ROCK AND ROLL HERO
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ROCK AND ROLL HERO | ||
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桑田佳祐 の アルバム | ||
リリース | 2002年9月26日 2002年10月10日 (LP盤) |
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録音 | 2001年~2002年7月 VICTOR AOYAMA STUDIO 401st & 301st |
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ジャンル | ロック | |
時間 | 54分47秒 | |
レーベル | ビクタータイシタ | |
プロデュース | 桑田佳祐 THE BALDING COMPANY |
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レビュー | ||
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チャート順位 | ||
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ゴールド等認定 | ||
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売上枚数 | ||
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桑田佳祐 年表 | ||
孤独の太陽 (1994年) |
ROCK AND ROLL HERO (2002年) |
TOP OF THE POPS (2002年) |
『ROCK AND ROLL HERO』(ロック・アンド・ロール・ヒーロー)は、桑田佳祐の3枚目のソロオリジナルアルバムであり、本作の2曲目(アナログ版では3曲目)に収録されている楽曲名である。発売元はビクターTAISHITAレーベル。
目次 |
[編集] 解説
サザンオールスターズを一時休止したのちに発表された3作目のソロアルバム。前年にシングル発売していた「波乗りジョニー」や「白い恋人達」といったヒットシングルは収録せず、「東京」のようなコア受けを狙った作品がメイン。今作は「バンドによる生音」をコンセプトに作られており、第1期ソロ活動のようなデジタル色のサウンド、第2期のアコースティックメインなサウンドは今作では影を潜め、全体でロック色の強いアルバムになっている。
ちなみに2001年のシングル曲は『TOP OF THE POPS』に収録されており、逆に「東京」および同シングルc/w「夏の日の少年」は未収録である。直後に発売されるベストアルバム『TOP OF THE POPS』とは本人曰く「連作」である。そのために『TOP OF THE POPS』のジャケットには『ex ROCK AND ROLL HERO』と書かれた看板が映っているともに、本作から『TOP OF THE POPS』に収録された曲は無い。
また、収録楽曲の「BLUE MONDAY」はLOVE PSYCHEDELICOとのコラボレーションも実現させている。同年はソロでROCK IN JAPAN FESTIVALにも出演した。サザンとしても後2005年に出演している。
タイトルの読み方は表記上『ロック アンド ロール ヒーロー』であるが、一般的には『Rock'n Roll』=『ロックンロール』という読み方が強く認識されることもあり、TVやラジオ番組でもそのように読まれることがあるが、それも間違いではない。
初回出荷分はスリーブケースが付いており、ジャケットは「白地に黒文字」と「黒地に白文字」の2タイプが発売されている。歌詞カードにある桑田の写真もそれぞれ違う。収録内容は同一。アナログ盤も追って10月10日に発売。本作ではサザンや桑田関連のアナログ盤しては珍しく、収録曲順が異なっている。ケースの裏にはジョン・レノンのアルバム『ジョンの魂』の裏ジャケットを彷彿とさせる桑田の幼少時の写真、CD表面には“ROCK AND ROLL HERO?”と投げかけるように疑問符がつけて印刷されているなど、桑田なりの遊び心も含まれている。
[編集] 収録曲
[編集] CD盤 収録曲
- HOLD ON (It's Alright)
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:岩本えり子 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY)
アルバムリリース後の全国ツアー『けいすけさん、色々と大変ねぇ。』で1曲目として歌われた。アルバム中でも最初に作られた曲であり、レコーディングの開始時からライブの1曲目で歌うことを見据えて製作された曲で、「僕のステージを見て頂戴」「僕のブルースを聞いて頂戴」という歌詞に要約されている。 - ROCK AND ROLL HERO
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY 管編曲:山本拓夫)
タイトル曲。前年から続く「コカ・コーラ」キャンペーンソング。歌詞は主に日米関係についての風刺となっているが、前作『孤独の太陽』ほど過激な風刺ではない。冒頭の歌詞である「米国 (アメリカ)は僕のHero」とは憧れではなくむしろ皮肉の意味である。歌詞にもコカ・コーラが登場するが、ここでは清涼飲料水ではなくドラッグの隠語として使われている。その楽曲のテーマ性から、テレビ朝日系『SmaSTATION』の対外政策特集時にはほぼ確実にこの楽曲が使用されている。その際ナレーションは桑田ともゆかりの深い小林克也が務めており、そのことも関係している。本作収録の新曲としては唯一PVが存在している。内容はレコーディング風景や同年初出演したROCK IN JAPAN FES.02でのライブ映像に音源を組み合わせたダイジェスト的なもの。このPVは『桑田佳祐 ビデオクリップス 2001~2002 D.V.D. WONDER WEAR』に収録された。 - 或る日路上で
