波乗りジョニー
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波乗りジョニー | ||
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桑田佳祐 の シングル | ||
リリース | 2001年7月4日 | |
録音 | 2000年2月~2001年5月 猫に小判Studio Victor 401 Studio (#1~3) 2000年10月31日 大阪城ホール (#4) |
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ジャンル | ロック | |
時間 | 15分40秒 | |
レーベル | ビクタータイシタ | |
プロデュース | 桑田佳祐 | |
レビュー | ||
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チャート順位 | ||
ゴールド等認定 | ||
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売上枚数 | ||
桑田佳祐 年表 | ||
祭りのあと (1994年) |
波乗りジョニー (2001年) |
白い恋人達 (2001年) |
『波乗りジョニー』(なみのりジョニー)は、桑田佳祐の7枚目のシングル。2001年7月4日発売。発売元はビクターTAISHITAレーベル。
目次 |
[編集] 解説
ソロワークとしては実に7年ぶりとなるシングル。桑田佳祐&Mr.Children名義として1995年に「奇跡の地球」を発表しているが、桑田のソロ活動としては「祭りのあと」以来になる。前年の「TSUNAMI」の大ヒットや大盛況に終わった地元茅ヶ崎での大規模スタジアムライブ『茅ヶ崎ライブ ~あなただけの茅ヶ崎~』を成功させ、バラードベスト第3弾『バラッド3 ~the album of LOVE~』の発売を持ってサザンオールスターズとしての活動を休止。桑田はソロとして約7年ぶりに本格始動することとなった。実質ギターの大森隆志の活動休止に合わせたものとされ、本作発売の約1ヵ月後には正式に脱退することも発表された。
同年春辺りから既にサビの部分のみがコカ・コーラCMソングとして発表され、6月ごろに桑田ソロでのクレジットも公表された。タイトルだけは「サザン結成前から出来ていた」と桑田は語っており、ふと思い浮かんだ『波乗りジョニー』というフレーズをずっと暖め続けていたとのこと。コカ・コーラのタイアップは翌2002年まで続けられ、シングル3作及びアルバム収録曲2曲がCMソングに起用されている。ちなみに第3作はc/wである。
本作はタイアップの効果やサザン、桑田が持つ夏のイメージに見事にマッチし大ヒットとなり、ソロシングルとしては初のミリオンセラーも達成した。しかしこのヒットによりサザンと桑田ソロの境界線が曖昧なものとなった。このことは桑田自身も強く感じており、雑誌などのインタビューでも多く語っている。もともとサザン名義での発表を考えており、大森の活動休止に伴いソロとして製作に入った形である。
本作のアナログ盤には特製の水着が付属のユニークなものになっており、タイシタレーベル発足後以降に発売されたサザン及びソロ作品全てに印刷されている“タイくんマーク”も、本作用にアレンジされたものになっている。ジャケットのイラストはタイアップのついたコカ・コーラを桑田が飲む姿が描かれており、クレジットにも“このイラストは日本コカ・コーラ社の許諾を得ています”と記載されている。ちなみに初回盤は紙スリーブケースつきであり、CDケース部分の歌詞カードの表ジャケットがこのイラストとなる。通常盤はスリーブケースがなく、歌詞カードの表ジャケット部分が初回盤の紙ケースのジャケットとなるため、通常盤ではこのイラストを見ることが出来ない。歌詞カードの掲載位置などにも違いがある。これはこの後通常盤と初回盤のジャケットなどが違う場合の作品、ほぼすべてに言えることである。同じポーズの実写で撮影されたものが、コカ・コーラの宣伝ポスターとして採用されている。双方の収録内容などに違いはない。
初のマキシシングルと言うこともあり、収録曲数、時間ともに過去最大となっている。また、ソロシングルでライブテイクのものが収録されたのも初である。なお、この後ほぼ全ての作品にクレジットされている『VERY SPECIAL THANKS TO サザンオールスターズ応援団のみなさん(みんな)』の文字が、本作にはない。
本作のスポットCMにおいて、EE JUMPの「おっととっと夏だぜ!!」との度肝を抜くコラボレーションが展開された。街頭で「夏に聞きたい曲と言えば?」とインタビューされ、ほとんどが「波乗りジョニー」と答えるが、最後に出てくる桑田のみが「おっととっと夏だぜ!!」と答えるといったいわばダブル宣伝のようなものである。EE JUMPの次のシングルである「イキナリズム!」の歌詞中に「桑田さんどもありがと~」という一節が入っている。ちなみにこの「おっととっと夏だぜ!!」歌詞中にも「やっぱ海にはサザンが似合う」という歌詞があり、PVには偽桑田佳祐とされる人物も登場している。この人物もまた、桑田を意識した巻き舌で歌っているのがCDで確認できる。
