鹿島鉄道
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| 種類 | 株式会社 |
| 略称 | かしてつ、鹿鉄（かてつ） |
| 本社所在地 | 300-0051 茨城県土浦市真鍋1丁目10番8号 事業所:茨城県石岡市石岡字白久台2460番地6 |
| 電話番号 | 本社:029-822-3710 事業所:0299-23-2358 |
| 設立 | 1979年3月6日 |
| 業種 | 陸運業 |
| 事業内容 | 旅客鉄道事業 他 |
| 代表者 | 小野里忠士（取締役社長） |
| 資本金 | 100百万円 |
| 総資産 | 726百万円（2005年度） |
| 主要株主 | 関東鉄道 100% |
| 外部リンク | www.katetsu.co.jp |
鹿島鉄道株式会社（かしまてつどう）は、茨城県にある鹿島鉄道線を運営していた鉄道会社であるが、2007年3月31日をもって鉄道は廃線となった。
目次 |
[編集] 歴史
1979年4月1日に、関東鉄道から赤字線の鉾田線を分離して設立された。同時に分離された筑波線の筑波鉄道は1987年に廃止されている。
鹿島鉄道は、親会社である関東鉄道の経営支援と航空自衛隊百里基地への航空燃料貨物輸送によって経営が成り立っていたが、2001年8月に燃料輸送が中止されタンクローリーに切り替わり、2002年4月1日に貨物営業が廃止された。また、2005年のつくばエクスプレス線の開業により、自社の常総線や高速バスの利用者が減少し減収となった関東鉄道は、支援を打ち切る方針とした。これにより、県や沿線自治体からの公的支援に頼らざるを得ない状況となったが、これも打ち切られる可能性が出たため、「鹿島鉄道は2007年中に鹿島鉄道線を廃線する意向であり、2006年3月から国交省への手続きに入る」という報道が、2006年2月17日の『茨城新聞』紙上などでなされた。この報道通り、会社は2006年3月30日に廃止届を提出した。2006年3月末時点での累積欠損額は、約2億5500万円にのぼっていた。鹿島鉄道では、経営改善5カ年計画（2002年度から5年間）に基づく軌道強化、鉄道利用者向け駐車場整備、自転車を車内に持ち込める「サイクル&トレイン」の運転、65歳以上を対象とする格安定期券の発売などの施策を実施した。鹿島鉄道では、2006年夏、2007年度以降も鉄道事業を継続する場合、5年間で車両新造、設備更新を含めて約11億円の支援が必要となると試算した（これに対し鹿島鉄道対策協議会は中古車両の導入、寄付金の受け入れなどで削減可能とし、上限として約6億5000万円を提示した）。また、下記のような存続運動が展開されたが、鉄道線は2007年4月1日に廃止となった。
[編集] 存続運動
2001年12月、貨物営業の廃止が決まり、存続に危機感を持った沿線自治体が中心となって茨城県と沿線市の市長と議会議長（当時の石岡市、玉里村、玉造町、鉾田町の）で組織する鹿島鉄道対策協議会が発足した。協議会は鹿島鉄道の経営改善5カ年計画実施にあたり総額2億円の公的支援を実施した。また、民間でも「鹿島鉄道存続再生ネットワーク」などの支援団体が結成され、2004年には沿線にある中学校や高等学校（全16校）の生徒が「かしてつ応援団」などを組織し、署名運動や募金活動、さまざまな存続運動を盛んに展開した。さらに2005年11月には、地元のNPO法人と沿線住民有志が「かしてつブルーバンドプロジェクト」を立ち上げ、霞ヶ浦の青をイメージしたブルーバンドを1つ100円で、石岡市内や鉾田市内、小美玉市内などのカスミ3店舗や駅舎で販売した。売り上げは、駅舎へのトイレ設置などに役立てられた。
しかし状況は好転せず、ついに2006年3月30日に鹿島鉄道が国土交通省に廃止日を2007年4月1日とする廃止届を提出。これにより鹿島鉄道対策協議会は、2006年11月中旬をめどに支援策をまとめた。また第三セクターでの存続を模索しつつ、代替バスへの転換も検討する方針が対策協議会で確認された。そして協議会は、2006年11月19日に第3回の会合を開き、協議会および沿線の市の単独での財政支援を今年度限りで打ち切ることを決定、これにより、11月27日から12月11日の間に（輸送人員、公的支援額などを公表した上で）新事業者を公募し、応募がない場合は、代替バスを運行することとし、準備が進められた。
公募には2者（1社1団体）が応じ、市民団体の鹿島鉄道再生存続ネットワークが、「新しく株式会社霞ヶ浦市民鉄道（仮称）を設立した上、運行を岡山電気軌道に委託する形」で、また、旅行代理店のトラベルプランニングオフィスが、「鉄道事業に新規参入する形」で応募した。この2事業者は、12月17日に鹿島鉄道対策協議会へのプレゼンテーションを行った。12月24日、協議会は審査の結果、「鉄道事業の免許が持っていない」「2007年度から5年間予定している支援額6億5000万円を超える負担が必要になる」「鹿島鉄道から施設の無償譲渡を受けるのが難しい」などの理由で2事業者の案をともに不採用とすることを決定し、同線の廃止が決定した。廃止後は、関鉄グリーンバスへ代替バスの運行が委託された。
