MOTHER (原由子)
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MOTHER | ||
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原由子 の アルバム | ||
リリース | 1991年6月1日 1998年2月25日 (再発) |
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録音 | 1987年春~1991年春 VICTOR STUDIO 猫に小判STUDIO etc. |
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ジャンル | J-POP | |
時間 | Disc1 42分23秒 Disc2 42分51秒 Total 85分14秒 |
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レーベル | ビクタータイシタ | |
プロデュース | 桑田佳祐 & 小林武史 | |
レビュー | ||
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チャート順位 | ||
ゴールド等認定 | ||
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売上枚数 | ||
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原由子 年表 | ||
Miss YOKOHAMADULT YUKO HARA 2nd (1983年) |
MOTHER (1991年) |
Loving You (1998年) |
MOTHER(マザー)はサザンオールスターズの原由子のソロ3rdアルバム。1991年6月1日発売。発売元はビクターTAISHITAレーベル。
目次 |
[編集] 解説
前作『Miss YOKOHAMADULT』より約8年ぶりにリリースした3rdアルバムであり、名盤と評されることも多い。本作も夫の桑田佳祐が全面プロデュースしており、桑田のソロアルバム『Keisuke Kuwata』に続いて小林武史が編曲を勤めている。プロデューサーもこの2名がクレジットされている。 ジャケット・歌詞カードの写真は桑田が撮影した。
TAISHITAレーベルにとってはサザン本体の『KAMAKURA』以来の2枚組で、現在ソロのオリジナルアルバムの2枚組を発売したのはサザンオールスターズのメンバーでは原由子ただ1人である。
母親となった原由子が自身のソロ活動を再開した時期からの楽曲がまとめられ、1987年から1991年の活動を総括したベスト盤的な側面もある。その後7年間リリースが途絶えた後発売された『Loving You』は実際にベスト盤となり、本作が現時点で最後のソロオリジナルアルバムとなっている。
シングル曲が多数収録されているものの、本作レコーディングの過程で録音されたシングル「ガール (GIRL)」、「負けるな女の子!」は未収録となっている。また、収録期間が長くなってしまったことや、途中シングルカットされている作品が多いことなどから、録音時期によって演奏メンバーが異なっている。本作収録曲として録音された楽曲は原、小林、桑田の3名を中心に録音されているが、1980年代にシングルとして発表されている楽曲は、藤井丈司や今野多久郎が参加している。コンピュータオペレーションも、時期によって藤井丈司と角谷仁宣の異なる2人がそれぞれ担当している。さらにプロデュースに名を連ねる小林武史も、一部の楽曲ではキーボードという形でも参加していない。
現時点では原のソロワーク最大の売り上げとなっており、2枚組アルバムの売り上げとしても高い記録になっている。シングル曲及びDisc 1は桑田、それ以外は原が主に作詞・曲を行っている。本作桑田はプロデュース業に専念し、楽器などの演奏はしていないが、作詞・曲や編曲、コーラスという形で参加している。なお、原もボーカルのみを担当し、本業のキーボードは『あじさいのうた』でのみ演奏している。
アルバムリリースと前後して、1990年秋から1991年にかけて、原は単独で各メディアに数多く登場した。アルバムの多くの曲がCMソングに起用され原自身もCMに登場。音楽番組やトーク番組への単独出演、ドキュメント番組でも特集された。これらは原が、出産・子育てで一度は音楽そのものを止めよう思い悩んでいたが、それらを乗り越えてまた音楽を続けたいという気持ちが形になったものであり、桑田を始めとするスタッフ達の後押しがあっての賜物であった。
