仮面ライダー電王
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『仮面ライダー電王』(かめんライダーでんおう)は、2007年1月28日[1]からテレビ朝日系列で毎週日曜日8:00 - 8:30に放映されている「平成仮面ライダーシリーズ」としては第8作目となる特撮テレビドラマ作品、または作品中で主人公が変身するヒーローの名称である。キャッチコピーは「“時刻”(とき)を超えて、俺、参上!」。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
通番 | 題名 | 放映期間 |
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第7作 | 仮面ライダーカブト | 2006年1月 ~2007年1月 |
第8作 | 仮面ライダー電王 | 2007年1月 - |
目次 |
[編集] あらすじ
2007年の東京。ある日、空から無数の発光体が現れ、大量の砂が降り注いだが、人々はこの異変に気付かなかった。砂が入ったと目をこする少年・野上良太郎を除いて…。
何をやってもツイていない、不幸続きの良太郎。それでも一生懸命頑張っているのだが、今日も不運なトラブルを起こした上、不良グループに絡まれて袋叩きにされてしまう。しかし、倒れた良太郎は道に落ちていた奇妙なパスを拾う。そのままとあるビルに入っていった良太郎が見たのは、一面の荒野とその中を走る近未来的な列車だった。
突如起こった出来事に戸惑いながら、姉・愛理の営む喫茶店に着いた良太郎だったが、パスを持ち主に返していないことに気づき、再び外へ。その目の前に先程の列車が現れた。その乗車ドアからは、一人の女性がパスを返すよう叫んでいる。全力で自転車を漕いで列車から逃げようとする良太郎。その時、彼の心の中に、彼のものではない「声」が響いた。
「声」に動揺する暇もなく、良太郎は先程の不良グループに囲まれてしまう。どうやらメンバーの一人がキーホルダーを失くしてしまい、良太郎が持っていると思っているのだ。再び袋叩きにされる良太郎…が、その時、またあの「声」が響いた――。
「声」とともに豹変し、グループにやり返す良太郎。それは、「声」の主が良太郎の肉体を借りているだけのもので、良太郎の本意ではない。良太郎の意思は「声」の主を制止する。そこへ、グループの一人が人ならざる者を伴って、再度良太郎に挑みかかった。その時。
列車から降り、良太郎に寄っていた女性が告げた。パスをベルトに接触させ「電王」に変身しろと。言われたままにする良太郎。その姿は、ライダースーツを思わせる容姿に変貌を遂げた。
こうして、世界一不運な人間・野上良太郎の奇妙な「旅」は始まった。時空を越える列車デンライナーと共に良太郎をエスコートするのは、パスの持ち主である女性ハナ。そして未来からの侵略者イマジンの一人でありながら、好き勝手に暴れることを好む変わり者モモタロス。その先には、強引な手段で過去を変え、未来をも変えようとするイマジン達が立ちはだかる。
[編集] 概要
[編集] 特徴
平成仮面ライダーシリーズ作品では、ライダー・怪人のモチーフを統一してデザインされることが多いが、本作ではモチーフとして多くの作品で採用してきた「生物」ではなく、「電車(鉄道)」・「童話」といったライダー作品としては奇抜かつ斬新なものを採り入れている。本作発表当初、電王は「電車に乗る仮面ライダー」という点のみが大きく報道されたが、実際は従来通りオートバイにも乗っており、デンライナーの操縦方法も同じくオートバイである。
本作では上記の特徴に加え、「主人公が気弱な史上最弱の主人公」であるということ、「主人公に怪人が憑依することにより、仮面ライダーが変身前と変身後で全くの別人格になる」という特徴的な設定をも採り入れた。特に後者は平成ライダーで恒例的に採用されてきたフォームチェンジの要素を重ねることにより、電王はフォームごとに外観はもちろん性格、声までも完全に別の存在となる。宣伝などではこの要素を「七変化する仮面ライダー」と表現している。
ストーリーは今までの平成仮面ライダーが複雑な伏線を含めたハードな物語展開を見せることが多かったのに対し、本作はそういった要素を抑え、低学年の児童にも理解し易い単純明快なストーリー展開を全面に押し出している。また前作『カブト』でも多少試みられた「時間移動物SF(タイムパラドックス)」の要素を本格的にストーリーに組み込むことを試みている。
『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』以来23年ぶりにオープニングナレーションが復活。さらに、『仮面ライダーBLACK RX』以来となるライダーの名乗り(「俺、参上!」)が復活した[2]。
[編集] キャスティング
良太郎を演じる佐藤健は主役ライダーを演じる役者としては初の平成(元年)生まれで、文字通りの「平成仮面ライダー」となる。他にも平成シリーズにて過去作(『アギト』)の準主役・ヒロイン経験者(秋山莉奈)が再びレギュラー出演するのも初であり[3]、世界中の列車を扱う同テレ朝系番組・『世界の車窓から』でナレーションを務める石丸謙二郎が列車である「デンライナー」のオーナー役(オープニングナレーションも)に起用されるという洒落の利いたキャスティングもポイントと言える。
本作では怪人が人格を持ち、前項で述べたように「人間に憑依する」という特徴から、怪人の声を演じる声優のキャスティングも重視されている。特に良太郎に憑依する怪人を演じる声優達(ジャンクションと次回予告のナレーションも担当)は、憑依時の良太郎・ライダーの声を演じる言わば「もう一人の主役」のポジションである。モモタロス役・関俊彦について、プロデューサー・武部は「熱血且つドスが利いていて、ヒーローにも怪人にも合う声」と評している。東映公式サイトによると「特撮ヒーロー物への出演は(意外にも?)初めて」とのこと。キンタロス役・てらそままさきは、『BLACK』~『RX』で「シャドームーン」を演じて以来の声優・レギュラーとしての仮面ライダーシリーズ出演となる。東映特撮作品では敵役・悪役を演じることが多く、ヒーロー側は『ブルースワット』のゴールドプラチナム以来となる。
