音撃戦士
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音撃戦士(おんげきせんし)は、特撮番組『仮面ライダー響鬼』において魔化魍と呼ばれる怪物たちから人々を守る戦士。鬼(おに)とも呼ばれる。他の仮面ライダーシリーズ作品における仮面ライダーと同等の存在。
特殊な音波を発する道具を用いることによって異形の戦士と化し、人間をはるかに超える超人的な能力を発揮して戦う。
目次 |
[編集] 基本設定
「音撃武器」と称される道具を携行し、この道具から発せられる「清めの音」である音撃によって魔化魍を退治する(音撃以外の方法では魔化魍を完全に退治する(清める)事は出来ない)。
一人前の鬼として認められると、鬼の名前を与えられ、以後猛士メンバーからは、本名の代わりにその通称で呼ばれるようになる。
全ての鬼は変身時、変身ガジェットを額に翳すというプロセスをとる。 その際、変身後その部位にあるものと同形の鬼面が浮かびあがる。 額に鬼面が浮かんだ直後、音撃戦士は一旦それぞれの持つ属性の気を身体に纏う。 変身後、身体能力は常人の数倍から十数倍にまで向上する。 肉体の回復力も同様で、鍛え込んだ鬼は少々の傷ならば気合を入れるだけで治癒が可能であり、気力の続く限り活動し続けることができる。 ただし、内臓や脊髄など、中枢部位を損傷・破壊された場合はこの限りではない。
鬼への変化の解除は意識的・部分的に行なうことが可能だが、意識を失うなどして強制的に解除された場合は、当然全裸となってしまう。
関東支部11鬼の設定には髙寺プロデューサーを中心に製作側の遊び心が総動員されている。スーツアクターやプロデューサー陣、監督陣の中にモデルとなる人物がおり、響鬼スタッフからすれば各鬼のプロフィールを見れば製作者の誰がモデルになっているのかよく判るとのこと(大酒飲み、大学生との二束の草鞋等)。
[編集] 太鼓の音撃戦士
「音撃棒」と称する撥を用いて戦う。 腰部に着装されている「音撃鼓」と呼称するガジェットを魔化魍に付着させこれを太鼓に見立て「音撃棒」で叩き、「清めの音」を体表から叩き込む方法で退治する。 付着した音撃鼓は対象のサイズにより直径が変化する。 常に接近戦に持ち込む必要があるためリスクが大きく、多少の得手・不得手(飛翔型など)はあるものの、おおよそどの魔化魍に対しても大きな効果が期待でき、音撃の中でも最もオーソドックスなタイプといえる。 ただし、種類によっては一回の音撃で太鼓が消滅してしまうので場合によっては複数の魔化魍を相手にするのは他の二種に比べかなり不利とも言える。 また、夏に出現する魔化魍には、太鼓による音撃しか効果がない(攻撃を受けると分裂・増殖する)種類もあるため、他の音撃武器を使用する戦士であっても夏場は太鼓と撥を携行している。
[編集] 共通の武装
- 変身音叉
- 鬼に変身する為の道具。音叉の先端を何かに打ち付けて特殊音波を発生させ額に翳し、所持属性の気に包まれた後変身する。また、ディスクアニマルの起動や、ディスクアニマルが収集した映像や音の再生にも使われる。
- 音撃鼓
- 音撃を叩き込む際使用する太鼓。音撃鼓の脇についているつまみで音撃展開時の大きさを調節できる。TDB(takesi data bank)にデータのある魔化魍は既に展開時の大きさは登録済みだが、新種やイレギュラーの場合は手動で調節する。
- 音撃棒
- 太鼓の鬼の主武器。「撥」として使うほか、格闘戦でも打撃武器として用いる。撥の先端(阿吽の鬼の頭)は、精錬された鬼石でできている。また柄の部分は霊木が使用されている。
[編集] 響鬼
主人公であるヒビキが「変身音叉・音角」を用いて変化した戦闘形態。 使用する「音撃鼓・火炎鼓」は和太鼓に似た形をしている。 一鬼としては炎属性を持っている様子。
「十三之巻」で、みどりが制作した改良型の音撃鼓「爆裂火炎鼓」を使用したが、技によって「爆裂火炎鼓」は爆発、以後、同じものを装備しているかは定かではない。 また、夏に大量発生する魔化魍への対策として響鬼は毎年夏季になると己の肉体を更に鍛え上げ、炎の力を昇華した強化形態「響鬼紅」に変化できる様になる。劇中において修行により属性を特化させ二段変身を見せた鬼は彼のみで、他の鬼にも属性ごとの同様の延長能力が使えるのかは定かではない。響鬼紅時には音撃棒による打撃がそのまま炎の音撃鼓の形を成すため、音撃鼓を用いなくても魔化魍に強力な音撃を叩き込むことが出来る。ただしこの姿を維持できるのは一時間程で、この形態は体に著しい負担を与える。その絶大なパワーを音撃鼓と併用する事により、鋭鬼、威吹鬼、轟鬼ら三人掛りでも歯が立たなかったヨロイグモを響鬼紅単独で倒した。ちなみに紅の修行を完成せぬうちにその能力を使用しようとすると腕のみの紅化身等、中途半端なパワーアップをしてしまう。
三十三之巻にて、吉野の技術部開発局長、小暮がもたらした装甲声刃によって装甲響鬼(アームドひびき)に強化できるようになる。鍛錬を欠かさぬヒビキも最初から扱いこなす事は出来ず、実験台にされたダンキら同様に変身不能に陥るが、小暮の元での再特訓で鍛え直す事により、アームドセイバーを使いこなし、その本来の力をも引き出した。
装甲声刃が放つ波動によって響鬼の全身が強化され、またディスクアニマルが鎧と化して装着されることで攻撃力・防御力ともに全国の119人の鬼の中で最強の鬼となる。
響鬼(及び他の鬼達)の基本のマスクのデザインは、仮面ライダーの最大の特徴とも言うべき「複眼」を廃し、目・口等のマスクの特徴は無く(つまり、のっぺらぼう)、縁取りだけで顔を表現するという歌舞伎役者のような物となっている。高寺曰く「21世紀型の能面」を目指したとの事。
更にボディデザインでも異彩を放っており、従来の仮面ライダーでは全身のほぼ3、4割を覆っていたプロテクター(装甲)が胸部に僅かにある程度に留まり、また掌の皺、指先の爪のモールドなど、生身の肉体を意識した物となっている。全身には「マジョーラ」という塗装を施しており、響鬼に使用されたそれは、同じ位置から見てもライトの当てる位置・光量によりボディカラーが青・紫・赤紫と違って見える物である。デザイナー曰く「響鬼は肉体美を強調している」「(マジョーラ塗装で)生命感を出したかった」と語っており「響鬼」の特異性を更に際立たせた。