その集大成と言えるのが、アルバムリリース直後に行われた大阪・名古屋、そして日本武道館でのソロライブであった。体調を考慮して僅か3公演であったが、バックバンドとして小林武史・小倉博和・松田弘らが集い、20曲以上を歌い上げた。それまでのサザンのライブとは違い、衣装替えやダンサーらと共にダンスを披露するなど、ソロならではの充実したライブを魅せた。
なお、このアルバムのレコーディングに参加していたギタリストの小倉博和と佐橋佳幸が意気投合。1991年3月には日清パワーステーションで行われた桑田佳祐のライブ「ACOUSTIC REVOLUTION」に二人揃って参加。これが小倉・佐橋のデュオである山弦を結成するきっかけとなった。
[編集] 収録曲
ベストアルバム「Loving You」収録曲はそちらで解説しているので、ここでは基本的に省略する。
[編集] Disc 1
- ハートせつなく
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:小林武史 & 桑田佳祐)
10thシングル。原本人出演のカゴメCMソング。 - 東京ラブコール
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:小林武史 & 桑田佳祐)
映画ドラえもん「のび太と雲の王国」の併映作「ときめきソーラー くるまによん」主題歌となった。 - 少女時代
(作詞・作曲:原由子 編曲:小林武史 & 桑田佳祐)
アルバムリリース後に、テレビアニメ「YAWARA!」のエンディングテーマして起用され、後に同アニメのオープニングテーマの12thシングル「負けるな女の子!」c/wとしてシングルカットされた曲。前述のソロライブでは、涙に詰まって歌えなくなる場面も見られた。特に大阪公演では一曲殆ど歌えなかったという。
斉藤由貴に1988年に提供した曲のセルフカバーでもあり、そちらのオリジナルバージョンは1988年にリリースされた斎藤のアルバム『PANT』に収録されている。 - 星のハーモニー
(作詞・作曲:原由子 編曲:小林武史)
8thシングルc/w。「東京ラブコール」同様「ときめきソーラー くるまによん」主題歌。フジテレビ系「ひらけ!ポンキッキ」でも使用された。 - じんじん
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:小林武史 & 桑田佳祐))
11thシングル。普段の原とは違った、コブシを効かせた力強い唄い回しとGS風のサウンドが印象的。イントロと間奏部は桑田がコーラスを重ねている。
リリース前のタイトル候補としてローマ字表記×3の「JIN・JIN・JIN」もあった。
オリコン最高位24位、19週チャートインで自身のシングル中2番目の売上を記録。当時はその昭和歌謡のサウンドが幅広い世代に受け入れられ、CD売上よりもラジオオンエア・有線リクエストで息の長い人気を得た。
ホンダ「ビート」CMソング。
本シングルでミュージックステーションに単独出演した際にはハンドマイクでボックスを踏みながら唄った。 - 使い古された諺を信じて
(作詞:桑田佳祐 作曲・編曲:小林武史)
11thシングルc/w。本アルバムで唯一、小林武史が作曲も担当。本人出演のカシオCMソングとなる。 - Good Luck, Lovers! (グッド ラック ラバーズ)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:小林武史 & 桑田佳祐) - かいじゅうのうた
(作詞・作曲:原由子 編曲:矢口博康)
1989年リリースの8thシングル。当時、子育てに追われていた原が、幼く手のかかる二人の子供達を「かいじゅう」に例えて歌った。桑田が非常に気に入っている作品と言われ、桑田曰く、毎日聴きたい楽曲の1つに挙げているという。「星のハーモニー」同様、「ひらけ!ポンキッキ」内で使用された。 - UFO (僕らの銀河系)
(作詞:阿久悠 補作詞:桑田佳祐, Jadranka 作曲:都倉俊一 編曲:小林武史 & 桑田佳祐)
1978年のピンク・レディーの大ヒット曲『UFO』に、歌詞を加筆した実験的作品となっている。テンポなども転調をつけるなど、メロディーこそ同じもののアレンジ面では大きな違いで加えている。前述の単独ライブでは煌びやかな衣装を纏ってのダンスも披露した。 - 花咲く旅路