[編集] 制作・脚本・音楽
チーフプロデューサーは、平成仮面ライダーシリーズでは6作目の担当となる白倉伸一郎、またシリーズ常連の武部直美も担当。演出陣は『555』以来、4年振りにパイロット監督を務める田崎竜太をはじめ、長石多可男、坂本太郎、石田秀範、金田治などの実績あるベテランが参加。脚本は、メインライターに平成仮面ライダーシリーズでは『龍騎』以来となる小林靖子、他に『カブト』から続けて参加の米村正二が担当。音楽は『クウガ』『アギト』『響鬼』の佐橋俊彦が担当する。
主題歌は『クウガ』以降続いた中堅またはベテラン歌手が担当するパターンを崩し、若手ダンスユニット・AAAが本作限定のユニット名・“AAA DEN-O form”として担当。従来のケレン味の強い主題歌とは異なり、軽快な歌詞とアップテンポな曲調の主題歌となっている。シングルCDはオリコン初登場5位で、仮面ライダー関連CDとしては最高位を記録した(初動売り上げ枚数も『Justiφ's』、『ELEMENTS』に次いで3番目)[4]。一方、従来と同様に終盤の劇中挿入歌をエンディングテーマとしており、『剣』や『カブト』に続いて出演者が歌を担当し、回によって歌手とアレンジの異なる複数のエンディングテーマを使い分ける。
[編集] 主要登場人物
[編集] 主人公 / ヒロイン
- 野上良太郎(のがみ りょうたろう) / 仮面ライダー電王
- 18歳。本作の主人公[5]
- 「特異点」の特性を持ち、そのことをハナに認められ電王の装着者となった。電王の各フォームの際はモモタロスら憑依イマジンに戦闘を任せており、作戦の立案や憑依イマジンの暴走の抑制及びツッコミが彼の役目。第9話にて(イマジンが憑依しない)素の状態でも怪力を発揮した。
- 気弱で揉めごとを嫌い、何かがあるとすぐに気を失う上、喧嘩も滅法弱い情けない性格。とてつもなく不運な体質で、恒久的に有り得ないほどの災難に見舞われ、その程度たるや周囲から心配を通り越して呆れられるほどである。一方、あまりにも不運に慣れすぎているせいで少々のことでは動じない。また、自分が不幸であるがゆえに他人の幸せや不幸には人一倍敏感で、「他人を不幸から救いたい」という思いも強い。強靭な倫理感を持ち、一徹なところも垣間見せる。姉の愛理目当てで来店する「ミルクディッパー」の常連客達からは弟のような扱いを受けている。財布をよく無くしたり奪られたりするので、氏名・住所・電話番号を書いたキーホルダーを付けている。
- ハナ
- 19歳。デンライナーのオーナーと契約し、イマジンを追う女性。モモタロスからは「ハナクソ女」と呼ばれる。
- 2007年に偶然落としたライダーパスを拾った良太郎が「特異点」であることに気付き、電王に変身させた。とは言うものの、電王やイマジン、デンライナーのことを全て知っている訳ではない。実は良太郎と同じ「特異点」であり、自らが本来属する時間をイマジンによって消滅させられた。それにより居場所を失ったため、イマジンを強く憎む。
- 気の強い性格(口調もキツい)で、イマジンに対しても怯むことがなく、モモタロス相手でも平気で喧嘩を売る度胸の持ち主。口よりも先に手が出るタイプで良太郎に憑依するイマジン達(や憑依された良太郎)はよくハナに殴られている。空手部の集団を素手で制するほどの格闘能力を持ち、力及ばずもイマジンに襲われる人の盾になることもある。ウラタロスの嘘もすぐに見抜き対処する、言わばウラタロスの天敵とも言える「釣られない女性」の一人。表面上の激しさと裏腹に、内面は繊細で心優しい。そのため、自覚なく相手を怖がらせてしまうことが悩みの種。少し女らしくないという自覚があるからか、外出するときはたいていミニスカートなどの丈が短い服装をしている。また、ナオミのコーヒーは以前から苦手だったようで、「ミルクディッパー」に初めて訪れた際に愛理から振舞われたコーヒーがお気に入り。
[編集] 良太郎に憑依するイマジン
良太郎のことを「契約者」と呼んではいるが、実際は憑依をしているだけで正式に契約を交わしてはいないため、デンライナーの車中でのみ実体化する。そのため、現代空間では身体は精神体のまま。
- モモタロス
- 最初に憑依。その姿は良太郎が持つ『桃太郎』(の赤鬼)のイメージが具現化されたもので、名付け親も良太郎。モモタロス本人は容姿も名前も当初は気に入っていなかった。ハナからは「モモ」、ナオミからは「モモ(タロ)ちゃん」、ウラタロスからは「先輩」や「桃缶」、キンタロスからは「モモンガ」と呼ばれることもある。
- 偶然ながら「特異点」である良太郎に憑依したことで、完全に支配することが出来ないまま良太郎と一蓮托生の関係になる。自身もイマジンであるが、その多くとは異なり「過去を変える」というイマジン本来の目的よりもむしろイマジン相手に派手に戦えることを喜び、進んで電王に協力することを選んだ。平時はデンライナーの食堂車に居座る。
- 粗暴かつ好戦的で自身が好き勝手暴れることを優先する変わり者だが、ハナには頭が上がらず良太郎とも何だかんだで息が合うなど、根は単純で憎めない性格。多少なりとも良識はあるため、行動の限度はある程度ならばわきまえている。プリンが好物で、オーナーから振る舞われた際は子供っぽくはしゃぐという面もある。口癖は「俺、参上!」「俺は最初から(最後まで)クライマックスだぜ!」など。自分の戦闘に決着がつかないことや、長い間暴れられず体がなまることを嫌い、その際には欲求不満で機嫌が悪くなる。唐辛子を食べると強烈な睡魔に襲われる。イマジンが近くにいると”匂い”でわかる。
- 良太郎(変身前)に憑依した場合(脚本上呼称M良太郎)、良太郎は肉体をモモタロスに支配され、赤いメッシュが入った逆立った髪に、赤い瞳で筋肉質な姿となり、性格・戦闘能力などもモモタロスそのままの凶暴なものに変化する。ただし、良太郎の意識がはっきりしているときには、憑依しても良太郎の意に沿わぬ行動は取れない。また、戦闘のダメージは良太郎の肉体に跳ね返り、モモタロスにとっては軽い運動程度であっても、虚弱な良太郎は打ち身や筋肉痛になってしまう。但し、モモタロスが常識外の力を使うせいか、良太郎自身の体も鍛えられている。
- ウラタロス
- 2番目に憑依。良太郎が持つ『浦島太郎』(の海亀)のイメージが具現化されたとのナオミの推測に基づき、モモタロスから命名された。