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY)
曲名の通り、或る日路上で起こった桑田が体験した交通トラブルが歌詞になっている。これは小川菜摘との出来事が元になった推測される。 - 影法師
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY 弦編曲:島健)
こちらもコカ・コーラキャンペーンソングになった。この曲で桑田佳祐でのタイアップは終了した。曲調から歌い方までジョン・レノンを強く意識しており、「ジョンが歌ったらこんな感じになるかな」という思考で製作された。ちなみに、間奏部分で桑田が咳込んでいる。 - BLUE MONDAY
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY)
同曲で青山学院大学の後輩であるLOVE PSYCHEDELICOがコーラスとして参加している。ニューオーダーの『Blue Monday』との関連はないが、桑田の好む音楽の傾向から、タイトル元になった可能性は高い。歌詞はそのまま「憂鬱な月曜日」を表している。 - 地下室のメロディ
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY)
同年の年越しライブでは、この曲が年越しソングとなった。 - 東京
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY)
8thソロシングル。PVには中尾彬と小島聖が出演。ストーリータッチの作品となっている。 - JAIL ~奇妙な果実~
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY)
レコーディングに煮詰まった桑田がスタッフにSMクラブに連れて行かれたときの情景が歌詞になっており、副題の奇妙な果実は、ビリー・ホリデイの楽曲から引用されているが、本作での“果実”とは、SMクラブで裸で吊るし上げにされた男性スタッフの陰部を指しており、ビリー・ホリデイのそれとはテーマがあまりにもかけ離れている。この曲も含めた本作を前作『孤独の太陽』と比較すると、社会風刺をテーマにした曲は過激さが鳴りを潜めているのに対し、エロスをテーマにした曲はさらに過激さを増す傾向にある。 - 東京ジプシー・ローズ
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY)
「東京」とはうってかわっての語感を重視したアップテンポなロックナンバー。ちなみにタイトルの「ジプシー・ローズ」とはストリッパーを指しており、東京ローズとの関連性は薄いと考えられる。 - どん底のブルース
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:桑田佳祐 & 小倉博和)
ひたすらどん底の境遇に陥ったことを歌っている。同年の年越しライブで演奏された際、3番の歌詞が北朝鮮の拉致問題についての歌詞に変えて歌われた。 - 夏の日の少年
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY)
「東京」c/w。シングルバージョンと基本的に同じだが、一部ボーカルが別テイク。Town & Country CMソングであった。 - 質量とエネルギーの等価性
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY)
アルバムの流れである一昔前のロックではなく21世紀型のロック的な曲。詞の内容は相対性理論だが、小難しい言葉をただ単に並べているだけであまり深い意味は無い。歌詞中にはケミカル・ブラザーズやザ・ビートルズ、そして桑田佳祐の名が登場する。 - ありがとう
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:桑田佳祐 & 原由子 弦編曲:島健)
冒頭の歌詞である「松の花咲く 砂の道」は桑田佳祐の母校、茅ヶ崎小学校の校歌から引用したものである。
[編集] アナログ盤 収録曲
[編集] Disc 1
- HOLD ON (It's Alright)
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:岩本えり子 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY) - BLUE MONDAY
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY) - ROCK AND ROLL HERO
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY 管編曲:山本拓夫) - 地下室のメロディ
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY) - 或る日路上で
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY) - 東京
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY) - 影法師
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY 弦編曲:島健)
[編集] Disc 2
- JAIL ~奇妙な果実~
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY) - 夏の日の少年
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY) - 東京ジプシー・ローズ