響鬼のデザイン制作過程は従来の平成仮面ライダーにおける、まずデザイン画から決定し、その後造型を作るというものとは異なり、如何にもスーツ然としたシワが出ない様、実物のスーツで検討を何度も重ねながら、それに添ってデザイン画を決めていったらしい。全身を覆う体のラインはそのシワ隠しの物である(設定上は血管となっている)。しかし試行錯誤を重ねた結果、完全にシワを無くす事は不可能と言う結論に達したが、その時生まれたデザインはほぼそのまま採用となる。
また高寺から今までに無い物ということで、髪を付けてみればというアイデアがでたが、デザイナーから「却ってありがち」ということで却下された。
響鬼紅は当初登場の予定は無かった。元のデザイン画では顔面は半透明シルバーに光るマスクだったが、文芸担当面から新フォームのマスクには目力が欲しいという要求で、目の部分を強調し黒塗りのゴーグル型にデザインが変更されている。アームド響鬼の頭部もこれに倣っている。なお響鬼紅のスーツは一体のみで予備は制作されていなかった。
響鬼の後半登場のパワーアップ形態は当初、従来の平成・仮面ライダー全てがそうだった過装飾的な物を嫌い、響鬼の基本デザインの上に模様が出るというデザインを構想していたが、児童層へのアピールを重視し、現在の装甲響鬼へと変更となった。(劇場版ではこちらに近い描写が試みられている。)
装甲響鬼の鎧を纏う過程において響鬼紅に変身し、実質二段変身する。この描写は予定に無く響鬼紅が視聴者に好評だった為、急遽取り込まれたものだという。
響鬼紅、装甲響鬼は(例外である半新造形の朱鬼を除くと)スーツにマジョーラ塗装が使用されていない。
- 道具
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- 変身音叉・音角(へんしんおんさ・おんかく)
- ヒビキが鬼に変身する為の道具。
- 装備帯
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- 音撃鼓・火炎鼓(おんげきこ・かえんつづみ)
- 響鬼が音撃を行う際に使う太鼓。
- 音撃鼓・爆裂火炎鼓(おんげきこ・ばくれつかえんつづみ)
- 火炎鼓の改良型。清めの音を送り込む力が従来の物より強化されている。灼熱真紅の型を頻繁に使用するようになり、その際の肉体的負担を軽減するためみどりが考案・開発した。
- 音撃武器
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- 音撃棒・烈火(おんげきぼう・れっか)
- 劇中初期からの武器。鬼棒術によってはなれた敵に攻撃することもあるが、基本的には近距離用。折れたりすることもあったが先端の鬼石が無事であれば修復できるようだ。一之巻でヒビキが屋久島に赴いたのは、破損した音撃棒の材料を取りに行くためだった。小説「明日への指針(コンパス)」によると、響鬼の音撃棒の柄は屋久杉が一番しっくり来るらしい。
- 劇中、その後の戦闘でもう片方も折れてしまい、明日夢と共に霊木を採集する事になる。
- 響鬼の音劇棒の鬼石は炎の気を剣の形まで伸ばし形成する為のみどりの実験の過程で何度か破損、新造を繰り返されている。
- 音撃増幅剣・装甲声刃(おんげきぞうふくけん・あーむどせいばー)
- 小暮耕之助が開発した剣型の音撃武器。自らの声を装甲声刃で増幅させ、清めの音にすることができる。
- 必殺技
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- 鬼法術・鬼火(きほうじゅつ・おにび)
- 口から紫色の炎を放つ攻撃。
- 鬼闘術・鬼爪(きとうじゅつ・おにづめ)
- 手の甲から爪を生やし突き刺す技。これはどの鬼でも習得可能なようだ。
- 鬼棒術・烈火弾(きぼうじゅつ・れっかだん)
- 音撃棒の先端の鬼石から火炎弾を放つ技。中距離からの攻撃に使われることが多い。
- 鬼棒術・烈火剣(きぼうじゅつ・れっかけん)
- 音撃棒の先端の鬼石に集中させた炎の気を剣の形に収束させて敵を斬る技。
- 音撃打(おんげきだ)
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- 火炎連打の型(かえんれんだのかた)
- 一気火勢の型(いっきかせいのかた)
- 豪火連舞の型(ごうかれんぶのかた)
- 猛火怒涛の型(もうかどとうのかた)
- 爆裂強打の型(ばくれつきょうだのかた) - 音撃鼓・爆裂火炎鼓によって威力が増幅されているため、叩く回数が少ないのが特徴。
- 灼熱真紅の型(しゃくねつしんくのかた) - 響鬼紅の必殺音撃。夏の魔化魍を一撃で粉砕できる。
- 爆裂真紅の型(ばくれつしんくのかた) - 音撃鼓・爆裂火炎鼓に灼熱真紅の型を併せる響鬼紅の必殺音撃。
- 音撃刃・鬼神覚声(おんげきは・きしんかくせい)
- 装甲響鬼の声を装甲声刃によって増幅し、音撃波として敵にぶつける技。あらゆるタイプの魔化魍に効果を発揮する。
- 音撃射・疾風一閃(おんげきしゃ・しっぷういっせん)
- 「四十六之巻」で、イブキの烈風を使い、佐野のアミキリ戦で使用。
- 主な移動手段
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- 不知火(しらぬい)
- ヒビキが魔化魍退治の際に主に使用する四輪駆動車。ホンダ・エレメントがベース。当初ヒビキ自身は車の運転が得意とはいえないせいか、香須実(都合で出撃できない場合は日菜佳またはみどり)がドライバーを務めていたが、最近は運転に慣れてきたようで、「四十三之巻」で明日夢や京介を乗せて修行に向かった。
- 凱火(がいか)