- モモタロスとは異なり、良太郎が「特異点」であることを知りながら、その「メリット」に目を付け、モモタロスがいることも承知で憑依した。普段はモモタロス同様に食堂車に居座る。
- キザな口調が特徴で、モモタロスとは対照的に知的で暴力を嫌う(平和主義ではなく「面倒だから」)が、嘘を好み、口八丁で周囲の人間を手玉に取る、詐欺師のような性格。「僕に釣られてみる?」が決め台詞で、嘘をついて他人を騙すことを「釣り」と称する。その性格故か周囲から疎まれることが多く、特にモモタロスとは犬猿の仲。しかし、彼なりのプライド(サブタイトルに言う「サギ師の品格」)は持ち合わせており、デンライナーから強制降車されかけた自身を救ってくれた良太郎に対しては、協力的な素振りを見せる。ハナからは「ウラ」、ナオミからは「ウラ(タロ)ちゃん」、モモタロスからは「カメ」(もしくは「カメ野郎」「カメ公」)と呼ばれる。
- 良太郎(変身前)に憑依した場合(脚本上呼称U良太郎)、良太郎は肉体をウラタロスに支配され、青いメッシュの入った七三分け、青い瞳に眼鏡をかけた姿になり、性格もウラタロス同様の嘘つきな知略家に変化する。口の旨さでイマジンと契約した人間から契約の内容を探るのに重宝されるが、誰かと関わって面倒なことが起きると適当な嘘をついて騙したりもし、尾崎や三浦はその犠牲になることが多い。良太郎の意思に逆らえないのはモモタロスと同様。良太郎の意識がないときは、女性を口説いていることが多い。ロッドフォームの際は、敵を挑発するように両腕を気怠くふるったり爪を弄ったりとやる気のない仕草が多く、遠くまで逃げた敵を深追いすることもしたがらないが、一旦戦闘が始まるとモモタロスにも負けない気迫を見せる。
- キンタロス
- 3番目に憑依。当初は選手権の決勝戦で病に倒れた過去を持つ空手家・本条勝に憑依していた。その姿は、最初の憑依者だった本条が持っていた金太郎(の熊)のイメージが具現化されたもので、ウラタロス同様、ナオミとモモタロスから命名された。
- 本条との「もう一度空手をしたい」という契約を果たすため、トレーニングに励む一方で各地の空手道場で道場破りを敢行。ライノイマジンが本条を襲撃した後、契約完了を宣言し、過去においての本条を助けるために2006年5月21日にタイムスリップ。ライノイマジンの破壊活動で崩れ落ちる建物の壁から本条達を庇って下敷きになり消滅しかかるも、良太郎の勧めで良太郎に憑依。一命を取り留めると共に本城を守ることに成功する。
- 関西弁をしゃべる。力が非常に強く、本条に憑依していた時でもM良太郎を簡単に投げ飛ばしたり、電王ソードフォームの攻撃に全く怯むことなく、相撃ちになるほどの戦闘力を持っている(またこの時、斧を武器として使用)。一方、性格は誠実で世話好き、いわゆる『気は優しくて力持ち』タイプ。ゆえにイマジン本来の使命は二の次であり(本人によると「(ハナに指摘されるまで)忘れていた」)、憑依した人間の望みを叶えることを優先し行動していた。しかし要領が悪く、力の加減も分からないのか周りの物をよく壊し、一人パニックに陥ることもしばしば。また、人の言うことを勝手に勘違いし、余計なお節介を全力で行う面も見せる。勝った相手に涙や鼻水を拭うための懐紙を渡すのが流儀。他者を感動・感涙させる事にこだわりがあるようで、一度眠ってしまうと何をしても起きないが、「泣く」「泣ける」に近い言葉を聞く[6]と突然起きて良太郎に憑依しトラブルを起こす。首を鳴らすクセがある。口癖は「(俺の強さは)泣けるで」、「涙はこれで拭いとけ(→懐紙を渡す)」、「俺の強さに、お前が泣いた」。ナオミからは「キン(タロ)ちゃん」、モモタロスからは主に「クマ公」(もしくは「クマ野郎」)と呼ばれる。
- 人間時の良太郎に憑依した場合(脚本上呼称K良太郎)、良太郎は肉体をキンタロスに支配され、金色のメッシュが入った伸びた髪を後ろに束ねた髪型で金色の瞳になり、服装も和服を好む。本条に憑依していた時(脚本上呼称K本条)も金色のメッシュで金色の瞳になっていた。だが、やはり力の加減がわからずドジを踏んでしまうことが多い。
[編集] その他のデンライナー搭乗者
- ナオミ
- デンライナーの客室乗務員。主に食堂車で勤務。明らかに現代のものではない奇抜な服装をしており、両腕と両足首には大量の腕時計を装う。天真爛漫かつ能天気な性格で、デンライナー内でのイマジン達の騒動をむしろ楽しんでいて、常にハイテンションで働く。得体の知れないフレーバー(ジャム、トウガラシ等多数)を加えた極彩色のコーヒーを乗客にやたらと勧めるが、喜んで飲むのはイマジンたちだけである。むしろ彼女が作るものは、コーヒー以外の物のほうが人間たちにとっては美味しいらしい。ウラタロス、キンタロスの名付け親でもある。
- オーナー
- 素性や目的などは一切不明の謎の壮年の男性。しばしばふらりとデンライナーの食堂車に現れる。デンライナーの詳細を唯一知る人物だが、そのことを他人に漏らすことは決してない。常に飄々としており良太郎たちに対してもおどけた態度で接するが、「時の運行」を乱す者やデンライナーのルールに反する者に対しては、一転して厳しい表情を見せ、「乗車拒否」などの強力な権限を行使する。良太郎も例外ではなく、厚意から彼がとった些細な行動でも、結果的に時の運行を変えたことになった場合には苦言を呈することがある。
- 好物はナオミの作る料理で、それらに立てた旗を倒さないように食べる遊び(棒倒し)を好み、倒れた時点で食事は終了する。彼女には頭が上がらない様子。
- 食堂車の客
- どのようにして乗車したのかは不明な乗客達。サラリーマンから家族連れまで様々で、所持品の新聞の一面に1998年2月7日に開催された第18回長野冬季五輪の記事が書かれており、あらゆる時代からの客であると推測される。
- 食堂車には良太郎の憑依イマジン達が居座っているため、食事中に運悪くモモタロスとウラタロスの喧嘩の被害を被る客も少なくない。
[編集] その他の明らかな現代人
- 野上愛理(のがみ あいり)
- 22歳。良太郎の姉。星をテーマにしたライブラリーカフェ「ミルクディッパー」を営む。美貌の持ち主で、店には常に彼女目当ての男性客が多数たむろするが、愛理本人はそんなことにはまるで気付かず、店の切り盛りと美味しいコーヒーを淹れること、そして夜空に煌めく星達にしか興味を示さない。彼らからのプレゼントは「忘れ物」として積まれる。その性格ゆえ、彼女もウラタロスに「釣られない女性」の一人であるが、それ以前に良太郎は愛理の前でイマジンが憑依することを固く禁じている。
