東武小泉線
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小泉線(こいずみせん)は、群馬県館林市の館林駅と群馬県邑楽郡大泉町の西小泉駅及び群馬県太田市の太田駅と群馬県邑楽郡大泉町の東小泉駅を結ぶ東武鉄道の鉄道路線である。
本項では、西小泉駅から仙石河岸駅までの貨物線である仙石河岸線(せんごくがしせん)についても触れる。
目次 |
[編集] 路線データ
- 路線距離:18.4km(館林駅~西小泉駅12.0km・太田駅~東小泉駅6.4km)
- 軌間:1067mm
- 駅数:9駅(起終点駅含む)
- 複線区間:全線単線
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 最高速度:75km/h
但し、館林駅~東小泉駅~太田駅間の運賃計算キロは、距離の長い伊勢崎線経由のキロ数に合わせて20.1kmとしている(実キロは16.2km)。そのため、東武鉄道唯一の環状区間となっている。
[編集] 運行形態
ワンマン運転の普通列車のみが館林~西小泉間と桐生線赤城~太田~東小泉間で運転されており、太田~東小泉間は桐生線と運転系統が一体化されている。ほとんどの列車は太田で時間調整を行うため、列車の停車時間は長い。列車によっては約20分停車していることもある。朝の1往復のみ太田~西小泉間で運転されるものがある。館林~西小泉間は館林線、太田~東小泉間は太田線・桐生線とも呼ばれる。かつては伊勢崎線伊勢崎まで直通運転が行われていたほか、貨物列車が運行されていた時期は赤城行き(復路は久喜行き)は小泉線経由で運行されていた。館林~太田間を直通する列車もあった。変わった運行形態としては、伊勢崎線の太田~館林間が踏切事故で不通の際に「りょうもう」号が小泉線経由で運転されたことがある。
[編集] 使用車両
[編集] 現在の車両
- 8000系 2両ワンマン編成で運行
[編集] 過去の車両
[編集] 歴史
小泉線の前身は、1917年(大正6年)3月12日に館林~小泉町間で営業開始した中原鉄道(ちゅうげんてつどう)小泉線であった。同社は1922年(大正11年)に上州鉄道と改称され、軽便鉄道から地方鉄道となったが、1937年(昭和12年)に東武鉄道に買収された。その結果、中原鉄道小泉線が東武鉄道小泉線となった。
その後、小泉町駅と仙石河岸駅を結ぶ仙石河岸貨物線が開業し、途中に新小泉駅が開設された。
1941年(昭和16年)6月1日に中島飛行機小泉製作所への輸送を行うため、太田~(現)東小泉間が開通したことを受け、小泉信号所(現・東小泉駅)が設けられた。同駅は翌1942年4月に東小泉駅と改称し、旅客営業を開始している(代わりに小泉町駅での旅客営業を中止)。同年12月1日には仙石河岸貨物線に西小泉駅が開設され、中島飛行機小泉製作所の玄関駅となった。
軍の要請によって仙石河岸線の新小泉駅から分岐させて熊谷線と接続する予定であったが、第二次世界大戦後に工事は停止され、また仙石河岸駅と新小泉駅も相次いで閉駅され、西小泉駅以南は廃線となった。熊谷線は、1983年(昭和58年)5月31日に廃止されている。
東小泉駅は、1955年(昭和30年)に再び信号所となったが(代替として小泉町駅での旅客営業を再開)、1977年(昭和52年)の西邑楽高校開校に併せて旅客営業を再開し、小泉町駅とともに現在に至っている。東小泉が信号所であった頃、東小泉駅は西小泉~太田間と西小泉~館林間での乗り換え専用駅であり、乗降車駅として利用することはできなかった。
2003年(平成15年)3月19日に太田~東小泉間でワンマン運転、2006年(平成18年)3月18日に桐生線との直通運転を開始したが、同年9月28日から館林~西小泉間でもワンマン運転を開始した。これにより小泉線は全区間でワンマン運転が行われるようになった。
[編集] 年表
- 1917年(大正6年)3月12日 - 中原鉄道が館林~小泉町間を開業
- 1922年(大正11年)3月4日 - 中原鉄道が上州鉄道への社名変更届出
- 1926年(大正15年)4月10日 - 成島駅開業
- 1928年(昭和3年)12月30日 - 目車駅開業