コカ・コーラCMソングでは、この曲が背景に流れ、同じ小学校か中学校の同窓会として再会した思われる若者たちが、学校のプールに洋服のまま飛び込むという映像が流れた。このさわやかな青春を意識した映像が非常に好評であり、当時、各地で「波乗りジョニーする?」と言って、母校のプールに洋服のまま飛び込む若者が続出したという話もある。
[編集] 記録
- J-WAVEのTOKIO HOT 100では2001年7月8日付で新記録となる初登場3位を達成、翌週には1位を記録した。
[編集] 収録曲
- 波乗りジョニー
(作詞・作曲・編曲:桑田佳祐 管編曲:山本拓夫 弦編曲:島健)
桑田本人もかなりポップ志向の楽曲を目指して製作したと語っている。
PVには桑田が扮する架空の人物「古賀紅太」がサーフィンをするシーンがあり、数秒だけサザンのメンバー野沢秀行が登場する。この後この古賀紅太なる異名を用いてでライブツアーを開催している。テレビなどでフルバージョンがオンエアーされることは少ないが、フルバージョンでは冒頭部分で「波乗りジョニー」宣伝のために会議というシーンが収録されている。ここでのチーフ役が古賀紅太である。普段見ることの出来ない、桑田佳祐の演技シーンをここで窺うことが出来る。なお、サーフィンのシーンはもちろん桑田本人が波に乗っているわけではなく、別人の下半身と桑田の上半身の映像を合わせている。PV製作後桑田本人が「映像が少し不自然じゃないか」とスタッフに言うも、「いやいやいやいや」とたしなめられたという話がある。
途中から登場するプール(今は閉鎖されたワイルドブルーヨコハマ)での歌唱シーンは、実際にサザンのファンクラブ会員が抽選でエキストラとして参加している。このPVはフルバージョンとして2002年のDVD『桑田佳祐ビデオクリップス2001~2002 D.V.D. WONDER WEAR』に収録された。
本作と、後にリリースされる「白い恋人達」・「可愛いミーナ」の3曲は、コカ・コーラのCMで連続して起用された為、ファンの間でコーラ3部作と呼ばれている。
この3曲はどれも翌年のオリジナルアルバム『ROCK AND ROLL HERO』には収録されず、直後のベストアルバム『TOP OF THE POPS』に初収録となった。同作収録時には一部にアレンジやリテイクをかけようかという考えもあったが、結局リマスタリングのみが施され収録された。
この楽曲のサビは2パートのボーカルパートを重ねた所謂桑田の1人多重コーラスが用いられているが、どちらがメインのパートなのか公式サイトのBBSなどでも論争となった。桑田が自身のラジオ番組『桑田佳祐のキヤノンFMワンダーランド~やさしい夜遊び~』内で、「下に決まってるだろ」と発言したことから論争には終止符が打たれた。しかし、CMで流れたサビ部分では高音部分のコーラスがかなり目立った音量で流されていたために、今現在もサザンファン以外には高音キーが正しいと思っている者が多い。実際、カラオケでもそのキーで歌われることが多い。最も、桑田がテレビやライブで披露する際に、高音キーでは歌いづらいからそう発言したのではないかと言われるほどである。
なお、3月に桑田自身が出演し初披露となったCMの段階ではタイトルが決まっておらず、また、バックアレンジもストリングス・パーカッションアレンジが加わる前のテイクでCD版とは異なっていた。こちらのバージョンは現在でも商品化には至っていない。 - 黄昏のサマー・ホリデイ
(作詞・作曲・編曲:桑田佳祐 英語補作詞:岩本えり子 弦編曲:島健)
タイトルが似ているが、サザン本体のアルバム『KAMAKURA』収録曲「星空のビリー・ホリデイ」と関連性はない。イントロには蝉や風鈴といった夏を感じさせる音が入っており、爽快な海や波をイメージしたA面とは逆に、真夏の淡い恋や蒸し暑い午後を描いた曲である。本作で初めてクレジットされることとなる英語補作詞の岩本えり子とは桑田の実姉である。この後サザン本体での楽曲もいくつか補作詞を担当している。ただ、英語の部分で作詞をまるまる担当してもらうといった感じではなく、今でも歌詞製作に行き詰った際に桑田が電話で直接相談しアイデアなどを得たりすることも多いとのこと。A面同様にオリジナルアルバムには未収録で、ベストアルバム『TOP OF THE POPS』でアルバム初収録となった。 - MUSIC TIGER
(作詞・作曲・編曲:桑田佳祐)