- 常に不幸続きの良太郎を優しく見守り、少々のことには昔から慣れているせいか動じない。また、とんでもない量の食事を作ったり、健康食に凝っていて、ことあるごとに良太郎に食べさせる。
- 尾崎正義(おざき せいぎ)
- 「ミルクディッパー」の常連客で、三流ゴシップ雑誌の編集長。愛理に好意を寄せる男の一人で、彼女に近づくために良太郎にも気さくに接する。しかし、外では他の女性にも声をかけるナンパ男で、ハナのことも気に入っている様子。
- 雑誌の性質上、現在起きている奇妙な事件に詳しく、良太郎達は彼からイマジンの起こす事件の手がかりを得ることもある。
- 三浦イッセー(みうら いっせー)
- 「ミルクディッパー」の常連客。愛理に好意を寄せる男の一人で、尾崎とはライバル関係だが、口のうまい尾崎からはいいようにあしらわれがち。
- 常に着物を着て首に数珠をかけ、手にも数珠を持つなど、まるで祈祷師のような格好で、スピリチュアル関係にも詳しい。催眠療法をかけるなどの心理カウンセラーの技術も持つ。スピリチュアル(超心理)カウンセラーと心理カウンセラーの両方の技術を持つことからか自らを「スーパーカウンセラー」と称し、実際にも(イマジンに憑依された良太郎を「悪霊に取り憑かれた」と評すなど)良太郎が「他の人格」に憑かれる事態に感付いた(現代人の中では)最初の人物であるので、その能力は当たらずとも遠からずといったところ。
[編集] その他
- 謎の人物
- 目深にかぶった薄茶けた肌色のフェルト帽と同色のマントを羽織った謎の人物。デンライナーが時空を越えた場所にいつも現われ、蓋の無い懐中時計(鉄道時計)で時刻を確認するかのような仕草の後で立ち去っていく。
[編集] 用語解説
[編集] 特異点
一部の存在だけが持つ、時間からの干渉を受けない特性のこと。ゆえに、もしも時の運行に変化が生じたとしても、それによる影響を受けないとされる。よって、最悪の場合自らが本来属する時間が消滅してしまったとしても、特異点の人物だけは消滅することはない。ただし、時間外からの干渉は受けてしまうため、不死身とは異なる。また、精神だけで時間を超えてきたイマジンも、時間同様に特異点への干渉が制限されるため、特異点の人間はイマジンに憑依されても肉体を完全に支配されることはない。
[編集] イマジン
遥か未来から現代へとやって来た未来の人類。現代へやって来ているイマジンは未来人の精神体で、触れればすぐに吹き飛ぶ砂のような存在でしかないが、現代人に憑依し契約を交わすことによって、契約相手の心に残る「童話」や「昔話」のイメージに応じた異形の姿へと実体を取る。現代人と契約をしていないイマジンは現代空間では、上半身が下、下半身が上といういわば「砂時計」のように上下が分裂・逆転した姿で見える。
過去を都合のいいように改竄し、同時に現在や未来を変えるのがイマジンの最大の目的である。イマジンによって過去が改竄されると、過去でイマジンが破壊した建造物が現在や未来でも破壊されるなどタイムパラドックスが生じる。しかし、何故未来を変えることが目的なのかは謎。多くが現代人にとっては悪だが、良太郎に憑依するイマジンのような、未来の変革に興味がない例外もいるため、一概に悪とは言い切れない。
体にはそのモチーフに用いた物の名前がデザインに組み込まれている。例えばモモタロスならば全身いたるところに「MOMO」という文字が入る。また、肉体についても未来にはオリジナルの肉体が存在するはずであるが、その点については未だ劇中では描写されていない。
当然、「イメージ」(image)の実体化(imagine)から来た語だが、「時を越えて来た人」というところから「今」(いま)+「人」(じん)のダジャレとも掛けてるのではないか、との説が指摘される。または異(ことなる)魔人。
[編集] ギガンデス
イマジンのイメージが暴走し、巨大化した姿。ギガンテスとデスの合成語。
[編集] 契約
現代へ来たイマジンが最初にすること。まずは契約をしなければ現代で見る以外の動作が不可能なため、活動の自由を得るべく相手の意向に関わらず契約を強要することがほとんど。中には穏便に契約しようとするものもいるが、外見の問題で大抵は驚愕されている。
契約は、現代人がイマジンに対して願いを伝えた時に成立する。イマジンはその願いを叶えるまで、契約者から離れることが出来ない。願いを叶えるためには殺人・略奪・破壊行為などをも平然と行う(程度はイマジンによっても異なる)。一方で、イマジン同士で戦うことを望まぬ様な言動をする者や、モモタロス達のように使命などはどうでも良いと考えている者もいる。
イマジンは契約相手に過去を強くイメージさせることで、その過去に跳ぶことが可能である。このため、過去をイメージさせるだけであれば、契約相手の本質の願いを叶える必要はないようである。例えば、クロウイマジンは斉藤優美の「結婚するはずだった人を忘れる」という願いを叶えていない。但し、契約を都合のいいように解釈して、強引かつ一方的に契約を完了させる必要はある。
[編集] 仮面ライダー電王
野上良太郎が変身する仮面ライダー。劇中では「仮面ライダー」の名称は使用されず単に電王と呼称される。
変身の際に使用するデンオウベルトとライダーパスの関係は、SuicaやICOCAなどの非接触型自動改札システムがモチーフとされる。怪人の力を利用する点は『龍騎』や『剣』と共通する。
- 仮面ライダー電王(プラットフォーム)
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- 身長:180cm
- 体重:80kg
- パンチ力:1t
- キック力:3t
- ジャンプ力:一跳び10m
- 走力:100mを10秒
- 電王の「素体」に近い形態。デンオウベルトの中央(ターミナルバックル)に、ライダーパスをセタッチ(Set and Touchの略)して変身する。第1話から登場。基本カラーは黒で、体の中心にレールと枕木がデザインされている。