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:小林武史 & 桑田佳祐)
JR東海のCMソングとして、アルバムリリースの半年前からテレビでオンエアされ続けた。また、1991年の紅白歌合戦では原由子がソロで出場し、本曲を唄い、更に翌1992年にサザンオールスターズとして北京で開催したコンサートで、桑田佳祐が体調不良により一時的にステージに上がれなくなった際、原由子が即興の弾き語りで同じく「花咲く旅路」を歌った。
CMの効果もあり、シングルカットされていないが原由子の作品としては特に知名度が高く、原の代表曲として知られる。
また、多くのミュージシャンがカヴァーしている。陳慧嫻が「飄雪」というタイトルで、さらに高勝美が「蝶兒蝶兒滿天飛」というタイトルで歌っている。
特徴的なメロディーやアジアを連想させる曲調から、テレビ番組で中国などを取り上げる際にインストとしてBGMがOAされていることもある。
2002年には桑田佳祐に引き続きコカ・コーラ「まろ茶」CMソングに起用され、同年発売のカバーアルバム「東京タムレ」のボーナストラックとしても収録された。
[編集] Disc 2
- お涙ちょうだい
(作詞:森雪之丞 作曲:原由子 編曲:小林武史) - イロイロのパー
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:小林武史 & 桑田佳祐)
内容は非常に淫猥なものであり、桑田がその過激な歌詞を歌わせるのを面白がって作ったとも言われ、本アルバムでは大きなアクセントとなっている。 - あじさいのうた
(作詞・作曲:原由子 編曲:桑田佳祐 & 藤井丈司)
1987年リリースの6thシングル。富田靖子主演の映画「BUSU」の主題歌になった。ミュージシャン原由子の復活の曲として、次男がお腹にいる状態でレコーディングされた。それまで音楽を続ける事が出来そうになく思い悩んでいたが、この曲を書き上げレコーディングした事で、また音楽を続ける自信がついたという。その誕生までの経緯やレコーディング模様は自身の著書「娘心にブルースを」に描かれている。 - 夜空を見上げれば
(作詞:原由子 作曲:原由子 & 小倉博和 編曲:原由子, 小倉博和, 小林武史, 桑田佳祐 弦編曲:中西俊博)
子供達と一緒に見上げた夜空の情景を歌い上げている。 - Anneの街
(作詞・作曲:原由子 編曲:小林武史)
10thシングルc/w。Anneとは「赤毛のアン」の事。 - 終幕 (フィナーレ)
(作詞・作曲:原由子 編曲:小林武史 弦管編曲:中西俊博) - 春待ちロマン
(作詞・作曲:原由子 編曲:矢口博康 & 門倉聡)
1988年リリースの7thシングル「ガール (GIRL)」のc/wであり、現在唯一の両A面曲。 - ためいきのベルが鳴るとき
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:小林武史)
1989年リリースの9thシングル。
中井貴一、黒木瞳、真木蔵人ら出演のフジテレビ系ドラマ「いまどき銀座物語ぼんぼん」主題歌。 - キューピーはきっと来る
(作詞・作曲:原由子 編曲:小林武史)
キューピーマヨネーズのCMソングとして1988年に作られ、本アルバムで初めてCD化された。CM用という事で曲は1分弱と短く、本アルバムではオマケ・ボーナストラック的な一曲。 - 想い出のリボン
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:小林武史 & 桑田佳祐)
卒業・別れがテーマで特に人気の高い一曲。
[編集] 参加ミュージシャン
[編集] Disc 1
- ハートせつなく
- 原由子:Lead Vocals
- 小林武史:Keyboards
- 角谷仁宣:Computer Operation
- 佐橋佳幸:Guitars
- 根岸孝旨:Bass
- 今野多久郎:Percussion
- ダディ柴田:Sax
- 桑田佳祐:Backing Vocals
- 東京ラブコール
- 原由子:Lead Vocals
- 小林武史:Keyboards
- 杉本恭一 (LÄ-PPISCH):Electric Guitars
- 小倉博和:Acoustic Guitars
- 松本治:Trombone
- 少女時代
- 原由子:Lead Vocals
- 小林武史:Keyboards
- 佐橋佳幸:Guitars
- 根岸孝旨:Bass