前年からフジテレビ系で放送されている音楽番組『桑田佳祐の音楽寅さん~MUSIC TIGER~』オープニングソングの完全版。同番組で共演しているユースケ・サンタマリアが合いの手で参加。曲のタイトルも番組のサブタイトルをそのまま使っている。もともと当初からCD化の予定はなかったが、さまざまな雑誌媒体をはじめとし、ファンのみならずCD化の要望の高い曲であった。この曲の作成、レコーディングの模様は同番組で2週にわたって放送された(第3・4回放送)。曲の冒頭には桑田とユースケの会話も収録されており、打ち合わせからそのままレコーディングに入ったように模している。歌詞に登場する工藤ちゃんとは番組プロデューサーの工藤浩之、また、おちまさとの名前もそのまま登場。歌詞カードには載っていないが、ユースケの発している「さゆりさん」とは、番組の企画段階で構想に出てきた吉永小百合の事を指している。Uちゃん、Kちゃんは2人の名前である。ちなみにそれぞれの本名は『裕介』と『佳祐』であり、歌詞内では当て字である。ユースケは次作「白い恋人達」のPVにも参加している。この曲の収録時間は僅か2分27秒であり、セリフ部分を除けば2分足らずという短いものである。現時点で桑田ソロの楽曲として最も短いものである。曲でないものを含めると「東京」に収録されている「EBOSHI RADIO STATION “Hits from Coast to Coast”(DJ:SHANTI)」が最短となる。この曲ではすべての楽器を桑田自身が演奏し、ユースケの合いの手とコンピュータプログラミングのみが使われている。現時点でもシングル盤にのみ収録。 - PRIDEの唄 ~茅ヶ崎はありがとう~ (LIVE in 大阪城ホール)
(作詞・作曲・編曲:桑田佳祐)
前年10月31日に大阪城ホールで開催されたPRIDEの小川直也VS佐竹雅昭の試合前に、飛び入りで桑田が参加し、その際に歌われた音源を収録している。歌の作成や飛び入り参加の模様は実際に『音楽寅さん』で2週にわたって放送された(第5・6回放送)。楽曲はオリジナルに作られたものであり、歌詞には小川、佐竹の名前が登場する。通常、メロディを先に曲作りをする桑田だが、今回は詞から先に作られた。アコースティック・ギター一本で歌われた弾き語りのものになっている。ちなみに「茅ヶ崎はありがとう」とは、前年の茅ヶ崎ライブで小川が前座の聖火点灯を行ったことに対する御礼である。また、演奏前に桑田が「猪木さんどうですか~!!」と言っているのは、実際にこの会場にアントニオ猪木がいたためである。収録に至った経緯は「白い恋人達」に収録された「アミダばばあの唄」同様、同じ生唄スペシャルでファンからリクエストが殺到したことによるものである。そのため、「MUSIC TIGER」同様当初作品化の予定はなかった。
[編集] 参加ミュージシャン
- 波乗りジョニー
- 桑田佳祐:Vocal, Electric Guitar, Bass, Keyboards, Chorus
- 原由子:Piano
- 三沢またろう:Percussions
- 菅坡雅彦:Trumpet
- 横山均:Trombone
- 包国充:Tenor Sax
- 山本拓夫:Tenor Sax
- 金原千恵子ストリングス:Strings
- 加藤茂:Drums Programming
- 角谷仁宣:Computer Programming
- 黄昏のサマー・ホリデイ
- 桑田佳祐:Vocal, Bass, Keyboards, Chorus, Clap
- 佐橋佳幸:Electric Guitar
- 原由子:Electric Piano, Chorus
- 三沢またろう:Percussions, Clap
- 金原千恵子ストリングス:Strings
- 斎藤誠:Chorus
- 山門雅代:Chorus
- 加藤茂:Drums Programming Assistant & Chorus
- 角谷仁宣:Computer Programming
- MUSIC TIGER
- 桑田佳祐:Vocal Electric Guitars, Bass, Drums, Percussions
- ユースケ・サンタマリア:合いの手 & お囃子
- 角谷仁宣:Computer Programming
- PRIDEの唄 ~茅ヶ崎はありがとう~ (LIVE in 大阪城ホール)
- 桑田佳祐:Vocal, Acoustic Guitar
オリコン週間シングルチャート第1位 2001年7月16日付 |
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前作: ポルノグラフィティ 『アゲハ蝶』 |
桑田佳祐 『波乗りジョニー』 |
次作: 浜崎あゆみ 『UNITE!』 |
オリコン週間シングルチャート第1位 2001年7月31日付 (通算2週) |
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前作: 浜崎あゆみ 『UNITE!』 |
桑田佳祐 『波乗りジョニー』 |
次作: モーニング娘。 『ザ☆ピ~ス!』 |
コカ・コーラ コマーシャルソング | ||
前曲: globe 『still growin' up』 |
桑田佳祐 『波乗りジョニー』 |
次曲: 桑田佳祐 『白い恋人達』 |