- この時点での良太郎はイマジンに肉体を支配されていない普段そのままの状態であるため、戦闘能力は著しく低くデンガッシャーも使用不可能。このフォームに、共通する6つのアーマーを組み換えて胸・背中・肩にそれぞれ装着し、頭部に各フォーム専用の“電仮面”を装着することで各フォームにフォームチェンジする。フォームスイッチを押さない状態で変身した場合や、それぞれのフォーム時に強力な攻撃を受けてイマジンが弾き出されてしまった場合などはこのフォームに変身してしまう。
- 仮面ライダー電王(ソードフォーム)
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- 身長:190cm
- 体重:87kg
- パンチ力:5t
- キック力:7t
- ジャンプ力:一跳び35m
- 走力:100mを5.2秒
- 電王の基本フォームで、モモタロスの力をまとった形態。デンオウベルトの赤いフォームスイッチを押した後、デンオウベルトの中央(ターミナルバックル)にライダーパスをセタッチすることにより「Sword form」の音と共に変身する。第1話から登場。基本カラーは赤。変身直後に「俺、参上!」と名乗りを上げポーズを取ることが多く、場合によっては微妙に言い直すなど、名乗りに対し拘りも伺える。
- ソードフォーム時はモモタロスが良太郎の肉体をほぼ完全に支配するため高い戦闘能力を持つが、引き換えに良太郎の身体への負荷は高い。また、モモタロスがカナヅチであるため水中戦には弱く、空中から襲ってくる敵も苦手である。常に正面から敵に挑んで大暴れする豪快な戦闘スタイルが特徴。顔に配置される赤い眼球状のパーツ“電仮面”は桃のような形状で、真っ二つに割れるようにして装着される。ボディの装甲“オーラアーマー”の配置は胸に赤いパーツ、背中に金と黒のパーツ。
- 武器はソードモードに連結させたデンガッシャー。必殺技は、フリーエネルギーをフルチャージすることによって、剣先〈オーラソード〉を分離・遠隔操作して扱い、ドリル状に回転させて飛ばすことにより離れた敵も斬る「エクストリームスラッシュ(Extreme Slash)」。モモタロスはこれを「俺の必殺技パート○○[7]」と呼んでおり、斬り方の違いで技の名前を変えている(脳天から縦一文字に両断する「パート2」、胴体を横薙ぎに斬る「パート2´(ダッシュ)」、右からの袈裟切り→左からの袈裟切り→縦に両断(V字→V字→縦一文字)に続ける3連続斬りの「パート3」がある。ちなみにパート1にあたる「俺の必殺技」は、炎をまとった棒で力任せに殴りかかるもの。劇中での使用は、第1話においてM良太郎の状態での1度だけである)。また、第1話ではオーラソードが接触していないが、オーラソードとデンガッシャーの延長線上の透明な刃の部分に接触した壁に、焼き斬れている部分が存在していることが見受けられる。
- 仮面ライダー電王(ロッドフォーム)
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- 身長:187cm
- 体重:102kg
- パンチ力:4.5t
- キック力:9t
- ジャンプ力:一跳び20m
- 走力:100mを9秒
- ウラタロスの力をまとった形態。デンオウベルトの青いフォームスイッチを押した後、デンオウベルトの中央(ターミナルバックル)にライダーパスをセタッチすることにより「Rod form」の音と共に変身する。第6話から登場。基本カラーは青。変身直後、「お前、僕に釣られてみる?」という台詞を吐いて敵を挑発する。電王のフォームの中で唯一泳げるため、水中の敵と戦えるのはロッドフォームだけである。また、武器などの特性上、空中から襲ってくる敵を相手にするのも得意とする。嘘で相手を翻弄して自分のペースに引き込む狡猾な戦闘スタイルが特徴。顔に配置される“電仮面”はカメの甲羅のような外見を持ち、変形して装着される。ボディの装甲“オーラアーマー”の配置は胸に青いパーツ、背中に赤いパーツで、青いパーツは(ソードフォームでは背中にあった)金と黒のパーツが左右に開くように変形したもの。開いた部分は肩パーツとなる。ソードフォームからのフォームチェンジ時は全パーツを離脱させて身体の周りで半回転し、変形の後、装着される。
- 武器はロッドモードに連結させたデンガッシャー。フリーエネルギーをフルチャージし、敵にデンガッシャー・ロッドモードを突き刺す「ソリッドアタック(Solid Attack)」は、標的に命中した瞬間デンガッシャーが〈オーラキャスト〉という亀甲状の網に変化して、敵を絡め捕り動きを封じることができる。必殺技は、オーラキャストで動きを封じた敵に放つ、20tの威力を誇る跳び蹴り「デンライダーキック(Den-Rider Kick)」。
- 仮面ライダー電王(アックスフォーム)
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- 身長:185cm
- 体重:93kg
- パンチ力:8t
- キック力:5t
- ジャンプ力:一跳び30m
- 走力:100mを7秒
- キンタロスの力をまとった形態。デンオウベルトの黄色いフォームスイッチを押した後、デンオウベルトの中央(ターミナルバックル)にライダーパスをセタッチすることにより「Ax form」の音と共に変身する。第10話から登場。基本カラーは金色。変身直後に無数の懐紙が舞い、「俺の強さに、お前が泣いた。」と口上を述べる。パワーで勝るので、他のフォームの攻撃では効かない強固なボディの相手に有効なフォームとなる。力比べが得意で、相撲の張り手や突っ張りのような力押しの戦闘スタイルが特徴(本条との契約中、彼との契約を果たすため空手をマスターするつもりが、間違えて相撲をマスターしてしまったため)。顔に配置される“電仮面”は斧のような外見を持ち、変形して(斧の刃の部分が左右に割れて)装着される。変形後の顔の部分は漢字の「金」のように見える。ボディの装甲“オーラアーマー”の配置は胸に金と黒のパーツ、背中に赤いパーツで、ソードフォームと前後逆の配置。故にソードフォームからのフォームチェンジ時は全パーツを離脱させ、身体の周りで半回転して装着される。