- バイクの腕前を鍛え直したヒビキに、吉野の猛士本部から新たに与えられた専用バイク。ホンダ・ワルキューレルーンがベース。特別遊撃班としてサポーターを伴わない単独移動を想定して支給されたもので、随時DA用のサイドバッグなどが追加装備される。吉野から届けられた事もあって、京都ナンバーのプレートを使用している。
[編集] 弾鬼
呼称はダンキで、設定年齢26歳。 本名は段田大輔(だんだ だいすけ)。 本籍は山形県寒河江市。
猛士関東支部における11人の「鬼」の一人で、石の属性を持つ。 性格は短気かつ大雑把で、パソコンをはじめとしたIT機器の扱いは苦手。猛士からの連絡網が廻ってくる、鬼達の連絡手段であるパソコンの故障にも無頓着で、まるで修理しようとする気配が見られなかった。
素顔を見せている数少ない鬼の一人で、たちばなにも時々やって来るが、他の鬼との共闘は描かれなかった。拉致された明日夢らの捜索任務を任されるなど、関東の鬼の中でも裁鬼と並んでたちばな経由のネットワークは親密である。 表面では生意気なことを口走っていても、太鼓の鬼としての先輩・響鬼を慕い尊敬している。
小暮の新武器アームドセイバーの実験台にされた結果変身不能になってしまい、同じく被害にあった親友・勝鬼と共に「たちばな」に相談に訪れるが 文句の内容は全て小暮に筒抜けであり、結局は二人揃って尻を滅多打ちにされた。 結局アームドセイバー使用から一ヵ月後に変身能力を取り戻す。二人は親友であり同じ関東地区の所属であるが「たちばな」に揃って顔を出す事は非常に珍しいらしい。
変身した状態では十三之巻に登場。獣のようなワイルドな構えと、縦横無尽に跳躍する独特のスタイルの戦法を用いて闘う。OPや人間体スチルでは蹴りの形を構えており、格闘戦において特に蹴り技を得意としていると思われる。仮面ライダー龍騎に登場した仮面ライダーインペラーとポーズおよびスタイルが同一。
- 東京都練馬区の「トキワ荘」202号室に住んでいる。
- 演じた伊藤慎はキャスト欄にもあるように変身後の響鬼のスーツアクターである。スーツアクターが素顔で出演して別のヒーローを演じるという非常に珍しいケースであり、仮面ライダーシリーズにおいては初である。放映当時配役を知らされた本人はかなり驚いたとのこと。「こんな鬼(ライダー)もありということで」と高寺プロデューサーの意向から設定された初のゲスト鬼。ダンキのキャラクターを膨らませるため、素顔の出演に当たって伊藤は伊達眼鏡をかけて演じている。
- 装備帯
- 音撃鼓・御影盤(おんげきこ・みかげばん)
- 音撃武器
- 音撃棒・那智黒(おんげきぼう・なちぐろ)
グリップが白と他の鬼と違いカスタマイズされている。
- 必殺技
- 音撃打・破砕細石(おんげきだ・はさいさざれいし)
[編集] 鋭鬼
呼称はエイキで、猛士関東支部における11人の「鬼」の一人。属性は火炎系であると見られる。鬼石に宿る炎の色が緑である。 弟子やサポーターは持たず単独で行動し、小柄ながら俊敏さと勇猛さで戦う。 ただし、駄洒落好きな性格で周りを閉口させる事も(これが弟子やサポーターが付かない一因ではとも言われる)。
撥に使われている半透明白の鬼石は彼専用の特殊なものである。 サポーターも伴わず戦う彼はかなりの実力者であり、斬鬼でさえ武者童子に鋭鬼が敗れたことに驚いた。
二十八~二十九之巻に登場。ゲストとしては珍しく音撃を見せたが、最後まで素顔を見せる事は無かった。
設定どおり11鬼並んだ時も小柄さは目立ち、皆より一回り小さい事がわかる。
- 装備帯
- 音撃鼓・白緑(おんげきこ・はくりょく)
- 音撃武器
- 音撃棒・緑勝(おんげきぼう・ろくしょう)
- 必殺技
- 音撃打・必殺必中(おんげきだ・ひっさつひっちゅう)
[編集] 剛鬼
呼称はゴウキで猛士関東支部における11人の「鬼」の一人。 設定年齢28歳。
気は優しくて力持ちな性格で、口数は少ないが、心優しく仕事もキッチリこなす好漢。 響鬼同様多彩な必殺技を持っており、昨年は響鬼に次ぐ戦績を残している。 サポーターを勤めていた女性と昨年結婚しており、新婚夫婦で活躍中。
劇中ではオープニング映像のみの出演となっており、素顔を見せることはなかった。 基本カラーはブルーでマスクは裁鬼タイプだが上段ではなく中段の角が長い。
ホビージャパンにおいてS.I.C.商品を改造した作例が掲載された。その際には音激棒剛力は大型にアレンジされた。
- 装備帯
- 音撃鼓‧金剛(おんげきこ‧こんごう)
- 音撃武器
- 音撃棒‧剛力(おんげきぼう‧ごうりき)
- 必殺技
- 音撃打・剛腕無双、爆裂乱打(おんげきだ・ごうわんむそう、ばくれつらんだ)他
[編集] 京介変身体
桐矢京介が一年間の修行を経て鬼に変身した姿。練習用の音撃棒と音撃鼓を装備している。
銀の体色に金のオプション部品、紫の角と映像作品において最終最後の鬼とはいえど、「金」「銀」「紫」と高貴・高級とされる色を片っ端から使用し、登場した鬼の中でも抜きん出て派手なカラーリングをしている。もともとは吹雪鬼用のスーツとして用意されたものを改修して使用したとのこと。カラーリングとフェイスパターンは、仮面ライダー龍騎の仮面ライダータイガに酷似している。銀色の体色は彼の父が殉職した消防士であることから、消防士をイメージしているとも考えられる。番組終了後に行われたよみうりランドのショーでは「強鬼(きょうき)」というコードネームを名乗った。
[編集] 管の音撃戦士
「音撃管」と称される銃器を用いて戦う。 腰部に装着されている「音撃鳴」を「音撃管」に装着して「清めの音」を発し、 「音撃管」の銃撃モードの段階で予め魔化魍に撃ち込んでおいた「鬼石」の力を増幅させることで退治する。
魔化魍から離れて清めの音を送り込めるので、接近戦に持ち込むことが難しい飛行する魔化魍には特に有効。 また複数の魔化魍を一度に倒すことができ、他のタイプの音撃戦士に比べて被るリスクも少なくて済む。 ただし音撃の威力は他の二種に比べやや弱く、また鬼石を撃ちつくすと音撃が出来ないという大きな弱点も存在する。
管の戦士は風属性を持つものがほとんどで、劇中では他の属性を所持する鬼は確認されていない。