- 出典
- 「鹿島鉄道存続問題 事業者公募に2団体」東京新聞 2006年12月14日
- 「鹿島鉄道廃線決定」東京新聞 2006年12月25日
- 「鹿島鉄道、来年3月の廃線決定」 朝日新聞 2006年12月25日
[編集] 路線
- 鹿島鉄道線 石岡駅 - 鉾田駅 27.2km 17駅
[編集] 車両
保有車両は全て単行運転できる両運転台車で、うち自社発注車のKR-500形を除いた3形式は、日本で営業運転に使用される気動車としては最古級の貴重な車両である。これらはいずれも「菱枠形台車」と呼ばれる、帯鋼をリベットやボルトで組立てた簡易な台車を装備していた。
[編集] KR-500形
主力車両であった。1989年と1992年に、新潟鐵工所に自社発注した16m級の軽快気動車（NDC）で、501～503,505の4両が在籍（504は忌み番号とされ、当初より欠番）していた。正面は非貫通形で新製時より冷房付であった。本形式のみ座席はボックスシートであった。2003年より塗装がクリーム地にアイボリーとパープルの2色ラインから以下のように変更されていた。2004年にKR-505は新選組号として運転された。 KR-505は鉾田市の市民団体の要望に応え、廃線後も鹿島鉄道がしばらくの間鉾田駅跡で保存する。
- KR-501 - クリーム地に紫の帯
- KR-502 - クリーム地に赤の帯
- KR-503 - クリーム地に緑の帯
- KR-505 - クリーム地に水色の帯
[編集] キハ714形
714号1両が在籍。1953年新潟鐵工所製の元夕張鉄道キハ251形（251）で、北海道初の液体式気動車であった。20m級2扉車で、湘南形の運転台が特徴。1976年、夕張鉄道の廃止により転入。入線時点では転換クロスシート車であったが1977年にロングシート化、更に1994年には冷房化されている。しかし、扉配置の都合でワンマン化はされず、単行運転は毎月第2土曜日に1往復のみとなっていた。
[編集] キハ430形
431,432の2両。共に1957年東急車輛製造製の元加越能鉄道加越線キハ120形(125,126)。東武鉄道熊谷線キハ2000形（1954年東急製）とほぼ同型車で、湘南形運転台を備える16m級2扉の小型気動車。ただし、車内は東武熊谷線の車両とは異なりオールロングシートである。1972年の加越線廃止に伴い翌年転入。小型車体のため冷房装置を搭載する余裕がなく、夏期は運用を外れる。2002年にキハ432は前面の塗装をV字の曲線状にする通称「金太郎塗り」に変更した。2003年にはキハ431がクリーム地に緑の金太郎塗りに塗装が変更された。廃止後はキハ431が鉾田駅跡で、キハ432が小美玉市の病院経営者のもとで保存される。
- キハ431形 - 緑色の金太郎塗り
- キハ432形 - 橙色の金太郎塗り
[編集] キハ600形
19m級の3扉車で、当線では最大の旅客収容力を持っていた。出自は国鉄から譲受した元キハ07形で、1965年～1966年に関東鉄道に譲受された。601（1936年川崎車輌製）と602（1937年鉄道省大宮工場製）の2両が在籍していた。流線型だった前面形状を1972年に関東鉄道形の平妻形に改造するなど、内外の大改装を度々繰り返し、1994年には冷房装置も搭載された。車体側面の形態と台車に往年のディテールを残す。601は2006年現在車齢約70年に達しており、一般旅客営業に運用される車両としては日本最古かつ戦前製唯一の現役気動車であった。廃止後はキハ601が鉾田駅跡で保存される。
譲渡及び改番履歴を以下に示す。
- 国鉄キハ42032 ＞国鉄キハ07 29 ＞ 鹿島参宮鉄道キハ42503 ＞ 関東鉄道キハ42503 ＞ 関東鉄道キハ601 ＞ 鹿島鉄道キハ601
- 国鉄キハ42036 ＞国鉄キハ07 32 ＞ 関東鉄道キハ42504 ＞ 関東鉄道キハ602 ＞ 鹿島鉄道キハ602
[編集] DD902形
1968年日本車輌製、関東鉄道が発注した国鉄DD13形ディーゼル機関車の同型車。2006年現在、車体は赤く塗装されている。側面の社章は関東鉄道時代のまま。余談だが関東鉄道が4路線で構成されていた時代（1965年6月1日～1979年3月31日）における唯一の（事実上且つ名義上でも）新造車である。2005年11月に塗装が朱色に変更され、同年の鉄道の日イベントでは目玉車両となった。2007年、廃線を待たずに日本製鋼室蘭製作所に売却された。
[編集] 過去の車両
- キハ710形（711～713）：1958年新潟鐵工所製の元三井芦別鉄道キハ100形（101～103）
- キハ715形（715）：1956年新潟鐵工所製の元夕張鉄道キハ254形(254)