- 武器はアックスモードに連結させたデンガッシャー。必殺技は、デンガッシャー・アックスモードを上方に投げ、気合いを込めた所でジャンプしてデンガッシャーをキャッチし、一気に敵を切り裂く「ダイナミックチョップ(Dynamic Chop)」。前述の2フォームとは異なりキンタロスはそのまま設定名を言うのが特徴で、初めてこの技を使った第10話では、ライノイマジンを倒した後に技名を言ったため良太郎にツッコまれていた。
[編集] ツール
- ライダーパス
- 電王への変身やデンライナーを呼び出すことに用いる特殊なパス。時刻がぞろ目になる瞬間(11時11分11秒、12時12分12秒など)に任意の扉にかざすことにより、デンライナーの走る異空間への扉が開かれる。また、デンオウベルトの中央部(ターミナルバックル)にライダーパスをセタッチすることにより、電王への変身や必殺技発動前のフルチャージ(Full Charge)などが行われる。なお、ライダーパスとライダーチケット自体は単なる乗車券で、時を越えるために一般人が利用することもある。
- 良太郎は所有するライダーパスの共有をオーナーから認められており、モモタロスをはじめ良太郎の憑依イマジン達がデンライナーに乗車していられるのは、良太郎が持っているライダーパスを共有している状態にあるためである。良太郎がパスの共有を拒否した場合、拒否されたイマジンは不法乗車とみなされ、オーナーから乗車拒否の宣告を下され、時の狭間を永遠にさまようことになる。
- デンオウベルト
- 電王の変身ツール。中央部(ターミナルバックル)にライダーパスをセタッチすることにより、仮面ライダー電王へと変身することが出来る(変身の解除はベルトを外すことによって自動的に行われる)。また、色のついたボタンフォームスイッチを押すことでフォームの選択が可能で、赤(ソードフォーム)・青(ロッドフォーム)・黄(アックスフォーム)・紫のボタンがある。イマジンが憑依している状態で変身する時は、予め自分に対応したフォームスイッチを押して、そのイマジンのフォームへと変身する。戦闘中にライダーパスをセタッチすることにより「フルチャージ(Full Charge)」の音声と共にデンガッシャーに柄の部分からエネルギーがチャージされ、必殺技が発動する。
- なお、変身時には、フォーム個別の発車メロディのような効果音が発生する。
- デンガッシャー
- 電王が標準携行している万能武器。オーラアーマーの一種(デンメタル)によって構成されている。通常は4つのパーツに分離してベルトにセットされているが、状況に応じてフリーエネルギーにより合体結合させることが可能で、4つのパーツにはそれぞれ一~四の漢数字のようなものがナンバリングされている。また、4つのパーツは近づけると自動で結合するため空中での合体も可能。
- 連結システムはHOゲージの鉄道模型のそれに酷似している。
- ソードモード
- ソードフォーム時に使用する剣型の形態。二と三を上下に連結した後、一と四を前後に連結し、先端から赤い剣先〈オーラソード〉が出現してソードモードになる。切れ味抜群の突撃剣であり、必殺技のエクストリームスラッシュを放つ際には剣先が分離し、普段より遠い間合いからの攻撃が可能。
- ロッドモード
- ロッドフォーム時に使用する竿型の形態。一から四を順番に一列に連結した後、全体が伸びてロッドモードになる。他のモードに比べ攻撃範囲が広く、槍先〈ロッドヘッド)からオーラの糸〈オーラライン〉を繰り出して、文字通り釣竿のように獲物をキャッチ、〈デンリール〉によって敵を巻き上げることもできる。
- アックスモード
- アックスフォーム時に使用する斧型の形態。一と三を前後に連結した後、一に二と四を順に連結し、斧の刃にあたる部分が大型化してアックスモードになる。他のモードに比べ攻撃力が高く、頑丈な敵に対して有効な武器となる。
- ライダーチケット
- 電王がデンライナーを用いて過去に向かう際に必要となる特殊なチケット。イマジンの契約者にチケットをかざすことで、イマジンが向かった時代を読み取り、それをライダーパスに挿入してデンライナーの行き先を決定する(この時、デンライナー・ゴウカ1号車前面の方向幕相当部分には、行き先である特定の年月日が表示される)。このチケットがなければ、電王であってもデンライナーを運転することはできない。
- マシンデンバード
-
- 全長:2130mm
- 全幅:790mm
- 全高:1180mm(通常時)、1390mm(高速走行時)
- 走行速度:360km/h(通常時)、1010km/h(高速走行時)
- デンライナーの運転席を兼ねる特殊バイク。普段はデンライナー・ゴウカ1号車に格納されており、ライダーパスをキーボックスに差し込むことにより起動する(電王がデンライナーを運転中はデンバードのエンジンも稼動し、タイヤは勢い良くその場で回転する)。緊急時にはデンバードに取り付けられた射出ボタンを押すことでデンライナーから射出され、普通のバイクのように使用可能。なお、現実世界を走行する際は「品川」ナンバーのナンバープレートを掲示している。
- ベース車種はホンダXR250。
[編集] デンライナー
「時の列車」と呼ばれる、時間旅行者のための巨大な新幹線型タイムマシンであり装甲列車。内部ではオーナー、ハナ、モモタロスらが日々の生活を送っている。その他の一般乗客者も複数乗車しており、食堂車では家族連れが食事をする姿などが見られる。動力車・付随車の別は特に示されていない。
製造者、運行目的、行き先は一切不明で、全てを知っているのはオーナーただ一人。デンライナーはオーナーの意思によってのみ運行され、電王がデンライナーを運転できるのもライダーチケット有効期限内のみ。ライダーチケットまたはライダーパスを有しない不正乗車者は、チケットまたはパスの所有者が共有を宣言しない限りオーナーによって車外に排除され、異空間を永遠にさまようことになる。オーナーは、車内で暴れるなど著しくマナーに反した者の乗車を拒否する権限も有する。
普段は異空間を完全自動運転で走行しているが、ライダーパスを介せば現実空間に現れることも可能。現実空間にいる時は一般人でもデンライナーの姿を見ることが出来る。レールは異空間・現実空間を問わず自動的に敷設・撤去されていくため、街中・空中・海上などどこでも走行が可能。
