) 倉敷市中島~同市大西間(L=1.3km)を暫定4車線供用
- 1999年(平成11年)3月24日 岡山市浅川~同市福治間(L=5.0km)を暫定2車線供用し、全線開通
- 2002年(平成14年)3月29日 倉田ランプ(下り線西向きONランプ)の新設(L=0.2km)
- 2003年(平成15年)3月 都窪郡早島町~倉敷市新田(L=2.5km)の6車線化
[編集] 通過市町村
[編集] 当該道路の位置関係
(広島方面) - 玉島バイパス - 岡山バイパス - 国道2号 - (神戸方面)
[編集] 主なランプ・接続道路
- 浅川ランプ(国道2号・国道250号)
- 竹原ランプ(岡山県道83号飯井宿線)
- 福治ランプ(岡山県道37号西大寺山陽線)
- 浅越ランプ
- 西大寺中野ランプ(岡山県道28号岡山牛窓線)
- 君津JCT/君津IC(岡山県道397号寒河本庄岡山線(岡山ブルーライン))
- 政津ランプ(岡山県道383号九蟠東岡山停車場線・岡山環状道路〔計画〕)
- 光津ランプ(上り線出口、下り線入口のみ)
- (百間川)
- 倉益ランプ(上り線入口、下り線出口のみ)
- 倉富ランプ
- 倉田ランプ(岡山県道45号岡山玉野線)[1]
- (旭川)
- 福富ランプ(岡山県道40号岡山港線)
- バイパス福富西交差点(交差点閉鎖による無信号化予定)[2]
- 豊成ランプ(岡山県道212号浦安豊成線)
- バイパス青江交差点(交差点立体化工事中)
- 青江ランプ(国道2号別線・国道30号)
- (岡山臨港鉄道の路線跡と立体交差)
- 新保(しんぼう)交差点(交差点立体化工事中)
- (宇野線と立体交差)
- 米倉ランプ(岡山県道21号岡山児島線)
- (笹ヶ瀬川)
- 東新田ランプ(上り線出口のみ)(岡山市古新田字東新田地内)
- 大樋橋西交差点(国道30号岡山環状南道路〔計画〕・国道180号岡山西バイパス・岡山環状道路〔計画〕)
- 古新田交差点(岡山県道61号妹尾御津線・岡山県道152号倉敷妹尾線)
- 妹尾東交差点
- 妹尾西交差点(岡山県道151号妹尾吉備線・岡山県道21号岡山児島線)〕)渋滞の解消及び交通事故の削減を図るため交差点改良を実施。妹尾西交差点改良
- 山田ランプ
- 箕島ランプ(岡山県道73号箕島高松線)
- 無津交差点(岡山県道153号早島吉備線)
- 早島中交差点(岡山県道187号早島松島線)
- 長津交差点
- 早島IC(山陽自動車道・瀬戸中央自動車道)
- 金田口交差点(岡山県道152号倉敷妹尾線)
- 西田交差点
- 加須山交差点(岡山県道74号倉敷飽浦線)
- 新田ランプ(岡山県道22号倉敷玉野線)
- 新田交差点
- 笹沖ランプ(上り線入口、下り線出口のみ)
- (水島臨海鉄道と立体交差)
- 中島ランプ(上り線出口、下り線入口のみ)(岡山県道188号水島港線)
- 大西交差点(国道2号玉島バイパス・国道429号)
[編集] 備考
- 旭川以西(都窪郡早島町にかけて)は平面交差点が多く、新保(しんぼう)付近ではほぼ慢性的に渋滞している。雨天時など酷いときは上り線で8~10km、下り線で10~15km程度渋滞する。
- 笹ヶ瀬川より西は6車線で、信号が多いにも関わらず以前は走りやすかったが、近年は古新田交差点での渋滞が新たな問題なってきた。
- 旭川以東は4車線(君津付近からは暫定2車線)だが、信号が無い。浅川で旧道(現国道250号)と合流するので、ここでの渋滞が多い。
- 倉敷市街間は上手く市内をバイパスできるように高架道路で設計されている。しかし、片側1車線の対面通行であることと、一旦高架を走ると数キロ先まで降りられない構造のため、事故などで渋滞が発生した場合逃げ道がない。このような状況から、交通渋滞の緩和、それに伴う沿道環境の改善を図ることなどを目的として、平成19年度から調査・設計を実施するとともに橋梁工事に着手する。倉敷立体
- 1999年(平成11年)に全線が開通し、岡山市街を通る旧ルートは国道250号になった。
- 旧ルートが国道250号となったのは大供交差点まで。以西は岡山県道に切り替わる。
- 旧ルート区間の詳細は岡山県道162号岡山倉敷線の項を参照のこと。
- 全線60km/h制限であるが、それを守る車はほとんどおらず深夜になると80km/h以上のスピードで疾走する車が後を絶たない。君津~光津間の下り線ではよく速度取り締まりが行われる。急な減速車両への追突に注意。
- 妹尾東~妹尾西間の上下線にはレーダー式オービスが設置されている。また、両交差点では追突事故がしばしば発生する。
[編集] 今後の見通し
[編集] 主な構造物
- 竹原高架橋(437m)
- 秋芳川高架橋(228m)
- 秋芳川橋(275m)
- 西大寺高架橋(上り線:S62完成、延長822m、幅員8.0m)(下り線:S62完成、延長2104m、幅員8.0m)
- 百間川橋(上り線:S48完成、延長389m、幅員11.8m)(下り線:S54完成、延長389m、幅員11.9m)
- 倉田高架橋(上下線:S55完成、延長415m、幅員17.0m)
- 平井高架橋(292m)
- 旭川大橋(上下線:S47完成、延長340m、幅員28.2m)
- 洲崎高架橋(上り線:S48完成、延長943m、幅員8.0m)(下り線:S52完成、延長943m、幅員8.0m)
- 豊成高架橋(上り線:S48完成、延長335m、幅員8.0m)(下り線:S53完成、延長335m、幅員8.0m)
- 泉田高架橋(上り線:S50完成、延長664m、幅員8.0m)(下り線:S48完成、延長664m、幅員8.0m)
- 米倉高架橋(上下線:S48完成、延長1083m、幅員8.0m)
- 大樋橋(150m)
- 古城池高架橋(上り線:S57完成、延長388m、幅員8.0m)
- 大高高架橋(上り線:S58完成、延長1106m、幅員8.0m)
- 小溝高架橋(261m)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 出典を必要とする記事 | 一般国道 | 岡山県の交通 | 中国地方の道路