[編集] 共通武装
- 変身鬼笛
- 鬼面のついたホイッスルのような笛で、音は篳篥のそれに近い。折りたたまれた角を起こした状態で吹き、額に翳すことで変身する。また、ディスクアニマルの制御や、ディスクアニマルの収集した音の再生にも使用する。
- 音撃鳴
- 展開して音撃管に装着。音撃モード時に音撃管のアサガオ(ベル)部分となる。
- 音撃管
- 管楽器の形を模した銃撃武器。威吹鬼ら多くの鬼が使うのはトランペット(コルネット?)型が多い。たちばな地下、みどりの研究室にはトロンボーン型が掛けられている。トロンボーン型はピストンが銃身より前に位置しているため、構造上標的に狙いをつけにくいように見える。これがトランペット型が普及した要因ではないかと考えられる(ただ構造上、トランペット型より弾数制限や威力等の面に優れると思われ、トランペット型の拳銃に対してバズーカのような役割を持っていたと考えられる)。また、残念ながらこれ以外の型の楽器は劇中ではお目見えしていない。
- 銃撃モード時は圧縮空気弾を3点バーストで射出することで魔化魍を牽制、弱らせたところで鬼石の実弾を叩き込み、音撃モードに移行、体内の鬼石に清音を共鳴させることで対象を滅ぼす。弾数制限があることから、ある程度の技量を必要とするといえる。
[編集] 威吹鬼
猛士関東支部メンバーの一人であるイブキが「変身鬼笛・音笛」を用いて変化した戦闘形態。
一鬼としては風属性を持っている様子。蹴り技を得意としている。 夏の魔化魍に対して「二十四之巻」の様に音撃棒で戦う事にも習熟していたが、「オロチ」においては発揮できなかった。 冷静沈着に任務を遂行するが、失恋(したと思い込んでいた)のショックで音撃管の整備を怠り、音撃に失敗するというアクシデントも。
- 威吹鬼は当初、アメリカ出身の鬼という構想でデザインされていた為、上頭部はウエスタンハットを意識し、胸プロテクターも西部のガンマンを意識したらしい。
- 仮称時は「轟鬼」という名だった。
- 道具
- 変身鬼笛・音笛(へんしんおにぶえ・おんてき)
- イブキが鬼に変身する為に使う道具。
- 装備帯
- 音撃鳴・鳴風(おんげきめい・なるかぜ)
- 音撃武器
- 音撃管・烈風(おんげきかん・れっぷう)
- 銃撃モード
- 音撃モード
- 音撃棒・山背風(おんげきぼう・やませ)
- 夏の魔化魍対策に使用。鬼石が青いのが特徴。
- 必殺技
- 鬼闘術・鬼爪(きとうじゅつ・おにづめ)
- 鬼闘術・旋風刃(きとうじゅつ・せんぷうじん)
- 手刀や蹴りに真空の刃を纏い攻撃力を上げる技。十三、十四之巻における戦いの際、格闘戦で苦戦したため編み出した。
- 最初は構えを取っていたが、中盤以降はそれが見られなくなる。
- 音撃射・疾風一閃(おんげきしゃ・しっぷういっせん)
- 序盤は技名を叫ばなかったが、中盤以降では叫ぶようになる。イブキを演じた渋江譲二はそれまで同時音撃の際「自分だけ(技名を)言わないのが寂しい」とコメントしていた。
- 主な移動手段
- 竜巻(たつまき)
- イブキが移動手段として使用する大型バイク。ホンダ・シャドウ750CCがベース。後部座席にはあきらを乗せて移動する。イブキ自身がカスタマイズした。
- また、魔化魍退治以外の時は、竜巻とは別の白いバイク(シャドウ400CC)や黒いビッグスクーター(ホンダ・フォルツァ)に乗っている。
[編集] 勝鬼
呼称はショウキ。管の音撃戦士で設定年齢は27歳。 関東支部所属で、ダンキとともに小暮からアームドセイバーを渡されたが、使いこなすことができずに暫くの間変身不能に陥ってしまった。
明るく気さくなお調子モノで子供のまま大人になったような青年であり、服装や身なりに無頓着で、冬でも薄着で暴れまくっている。 体育会系で性格の似たダンキとはウマが合うらしく、コンビで活躍することも多い。
ホビージャパンにおいてS.I.C.商品を改造した作例が掲載された。その際、音激管台風はスーザフォンをモチーフとし、ボディに取り付けたタイプで立体化された。
接近戦にも長け、両腕に鉤爪・風牙(ふうが)を装備する。 鬼の姿はオープニング映像でのみ確認、左から2番目に位置するのが彼である。 スローで確認すると最大の特徴・風牙を収納しながらポーズを決めている辺り伸縮自在と思われ、これは変身した鬼の姿の一部鬼爪の発展型であるようだ。 右手は腕から刀型が、左手は手の甲から三本鍵爪型に装備されている。 スーツのマスクは弾鬼と同じ原型であり基本カラーが紫である。 台風の詳細は紹介されていない。
- 装備帯
- 音撃鳴・風束(おんげきめい・かざたば)
- 音撃武器
- 音撃管・台風(おんげきかん・たいふう)
- 必殺技
- 音撃射・暴風一気(おんげきしゃ・ぼうふういっき)
[編集] 闘鬼
呼称はトウキ。 猛士関東支部における11人の「鬼」の一人で、風の属性を持つ。 設定年齢33歳。
豪放磊落にして大酒飲み、大食漢の豪快な男。 妻と息子の3人暮らしで、妻をサポーター、息子を弟子とし、家族揃って活動している。
劇中ではオープニング映像のみ(右から二番目に位置している)の出演で、素顔を見せることはなかった。 音撃管を使う鬼の中で彼だけ胸部のデザインが若干マイナーチェンジされている。 マスクタイプはベースが鋭鬼タイプであり若干角が異なる。 基本カラーはオレンジである。
ホビージャパンにおいてS.I.C.商品を改造した作例が掲載された。その際には闘鬼はマタギ風にアレンジされ音激管嵐はアイーダトランペットのようにアレンジされた。
- 装備帯
- 音撃鳴・つむじ(おんげきめい・つむじ)
- 音撃武器
- 音撃管・嵐(おんげきかん・あらし)
- 必殺技
- 音撃射・風神怒髪(おんげきしゃ・ふうじんどはつ)
[編集] あきら変身体