デンライナーの走る異空間はデスヴァレーを思わせる一面の荒野である。デンライナーのガラスには異空間の光景は写らないらしい。「時間の狭間」と呼ばれるトンネル(山岳)が存在し、デンライナーがその中に入ると現実空間との連絡が一切取れなくなる。
現実空間にいる者がデンライナーに搭乗する際は、ゾロ目の時間にパスを持って手近なドアを開けることで、異空間への扉を開いて搭乗する。異空間への出入口は棚の中など、「扉がある場所」であればどこでも設定できる模様。
- ゴウカ(業火)
- 通常時のデンライナーの先頭4両を構成する戦闘車両。ギガンデスとの戦闘時などは後方車両が切り離され、ゴウカ単独で行動する。1号車はマシンデンバードの格納庫を兼ねており、デンライナー全体の制御車でもある。マシンデンバードは任意で射出することが可能。
- イスルギ(石動)
- 電王ロッドフォーム専用の戦闘車両。通常は1両編成で単独走行しているが、ギガンデスとの戦闘時は後方にゴウカを連結し、協調運転に類似した行動を行う。「レドーム」というカメ型の飛行メカを車体後方に搭載しており、任意で分離発進させることが可能。このレドームは背中に電王ロッドフォームを乗せることができ、イマジンの追跡にも使用される。戦闘時は主にレドームの手足にあたる部分から発射するフリーエネルギーで出来た光線を使用する。
- レッコウ(烈光)
- 電王アックスフォーム専用の戦闘車両。イスルギ同様1両編成で、ギガンデスとの戦闘時はゴウカと協調して行動する。
- 武装
- サイドアックス:車体側面から展開する5足の脚で、格闘戦や障害物の粉砕に使用する。
- フロントアックス:車体先端から展開する巨大な刃で、ギガンデスを正面から両断する。
- 武装
[編集] イマジン / ギガンデス
ここでは便宜上、良太郎に憑依するイマジン以外を扱う。
以下、()内はモチーフとなった童話のキャラクター、または物。
- バットイマジン(『卑怯なこうもり』のコウモリ)
- 第1、2話に登場。良太郎に絡んだ不良グループの一人・テツオに憑依する。「イマジンの使命」に忠実に行動し、それを無視して仲間である自分に襲い掛かって来たモモタロスに呆れ気味に応対していた。契約完了のためにキーホルダーを所有する人間を無差別に襲い、キーホルダーを奪っては空から突き落とし、次々と殺害する。「エクストリームスラッシュ(俺の必殺技・パート2)」を受けて爆死したと思われたが復活。復活後、良太郎がキーホルダーを渡してしまったことによって、契約が完了。2004年12月24日にタイムスリップし、タンクローリーを乗っ取って街を破壊し始めるも、再び電王ソードフォームに阻止され、エクストリームスラッシュ(俺の必殺技・パート2)を受けギガンデス化した。
- ギガンデスヘブン
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- 翼長全開:18m
- 体重:860kg
- 第2話に登場。バットイマジンがギガンデス化した姿。全身が白く顔は金色で、左翼に羽のような物が生え、下半身は蜂の尾。尾から射出する針が武器。デンライナー(ゴウカ)のゴウカノンを受け爆死。
- カメレオンイマジン(『カエルの王子』のカエル)
- 第3、4話に登場。闇金融業者に追われていたミュージシャン・山越佑に憑依する。「死ぬほどの金」を手に入れるために事務所や現金輸送車を襲撃し、山越の部屋を埋め尽くすまでの金を盗み集めた。伸縮自在の鞭での攻撃や、口から吐く火炎放射での攻撃を得意とする。また、色素粒を変化させて透明化することも可能で、「エクストリームスラッシュ(俺の必殺技・パート2)」からも逃れた。契約が完了したことにより2006年3月15日にタイムスリップ、街を破壊し始めるも電王ソードフォームに阻止され、エクストリームスラッシュ(俺の必殺技・パート2ダッシュ)によって撃破された。
- なお、山越のイメージしたものは前述の通り「カエルの王子」のカエルだが、何故かカメレオンの姿となってこの世に現出した。
- クラストイマジン(『サルカニ合戦』のカニ)
- 第5、6話に登場。サッカー少年の斉藤大輝に憑依する。契約を果たすため、大輝の所属するサッカーチームを欠員させようと、チームメイトを次々と襲い重傷を負わせた。モチーフはカニで水中戦を得意とするが、大ジャンプすることも可能。巨大なカニバサミを飛ばしたり、触手で攻撃する。契約が完了したことにより2006年10月15日にタイムスリップ。サッカー大会の地区予選決勝のペナルティーキックで大輝がボールを蹴ろうとした瞬間に現れ会場を破壊しようとするが、電王ソードフォームに阻止される。報復として泳げない電王ソードフォームを海に引きずり込み窮地に立たせるが、電王はロッドフォームに変身。ウラタロス(電王ロッドフォーム)の巧みな嘘によって陸上に誘導されて、ソリッドアタック及びデンライダーキックを受けギガンデス化した。
- イマジン同士で戦うことを好まず、戦闘よりも「過去を変える」という使命の遂行を優先している。それゆえ電王とは積極的に戦おうとはせず、逃走することが多かった。
- クロウイマジン(『鳥の王様選び』のカラス)
- 第7、8話に登場。結婚式当日、大工の大林友也と派手な喧嘩をして別れた過去を持つ斉藤優美に憑依する。契約を果たすため、彼女の思い出の曲であるアントニオ・ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲「春(『四季』より)」を奏でているあらゆるものや付近の人間(街頭スピーカー、携帯電話の着信メロディ、ドラムによる演奏、CDプレーヤーなど)を「消去!」の掛け声と共に神隠しする(殺してはいないらしい)。最後に優美が持つオルゴールペンダントを壊して契約を完了させ、友也と優美の結婚式当日である2006年7月24日(仏滅)にタイムスリップ。教会内にいた人々を神隠ししようとするも、電王ロッドフォームに阻止される。最後は電王ソードフォームのエクストリームスラッシュ(俺の必殺技・パート3)によって撃破された。巨大な翼を広げて空を飛び回り、羽根を手裏剣のように発射して攻撃する。
- ライノイマジン(『はだかのサイ』のサイ)
