瀬戸中央自動車道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
本州四国連絡道路 | |
---|---|
瀬戸中央自動車道 国道30号バイパス |
|
陸上距離 | 37.3 km |
開通年 | 1988年 |
起点 | 早島町 山陽自動車道早島IC |
主な 経由都市 |
倉敷市 |
終点 | 坂出市 高松自動車道坂出IC |
接続する 主な道路 |
記事参照 |
■Template (■ノート ■使い方) ■ウィキプロジェクト 道路 |
瀬戸中央自動車道(せとちゅうおうじどうしゃどう、英称:SETO CHUO EXPRESSWAY)は、本州四国連絡道路児島・坂出ルート(愛称:瀬戸大橋)として、岡山県都窪郡早島町の山陽自動車道早島ICから香川県坂出市の高松自動車道坂出ICを結ぶ、延長37.3kmの高規格幹線道路(国道30号の自動車専用道路)であり、着工から9年6ヶ月を経て、日本の持つ最先端技術を駆使し、1988年(昭和63年)4月10日に開通した。
橋梁部分は、上部に4車線の瀬戸中央自動車道が走り、下部に本四備讃線(愛称:瀬戸大橋線)が通る2階建ての構造であり、用途が2通りあることから「併用橋」と呼ばれている。(下部には将来新幹線が走れるように複々線の幅員になっているが、現在は暫定的に「在来線」のみ設置されている。)
目次 |
[編集] 概要
- 起点:都窪郡早島町下野
- 終点:坂出市川津町下川津
- 延長:37.5km
- 車線数:4車線
- 道路幅員:25.0m
- 設計速度:100km/h
- 制限速度:100km/h(児島IC~坂出IC間:80km/h)
- 最低速度:50km/h
- 総事業費:1兆1338億円
- 工期:1978年(昭和53年)10月10日 - 1988年(昭和63年)4月10日
[編集] 沿革
- 1970年(昭和46年)7月1日 本州四国連絡橋公団設立。日本道路公団及び日本鉄道建設公団の本四連絡にかかる業務を承継。
- 1978年(昭和53年)10月10日 起工式。(坂出市番ノ州にて)
- 1980年(昭和55年)6月26日 坂出市の陸上部測量の為、聖通寺山で最初の幅杭打ち開始。
- 1981年(昭和56年)3月24日 下津井瀬戸大橋着工。
- 1981年(昭和56年)9月19日 岩黒島橋着工。
- 1981年(昭和56年)11月17日 鷲羽山トンネルを四つ目構造の複断面トンネルで建設することに決定。
- 当初はオープンカット工法の計画だったが、景観上の配慮のため変更。なお、同構造の採用は世界初。
- 1982年(昭和57年)10月12日 瀬戸大橋の橋色がライトグレーに決定。
- 1982年(昭和57年)10月21日 鷲羽山トンネル掘削開始。(西側鉄道トンネル)
- 1983年(昭和58年)3月25日 この時点においての用地取得状況を、岡山県51.2%、香川県28.6%と発表。
- 1983年(昭和58年)4月8日 岩黒島高架橋着工。
- 1983年(昭和58年)5月1日 櫃石島高架橋着工。
- 1983年(昭和58年)7月8日 与島高架橋着工。
- 1984年(昭和59年)7月4日 坂出北IC建設地の幅杭打ち開始。
- 1984年(昭和59年)8月28日 早島IC建設地の幅杭打ち開始。
- 1984年(昭和59年)10月25日 坂出IC建設地の幅杭打ち開始。
- 1985年(昭和60年)3月28日 番の州高架橋下部工が5年がかりで完成。
- 1985年(昭和60年)3月31日 岡山県側の用地取得状況が70%を越える。
- 1985年(昭和60年)7月6日 坂出北ICの高架橋下部工の工事着手。
- 1985年(昭和60年)8月7日 早島ICの工事着手。
- 1985年(昭和60年)11月26日 鷲羽山トンネルの道路用上り線が貫通。
- 1985年(昭和60年)12月31日 この時点においての用地取得状況を、岡山県95.9%、香川県97.0%と発表。
- 1986年(昭和61年)4月17日 道路部の塩生トンネルが貫通。
- 1986年(昭和61年)10月6日 道路部の柳田トンネルが貫通。
- 1986年(昭和61年)10月30日 道路部の正面山トンネル(上り線)が貫通。
- 1987年(昭和62年)1月17日 鷲羽山トンネルで最後の、道路用下り線が貫通。
- 1987年(昭和62年)5月20日 本州四国連絡橋公団が瀬戸大橋の開通を1988年4月と発表。
- 1987年(昭和62年)5月25日 本州四国連絡橋公団が瀬戸大橋道路部の名称を瀬戸中央自動車道と発表。
- 1987年(昭和62年)8月12日 すべての橋桁が閉合。
- 1987年(昭和62年)12月16日 瀬戸中央自動車道で最後まで残っていた菰池高架橋が連結、全線が繋がる。
- 1988年(昭和63年)3月1日 山陽自動車道の早島IC(倉敷JCT経由) - 福山東IC間(L=39.3km)が開通し、本土の西への道路網整備が整う。