師・イブキの危機を救うため一度だけあきらが変身した姿。全容は不明瞭なカメラアングルで映されており、マスクの形状や腹部の詳細は判別不能。格闘中背中が写ったが、背中周りには弾鬼の部品が使用されていた。このエピソードの頃は新造形部品の激減、復活魔化魍の多数使用の時期に当たり、このあきら変身体スーツの場合も朱鬼等の様に一説には弾鬼のスーツをバックルだけ音撃管形態に換装してカメラアングルの工夫であきら変身体という新キャラとして活躍させたのではとも言われる。また、あきら変身体には鬼の音撃属性を示す胸部プロテクターが着装されていなかった。あきらは、変身は出来るものの未熟な鬼であるということを強調しているようにも解釈できる。ちなみにあきら所持の鬼笛には鬼面のレリーフが無い。S.I.C.SUPER COLECTION 2においてS.I.C.オリジナルで立体化されている。
[編集] 弦の音撃戦士
「弦使い」・「剣の人」とも呼ばれ、「音撃弦」と称される弦の付いた刃物を用いて戦う。 魔化魍に突き刺した「音撃弦」に腰部に着装されている「音撃震」を装着して爪弾くことで「清めの音」を発し、魔化魍の内部に浸透させることで退治する。
固い殻を持っていたり、針に覆われていたりといった特殊な表皮を持つ魔化魍に特に有効。 朱鬼と音撃弦・鬼太樂のように奏でることで清めの音を放つ用い方をする者もいる。 弦使いの特徴として、利き手の親指に弦を引くためのピック状の突起をもつ。
[編集] 共通武装
- 変身鬼弦
- 鬼に変身する為の道具。「へんしんきげん」と発音。リストバンドの形をしており、手首にはめて使用する。取り付けられている鎖を引くことで鬼の顔を模したカバーがスライドし、小さな弦が現れ、この弦を爪弾いて変身音波を発生させた状態で変身鬼弦を額の前にかざすことで変身する。また、ディスクアニマルの起動や収集したデータの再生にも使われる。
- 音撃震
- 音撃時に清音を奏でるためのパーツ。音撃斬の心臓部ともいえる。枕型の板に六本の弦が張られている。弦の色と板の色は所持するものによりさまざまである。
- 音撃弦
- 管と同じく2つのモードがある。剣撃モードは読んで字のごとく、弦を剣のように振り回して白兵戦闘を行うモード。この戦闘スタイルが「剣の人」と呼ばれる所以である。剣以外の型として朱鬼の音撃弦である鬼太樂のようなハープ型も存在したようだが、その他のタイプについては劇中では未確認。魔化魍に剣の切っ先を突き刺し音撃震を装着するとボディ部が展開、ギター(フライングV)のような形になる。この状態で音撃震を爪弾くと切っ先の基部にある鬼石に共鳴して清めの音を発生、魔化魍体内に送り込む。同系の武器として、最新技術の粋を凝らした「音撃真弦」がある。劇中では斬鬼・轟鬼が使用。大の青年二人がかりでも振り回すのが困難で、重く小回りの利かない武器であるが、最近になって実験的に裁鬼専用ではあるが小型タイプの開発に成功。
[編集] 轟鬼
猛士関東支部メンバーの一人であるトドロキが「変身鬼弦・音錠」を用いて変化した戦闘形態。 鬼としての姿は色が少々異なるのみで、それ以外は師・斬鬼とほぼ同一である。 一鬼としては雷属性を持っている様子。パンチ技を主に得意としており雷の属性を生かした一撃必殺の技も繰り出せる。また特に彼は弦の鬼の中でもパワーに特化しており、魔化魍も軽々と放り投げる。
最初に登場した時はまだ正式な「鬼」ではなく、斬鬼の弟子として登場した。二人でヤマアラシを退治に行った際、負傷した斬鬼から「音撃弦・烈雷」と「音撃振・雷轟」を譲り受け、急遽ひとり立ちすることとなった。当初、師である斬鬼と同じように「烈雷」を順手で扱っていたが上手くいかず、斬鬼から「俺から習ったことを忘れろ」と言われ、逆手に持ちかえることで斬鬼の弟子としての自分から一人前の「鬼」としての自分への変化が描かれている。 当初は彼の流派歴代のコードネーム「斬鬼」の名前を引き継ぐように言われたが、師匠の存在を重んじて「斬鬼は斬鬼である」とし、別の名前を望んだ結果、斬鬼が「戸田山の"と"を取って」と命名。
ひとり立ち当初、探索装備の破損が激しいと苦情が出たことがある。 実態はディスクアニマルを起動する際、収納ケースをひっくり返してばら撒いたのち弦の音を当てるという、なんとも大雑把かつ豪快な方法をとっていたためと判明。 これがザンキがトドロキのサポーターになった要因の一つと見られる。 その性格を反映したものか、変身する際は烈雷を地面に力任せに突き立ててから弦を弾く。
魔化網を倒した後、その場で「雷轟」を装着し音撃モードの「烈雷」をかき鳴らすが、本人曰く「この場に残る魔化網の邪気を払っている」とのこと。
斬鬼死亡後、形見となった烈斬を受け継ぎ二刀流の弦で戦う。 音撃武器は敵の手に渡った場合、清めの音のメカニズムが解明される危険があるため管理が厳重になされているが、本来吉野に返却されるはずの烈斬は斬鬼と同年代で親交のあった同じ弦の鬼の裁鬼の心遣いで特別に轟鬼所有に登録が許された。
二十四・二十七之巻では夏の魔化魍対策として本来響鬼などの太鼓の音撃戦士が使用する音撃鼓と音撃棒を装備した。 これらは共にかつて斬鬼が使用していたものである。
裁鬼・蛮鬼や響鬼・京介の例を見ても分かるとおり、師弟の鬼としての姿は流派を反映する胸部以外基本的に全体の形状は異なることが殆どであるが、斬鬼・轟鬼師弟は姿形がまったく同じカラー違いという異例のコンビである。
- マスクデザインの6本ラインは弦を意識した物らしい。
- 当初の仮称時は「弦鬼」だったが、威吹鬼の仮称だった「轟鬼」の名がこちらの正式名称となった。
- 当初はヴァイオリン型の音撃武器を想定していたが、攻撃性を重視し、ギター型へと変更となった。
- 高寺曰くマスクが響鬼・威吹鬼と比べ目の縁取りがハッキリしていた事、変身にポーズをとりモーションが判り易かった事、トドロキのキャラが単純明快で児童に受け入れやすかった事から「響鬼」レギュラーの中でも児童人気が高かったのではと、指摘した。
- 道具
- 変身鬼弦・音錠(へんしんきげん・おんじょう)
- トドロキが鬼に変身する為の道具。
- 装備帯
- 音撃震・雷轟(おんげきしん・らいごう)
