第3師団 (陸上自衛隊)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

この項目では陸上自衛隊の第3師団について説明しています。大日本帝国陸軍の第3師団については第3師団 (日本軍)をご覧ください。

陸上自衛隊
幕僚機関
陸上幕僚監部
主要部隊
北部方面隊
東北方面隊
東部方面隊
中部方面隊
西部方面隊
中央即応集団
師団等一覧
連隊等一覧
主要機関
陸自幹部学校
陸自幹候学校
陸自研究本部
陸自補給統制本部
その他
陸自の駐屯地一覧
陸自の装備品一覧
陸自の演習場一覧

第3師団（だい3しだん）は陸上自衛隊の師団のひとつ。中部方面隊隷下の政経中枢師団で、司令部を兵庫県伊丹市の千僧駐屯地に置く。近畿2府4県（滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県）の防衛警備、災害派遣を任務とするほか、民生協力及び国際貢献活動を行っている。

師団司令部及び指揮下の13個部隊は、奈良県及び和歌山県を除く近畿2府2県8個駐屯地に配置されている。奈良県には航空自衛隊の幹部候補生学校があり、和歌山県には和歌山駐屯地が所在するが、第3師団隷下外の部隊のみが駐屯している。また海上自衛隊由良基地分遣隊の基地がある。

[編集] 沿革

1950年12月：警察予備隊第3管区総監部（発足第3師団の前身）
1951年1月：宇治に総監部設置
1951年4月：伊丹駐屯地開設　第三管区総監部移駐（宇治から伊丹へ）、第7普通科連隊（福知山）・特科63連隊（姫路）新編
1954年:特科63連隊を第3特科連隊に改編
1959年12月:第三管区総監部移駐（伊丹から千僧へ）
1962年1月:方面管区制施行
1962年1月:第3管区隊から第3師団（乙）に改編
1962年1月:第36普通科連隊新編（伊丹）
1962年1月:第37普通科連隊新編（信太山）
1970年3月:第3師団（甲）に改編
1970年3月:第45普通科連隊新編（大久保）
1975年8月:第3師団改編
1975年8月:第3音楽隊
1975年8月:第3後方支援連隊新編（千僧）
1979年3月:第3師団改編
1979年3月:第3高射特科大隊新編（姫路）
1979年3月:第3飛行隊新編（八尾）

[編集] 冷戦構造崩壊後

1994年3月:第3師団（乙）に改編
1994年3月:第45普通科連隊廃止
1994年3月:第3対戦車隊廃止
1994年3月:第3施設大隊（千僧から大久保へ）
1994年3月:第3後方支援連隊衛生隊（伊丹から千僧へ）
1995年1月:阪神淡路大震災災害派遣（101日間）
1996年3月:第3師団改編
1996年3月:司令部第4部長独立
1996年3月:第3後方支援連隊
1996年3月:武器隊が大隊に改編
1997年1月:山陰地方タンカー重油流出に伴う災害派遣
1998年7月:北方機動特別演習
2000年7月:北方機動特別演習
2002年1月:第13次UNDOF派遣輸送隊派遣
2005年:本師団を基幹とする第6次イラク復興支援群が編成され、群長には第36普通科連隊長の鈴木純治一等陸佐が補せられる。
2005年 4月25日:JR福知山線脱線事故に伴う災害派遣
2005年 6月16日:第7普通科連隊に軽装甲機動車（LAV）約20両が配備され、受領報告式が行なわれる。
2005年度末:即応近代化師団に改編される。

[編集] 平成17年度末改編

平成17年度末（2005年度末）改編では、即応近代化師団に改編される。本師団が政経中枢機構の警備に当たる師団であることから、より現代的な危機に対応するために、火砲を減少させる反面、テロ・ゲリラ・生物兵器・化学兵器による危険に対応することができるような改編が図られている。

普通科連隊などに狙撃班を新編する。
第3特科連隊（姫路駐屯地、定員約1300名）は第3特科隊（定員約500名）に縮小される。主要装備の155ミリ榴弾砲 FH70は定数を45門から20門に縮小される。
化学防護部隊では、師団司令部付隊化学防護小隊（定員約20名）を師団直轄部隊として、第3化学防護隊（定員約50名）に改編する。

[編集] 編制

千僧駐屯地（兵庫県伊丹市）

第3師団司令部および同付隊
第3後方支援連隊
第3通信大隊
第3偵察隊
第3化学防護隊
第3音楽隊

福知山駐屯地（京都府福知山市）

第7普通科連隊

伊丹駐屯地（兵庫県伊丹市）

第36普通科連隊

信太山駐屯地（大阪府和泉市）

第37普通科連隊

姫路駐屯地（兵庫県姫路市）

今津駐屯地（滋賀県高島市）

第3戦車大隊

大久保駐屯地（京都府宇治市）

第3施設大隊

八尾駐屯地（八尾空港）（大阪府八尾市）

第3飛行隊

[編集] 司令部

詳細は司令部#陸上自衛隊の師団の司令部等の構成を参照

[編集] 高級幹部

職名	氏名	階級	就任日	出身校・期	前職
師団長	五藤正美	陸将	2005年1月12日	防衛大学校16期	高射学校長
副師団長（兼千僧駐屯地司令）	川口洋市	陸将補	2005年7月28日	防衛大学校17期	第3教育団長