- 1931年(昭和6年)8月2日 - 瘤観音駅開業
- 1933年(昭和8年)3月1日 - 狸塚駅開業
- 1937年(昭和12年)1月10日 - 東武鉄道が上州鉄道を買収
- 1939年(昭和14年)4月13日 - 仙石河岸線 小泉町~仙石河岸間開業(貨物線)
- 1941年(昭和16年)6月1日 - 太田~小泉町間が開業
- 1941年(昭和16年)12月1日 - 小泉信号所(現在の東小泉駅)開設、西小泉駅開業、小泉町駅旅客営業廃止
- 1941年(昭和16年)12月25日 - 目車駅・瘤観音駅・狸塚駅廃止
- 1942年(昭和17年)4月 - 小泉信号所を旅客駅に昇格し東小泉駅開業
- 1942年(昭和17年)5月10日 - 竜舞駅開業
- 1943年(昭和18年)5月16日 - 太田~西小泉間電化
- 1943年(昭和18年)10月19日 - 館林~東小泉間電化
- 1955年(昭和30年) - 東小泉駅を信号所に降格、小泉町駅旅客営業再開
- 1955年(昭和30年)9月20日 - 新小泉駅開業
- 1975年(昭和50年)4月1日 - 新小泉駅廃止
- 1976年(昭和51年)10月1日 - 仙石河岸線 西小泉~仙石河岸間廃止
- 1977年(昭和52年) - 東小泉駅旅客営業再開
- 2003年(平成15年)3月19日 - 東小泉~太田間でワンマン運転開始
- 2006年(平成18年)3月18日 - 桐生線との直通運転再開(太田駅高架化工事のため一時休止)
- 2006年(平成18年)9月28日 - 館林~西小泉間でワンマン運転開始
[編集] 駅一覧・接続路線
- ■は廃止区間を表す
- ※は仙石河岸線(廃止)
- 乗降人員(単位:人)は2005年度
- 全列車全駅に停車、全区間でワンマン運転
- 運賃計算は営業キロを用いる
[編集] 館林~西小泉~仙石河岸間
路線名 | 駅名 | 実キロ | 営業キロ | 接続路線 | 乗降人員 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
小泉線 | 館林駅 | 0.0 | 0.0 | 東武鉄道:伊勢崎線、佐野線 | 10,202 | 群馬県 | 館林市 |
成島駅 | 2.0 | 2.6 | 1,268 | ||||
本中野駅 | 6.1 | 6.8 | 1,164 | 邑楽郡邑楽町 | |||
篠塚駅 | 8.2 | 9.2 | 201 | ||||
東小泉駅 | 9.8 | 11.0 | 東武鉄道:小泉線(太田方面) | 1,672 | 邑楽郡大泉町 | ||
小泉町駅 | 10.7 | 11.9 | 432 | ||||
西小泉駅 | 12.0 | 13.2 | 1,562 | ||||
※ | |||||||
新小泉駅 | -- | -- | -- | ||||
仙石河岸駅 | -- | -- | -- |
[編集] 東小泉~太田間
駅名 | 実キロ | 営業キロ | 接続路線 | 乗降人員 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|
東小泉駅 | 0.0 | 0.0 | 東武鉄道:小泉線(西小泉方面・館林方面) | 1,672 | 群馬県 | 邑楽郡大泉町 |
竜舞駅 | 3.1 | 4.4 | 194 | 太田市 | ||
太田駅 | 6.4 | 9.1 | 東武鉄道:伊勢崎線・桐生線(直通) | 9,574 | ||
桐生線赤城方面直通運転 |
[編集] かつて存在していた駅
- 目車駅(館林~成島間 1928年12月30日開業・1941年12月25日廃止)
- 狸塚駅(成島~本中野間 1933年3月1日開業・1941年12月25日廃止)
- 瘤観音駅(東小泉~小泉町間 1931年8月2日開業・1941年12月25日廃止)
[編集] PASMO導入について
[編集] 今後の計画
- 西小泉から、かつての仙石河岸線と熊谷線区間と熊谷を通って東上線の東松山までを結ぶ「埼群軌道新線」の建設が計画されている。この計画が実現された場合、仙石河岸線と熊谷線も埼群軌道新線として復活する可能性がある。