- 当初は斬鬼が所有していたため、金色の弦が張られていた。轟鬼が受け継いだことにより、十九之巻以降は赤い弦が張られるようになった。失恋のショックで整備を怠り、必殺の一撃のタイミングで弦を切ってしまったことも。
- 音撃武器
- 音撃弦・烈雷(おんげきげん・れつらい)
- 改修を繰り返し代々受け継がれてきた稀代の名器。技とともに斬鬼より受け継いだ。雷轟と同様、所有者の変更に合わせて弦の色が金色から赤に変更された。
- 剣撃モード
- 音撃モード
- 音撃真弦・烈斬(おんげきしんげん・れつざん)
- 斬鬼の死後新たに受け継いだ音撃武器。斬鬼の同項目参照。
- 剣撃モード
- 音撃モード
- 音撃棒・落雷(おんげきぼう・らくらい)
- 夏の魔化魍対策に使用された音撃棒。鬼石の色が緑。斬鬼もかつては使用した。
- 必殺技
- 鬼闘術・雷撃拳(きとうじゅつ・らいげきけん)
- 音撃斬・雷電激震(おんげきざん・らいでんげきしん)
- 雷電激震は斬鬼より受け継いだ技。師弟では発動方法に違いがあり、師の斬鬼は弦を一気に(一回)弾くことで、弟子の轟鬼は弦を掻き鳴らすことで発動する。
- 主な移動手段
- 雷神(らいじん)
- ヒビキの不知火と同じ車種(ホンダ・エレメントがベース)の四輪駆動車であるが、色が斬鬼のシンボルカラーであった緑色になっている。ドライバーはトドロキ自身が務め、助手席にザンキが乗る。支給された際に手違いで赤色であったのを塗りなおした為、車両内側部分に赤が残っている。
[編集] 斬鬼
呼称はザンキ。 猛士関東支部における11人の「鬼」の一人であったが、右脚の負傷をきっかけに能力の限界を感じ、弟子である戸田山登己蔵=トドロキの独立とともに鬼を引退。 引退後はトドロキのサポーターとして行動を共にしていた。 鬼としては雷属性を持っている様子。 代々受け継がれてきた稀代の音撃武器「烈雷」を手に数多の魔化魍を倒してきたその技は響鬼以上のものを持っており、関東最強の弦使いの呼び名も高かった。 恭しく跪き、音撃弦を目の前に置いてから変身する点は弟子の轟鬼と対照的で、彼の性格を良く表しているといえる。(例外として「四十三之巻」における変身では死を覚悟した彼の高ぶる感情を表すように弦を地面に突き立てて変身している。) 右脚と胸を悪くしているものの身体能力はまだまだ健在で、「二十七之巻」では童子・姫と生身で渡り合った。
医者からは再び鬼の姿になることを強く制止されていたが、裁鬼を襲撃し轟鬼の音錠を強奪した朱鬼を制止するため、「三十七之巻」にてノツゴに襲われたあきらを救うために新たな音撃武器・烈斬を携え再び変身。鬼として復帰したが、この戦いが原因で胸の古傷がさらに悪化してしまった。 「四十三之巻」で響鬼、威吹鬼のピンチを受け死の危険をも覚悟して再び変身。 血を吐く程にまで症状は悪化し、「四十四之巻」で遂に戦死する。 しかし負傷した轟鬼が心配なあまり、禁呪「返魂の術(へんこんのじゅつ)」の使用により延命。 「四十五之巻」で轟鬼の新たな決意を受け消滅。
「二十四之巻」で、斬鬼の名は、先代の師匠から受け継いだ事が判明するが何故、先代斬鬼と朱鬼という二人の師を持つのかは明らかになっていない。
- 道具
- 変身鬼弦・音枷(へんしんきげん・おんか)
- ザンキが鬼に変身する為に使う道具。
- 装備帯
- 音撃震・雷轟(おんげきしん・らいごう)
- 斬鬼が引退前に所有していた烈雷に対応する装備帯。轟鬼が引き継ぐまでは金色の弦が張られていた。
- 音撃震・斬撤(おんげきしん・ざんてつ)
- 復帰した斬鬼に与えられた烈斬に対応する装備帯。
- 音撃武器
- 音撃弦・烈雷(おんげきげん・れつらい)
- 代々受け継がれてきた稀代の音撃武器。斬鬼が引退前までに所有していた。雷轟と同様、轟鬼が引き継ぐまでは金色の弦が張られていた。斬鬼は列雷をドリル弾の様に回転させて放り投げる一撃必殺の大技を備えているがこの戦法の技名は不明。
- 剣撃モード
- 音撃モード
- 音撃真弦・烈斬(おんげきしんげん・れつざん)
- 復帰した斬鬼が新たに使用した音撃武器。烈雷を骨董美術品とするならば烈斬は最新兵器。主な違いは切っ先部分が鋸状になっている点。この部分が超振動し、魔化魍の装甲を破りやすくなっている。ベースカラーは赤。
- ※実は音撃斬形態の材料は硬スチロールでありかなりコストダウンが図られている。
- さらに三十七話以降、新造型のスーツ、部品は殆ど無くなっていき、予算がかなり厳しい状況であったと予想される。過去の魔化網大量発生の設定はコスト問題が生んだ現象である可能性も高い。
- 剣撃モード
- 音撃モード
- 必殺技
- 鬼闘術・雷撃拳(きとうじゅつ・らいげきけん)
- 音撃斬・雷電斬震(おんげきざん・らいでんざんしん)
[編集] 裁鬼
呼称はサバキ。 設定年齢37歳(※33、34と紹介されている書籍も複数あったが番組後期、終了後はこちらが圧倒的に多いので最終的な公式資料としての数値は37歳であると思われる。)で、本名は佐伯栄(さえき さかえ)。 猛士関東支部における11人の「鬼」の一人である。 現在の関東における最年長の鬼らしく、太鼓・管の武器にも精通する実力派だが、高年齢や無理なスケジュールが祟って苦戦・敗北することが多い。 蛮鬼の独立した現在、石割という名のサポーターがおり、彼に助けられる(劇中言及されたのはサポートの他は病院に担ぎ込む仕事が大半)事も多いが、石割自身ははまだ鬼に変身することは出来ず、画面には一度も映っていない。
なお裁鬼の音撃弦・閻魔は撮影時斬鬼の烈雷がそのまま使用されている。 ただし弦がボディに合わせて金と解かる映し方で個別カラーは不明である。 ボディが緑の斬鬼・轟鬼らの弦の刃は緑なので、裁鬼の場合はおそらく赤であると思われる。 PS2ソフト仮面ライダー響鬼においても轟鬼、斬鬼と同型の音撃武器を持っている。 また三十九之巻と魔法戦隊マジレンジャー終了後の予告においては十五之巻に出た閻魔と思われる武器とは違う二刀の武器を持っていた。 これは裁鬼専用に開発された小型の弦であり弦使い最大の弱点であるスピードの遅さを克服するというコンセプトで開発された。 太鼓の技もこなす裁鬼ならではのカスタムメイドであったが、音撃の通じないヨブコにはさすがの新武器も全く通用しなかった。 デザインは斬鬼の烈斬、轟鬼の烈雷を全くディテールをそのままに小型化したものである。 ただし烈斬タイプは刃が金色になっている。 これにどうやってバックルの極楽を装着し清めの音を放つのかは不明である。劇中ではワンシーンのみの登場でかなり注意して見ないと何を持っているのかすらよく判らない。