[編集] 師団長

歴代の第3師団長（陸将）
代数	氏名	在任期間	出身校・期	前職	後職	備考
第3管区総監
初代	大森寛	1950.10.9 - 1954.6.30	東京帝国大		第1管区総監
第2代	金山國治	1954.7.1 - 1957.3.11		保安隊幹部学校長	陸上幕僚監部所属（防衛研修所派遣） →1957.8.16退職	1957.9.18 弁護士登録
第3代	杉田一次	1957.3.12 - 1959.7.31	陸士37期・陸大44期	富士学校長	東部方面隊準備本部長
第4代	長谷部清	1959.8.1 - 1962.1.17	陸士40期・陸大47期	第10混成団長	第3師団長
第3師団長
初代	長谷部清	1962.1.18 - 1962.7.31	陸士40期・陸大47期	第3管区総監	陸上幕僚監部第5部長
第2代	山田正雄	1962.8.1 - 1964.3.15	東京帝国大	第6管区総監	陸上幕僚監部第5部長
第3代	田中兼五郎	1964.3.16 - 1965.3.15	陸士44期・陸大54期	陸上幕僚監部第3部長	陸上幕僚監部第5部長
第4代	大島輝之助	1965.3.16 - 1968.3.13		武器補給処長	陸上幕僚監部第5部長
第5代	衣笠駿雄	1968.3.14 - 1969.6.30	陸士48期・陸大55期	陸上幕僚監部第3部長	陸上幕僚副長	就任時陸将補 1968.3.16陸将
第6代	堀江正夫	1969.7.1 - 1970.6.30	陸士50期・陸大57期	東部方面総監部幕僚長	陸上幕僚監部第5部長
第7代	口野昌三	1970.7.1 - 1972.3.16		関西地区補給処長	退職
第8代	山次惟貞	1972.3.16 - 1974.3.16	陸士51期・陸大59期	施設学校長	退職
第9代	高品武彦	1974.3.16 - 1975.3.16	陸士54期	陸上幕僚監部第3部長	防大幹事
第10代	田中潔	1975.3.17 - 1977.3.16		東部方面総監部幕僚長	東北方面総監
第11代	松永明	1977.3.16 - 1978.7.1		武器補給処長	退職
第12代	林榮一郎	1978.7.1 - 1979.7.31	海兵74期	陸上幕僚監部調査部長	防大幹事
第13代	佐藤久美	1979.8.1 - 1981.7.1	陸士58期	東北方面総監部幕僚長	退職
第14代	横地光明	1981.7.1 - 1983.3.15		陸上幕僚監部装備部長	富士学校長
第15代	稲森友三郎	1983.3.16 - 1984.7.1		陸上幕僚監部教育訓練部長	退職
第16代	井上年弘	1984.7.1 - 1986.3.16	九州大	陸上幕僚監部教育訓練部長	北部方面総監
第17代	多田利雄	1986.3.17 - 1988.3.15		東北方面総監部幕僚長	中部方面総監
第18代	深山明敏	1988.3.16 - 1990.3.16	防大1期	中部方面総監部幕僚長	退職
第19代	君嶋信	1990.3.16 - 1991.3.15	防大3期	第1特科団長	幹部学校長
第20代	隈部正則	1991.3.16 - 1993.6.30	防大5期	北部方面総監部幕僚長	東北方面総監
第21代	浅井輝久	1993.7.1 - 1995.3.23	防大5期	陸上幕僚監部監察官	退職
第22代	山口賢介	1995.3.23 - 1997.3.26	防大7期	幹部候補生学校長	退職
第23代	千田稔	1997.3.26 - 1998.7.1	防大8期	防衛研究所副所長	退職
第24代	先崎一	1998.7.1 - 1999.12.9	防大12期	陸上幕僚監部人事部長	陸上幕僚副長
第25代	松川正昭	1999.12.10 - 2001.3.26	防大13期	北部方面総監部幕僚長	統合幕僚会議事務局長
第26代	小野寺平正	2001.3.27 - 2002.3.22	防大11期	第13旅団長	退職
第27代	林直人	2002.3.22 - 2003.6.30	防大15期	統合幕僚会議事務局第3幕僚室長	陸上幕僚副長
第28代	椋木功	2003.7.1 - 2005.1.11	防大16期	統合幕僚会議事務局第3幕僚室長	情報本部長
第29代	五藤正美	2005.1.12 -	防大16期	高射学校長