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY) - 質量とエネルギーの等価性
(作詞・作曲:桑田佳祐 英語補作詞:Tommy Snyder 編曲:桑田佳祐 & THE BALDING COMPANY) - どん底のブルース
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:桑田佳祐 & 小倉博和) - ありがとう
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:桑田佳祐 & 原由子 弦編曲:島健)
[編集] 参加ミュージシャン
※アナログ盤に関しては曲順が異なるのみであるため、統一し省略する。
- HOLD ON (It's Alright)
- 斎藤誠:Electric Guitar
- 角田俊介:Bass
- 小田原豊:Drums
- 片山敦夫:Piano
- 桑田佳祐:Vocal, Acoustic Guitar, Harmonica & Chorus
- 角谷仁宣:Computer Operation
- ROCK AND ROLL HERO
- 或る日路上で
- 斎藤誠:Electric Guitar
- 角田俊介:Bass
- 小田原豊:Drums
- 片山敦夫:Wurlitzer
- 桑田佳祐:Vocal, Acoustic Guitar & Chorus
- 角谷仁宣:Mono Synthesizer, Computer Operation
- 影法師
- 斎藤誠:Electric Guitar
- 角田俊介:Bass
- 小田原豊:Drums
- 片山敦夫:Piano
- 金原千恵子ストリングス:Strings
- 桑田佳祐:Vocal, Electric Guitar Solo & Chorus
- 角谷仁宣:Computer Operation
- BLUE MONDEY
- 斎藤誠:Electric Guitar
- 角田俊介:Bass
- 河村智康:Drums
- 片山敦夫:Vox Organ
- 成田昭彦:Percussion
- KUMI:Chorus, Shout
- 佐藤直樹:Shout
- SHANTI:Shout
- 加藤茂:Shout
- 藤原正剛:Shout
- 山門雅代:Shout
- 米谷秀人:Shout
- 桑田佳祐:Vocal, Electric Guitars & Chorus
- 角谷仁宣:Computer Operation
- KUMI & 佐藤直樹 from LOVE PSYCHEDELICO
- 地下室のメロディ
- 斎藤誠:Electric Guitar
- 角田俊介:Bass
- 河村智康:Drums
- 片山敦夫:Vox Organ
- 小田原豊:Tambourine
- 桑田佳祐:Vocal, Acoustic Guitar & Chorus
- 角谷仁宣:Mono Synthesizer, Computer Operation
- 東京
- 斎藤誠:Electric Guitar
- 角田俊介:Bass
- 河村智康:Drums
- 片山敦夫:Piano
- 桑田佳祐:Vocal, Electric Guitar (Including Solo) & Chorus
- 角谷仁宣:Computer Operation
- JAIL ~奇妙な果実~
- 斎藤誠:Electric Guitar
- 角田俊介:Bass
- 小田原豊:Drums
- 片山敦夫:Hammond Organ
- 桑田佳祐:Vocal, Electric Guitar, Keyboards & Chorus
- 角谷仁宣:Computer Operation
- 東京ジプシー・ローズ
- 斎藤誠:Electric Guitar, Chorus
- 角田俊介:Bass
- 小田原豊:Drums
- 片山敦夫:Wurlitzer
- 山本拓夫:Flute
- 桑田佳祐:Vocal, Chorus
- 角谷仁宣:Computer Operation
- どん底のブルース
- 小倉博和:Acoustic Guitar
- 佐橋佳幸:Flat Mandolin
- 林憲一:12st Acoustic Guitar
- 桑田佳祐:Vocal, Harmonica, Keyboards & Chorus
- 角谷仁宣:Computer Operation
- 小倉博和 & 佐橋佳幸 from 山弦
山弦 appears courtesy of universal polydor, a universal music company
- 小倉博和 & 佐橋佳幸 from 山弦
- 夏の日の少年
- 斎藤誠:12st Electric Guitar
- 角田俊介:Bass
- 河村智康:Drums
- 片山敦夫:Hammond Organ
- 桑田佳祐:Vocal, Acoustic Guitar, Harmonica & Chorus
- 角谷仁宣:Computer Operation
- 質量とエネルギーの等価性
- 斎藤誠:Electric Guitar
- 角田俊介:Bass
- 河村智康:Drums
- 片山敦夫:Vox Organ
- 桑田佳祐:Vocal, Electric Guitar & Chorus
- 角谷仁宣:Noise, Computer Operation
- ありがとう
- 原由子:Piano
- 金原千恵子ストリングス:Strings
- 桑田佳祐:Vocal, Chorus
- 角谷仁宣:Computer Operation
前作 | 桑田佳祐のオリジナルアルバム | 次作 |
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孤独の太陽 | - |
コカ・コーラ コマーシャルソング | ||
前曲: 桑田佳祐 『可愛いミーナ』 |
桑田佳祐 『ROCK AND ROLL HERO』 『影法師』 |
次曲: KinKi Kids 『永遠のBLOODS』 |