斬鬼とは関東最高の弦使いを競う良きライバルでもあり、素顔はみどりが明日夢に見せたファイルにて拝むことが出来る。 2004年の忘年会は三次会まで出席し、ザンキが戸田山(トドロキ)のことを「ウチの戸田山はかわいい~」と言うのをヒビキと一緒に聞いていたらしい。
-
- 房総のバケガニに敗れて入院した斬鬼の分をフォローすべく連戦してきたために過労がたたって体調を壊し、結果足尾のヤマアラシ戦において敗退。鬼の血を喰らうことを狙う魔化魍達であるが、なぜか裁鬼の場合は止めも刺されずにヤマアラシの尻尾に巻かれ丁重に捕らわれていた。負傷した裁鬼はこれを境に斬鬼と入れ替わりで入院することに。その前後、斬鬼は引退を表明し轟鬼がレギュラーとしてシフトデビューしたので裁鬼の病欠は実質轟鬼とのバトンタッチになった。(十五之巻)
- 退院後すぐに秩父のカッパ退治に当たり、童子と姫は倒すもののカッパに敗退。カッパの硬化弾に両腕・両足を封じられたことが原因。彼は弦専門鬼において唯一太鼓の技も持っているのだが、構えた音撃棒を一度も振るうこともなくカッパに水中に引きずり込まれ、一方的に乱打されつつ沈んでいった。(二十五之巻)
- ノツゴとの戦闘直後で疲労した所に鬼の鎧をまとった朱鬼の強襲を受け、打ち倒されてしまう。ノツゴ退治にあたり、なんら音撃武器を持たず、バックルは極楽、なぜかベルト後部には音撃棒収納ラックを装着という奇妙な装備で戦っていた。(三十六之巻)
- 街に現れたヨブコに応戦していたが、他の鬼同様に圧倒的劣勢となり、作業橋より放り落とされ、完全にダウンしたピンチを駆けつけた轟鬼に助けられる。この時、新武器らしい小型の音撃弦を装備。こちらはコンセプトモデルとしてはウクレレをイメージしたサイズとの事である。この新武器・小型音撃弦に対してのみ、なぜかヨブコの清めの音を封じるバリアが発生していなかった(この事から、もしも裁鬼が小型音撃弦を完璧に使いこなせてたらヨブコは倒せてたのかもしれない)。(三十九之巻)。
- テレビくんスペシャルのDVDにおいてはバケネコと戦っていたが劣勢となり、明日夢の変身した響鬼に助けられる。この時はバケネコがオロチ等の亜種ではなく正規の夏の魔化魍である為か、音撃棒を装備していたが画面に映っている間は明日夢とディスクアニマルの会話中も背景としてひたすらやられ続け、草むらの影に吹き飛ばされた後も誰一人として彼の安否を気づかわないという悲惨な有様だった。
- やられ役さながら胸部オプション面積が少ない等からスーツがアクションに向いており、岩だらけの崖を転がり落ちる他、水中に飛び込んだり高所からのハイジャンプ等危険なスタントがこなせる。主役より過激なアクションを行っている事が多い。
- 二十之巻以降の声を担当する塩野勝美はややマイナーな役者だが、平成ライダーシリーズの多くの怪人の声を担当しており、実は常連スタッフの一人である。
- 裁鬼のモデル、および登場する裁鬼人間体(十一之巻の資料の顔写真)は演出スタッフの柴崎貴行である。
- バンダイの商品S.I.Cに関連して明かされた設定では、裁鬼が扱う音撃管はたちばな地下実験室保管の骨董品と同じ形をした旧式音撃管であることが判明。古典的技量を極めた裁鬼は逆に技の新しさの不足で苦戦しているのかもしれない。一方では上記の小型音撃弦の様に新型武器にもチャレンジしている。
- 歴代ライダー初の全登場シーン全戦全敗という異例の特徴をもった仮面ライダー。ステージショー出演時には「今度こそ勝つぞ!!」と力むも魔化魍に「お前は勝てん。」と断言されてしまう程悲惨な逸話も。
- 装備帯
- 音撃震・極楽(おんげきしん・ごくらく)
- 音撃武器
- 音撃弦・閻魔(おんげきげん・えんま)
- 音撃棒・笏拍子(おんげきぼう・しゃくびょうし)
- 必殺技
- 鬼闘術・鬼爪(きとうじゅつ・おにづめ)
- 音撃斬・閻魔裁き(おんげきざん・えんまさばき)
[編集] 蛮鬼
呼称はバンキで裁鬼の元弟子。 数年前に独立し、現在は大学生との二束の草鞋。 関東支部所属の11人の一人で弦使い。 設定年齢21歳。
コードネームとは裏腹に落ち着いた性格で、魔化魍や音撃の研究に余念がない知略家。 責任感が強く、かつてザンキが怪我で倒れた時に、学業との両立のためにザンキ欠員の穴を埋められなかったことを悔やんでいる。 同年代のイブキとはウマが合うらしく、休日はあきらを含めた3人で過ごすことも多い。
劇中ではオープニング映像のみの出演で、右端に位置しており裁鬼と酷似した構えをとる辺り、師弟の技の流派を感じる。 最後まで素顔を見せることは無かった。 マスクのベースは響鬼タイプで基本カラーは山吹色。本作では珍しく顔の造型は左右非対称になっており、左側の角(向かって右)のほうがやや長い。ホビージャパンにおいてS.I.C.商品を改造した作例によって立体化された。
- 装備帯
- 音撃震・地獄(おんげきしん・じごく)
- 音撃武器
- 音撃弦・刀弦響(おんげきげん・とうげんきょう)
- HJ誌S.I.C.作例では刀弦響は「十(とう)の弦を響かせる」という語呂から六弦のリード、四弦のベースを合わせた分離可能ダブルネックギターを用いていた。また、襷掛けの弦もそれに伴い六弦・四弦に変更すると言う大胆且つハイセンスな解釈。あくまでも武器の設定はS.I.C.作例独自の物であり公式設定では無い。
- 必殺技
- 音撃斬・冥府魔道(おんげきざん・めいふまどう)
[編集] 朱鬼(破門者)