- 1988年(昭和63年)3月20日 瀬戸大橋博覧会を開催。( - 同年8月31日まで)
- 1988年(昭和63年)4月10日 瀬戸中央自動車道と、JR本四備讃線の全線が開業。(与島にて瀬戸大橋開通式を開催)
- 1992年(平成4年)4月19日 高松自動車道の高松西IC - 善通寺IC、坂出IC - 坂出JCTが開通し、四国の高速道路と接続。
- 2003年(平成15年)7月 道路部の通行料金を10%値下げ。
- 2005年(平成17年)10月1日 日本道路公団等民営化関係法により、日本高速道路保有・債務返済機構ならびにJB本四高速に承継。(本州四国連絡橋公団は解散)
[編集] 通過市町村
[編集] インターチェンジなど
- 1 早島IC/TB〔本線料金所は上り線のみ〕(山陽自動車道・国道2号岡山バイパス)
- BS 有城南BS
- PA 粒江PA
- 2 水島IC(岡山県道21号岡山児島線・岡山県道62号玉野福田線)
- SA 鴻ノ池SA
- 3 児島IC/BS(→国道430号)
- BS 鷲羽山北BS
- ※ 櫃石島IC/BS
- ※ 岩黒島IC/BS(下りのみ)
- ※ 与島IC/PA/BS
- 4 坂出北IC(さぬき浜街道/早島方面のみ接続)
- 5 坂出IC/TB〔本線料金所は下り線のみ〕(高松自動車道・国道11号坂出丸亀バイパス)
- ※櫃石島・岩黒島・与島の各ICは一般車進入禁止。
[編集] 備考
- 櫃石島、岩黒島、与島には島民専用のICが存在し、カード式の無人ゲートとなっている。島民と路線バス、緊急自動車等の通行用であり、一般車の通行は禁止されている。
- 制限速度は早島IC - 児島IC間が100km/h、児島IC - 坂出IC間が80km/hで、全線に亘って最低速度50km/h規制がある。
- 本四架橋3ルートの中で通行料金を比較してみると、海峡部では普通車で1km当たり約220.13円であり、来島海峡大橋(約232.88円/km)に次ぐ高額な設定となっている。しかも他ルートに比べて海峡部が長いため、割高感も大きくなっている。
- 他の本四架橋ルートと共に、数回に亘って通行料金の引き下げが行われた。利用の増加を見込んだが、なお想定を大きく下回った交通量を補うことができず、本州四国連絡橋公団は実質的破綻状態に至った。このルートは以前から四国フェリーと宇高国道フェリーの過当競争が行われている区間であり、カーフェリーのほうが料金が安く、所要時間にも大差ないため、架橋ルートが海上航路に競争で負ける結果となったのである。
- 高松市・岡山市とも中心部からは架橋ルートがかなり遠回りになる。そのうえ岡山ICと岡山市中心部の間は国道53号の渋滞が慢性化しており、時間短縮効果もここで減殺されてしまう。また、開通当初は四国の高速道路と接続しておらず(そもそも高速道路網自体がさほど整備されていなかった)、また本州側も山陽自動車道の倉敷JCT以東(岡山自動車道も)が未開通だった。
[編集] 主な構造物
- 下津井瀬戸大橋(延長1,447m)
- 櫃石島高架橋(延長1,326m)
- 櫃石島橋(延長792m)
- 岩黒島高架橋(延長93m)
- 岩黒島橋(延長792m)
- 羽佐島高架橋(延長266m)
- 与島橋(延長611m)
- 与島高架橋(延長717m)
- 北備讃瀬戸大橋(延長1,611m)
- 南備讃瀬戸大橋(延長1,723m)
- 番の州高架橋(延長2,939m)
[編集] 関連項目
- 瀬戸大橋
- 瀬戸大橋線 - JR西日本・JR四国の鉄道路線。
- 四国新幹線 - 「四国横断新幹線」が該当、全国新幹線鉄道整備法による。
- 塩飽諸島
- 本州四国連絡橋
- 本州四国連絡道路
- 高規格幹線道路
- 中国地方の道路一覧
- 四国地方の道路一覧
- 日本の高速道路一覧
[編集] 外部リンク
- JB本四高速 (本州四国連絡高速道路株式会社)
NEXCO東日本管理道路 |
---|
道央道・札樽道・道東道・東北道・八戸道・青森道・釜石道・秋田道・ 山形道・磐越道・日本海東北道・東北中央道 |
北陸道・外環道・関越道・上信越道・長野道・常磐道・館山道・東関東道・新空港道・北関東道 |
NEXCO中日本管理道路 |
中央道・長野道・中部横断道・東名高速・名神高速・東海北陸道・北陸道・伊勢湾岸道・東名阪道・伊勢道・紀勢道 |
NEXCO西日本管理道路 |
名神高速・西名阪道・近畿道・関空道・ 阪和道・舞鶴若狭道・中国道・山陽道・播磨道・岡山道・米子道・松江道 |
広島道・浜田道・山陰道・ 徳島道・松山道・高松道・高知道・関門橋・九州道・宮崎道・長崎道・大分道・東九州道 ・沖縄道 |
本四高速管理道路 |
瀬戸中央道・神戸淡路鳴門道・西瀬戸道(しまなみ海道) |
都市高速道路 |
首都高速・名古屋高速・阪神高速・広島高速・福岡高速・北九州高速 |