- キハ83形（83）：元北九州鉄道ジハ50。大分交通キハ50ちどり号（元北九州鉄道ジハ51）と同型だが、こちらは正面2枚窓になっている。1935年日本車輌にてジハ50として製造された。北九州鉄道が国鉄に買収され、キハ40652となった。関東鉄道に入線して、キハ83となった。当初は常総線に配属されたが、後に鉾田線に転属した。
- キハ200形（201）：いわゆる「びわこ型」の前面を持つ小型車。前照灯は鹿島参宮特有の小型の物。
- キハ40400形（40401）：元芸備鉄道キハユ16。1934年に日本車輌でキハユ16として新製され。芸備鉄道が国鉄に買収され、キハユ40900となった。鹿島参宮鉄道に転入後、ホハフ401となった後、キハ40401となった。これも前照灯は小型だった。また、偏心台車を使っている。
- キハ410形（411・412）：元国鉄キハ04。
- 国鉄キハ04 10→常総筑波鉄道キハ41005→関東鉄道キハ411
- 国鉄キハ04 24→常総筑波鉄道キハ41006→関東鉄道キハ412
- キハ410形に改造時に、トルコン化、総括制御化、片運転台化された。正面2枚窓になっていた。廃車後は2両とも別々の保育園に引き取られ保存されたが、2004年秋頃に2両とも解体された。
- キハ41300形（41301・41303）：元国鉄キハ04。
- 国鉄キハ04 7→鹿島参宮鉄道キハ41301
- 国鉄キハ04 18→鹿島参宮鉄道キハ41303
- キハ42200形・650形（42201→651・42202）：元東横電鉄キハ2・8。東横電鉄では変電所の能力限界を補うべく、急行をガソリンカーで運行する事を画策し、東横電鉄キハ1形1～8号を1936年に川崎車両で新製した。しかし直後の石油統制で活躍の場を失い、キハ2・8はすぐに五日市鉄道に売却された。その後五日市鉄道は南武鉄道に合併され、南武鉄道キハ2・8となった。そして今度は南武鉄道が戦時買収により国有化され、国鉄キハ2・8となった。戦後鹿島参宮鉄道に譲渡され、キハ42201・42202となった。キハ42201は機械式のまま切妻にされ、キハ651となったが、キハ42202は新製時の流線型を保ったまま1977年まで使用された。
- キハ42500形（42501～42504）：元国鉄キハ07。42501・42502はキハ610形に改造されて、常総線で運用された。42503・42504はキハ600形に改造されて、現在も鹿島鉄道で運用中。
- オハフ800形（801～803）：戦災国電を引き取って客車化した物。3両とも全く異なるスタイル。
- DD900形ディーゼル機関車(901)：1955年日本車輛製造製の試作形ディーゼル機関車。常陸小川駅にて静態保存されていたが、2007年2月27日に解体された。
[編集] その他
- 鹿島鉄道では気動車の「体験運転会」を毎月実施していたが、2006年10月3日をもって受付は終了している。
- 最後の運転会では特別車両が使われ、参加者主体のセレモニーやメディアも来るなど、無事故で終了した功績は大きい。
- 1993年の映画『教祖誕生』（原作 ビートたけし、主演 萩原聖人・ビートたけし）の撮影が鹿島鉄道で行われた。
- ドラマ『人間・失格～たとえばぼくが死んだら』(TBSテレビ)の最終回で教師の新見（加勢大周）がホームから突き飛ばされて列車に轢かれるシーンを鹿島鉄道で撮影された。
- 柴田淳のシングル「花吹雪」のPVのロケが鹿島鉄道で行われている。
- aikoのPVの撮影が2006年7月に行われた。
- 2006年11月11日に鉄道の日イベントが開催され、金太郎（キハ431+432）・キハ600形が2両編成で運転された。また、鉾田駅では鉄道グッズ販売が行われ、「あさざ号」や「あけっぱなし号」「DD13ラストラン」などのヘッドマークも3万円前後で販売された。
- 『仮面ライダー響鬼』（2005年テレビ朝日）の第7話「息吹く鬼」の撮影が鹿島鉄道線で行われた。ヒビキが篭る山へ向かうために、安達明日夢が鹿島鉄道に乗り込む。巴川駅で降りようとするも、寝過ごして常陸小川駅で降りる。同じ車両に天美あきらもいた。明日夢が常陸小川駅を出る際、壁にある「ガンバレかしてつ」の手書きのポスターが映っていた。
- 2007年1月16日放送のテレビ東京『ガイアの夜明け』で市民団体による鹿島鉄道の存続活動が取り上げられた。
- 『奇跡体験!アンビリバボー』（フジテレビ）の「知られざる英雄 時速110kmの怪物に挑む」で暴走する貨物列車を牽引する機関車とそれを停止させる機関車として鹿島鉄道石岡駅及び関東鉄道水海道車両基地で鹿島鉄道DD902形機関車・スム1000形貨車・関東鉄道DD502形機関車を使用して撮影が行われた。 このとき、車体には実際にアクシデントを起こした「CSX」社のステッカーとナンバープレートが貼られていた。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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