女性の鬼で斬鬼の元師匠であり、呼称はシュキ。本名は不明。 魔化魍ノツゴに肉親を殺された事が鬼になったきっかけだが、その戦いは憎しみを力の支えとするものであり、かつて斬鬼を巻き添えにノツゴを攻撃した事により猛士を追放されていた。 見た目の素顔はヒビキ達と同年代のように見えたが、実際は相当な老齢であり、呪術で若いままの姿を保っていた。 その呪術によって花を式神に変える能力を持っており(かつての鬼達は皆そのような呪術的な能力を持っていたらしい)、斬鬼にも返魂の術をはじめとした術の一端を授けていた。
ハープ形の音撃武器・鬼太樂(きたら)を使う。 鬼石、弦の揃っている武器を持つ朱鬼に何のためにベルトに弦が付いているのかは謎である。そのため、HJ誌S.I.C.作例では音撃震を装着可能な形状のギターハープにアレンジされた。 また鬼太樂は虚空から呪術によって召喚する他に類を見ない珍しいケースの武器でもある。
猛士追放後は華道教室を開いて生活していたが、ノツゴの出現を察知し、吉野に保管されていた「鬼の鎧」を強奪、変身鬼弦を狙って同じ弦の使い手である裁鬼を襲った。 ザンキたちの介入により裁鬼の変身鬼弦を奪うことは失敗したが、後に轟鬼の音錠を奪って鬼への変身を果たす。 「鬼祓い」と呼ばれる吉野からの粛清処分も覚悟の上で、ノツゴへの憎しみがなおも彼女を動かしていたのである。 一方、スーパー童子達やノツゴに戦いを挑んで川に落下したあきらを救った。
最期は自分ごとノツゴの口に鬼太樂で攻撃したことが致命傷となる。 息を引き取る間際のシュキは「死に顔を誰にも見られたくない」とザンキに頼み、ザンキは彼女の体を隠す位にたくさんの花を捧げていく。 その花の下でシュキの亡骸は年相応に老いたものに変わっていくのだった。
なお、ザンキが「トドロキの祖母と(年齢が)同じくらい」と語るシーンがあった。これが事実であり、トドロキの年齢から判断すれば、シュキの実際の年齢は若く見積もっても60代後半ということになるであろう。
スーツは新造形ではなく、胸部は鋭鬼のスーツの流用品に布カバーを付けて製造されている。弦の鬼にもかかわらず太鼓の鬼の胸部オプションが混じってしまった原因だ。他にもバックルの弦や手首・足首に轟鬼の予備スーツの部品、響鬼紅の部品等様々なスーツを流用して急ピッチで作られており完全新造形の部品は頭部とハープのみとなっている。ただそれでもリペイントを初めマジョーラ塗装を極限施しておりレインボー造形はギリギリまで妥協を許さなかった。HERO SAGAの作例ではより弦の鬼として強調された作例となっている。
- 音撃武器
- 音撃弦・鬼太樂(おんげきげん・きたら)
ハープ型の音激武器。HERO SAGAにおいてはギターハープをベースにした物に変更された。しかし余りにもギター部分の形状がS.I.C.版の斬鬼の烈斬そのままであった。
- 必殺技
- 音撃奏・震天動地(おんげきそう・しんてんどうち)
- 鬼の鎧
- 吉野の鬼武神社で保管されていた猛士の古い武具。人間が着用すると鬼に近い能力を発揮でき、鬼の人数が足りない時代に用いられたと伝えられる。朱鬼が強奪し用いたが、ザンキのコガネオオカミに破壊された。後にHERO SAGAにおいて鬼の鎧が戦国時代の装甲響鬼をベースに猛士が開発したと言う設定が加えられた。その為、作例では装甲響鬼をベースに改造された。
[編集] 設定もしくは名前のみ登場の鬼達
[編集] 先代・斬鬼
会話のみに登場。 斬鬼の師であり、一時響鬼にも弦の技を伝授した。 が、響鬼は弦のセンスがあまりなかったらしく修行中はかなりもめたとの事。(みどり談)
[編集] 山吹鬼
呼称は恐らくはヤマブキ。 所属は不明。 ヒビキが所持する手帳に、名前のみ登場。
[編集] 凱鬼
呼称はカチドキ。 東北支部所属の鬼で、ヤマビコと戦闘して勝ったことがある。 ヒビキの会話の中に名前のみ登場。
[編集] 吹雪鬼
小説版によると呼称はフブキ。関東支部所属の鬼。シフト表の中に名前のみ登場。
本編はおろかOPにも登場せず、名前以外の情報は劇中では一切明かされていない。公式の設定が無いためか、映像以外の媒体では設定が統一されておらず、漫画版では音撃鼓の使い手、HERO SAGAでは女性で二丁音撃菅の使い手とされている。
発売中のS.I.C.SUPER COLECTION 2において立体化されている。
[編集] 弦鬼
呼称はゲンキと思われる。 江戸時代の音撃弦の鬼。 岐阜でバケガニ4体とアミキリを倒した。 たちばなのパソコンにこの事に関する文献が登場。
[編集] 暁鬼
呼称はアカツキ。 古文書に記載。 何をしたのかは読めないので不明。
また一部雑誌では津村努(つむら つとむ:かつて鬼の修行をしていた青年)を「暁鬼」と紹介するものもあったが、実際には全く関連が無かった。
[編集] 導鬼
呼称はミチビキと思われる。猛士総本部長=イブキの父の、現役時代のコードネーム。 当時は立花勢地郎をサポーターに戦っていた。現在吉野にて最高幹部に位置し、実質的猛士のリーダーを務めている。
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第1期 | 仮面ライダー - V3 - X - アマゾン - ストロンガー |
第2期 | スカイ - スーパー1 - ZX(TVSP・ラジオ) |
第3期 | BLACK - RX |
真・ZO・J | 真 - ZO - J |
平成シリーズ | クウガ - アギト - 龍騎(怪人) - 555 - 剣 - 響鬼(戦士・怪人) - カブト(人物・怪人) - 電王 |
外伝 | THE FIRST - SD - ウルトラマンVS仮面ライダー - 駈斗戦士 |
漫画 | 仮面ライダー - Black - ZO - SPIRITS - THE FIRST - つくった男たち |
小説 | 誕生1971/希望1972 - EVE - HERO SAGA |
一覧 | ライダー - 乗用マシン - 怪人 - 必殺技 |
アイテム / 玩具 | 平成の変身アイテム - S.I.C. - 装着変身 - コンパチヒーロー |
関連 | 戦隊 - メタル - すごかが - ヒーロー大集合 - ヒーロータイム |