- 第9、10話に登場。選手権の決勝戦で対戦相手の本条勝が病に倒れ、不戦勝で優勝した過去を持つ空手家の菊池信司に憑依する。菊池を空手のトップに立たせるためと、次々と強い空手家を襲う。全身が鎧のような装甲で包まれ、見た目は鈍重そうだが、水中戦もこなす。頭部が星型の棒状の鈍器(モーニングスター)を武器とする。何故かツッコミも強烈で電王各フォームの決め台詞に(「俺、参上!」の後に)「すぐに退場させてやる!」(「俺の強さにお前が泣いた」の後に)「誰が泣くか!」等と言ったツッコミを入れていた。最後に本条を襲い契約を完了させ、本条と菊地が戦うはずだった決勝の日である2006年5月21日にタイムスリップ。会場を破壊し、電王ソードフォームも苦戦を強いられるが、電王アックスフォームに武器を破壊され、ダイナミックチョップを受けギガンデス化した。
- アイビーイマジン(『ジャックと豆の木』の豆の木)
- 第11話に登場。売れっ子ジュニアモデル・カスミの父親の謙作に憑依する。謙作の命令に従いカスミに幾度となく襲い掛かる。ブーメランのような武器を用い、自在に伸びるゴムのような体で戦いを繰り広げる。
- なお、謙作がイメージしたのは『ジャックと豆の木』の豆の木であるが、ツタ植物の姿でこの世に現出した。
[編集] キャスト
[編集] レギュラー&準レギュラー出演者
- 野上良太郎:佐藤健
- ハナ:白鳥百合子
- モモタロス、仮面ライダー電王(ソードフォーム)の声、予告ナレーション:関俊彦
- ウラタロス、仮面ライダー電王(ロッドフォーム)の声、予告ナレーション:遊佐浩二
- キンタロス、仮面ライダー電王(アックスフォーム)の声、予告ナレーション:てらそままさき
- ナオミ:秋山莉奈
- 野上愛理:松本若菜
- 尾崎正義:永田彬(RUN&GUN)
- 三浦イッセー:上野亮
- デンライナーのオーナー、オープニングナレーション:石丸謙二郎
[編集] 主なゲスト出演者
括弧内の数字は出演回。
- テツオ:落合扶樹(1、2)
- 山越佑:波岡一喜(3、4)
- 斉藤大輝:小越勇輝(5、6)
- 斉藤優美:栗原瞳(7、8)
- 大林友也:平塚真介(7、8)
- 本条勝:内野謙太(9、10)
- 菊池信司:矢崎広(9、10)
- 小林カスミ:小野明日香(11)
- 小林謙作:池田成志(11)
- 大槻実:白井圭太(11)
[編集] ゲスト声優
括弧内の数字は出演回。
- バットイマジン:梁田清之(1、2)
- カメレオンイマジン:金丸淳一(3、4)
- クラストイマジン:津久井教生(5、6)
- クロウイマジン:西凛太朗(7、8)
- ライノイマジン:小山剛志(9、10)
- アイビーイマジン:園部啓一(11)
[編集] スーツアクター
[編集] スタッフ
- 原作:石ノ森章太郎
- スーパーバイザー:小野寺章(石森プロ)
- プロデューサー:梶淳(テレビ朝日)、白倉伸一郎・武部直美(東映)
- 監督:田崎竜太、長石多可男、坂本太郎、石田秀範、金田治
- 脚本:小林靖子、米村正二
- 音楽:佐橋俊彦
- 演奏:フェイスミュージック
- アクション監督:宮崎剛
- 撮影:いのくままさお
- 美術:大嶋修一
- 助監督:柴崎貴行ほか
- プロデューサー補:大森敬仁
- 特撮監督:佛田洋
- クリーチャーデザイン:韮沢靖
- 製作:/tv asahi、ADK、東映
[編集] 主題歌
- オープニングテーマ
- 『Climax Jump』
- 作詞:藤林聖子 / 作曲・編曲:鳴瀬シュウヘイ / 歌:AAA DEN-O form
- 『Climax Jump』
- エンディングテーマ(挿入歌)
[編集] 脚注
- ^ 放映開始日の1月28日は、原作者の石ノ森章太郎の9回目の命日でもある。
- ^ 前作『カブト』でも「天の道を…」という前口上はあるが、ライダーの名乗りというよりは主人公である天道の名乗りである。
- ^ 平成シリーズで2作品以上でレギュラー・準レギュラーを務める俳優は山崎潤、栗原瞳、弓削智久に次いで4人目。
- ^ AAAのシングルとしても最高位(2007年4月時点)。
- ^ 平成ライダーの主人公で唯一、一人称が「僕」。ただし主人公ではない別のライダーでは「仮面ライダー響鬼」の伊吹鬼も僕といっている。
- ^ 「なく」「なき」という発音、またはそれに近い言葉にも反応する。『亡き者にしてやる』という言葉の『亡き』を『泣き』と勘違いするなど。
- ^ 「○○」の中には各斬り方に対応する数字などが入る。
- ^ 第8話時点ではタイトル未定であり、オープニング中では単にエンディングテーマと表記された。
[編集] 外部リンク
[編集] 前後番組の変遷
テレビ朝日系 日曜8:00枠(2007年1月‐、スーパーヒーロータイム枠の第2枠) | ||
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前番組 | 仮面ライダー電王 | 次番組 |
仮面ライダーカブト | - |
テレビ朝日系 日曜日朝のアニメ・特撮番組(ニチアサキッズタイム) |
7:00 (メ~テレ)古代王者恐竜キング | 7:30 (スーパーヒーロータイム1部)獣拳戦隊ゲキレンジャー |
8:00 (スーパーヒーロータイム2部)仮面ライダー電王 | 8:30 (ABC)Yes! プリキュア5 |
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第1期 | 仮面ライダー - V3 - X - アマゾン - ストロンガー |
第2期 | スカイ - スーパー1 - ZX(TVSP・ラジオ) |
第3期 | BLACK - RX |
真・ZO・J | 真 - ZO - J |
平成シリーズ | クウガ - アギト - 龍騎(怪人) - 555 - 剣 - 響鬼(戦士・怪人) - カブト(人物・怪人) - 電王 |
外伝 | THE FIRST - SD - ウルトラマンVS仮面ライダー - 駈斗戦士 |
漫画 | 仮面ライダー - Black - ZO - SPIRITS - THE FIRST - つくった男たち |
小説 | 誕生1971/希望1972 - EVE - HERO SAGA |
一覧 | ライダー - 乗用マシン - 怪人 - 必殺技 |
アイテム / 玩具 | 平成の変身アイテム - S.I.C. - 装着変身 - コンパチヒーロー |
関連 | 戦隊 - メタル - すごかが - ヒーロー大集合 - ヒーロータイム |