- 今野多久郎:Percussions
- 桑田佳祐:Backing Vocals
- 星のハーモニー
- 原由子:Lead Vocals
- 小林武史:Keyboards
- 藤井丈司:Computer Operation
- 桑田佳祐:Backing Vocals
- じんじん
- 使い古された諺を信じて
- 原由子:Lead Vocals
- 小林武史:Keyboards
- 角谷仁宣:Computer Operation
- 佐橋佳幸:Guitars
- 小倉博和:Guitars
- 小田原豊:Drums
- 中島オバヲ:Percussions
- 桑田佳祐:Backing Vocals
- 前田康美:Backing Vocals
- Good Luck, Lovers! (グッド ラック ラバーズ)
- 原由子:Lead Vocals
- 小林武史:Keyboards
- 角谷仁宣:Computer Operation
- 小倉博和:Guitars
- 青山純:Drums
- 桑田佳祐:Backing Vocals
- かいじゅうのうた
- 原由子:Lead Vocals
- 門倉聡:Keyboards
- 菅原弘明:Computer Operation
- ブラボー小松:Guitars
- 塚田嗣人:Guitars
- Bobby Watson:Bass
- 松田弘:Drums
- 朝本千加:Sax
- 沢村充:Sax
- 矢口博康:Sax
- UFO (僕らの銀河系)
- 原由子:Lead Vocals
- 小林武史:Keyboards
- 角谷仁宣:Computer Operation
- 佐橋佳幸:Guitars
- 桑田佳祐:Backing Vocals
- Jadranka:Voice
- Jadranka by the coutesy of TOSHIBA EMI Ltd.
- 花咲く旅路
- 原由子:Lead Vocals
- 小林武史:Keyboards
- 角谷仁宣:Computer Operation
- 佐橋佳幸:Guitars, Mandolin
- 桑田佳祐:Backing Vocals
[編集] Disc 2
- お涙ちょうだい
- 原由子:Lead Vocals
- 小林武史:Keyboards
- 角谷仁宣:Computer Operation
- 佐橋佳幸:Guitars
- 包国充:Sax
- 桑田佳祐:Backing Vocals
- イロイロのパー
- あじさいのうた
- 原由子:Lead Vocals, Keyboards
- 藤井丈司:Computer Operation
- 原田末秋:Guitars
- 琢磨仁:Bass
- 松田弘:Drums, Backing Vocals
- 夜空を見上げれば
- Anneの街
- 原由子:Lead Vocals
- 小林武史:Keyboards, Backing Vocals
- 藤井丈司:Computer Operation
- 佐橋佳幸:Guitars
- 八木のぶお:Harmonica
- 桑田佳祐:Backing Vocals
- 終幕 (フィナーレ)
- 原由子:Lead Vocals
- 小林武史:Keyboards
- 角谷仁宣:Computer Operation
- 佐橋佳幸:Guitars
- 有賀啓雄:Bass
- 小田原豊:Drums
- 中西俊博グループ:Strings
- 数原晋:Flugel Horn
- 篠原猛:Flute
- 春待ちロマン
- 原由子:Lead Vocals
- 門倉聡:Keyboards
- 土岐幸男;Computer Operation
- 矢口博康:Guitars, Sax
- 中原信雄:Bass
- ためいきのベルが鳴るとき
- 原由子:Lead Vocals
- 小林武史:Keyboards
- 藤井丈司:Computer Operation
- 小倉博和:Guitars
- 松田弘:Drums
- 桑田佳祐:Backing Vocals
- キューピーはきっと来る
- 原由子:Lead Vocals
- 小林武史:Acoustic Piano
- 小倉博和:Bouzouki
- 樋沢達彦:Bass
- 松田弘:Drums
- 包国充:Sax
- 小林正弘:Trumpet
- 池谷明広:Trombone
- 想い出のリボン
前作 | 原由子のオリジナルアルバム | 次作 |
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